あのお見合い当日に分かったことを、私達はヤコブに共有した。「父からの封筒と、薬学分野の学者を目指している、か……」私とイザベラの話を聞いて、ヤコブは考え込んだ。珍しく眉間に皺が寄っている。「そういう話に、覚えは?」「ないですね。続編のヒロインで、異国風のビジュアルとしか確定情報がありませんでした。話だって、ライハラ連合国を中心に展開するはずで、リヒハイムには関係ないはずなんです」「じゃあ、本当に何故わざわざこの国に来たのかは分からないわけね」三人で膝を突き合わせて考え込む。いくら考えたって分からない。というか、情報が不足している気がする。そう思っていると、ふとイザベラが何かを思い出したように顔を上げた。「そういえば、アマトリアン辺境伯夫妻の件だけど、少し進展があったってアレクサンド殿下が話してたわ」イザベラ曰く、婚約者になるからと情報共有はしてくれていたらしい。ロミーナがかき集めた証拠の書類は分類、筆跡鑑定がされて概ね情報が纏まってきている。しかし、肝心の辺境伯夫妻に指示を出していた黒幕が分からないらしい。紙質などからライハラ連合国の人間だろうということまでは分かっている。それならロミーナの親戚にあたる人物だろうとアレクサンドは思っているとのことだ。「同じライハラ連合国ということですし、何か関係があったりは……」「あるかもしれないけど、ちょっと分からないかもしれませんね」イザベラが期待を込めた目で見つめるが、ヤコブは苦笑いをした。まあ、結局全て情報に欠けるのだ。これは、改めて何か新しい情報が出るたびに共有していかないとなぁ。 *** それからも学園は変わらない。いや、変わったとしたらドミニカの周辺だろうか。
Last Updated : 2026-04-08 Read more