一刻も早く、シヴァに会いたかった。お父様から、話を伺いたかった。悠長に晩餐の席で待ってなんかいられない。「お嬢様!?」「シヴァとお父様に会うの! バルバラは先に行ってて。晩餐の席に二人がいたら呼びに来てちょうだい」速足で移動しながらそう言った私に、ため息をつきながらバルバラは頷いた。玄関ホールにはいない。客間にもいなかった。お父様の部屋にも。途中の廊下にもいない。とすると、執務室だろうか。 お父様の執務室の前まで来ると、ドアの隙間から廊下に明かりが漏れているのが見えた。やっぱり、ここにいたようだ。ギデオンのことがあったのに、私に何も言わないで悠長に晩餐に来るはずがないと思っていた勘は正しかった。それにしても、当人である私を呼ばないで一体何を話しているのだろうか。首を傾げて、私はそっと中の様子を見る。「無茶なことを!」そう怒鳴っていたのはルネだった。彼女がこんなに怒りを表しているのもなかなかに珍しい。「それで何かあれば、誰が責任を取るのです⁉」「それはオレが自分でどうにかします」「馬鹿を言うんじゃありません! ご当主様も、なんとか言って下さい!」怒っているルネに対して、シヴァは至って冷静だ。そんな二人に挟まれて静かに佇むお父様は何か考えているようだったが、ルネに話を振られて口を開いた。「……シルヴィオに任せよう」その言葉に、ルネは目を丸くする。何を任せると言う話だろうか。まさか、ギデオンの対処?それをシヴァ一人にやらせるってこと?「もう十分大きくなった。いつかはやらねばならないことでもある。我々は、何かあった時の逃げ場を用意してあげるだけで良い」お父様は冷静そうだった。その様子に、ルネは勢いを無くしていく。
Last Updated : 2026-04-12 Read more