All Chapters of 女装メイドと婚約破棄された悪役令嬢は、幸せな結末を目指します: Chapter 111 - Chapter 120

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第111話

「私ハ、両親が辺境伯として跡を継ぐことが決定するまデ、ずっとライハラ連合国の親戚に預けられていましタ」それから、ロミーナはぽつりぽつりとライハラ連合国での思い出を話してくれた。暖かい地域であるライハラ連合国で、日焼けしながら外で遊んだこと。木に登って、原産地の果物を食べて、釣りをして、毎日楽しかったこと。ライハラ連合国では貴族と平民の垣根が低く、当たり前のように子供達は貴族と平民が混じって遊んでいた。そこでできた友人、兄や姉代わりの少し年上の人々。人情味のある温かな生活。「本当ハ、今でも大好きなんでス。でモ、両親が辺境伯を継いデ、後継者争いが落ち着いたからト、この国に連れ戻されテ……」アマトリアン辺境伯夫妻を思い出す。体面のみを大事にする、底意地の悪そうな彼らならば、ロミーナの意思などお構いなしに連れ戻したことは想像できる。「ライハラの物を見るたビ、懐かしくテ……良くないですネ。私はリヒハイム王国の民なの二」そう言うと、また少ししゅんと落ち込んでしまう。私は彼女を励まそうと、その手を取った。「大丈夫ですよ。この国の民でも、ロミーナ嬢にとってはライハラ連合国が故郷。懐かしくなって当然です」私が笑顔を見せると、彼女は安心したように微笑み返してくれた。それにしても、婚約者であるステファンは何をしているのだろう。こういう時に慰めてあげるのが婚約者という物だと思っていたのだが。「ロミーナ嬢。こういうお話、婚約者のステファン様には……」「申し訳ありません! 二学年の方で揉め事が起きまして」私が言いかけたところで、ドアをノックしてすぐに職員が駆け込んでくる。その言葉で、ロミーナはすぐに立ち上がった。「現場ハ?」「今は警備が間に入って沈静化していますが、念のため報告と現場の確認を」私の方は見ずに、あっという間に職員と部屋を出てしまう
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第112話

イザベラ・ナンニー二。ナンニー二侯爵令嬢で、侯爵家が営む商品の宣伝、販売を主に動いている活発な人物だ。国の経済を回すことに貢献しており、王族派のナンニー二家の女性らしい働きをしてくれる。成績は学年二位と優秀で、仕事を任せても一定以上の成果を収めてくる。彼女の僕に対する好意を、ずっと前から認識はしていた。それでも、自分には婚約者がいるし、それは彼女の友人だ。決して一線を超えないであろう態度をとり続けているため、無理に彼女から距離を置こうとは別段思っていなかった。 だって、彼女は使えるから。 仕事ができる人間で、分をわきまえてこれ以上むやみに踏み込みはしない。婚約者であるリリアンナ嬢の友人として、常に一歩引き、僕の関心を奪おうと画策することは無い。それでいて、リリアンナ嬢の苦手分野を完璧に補佐してくれる。そういう所を、僕は気に入っていた。「初めての学園祭はどうかな? 少しは楽しめているといいんだけど」「ええ。楽しませて頂いていますわ。殿下が手配したブラスバンドも好評ですし、私が手配した業者も広場で商店を開けて喜んでおります。これで、来年の社交界の流行も変わりますわね」紅茶を飲みながら、よどみなく返事をする。落ち着いた雰囲気、貴族らしい仕草と態度。第一王子という僕と相対するには、手本のような言動だった。「個人的なことを申しますと、クラスごとに同じ額の資金を用意し、運営を任せているのが面白かったですわ。各クラスの個性が見れて……こういうものですと、案外低位クラスの方が奇抜なアイデアを持ってきていて、楽しめましたわ」何かを思い出しているのか、彼女は楽しそうに微笑んだ。彼女がそう評するならば、今年の学園祭は良い出来なのだろう。「イザベラ嬢がそこまで言うとはね。どこが楽しかったんだい?」僕の言葉に、彼女は少し身体を乗り出した。「一学年目の低位クラスが
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第113話

「それ……殿下は、楽しいですか?」「え?」急に言われた言葉に、僕は戸惑ってしまう。僕自身が楽しいかどうかなんて、今まで聞かれたことは無い。大事なのは、周囲が楽しんでいるかどうかだ。僕という画家が絵を描くように。僕の指針で、僕以外の絵の中の皆が楽しそうにしている。それだけで十分だし、それでいいのだ。だって、僕の仕事はそれなんだから。そこに、僕の感情はいらない。「殿下が開会式でおっしゃっていたではありませんか。みんなで学園祭を楽しもう、と」言われてみると、そんなことを言ったようなような気がする。分かりやすく活気づけるための言葉だったが、どうやら彼女はそれが気に入らないらしい。来年は何か考えなおしてみる必要があるのかな。「それなりに楽しんではいると思うよ」「そんな風には見えません」イザベラは背筋を伸ばし、僕を見つめた。「”みんな”の中には、殿下もいるんです。殿下自身も楽しまないと」彼女のこういう偽善的なところが嫌いだ。こうして首を突っ込んで、話を大きくして。結果、周囲から嫌われるのだから見ていて馬鹿馬鹿しくなる。今はリリアンナ嬢や僕らと密に接していることが分かって、明らかな敵意を向ける人はいない。逆に言えば、そうでなければ彼女は今も顰蹙を買っていただろう。それでも、折れない。曲げない。自分の意志を貫いて、こうした発言ばかりする。良いことを言ったつもりか?それで、僕への好感度を稼ごうとしている?少しだけ不愉快になるが、決して表情には出さない。苛立ちを押さえて、僕は一呼吸置いてから口を開いた。「運営側なんだから、それどころではないよ。皆が楽しんでいるのを見れば、十分――」 「私、殿下のそう言う所が嫌いですわ
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第114話

一通り書き終えた書類を机に置くと、イザベラ嬢はうんと伸びをした。現在、僕らは会議室まで戻ってきている。大きな長机が並ぶ部屋には、先程のトラブル処理の書類と僕らの紅茶だけが置かれていた。外からは学園祭の賑やかな喧騒が絶えず漏れ聞こえてきており、静かな室内に音が反響している。「お疲れ様。仕事が早くて助かったよ」「ありがとうございます。殿下もお疲れ様でした」いつも通り微笑みながら声を掛けると、イザベラ嬢もこちらを向いて微笑み返す。その行動に、僕はつい手が止まってしまった。何をいまさら戸惑っているんだか。ちょっと、今までイザベラ嬢に笑いかけてもらっていないと気付いたことが、こんなにも尾を引いているなんて思っていなくて……本当に少し驚いただけだ。「先程は失礼な発言、申し訳ありませんでした。言葉を続ける前に、仕事が入ってしまって……正式に謝罪できず」「いや、いいんだよ。僕だって気にしてないから」しおらしく俯きながら話をする。いつものイザベラ嬢だ。そのことに何故か僕は安堵していた。「それなら良かったです。ただ、進言はさせて下さい」彼女はふと顔を上げると、真剣な眼差しで僕を見つめ返した。「殿下が真面目で努力家なことも、この国を愛し発展のために尽力しているのは、見ていれば分かります。ですが、何事も楽しくなければ続けられないと思うのです」楽しいなんて、なんて子供っぽいことを言うのだろうか。楽しさなんていらない。ただ決められた通りに、王子としてこの国により良い選択をしていく。僕がすべきことはそれだけだ。「殿下自身だって、国民の1人なのに。貴方自身が貴方を大切にできなくて、本当にこの先やって行けるのですか? 本当に、頑張り続けることが出来ますか? この国を、愛し続けられますか?」彼女の言葉は、優しく慈愛に満ちていた。眉を寄せる表情も、本心から僕を心配し
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第115話

(……愛らしい?) 「もし、良ければだけど」ふと自分の感情に疑問を抱きつつも、知らないふりをした。平静を装った彼女は再びこちらを向く。「イザベラ嬢が回ってみて、良いと思った場所を教えてくれないかな? もう時間はないけど、この後はそこを回ってみるよ」彼女はそう言われて目を丸くして驚いている。しかし、次の瞬間には満面の笑みを見せてくれた。「ええ! ぜひ!」その笑みだけは、自分だけのものだ。本当に、絵にして、閉じ込めて。このまま飾っていたいと、そう思った。  ***  とうとうシヴァとのデートの時間になった。急ぎ足で馬車に戻り、手早く魔法や着替えを済ませた私達は初日には行けなかった場所を回ることにした。一学年の他のクラスを回り、二学年のアレクサンドのクラスにやって来た。聞いていた通り、どうやら商人にほとんどお任せ状態らしい。クラスの生徒は、二人くらいが現場監督として担当の生徒が残っているのみになっているようだ。教室内の小さなバザー会場は、中央の現場監督の生徒がいるエリアを囲むように、様々な国の雑貨や工芸品の露店が並んでいた。賑やかだが落ち着いた雰囲気で、専門の商人が持ち込んだ本格的な商品が目を引く。アレクサンド達の息のかかった商人なだけあって、どこも本格的だ。「あ、見て! ライハラの店がある」「本当だな」「イザベラたちと来た時はゆっくり選べなかったの。少し見てもいい?」彼に確認を取ると、私達は一緒に店へ向かった。異国っぽい雰囲気の店には、鮮やかなターコイズブルーや深紅の布が天井から吊るされ、独特な香油の匂いが漂っていた。複雑な透かし彫りの施されたランプ、金糸銀糸が使われた豪華な刺繍の小物。あまりリヒハイ
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第116話

私の笑顔を見て、シヴァも表情を緩める。二人で見つめ合っていると、店主が戻ってきた。「見つめ合っテ、お熱いネ! お二人さン!」にやにやしながら言う店主の言葉に、私達は慌てて目を逸らした。店主が出してきたのは、シルバーの装飾品だった。元々はゴールドが好まれる風習だからか、差し色に金が使われている。箱に並べられた宝飾品は、細かな細工の目立つ、派手で異国情緒あふれるデザインが目立っていた。その中でも、ターコイズが一粒だけ使われたシンプルなネックレスが目につく。チェーンはシルバーだが、ターコイズを支える土台にはゴールドも使われていて、シンプルながら飽きないデザインになっている。「それがいいのか? 一番安いな。もう少し高くても、オレが……」「これがいいの」不透明な水色のターコイズは、シヴァの空色の目によく似ている。シルバーの長いチェーンは、彼の長いシルバーグレイの髪を思わせた。「だって、シヴァみたいな色してるもの」店主にはきっとよく分からない。だって、今の彼は長い黒髪だし、目元も眼鏡で隠れているから。シヴァは意図が分かったのか、少しだけ頬を染めていた。横から野暮なことは言わず、店主はトレーにそのネックレスを乗せて差し出してくれた。試着しても良いという事なんだろう。ネックレスと受け取ると、シヴァは留め金を外す。「髪、上げといてくれるか?」私の今日の髪型は、ゆるい編み込みのハーフアップだ。魔法で髪色を黒に変えてはいても、髪型は変わっていない。シヴァから腕を離し、私は長い髪を持ち上げた。前から私を抱きしめるように腕を回すと、首の後ろで留め金を止めてくれる。シヴァの体温に包まれ、その温度に心臓が跳ねた。顔が赤くなるのが恥ずかしくて、そのままシヴァの胸に頭を預けると彼はそのまま受け入れてくれる。一瞬のはずのこの時間が、永遠のように
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第117話

「……リリーが好きだ」 「……うん」何故か無償に泣きたくなった。ついこの前、小さく呟いただけで、こんなにはっきり好意を口にされたことは今まで無い。「だから、本当は……リリーを誰にも渡したくないんだ」「うん。私も同じだよ」繋いだ手に力が入る。強い力に軽い痛みが走ったが、それすらも嬉しい。私は気にせず笑顔を返した。「本当は、アレクサンド殿下にも、取られたくなくて。でも、婚約者なのは分かってる」シヴァの手に一層力が籠められる。「リリーが婚約解消のために動いてるのは分かる。だから……」彼の瞳の奥に、強い決意の光が宿るのが見えた。 「オレも一緒に頑張りたい。婚約解消して、ずっと一緒にいよう」「うん!」 大きく頷くと、顔を真っ赤にしたシヴァが抱きしめてくれる。私はそれを受け入れると彼の背に手を回した。いつもと違う恰好なのに、彼の体温も匂いも、いつもと変わらない。「本当は、結婚だってしたいんだ。リリー」どこまでも、いつまでも、私が大好きな彼のままだ。「でも、今のままのオレじゃ、ダメなのは分かってる……絶対、何か方法を見つけてやる」そんな彼から、まっすぐ好意を寄せられることがこんなに嬉しいとは思わなかった。 「もしもその時が来たら、プロポーズを受けて欲しい」 その言葉は、今の私達にとってはプロポーズと同等の意味を持つ。そんな言葉が嬉しくて、身体が小さく震えるのが分かった。「もちろん!  私、シヴァ以外のプロポーズなんて絶対了承しないんだから!」もちろん、アレクサンド様からでもね。一度体を
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第118話

三日間の学園祭が終わり、学園内はいつもの落ち着きを取り戻した。だが、学園祭での思い出に花を咲かせているのか、今までよりも少し活気がある。婚約者がいなかった人にも、学園祭を通じて恋人ができたりしたようで、ちらほらとカップルを見かけることが増えたように思う。そんな中、私達はまだあの会議室にいた。大きな長机には、最後の精算書や報告書が山積みになっていた。季節は冬に近く、日が暮れるのが早いため窓の外はもう完全に日が落ちている。「……もう、つっかれたー! ねえ兄上。これ今日中には終わらないって」最初に音を上げたのはレオナルドだった。耐えきれなかったのか、机に突っ伏し書類を散らかしてしまう。彼の言葉に、全員が筆を止めた。もう疲労が限界なのだ。気持ちが一つになった皆が、一斉にアレクサンドを見る。「そうだね。確かに昨年も、一週間くらいはかけたんだ。今日はここまでにしよう」「あの、期限が一週間と決まっているんですか? この後も各クラスから追加の予算報告が上がるでしょうし、10日くらい余裕を持ってみても良いのではないでしょうか」手を上げてヤコブが発言する。なんていいことを言ってくれるんだ!期待を込めてアレクサンドを見ると、少し悩んでいた。その視線がチラッとイザベラの方を向く。急に視線が合い、戸惑った様子を見せながらイザベラは笑みを返した。「……うん、確かに疲れているようだし、先生方に期限が延ばせないか聞いておくよ」解散の合図で各々が席を立つ。私は話したいことがあったので、慌ててヤコブの後を追った。その私の後を、会議室の前で待機していたシヴァが追ってきた。 暗くなった校舎内は、既にほとんどの生徒が帰宅してしまい、ひっそりとしていた。廊下の照明は点いているものの、人気がないために昼間の喧騒が嘘のように静まり返っている。
last updateLast Updated : 2026-03-21
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第119話

その週の休日。私は王宮で、イザベラとダンスレッスンをしていた。イザベラは男役を務め、きびきびとした動きで私をリードしている。彼女の姿勢は美しく、真剣そのものだ。今日は男性側を練習すると聞いて、イザベラの準備はばっちりだった。服装は男性用の黒いズボンをはいており、シンプルなシルクのシャツがよく似合っている。宝飾品は身に付けず、髪もポニーテールにしてまとめてあり、イザベラ本来の美しさが発揮されている姿だった。対する私は、いつも通りのドレス姿だ。今日は青空のような裾が大きく広がったブルーのドレス。特にそれ以外に目立った装飾は無いが、幾重にも布が重ねられており綺麗なドレープが生み出されている。ヒールも高く、私よりも少し背が高いイザベラと同じくらいの目線になっていた。「はい、そこまでで大丈夫です」指導係である先生が手を叩くと音楽が止む。私達は体を離して先生の方を向いた。先生はさすがダンス講師と言った優雅な動きで私達に近寄る。「ナンニー二嬢は男役も十分ですね。ですが、基本通りで少し固さがあります。臨機応変さが大事ですよ」「はい」イザベラは姿勢を正したまま深く頭を下げた。ダンスの後なので、彼女の額には汗がにじんでいる。先生は続けて私の方へ向き直った。「リリアンナ嬢は逆に自由に動きすぎですね。もう少しお相手の動きも意識して。型から外れすぎるとお相手も大変になりますから」「分かりました。ありがとうございます、先生」先生は満足そうに微笑んだ。言葉は厳しいが表情は優しいので、この先生のことは結構気に入っている。「では、今日はこれまでです。お疲れ様でした」私たちは優雅にお辞儀をし、先生を見送った。イザベラは礼の仕方まで男性のやり方をしていて、本気度が凄い。先生がレッスン室の扉をくぐり出ようとした瞬間、入れ替わるようにアレクサンドが姿を見せた。「
last updateLast Updated : 2026-03-22
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第120話

アレクサンドの手にぎゅっと力が入ったのが分かる。驚いたように目を見開いていたが、その表情はすぐに笑顔に変わった。なんならその笑顔は、いつも以上に輝いて見えるくらい完璧だ。「……別に、急ぐ必要はないんじゃないかな。私の方でも探してはみるけど、そんなに簡単に良い相手が見つかるとは思わないしね」「そうは言っても、裏でイザベラのお父様が探しているそうなんです」私の追撃に、紅茶に伸ばしていたアレクサンドの手が一瞬止まる。明らかに動揺していそうなのに、表情は完璧な笑顔を保っているのが見ていて怖い。「イザベラの意にそぐわない相手と婚約させられるより、私達でイザベラが本気で好きになれる相手を探してあげた方がいいと思って……」緊張で口内がねばつく。紅茶を飲んでもそれは治まらなかった。もう数年付き合いがあるが、はじめて気づいた。どうやらアレクサンドは動揺すればするほど、それを隠すためのポーカーフェイスが強まるらしい。輝きを増していく笑みが、私にとっては恐怖の対象でしかない。今、あの笑顔の裏で一体何を考えているのか。「だ、だから。親よりも先に……急いでイザベラの相手を……」 「リリアンナ」 静寂が走る。彼に呼び捨てにされたのは始めてかもしれない。冷や汗でカップを落としそうになるので、私は必死に手に力を込めた。笑顔のはずなのに、アレクサンドから睨まれているように感じる。彼の柔らかな青色の髪と整った顔立ちはいつも通り美しい。しかし、その顔に張り付いたような完璧すぎる笑みの奥で、黄金色の瞳が鋭く凍りつき、私の存在を射抜いているように思えた。まるで獲物を見定めた捕食者のような、静かな威圧感に、私は息をするのも忘れてしまいそうになる。「……一
last updateLast Updated : 2026-03-22
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