一通り見て回り、講堂まで戻ってきてしまった。入学式が終わってしばらく経つので、もうほとんどの人が学園の外へ出てしまっている中、出入り口に人が集まっている。よく見てみると、それは見知った人々だった。彼らの中心にアレクサンドがいるのを見て、挨拶でもしなければと私は駆け寄った。「アレクサンド様、お疲れ様でした」「リリアンナ嬢、君もお疲れ様」駆け寄ると、傍にいた人々が一斉に私へ礼をしてくる。第一王子の婚約者の前だから、こうなってしまうのか。ちょっとびっくりして一歩引くと、すぐにアレクサンドが手でみんなを制した。彼らは一斉に顔を上げる。頭を上げたのはステファンと、その婚約者のロミーナだった。ロミーナとは顔を合わせるのは始めてだ。まん丸のアプリコットのような目と視線が合うと、彼女はにっこり微笑んでくれる。ゲーム画面で見た通り、ふわふわの赤茶色の髪がよく似合う。アマトリアン辺境伯夫妻から引き継いだ目や髪の色だが、彼らと違ってロミーナ自身は大人しくて優しそうな雰囲気。仲良くなれそう。彼らの従者も後ろに控えていて、なんだか人口密度が高い。「ちょうど紹介と顔合わせをしようと、探しに行くところだったんだ。入学式の後、話しかける間もなく外に出るから驚いたよ」「姉上! 探しに行ってきて欲しいと頼まれたところだったので、ちょうど良かったです」アレクサンドの横にいたレオナルドがひょっこり顔を出す。マルグリータは1つ年下なので、まだ入学していない。今はレオナルド1人のようだ。相変わらず姉上と呼んでくるが、もうスルーすることにした。「私の側近候補達に当たるから、これから交流することも増えると思ってね。まずは、ご存じの通り第二王子のレオナルド」アレクサンドに紹介されて、レオナルドは明るい笑みを返してくれた。本当に、女好きのナンパ師に成長しないで良かったと思う。「それから、ステファン・サン
Last Updated : 2026-03-14 Read more