事態は重大だった。二人は道中、手をつないだまま、互いに一言も口を利かなかった。家に着くと、静代は庭でじょうろを手に花へ水をやっていた。ずいぶん機嫌がよさそうで、演歌を聴きながら鼻歌まで口ずさんでいる。外が大騒ぎになっていることなど、まるで知らない様子だった。景は静代の前まで歩み寄ると、彼女の手からじょうろを取り上げた。「母さん、どうしてこんなときに取材なんか受けたんだ。それも、楠原優奈との仲や、彼女を心配しているなんてことまで延々と話して。いったい何がしたいんだ?」静代は腹立たしげに景をにらみ、彼の手からじょうろを奪い返した。「実の母親に向かって、その口の利き方は何なの!まったく、この女と一緒になってから、どんどんおかしくなっているじゃない!」「軽率にあんな取材を受けたせいで、今どんな事態になっているか分かっているのか!」景は怒りのあまり、体を小刻みに震わせていた。「何言ってるの。取材を一つ受けただけでしょう。何をそんなに大騒ぎしているの」そう言うと、静代は悪意のこもった目で絃葉を一瞥した。「誰かさんが後ろめたいことをしていなければ、優奈ちゃんにひどい仕打ちをしていなければ、別に心配する必要なんてないでしょう?」景は眉間を強く押さえた。何を言っても話が通じないことに、怒りと無力感を覚えていた。絃葉は一歩前へ出ると、彼の手をそっと握り、ひとまず怒りを抑えるよう促した。そして落ち着いた声で言った。「静代さん、中に入って、座ってお話ししましょう」静代は横目で彼女をにらむと、腹立たしげにリビングへ入り、いつものソファにどっかりと腰を下ろした。「話があるなら早くしてちょうだい。このあと友達と会う約束があるから」絃葉の口調は依然として穏やかだった。「静代さんがあの取材を受けた目的について、まず私なりに整理させてください。表向きは楠原優奈を心配し、かつては母娘同然だったと強調していましたが、本当は私を追い詰めたかった。彼女に何かしたのは私だと、世間に思わせたかったんですよね?」ここまではっきり言われるとは思っていなかった静代は、たちまち目を泳がせた。それでも意地を張り、首を反らして言い返した。「そんなこと思っていないわ。優奈ちゃんに何があったのか分からないから、身の安全を心配しているだけよ。あなた
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