美由は以前、コンクールでの不正行為が発覚して以来、たびたび沙耶に金を無心してくるようになっていた。あの時、美由が口を割らずに自分の関与を隠し通してくれたからこそ、今の沙耶がある。だから、その見返りとして小遣い程度を恵んでやるのは別に構わなかった。沙耶にとって、彼女が要求する額など、ちょっとしたブランド服を数着買うのと大して変わらないからだ。だが、最近はあまりにも要求の頻度が高すぎた。沙耶は忌々しげに眉をひそめ、苛立ちも露わに通話ボタンを押した。「……今度はいくら欲しいの?」「沙耶お嬢様、そんなに怒らないでくださいよ。ただ、最近ちょっと懐が寂しくて」電話の向こうから、美由の媚びるような声が聞こえてくる。「この間、数百万円振り込んであげたばかりでしょう?私のことをATMか何かと勘違いしてない?」沙耶は苛立たしげに吐き捨てた。いくら彼女の金遣いが荒く、お祖父様がそれに甘いとはいえ、買い物と個人口座への高額送金は全くの別物だ。こんな不自然な大金の支出が何度も続けば、いくらなんでもお祖父様に怪しまれてしまう。「私だって好きで言ってるわけじゃないんです。あなたに協力したせいで、私は完全に業界を干されたんですよ?昔は番組に出るだけで毎年数千万円は稼げていたのに、あなたのせいで私のキャリアは全部台無しになった。だったら、私の元の収入レベルに合わせて補償してくれてもいいじゃないですか」毎年、数千万円を貢ぎ続けろと言うのか?一体いつまでそんなことを!沙耶は金には執着していないが、だからといって馬鹿ではない。「勘違いしないで。あれは全部あなたが勝手にやったことで、私は一切何も知らなかった。今あなたにお金を援助しているのは、あくまで友達としての情けであって、あなたが以前しでかした事とは一切関係ないわ。これ以上しつこく付き纏うなら、もう一円も払わないからね」電話の向こうで、沙耶が完全に財布の紐を締めにかかっているのを察し、美由は焦りを覚えた。このままでは、これ以上の援助を引き出すのは難しい。彼女は腹を括り、とっておきのカードを切ることにした。「……なら、こういうのはどうですか?浅見実花を社会的に完全に抹殺できるネタがあるんですけど。あなたなら、絶対に興味があるはずですよ」「はぁ?お金を引き出すために、今度はそんな三文
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