All Chapters of 女装メイドと婚約破棄された悪役令嬢は、幸せな結末を目指します: Chapter 81 - Chapter 90

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第81話

「提案ありがとう。たまにはこういうのも良いものだね」スープを飲みながら、アレクサンドが穏やかに言った。「いいえ、私ではなくイザベラの話がもとですわ。たまにこうして外で食べていたそうで」「まさか、こんなに豪勢なものではありませんわ」話を振られてイザベラは照れたように笑う。「別に食堂に不満があるとかではなくて、私が外を好きなんです。ほら、太陽の光を目いっぱい浴びれて、気持ちが良いでしょう?」イザベラの視線に合わせて、私も空を見る。雲一つない深く澄んだ青空が、頭上にどこまでも広がっている。芝生を撫でる柔らかな風が吹き抜け、木々の葉が心地よい音を立てていた。「屋敷の中ばかりですと、息が詰まりますもの」「確かに、そうかもしれないね。私も、いつも目の前の仕事に追われてこうしてゆっくり空を見る暇もなかったよ」アレクサンドも一緒に空を眺めていた。遠くを見る彼の黄金色の瞳は、太陽の光に照らされて輝きを増している。海のように青い髪は、空の色とよく馴染んでいた。目を細めて微笑む横顔は、やはり非の打ち所なく美しい。「殿下はお忙しい方ですから、しょうがないですわ。でも、疲れたらこうしてゆっくりする時間を設けるのも、仕事の効率を上げるには大切でしてよ?」ふふっとイザベラがお茶目に笑う。その言葉に、アレクサンドの視線がイザベラに向いた。「うん、そうかもしれないね。今度からそうしてみるよ。ありがとう、イザベラ嬢」柔らかく微笑むアレクサンドの笑顔を真正面から見てしまい、イザベラが顔を真っ赤にして硬直する。さすがにこの状態で見つめ続けられるのはかわいそうだと思い、私は慌てて間に入り込みアレクサンドの視線を代わりに受けた。ちらりとイザベラの方を見ると、耳まで赤くなって俯いている。「で、殿下が……殿下が……」落ち着くにはもうしばらくかかりそうだ。ため息をついて改めてサ
last updateLast Updated : 2026-03-17
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第82話

授業前にヤコブに声をかけておいた。放課後、私の馬車で話をするためだ。約束通りやって来たヤコブと馬車の中に入る。一度シヴァには外で待機してもらった。革張りの座席に腰掛けると、馬車には防音魔法が施されているので、外の喧騒が一気に遠のいていった。「こうして呼ばれたということは、ゲームについて何か聞きたいことでもあるんですか?」落ち着いた様子でヤコブは聞いてくる。大人の男性を相手にしていると思って、私は自然と姿勢を正した。「はい。イザベラのことなんですけど」私は昼食時に考えたアレクサンドとイザベラを婚約させるアイデアを説明した。「……それで、そういえばイザベラってアレクサンドのことが好きって設定だったかなって。私には記憶が無くて、確認したかったんです」「なるほど……確かに、イザベラは特に婚約者も設定してませんし、好きな人とかもいないはずです。悪役令嬢としてヒロインに突っかかっていたのも、高位貴族としてのプライドとモテるヒロインへの嫉妬って感じでしたし」「じゃあ」どうして、今のイザベラはアレクサンドのことが好きなのだろうか。そう口にしようとしたが、それよりも先にヤコブが鋭く口を挟んだ。「佐藤さん」急に過去の名前で呼ばれて、ドキッとしてしまう。ヤコブの……いや、上野明彦として対峙している彼は真剣な顔をしていた。「君と僕、二人も本来とは違う人間がこの世界に関わっています」その言葉に、私は静かに頷いた。「バタフライエフェクトと言う言葉をご存じでしょうか? 小さな蝶の羽ばたきだけで、大きく何かが変わってしまうことがある。それと同じように、僕らが知らない所で、僕らが変わってしまったことで起きる変化もあるのですよ」「でも、シヴァは……ゲームと変わらず女装をしています」「それは、親しくなった貴女の身を案じてでしょう? それに、レ
last updateLast Updated : 2026-03-17
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第83話

帰りの馬車の中、私はシヴァにも自分の考えを話した。馬車は規則的な揺れを続け、外の景色が窓ガラスの向こうでぼんやりと流れていく。「イザベラのためにも、良い案だと思ったんだけど」「それ、殿下の気持ちは?」シヴァに率直にそう言われて、私は黙るしかない。彼の声には、容赦のない現実味があった。「もしソプレス王国の件が上手くいけば、婚約者でいる必要はなくなる。アレクサンドの新しい婚約者探しはすぐに始まるだろう。でも、その時に殿下の気持ちが無かったら、結ばれようがない」シヴァの言うことはもっともだった。男同士ということもあり、今回はアレクサンドに共感するというのも理由の1つかもしれない。「それに、その時までイザベラ嬢を一人身にしておくのか? 学生生活の間に、本当に婚約解消できるかも分からないのに? それに、ナンニーニ家は熱心に婚約者探しをしているかもしれないぞ?」一度にあれこれ言われて困ってしまう。そうだ。思いついたは良いものの、今回の話には障害が多すぎる。シヴァに言われて頭が冷えてきた。私が卒業したら、すぐにアレクサンドと結婚することになっている。それまでの間に、婚約解消ができるのかどうか。次に問題になるのは、それを達成するまでのイザベラの状況だ。現在は一人身でフリーではあるが、身分の高い彼女がこのまま一人で居続けるわけもない。水面下で婚約の話が進んでいてもおかしくはないのだ。それに、アレクサンドと婚約解消するまでの間待って欲しいなんて、あの正義感が強くて正直者な彼女は許してくれないだろう。だって、浮気や不倫に等しいことになるのだから。最後の問題は、アレクサンドの気持ちや立場。婚約解消後、新しい婚約者をどうやって選ぶのか。彼自体に信用や信頼があるし、アレクサンド自身が望めば一定以上の身分さえあれば誰でも結婚は出来ると思う。しかし、彼がイザベラを望まなければ、二人を結ぶことは出来ないのだ。
last updateLast Updated : 2026-03-17
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第84話

王宮に到着すると私は控えの間へ直行させられ、さっそくドレスに着替えさせられた。いつものように何人もの侍女がせわしなく動き、私の身なりを整えていく。黄色を中心とした幾重にも布が重なったドレスは、デザイン自体はシンプルだが布の中にレースも混じっており繊細で美しかった。そこに大粒のダイヤが埋め込まれた銀色のアクセサリーを足していく。髪型は編み込みを多めにしたハーフアップ。バレッタにもシルバーとダイヤが使われている。くるりと身をひるがえし確認していると、アレクサンドからの手紙が来ていた。王宮までの移動中、私はアレクサンドに急ぎで手紙を書き、イザベラも同行する許可を取り付けていたのだ。手紙には了承という内容が書かれており、隅で待機していたイザベラも、別の部屋で着替えてもらうことになった。淡い空色のドレスに身を包んだイザベラが、私の部屋にやってくる。その姿は、先ほどまでの素朴なワンピース姿とは打って変わり、侯爵令嬢としての華やかさを放っていた。ドレスは私よりも布が少なめだが、身体のラインが出るオシャレなもの。イザベラのスタイルの良さが浮き彫りになっている。宝飾品は私よりも控えめで、一粒のサファイヤのネックレスに、同じデザインのイヤリング。髪はきっちりアップで纏められ、編み込まれた空色のリボンが項で揺れているのが色っぽい。「あの、本当に良いの?」彼女の表情には、期待と戸惑いが半々に浮かんでいる。「ええ。アレクサンド様には許可はもらったし、商人相手ならイザベラの方が話が盛り上がりそうだから」平気そうに答える私に、イザベラはため息をつく。「……せっかくだし、我が家との新規ルートを開拓するのも良いわね」気持ちの切り替えの早さはさすがだ。彼女はそう言うと、表情を商人のそれに切り替えた。王宮の一室。客間には天井まで届く重厚なカーテンと、金糸を織り込んだ絨毯、そして壁一面に飾られた歴史的な油絵が、
last updateLast Updated : 2026-03-17
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第85話

「それ、イザベラ嬢には」「まだです。まずは、アレクサンド様からの承認が必要かと思いまして」私の言葉に、アレクサンドは顎に手を当てて考え込む。「……そこまでイザベラ嬢に肩入れして、どうするつもりだい?」「お友達を手助けしたいと思うのは、そんなにいけないことですか? それに、そこまですれば対外的にも私がイザベラと親しいということが示せますよね。イザベラには、それだけの教育を受けてきた令嬢だという箔が付いて、お見合いにも有利に働きそうですし」「ああ、そういうね」アレクサンドは何か納得したようだ。「幸い、ナンニーニ家は親国王派だ。派閥的にも問題は出ないだろう」「それじゃあ」「うん、良いよ。もう王妃教育も終盤だけれど、あの調子ならイザベラ嬢もスムーズについて行けそうだしね」彼の笑顔に、私は心底安心して微笑んだ。「ありがとうございます! アレクサンド様」 王宮からの帰りの馬車の中、私は早速イザベラにその話を伝えた。彼女は目を丸くし、驚いている。「ええ⁉ 私が、王妃教育を?」「そう。今日の様子を見ても、一緒に学んだら勉強が進みそうな気がして……ダメ?」上目づかいで見てみると、明らかに彼女は動揺を見せる。うーん、さすがリリアンナの美貌だ。「ダメと言うわけでは……でも、本当にそんなこと」「まずは一回だけ! ね?」私の懇願に、イザベラは困惑の表情を浮かべる。「……まあ、確かに。試しに一度だけ行ってみるくらいなら」「ありがとう! イザベラ。1人でお勉強するのにも、飽きてきたところだったの! 今日みたいに、実践で活かすのも私は下手みたいだし」イザベラの手を取り微笑むと、彼女は困ったようにため息をつきつつも笑い返してくれた。 それから、実際に一度王
last updateLast Updated : 2026-03-17
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第86話

それからの日々は穏やかだった。学園では皆揃って昼食を摂り、休日はイザベラと王妃教育やお出かけに費やす。イザベラはアレクサンドと会う機会が増え、少しずつ耐性をつけているようだった。そんな平穏で計画通りに進む日々に、私は満足していた。そうして四か月は過ぎた頃。お父様の誕生日会の日。パーティ会場の中心で、周囲の挨拶を受けているお父様の下へ私は向かった。まだ社交界デビュー前のため、大っぴらにはパーティには出られないが、家で開かれるものは別だ。今日は柔らかな桜色のドレスを身に纏っていた。所々に濃いピンクやサーモンピンクのガーベラの刺繍が施されているドレスは、目にも鮮やかだ。透けるような薄い布のパフスリーブも、ドレスの色やデザインによくマッチしている。髪は前髪付近から丁寧に編み込まれていて、そのまま下ろされていた。おでこの見える髪型は、明るく可愛らしい娘を演出できるだろう。「お父様」「おお、リリー。今日は一段と愛らしいね」「ありがとうございます、お父様」親子の対面に周囲が気を利かせて身を引いてくれる。周囲から熱烈な視線が飛んできて痛いくらいだ。リリアンナの美貌ならばしょうがないことかもしれないが。「友人と一緒に誕生日プレゼントを用意したんです。受け取って下さい」そう言いながら、私は箱を取り出した。それは重厚なマホガニー材でできており、真鍮の留め金の光る、箱だけでもモンリーズ公爵に贈るにふさわしい物だ。受け取ったお父様はさっそく蓋を開ける。箱の中には、手のひらに乗るほどの大きさのロードナイトを中央に据えたブローチがあった。深紅とバラ色が複雑に混ざり合う大粒の宝石は、周囲に施された繊細な金細工と相まって強烈な輝きを放っていた。先日ライハラ連合国と繋がって輸入されるようになった最新の金細工技術も使われている。それは、イザベラと選んだ、最高の贈り物だった。
last updateLast Updated : 2026-03-18
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第87話

パーティが終盤に差し掛かり、流れる曲が明るく華やかなものからムーディなワルツへと変わる。それに気付いた人々は、社交ダンスの準備のためか、慌てて私から離れてくれた。会場を離れた私は、長い廊下を急いで進んだ。肉体的な疲労感は残っているが、まだやることがあるのだ。廊下の先。大きな窓の前に、シヴァが立っていた。廊下は夜の闇に包まれているが、窓から射す月明かりが彼を照らしている。どうやら夜空を眺めているようで、そのシルバーグレイの髪が月明かりを浴びて静かに輝いていた。冷たい空色の瞳が微かに光を反射し、その整った横顔に彫刻のような陰影を落としている。他の従者達と同じ漆黒の執事服を着てはいるが、彼が着ると品の良いタキシードに見えてくるから不思議だ。「シヴァ」私が声を掛けると、彼はすぐに静かに振り返ってくれた。「お嬢様」お父様と会う前に、曲が変わったらここに来て欲しいと約束していたのだ。本来であればルネと一緒に裏方をしていたであろう彼は、約束通り抜け出してここまで来てくれた。いつ客人と会うか分からないから「お嬢様」呼びなのだろうが、その忠実な一言が、胸に温かいものを流れこませるのを感じた。「ちょっと来て」私は周囲に人がいないことを確認するとシヴァに近付き、彼の手を取った。そのまま近くのドアへと向かう。シヴァは何も言わずに私を受け入れ、ついて来てくれた。繋いだ手には熱がこもっているのが、シヴァに伝わってしまいそうで恥ずかしかった。  ***  その部屋は、ダンスの練習室だ。部屋の中は明かりが点いておらず、窓から差し込む月明かりのみが広々とした空間を薄く照らしている。鏡張りの壁が月光を反射し、部屋中を月明かりでくれていた。部屋の中央に立ち、私はシヴァと向き合った。ポケッ
last updateLast Updated : 2026-03-18
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第88話

チュッと軽いリップ音。 予想していた感覚は、唇ではなく頬に当たった。あまりの予想外のことに驚いて私は目を開ける。すでに離れたシヴァは、いたずらっ子のようにちょろっと舌を出していた。そんな表情、今まで見たことがない。可愛い。というか、色っぽい。「ありがとな、リリー」「へ? あ……」そこまで来て、ようやく私は揶揄われていたことに気付いた。一気に顔が赤くなったのが分かる。「シヴァ! 遊んでるでしょ!」「ははっ」私が掴みかかると、シヴァは声を上げて笑う。その姿は年相応の少年のようで、いつもの事務的でほとんど表情の変わらない彼からは想像ができなかった。「そんなにふざけるなら、返してもらうから! 返して!」「いや、悪い悪い」私が指輪に手を伸ばすと、彼は慌てて身を翻した。大事そうに右手で指輪を覆ってしまう。「大事にするよ。願い事も、考えておく」「うん、そうして」その言葉に安心し、私は手を引っ込めた。「願い事はね、誰にも言わない方がいいって聞いたことがあるよ。だから、一人でしっかり考えてね」「分かった」シヴァは微笑むと、大切そうに指輪にキスをする。頬へのキスを思い出して、私は再び顔を赤くする。そんな様子をちらりと横目で見ると、シヴァは私から少し離れた。「じゃあ、俺は仕事に戻るから。リリーは少し時間を置いて戻ってくれ。誰かに見つかって、変な噂立てられたくないだろ?」「う、うん……」そのことにはじめて気付いた。一緒に戻ろうかと思っていたが、確かにアレクサンドという婚約者がいる令嬢が執事とはいえ男と密室にいたことがバレたら大変だ。シヴァが部屋から出るのを、私は黙って見送った。「なんか、逢引きみたい…&
last updateLast Updated : 2026-03-18
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第89話

「あれ? それ、どうしたの?」あれからシヴァは黒い手袋を付けるようになった。手首を覆うシンプルなデザインだが、その黒は色気があって良く似合っている。「ああ、落としたり失くしたりしたくなくてな。それに」手袋越しに、シヴァは左手の小指に口付ける。ちらりとこちらを見て、あの日の夜を思い出させるかのように。「お前の瞳の色の指輪なんて、周囲に勘付かれるだろ?」そう言われて私は顔が赤くなるのを感じた。彼の言葉が、秘密の関係を共有しているようで、ひどく甘美に響いた。  ***  そうこうしている内に、中間テストの時期が迫っていた。この学園では年に2回、大がかりな試験が開催されるらしい。その結果によっては、来年のクラスが変更になる人も出てきてしまう。さすがに来年のゲーム本編開始の時に、リリアンナだけ下の成績のクラスになってしまうなんて嫌すぎる。どうせならヒロインの様子とか見てみたい。後半月ほどで試験開始ということで、学園では試験勉強に熱が入っていた。試験内容は各分野の筆記試験と魔法の実技。また、選択で騎士クラスと文官クラス、社交クラスに分けられており、その成績も考慮される。騎士クラスは、文字通り騎士になるべく身体能力や剣の腕などの実技がメイン。ここにはステファンが所属している。文官クラスはそれ以外の子息と、今後領地運営などに深く関わる必要がある低位貴族の子女が所属し、法律や経済について深掘りするようになっている。実技試験はなく、文章問題や論文などのレポート提出が主だとか。ここにはヤコブとアレクサンド、レオナルドがいる。しかし、王族はさらに上を学ぶために別のことを学んでいるのだとか。残る社交クラスは、文字通り社交界に出るための勉強だ。子女のみで構成され、子息がいることは無い。
last updateLast Updated : 2026-03-18
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第90話

教壇に立った先生が改めて説明してくれる。「一般的には体内の魔力が多い者がかかるとされています。体内の魔力が停滞し詰まった部位によって、性質が変わりますね」思えば学園の先生方の授業は、なんだか頭に入りやすい。そう思いながら、ふむふむと私は集中する。「実はこの性質をあえて利用することも可能ですし、後天的に性質が現れてしまうことが病気の一種になっていることもあります」そこで、先生は黒板に文字を書いていた手を止めた。徐にこちらを振り返る。「では、実際に体験してみましょうか」その声と共に、何かが一瞬で変わった気がした。集中力が強制的に先生に向けられた状態とでも言うのだろうか。先生から目が離せず、顔を他に向けることもできない。他の生徒も同じなのか、皆が寸分違わず先生へ顔を向けている。「これが【注目】です。強制的に他者の意識を自分へ向けます。自分から体内の魔力をコントロールして、性質を意図的に発露させたものですね。実は学園の教師のほとんどが、この【注目】を少しだけかけた状態で授業を行っています。そうすると、生徒が授業に集中しやすいので」そんなことをしていたのか。改めて言われると、この学園の教師のレベルの高さが分かる。魔力を体内で自在にコントロールできてしまうということなのだから。「これらの性質を犯罪などに悪用した場合、罰せられるので注意をして下さいね。王宮魔導士クラスになると、強い魔力をどの部位に流したか感知することが可能なそうですので、すぐにバレます」さらっと怖いことを言う。でも確かに、【魅了】が悪用されれば国家転覆し放題だ。私が納得していると、先生はレオナルドの方を向いた。「例外として、王族には性質が効きません。この耐性により国の破滅を防ぐことが出来ているため、他国の王族もこの耐性を持つことが多いそうです」教室中の視線が向けられたレオナルドは、少し戸惑っている。「レオナルド殿下、先程の【注目】分かりましたか?」
last updateLast Updated : 2026-03-18
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