「提案ありがとう。たまにはこういうのも良いものだね」スープを飲みながら、アレクサンドが穏やかに言った。「いいえ、私ではなくイザベラの話がもとですわ。たまにこうして外で食べていたそうで」「まさか、こんなに豪勢なものではありませんわ」話を振られてイザベラは照れたように笑う。「別に食堂に不満があるとかではなくて、私が外を好きなんです。ほら、太陽の光を目いっぱい浴びれて、気持ちが良いでしょう?」イザベラの視線に合わせて、私も空を見る。雲一つない深く澄んだ青空が、頭上にどこまでも広がっている。芝生を撫でる柔らかな風が吹き抜け、木々の葉が心地よい音を立てていた。「屋敷の中ばかりですと、息が詰まりますもの」「確かに、そうかもしれないね。私も、いつも目の前の仕事に追われてこうしてゆっくり空を見る暇もなかったよ」アレクサンドも一緒に空を眺めていた。遠くを見る彼の黄金色の瞳は、太陽の光に照らされて輝きを増している。海のように青い髪は、空の色とよく馴染んでいた。目を細めて微笑む横顔は、やはり非の打ち所なく美しい。「殿下はお忙しい方ですから、しょうがないですわ。でも、疲れたらこうしてゆっくりする時間を設けるのも、仕事の効率を上げるには大切でしてよ?」ふふっとイザベラがお茶目に笑う。その言葉に、アレクサンドの視線がイザベラに向いた。「うん、そうかもしれないね。今度からそうしてみるよ。ありがとう、イザベラ嬢」柔らかく微笑むアレクサンドの笑顔を真正面から見てしまい、イザベラが顔を真っ赤にして硬直する。さすがにこの状態で見つめ続けられるのはかわいそうだと思い、私は慌てて間に入り込みアレクサンドの視線を代わりに受けた。ちらりとイザベラの方を見ると、耳まで赤くなって俯いている。「で、殿下が……殿下が……」落ち着くにはもうしばらくかかりそうだ。ため息をついて改めてサ
Last Updated : 2026-03-17 Read more