Tous les chapitres de : Chapitre 1 - Chapitre 10

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プロローグ 転生

 目を開いたら、仰向けになって寝ていたみたいだ。 周囲一帯は生い茂る木々に囲まれていて、天井は大きい木の葉が陽光を遮ってくれていた。 木の枝に止まっている見た事もない小鳥達だが、囀りの歌が良いから特に気にならない。 さっきまで体育の授業だったから、新鮮な風が息吹くと火照った体を冷やしてくれて心地良い。 深呼吸すると新鮮な空気が、都会の排気ガスで汚れた体を綺麗にしてくれる気分だった。 でも今はつまらない数学の授業を受けていて、疲労からか寝落ちしてしまったから夢……なのか? 起き上がるのも億劫に感じた俺は、もう少しだけここで夢を見ていたいと思っていた突如ーー。「グルギャオオオオッ‼︎‼︎」 俺の眠りを叩き起こすかのように、聞いた事のない咆哮が聞こえて空を見上げると。 全身が爬虫類を彷彿とさせる鱗に覆われ、口から吐息する度に炎が漏れ出し、真っ赤な両翼を羽ばたかせる竜が飛び去るのが見えた。 最近はファンタジーラノベ・ゲームで現実逃避していたから、ファンタジーな夢を見ていたが、これは明らかにリアルな感覚だった。 それに俺は体重が三桁ある程の巨漢だから、全身が鉛みたいに重たく感じていたのに、今では羽毛みたいな軽さで簡単に上半身を起き上がる事が出来た。 全身は軽く、太かった腕も細く、全身が細くなった事でオーダーメイドの男子制服がオーバーサイズになっていた。 夢だから痩せたんなら、ついでにイケメンになってるといいな。 俺は痩せたと喜びながら、上半身を起きあがらせると……妙に胸部当たりだけ重量感に襲われた。  ダボダボの白シャツのボタンを外して、インナーシャツをズラして見ると女子特有の巨胸になっていた。 血の気が引いた俺は直で胸に触れると弾力感さえあり、男の感触とは明らかに違った。「何がどうな……ん? この声はなんだ?」 15年間生きてきて野太かった嫌いな声だったのに、女子特有の高く可愛い声になっていた。 ここまで来たら俺は覚悟を決めて、ダボダボズボン越しから局部を触れてみると、今まであるべきモノの感覚が無かった。 ゆっくり立ち上がると、ズボンと下着が地面まで一気にズレ落ちてしまった。「やっぱり……俺は女になったのか」 思春期年齢の男子ならば、女子の裸体は興奮していただろう。 しかしこの状況のせいで嬉しいとは思
last updateDernière mise à jour : 2026-04-02
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01話 初めての能力

 10体の魔力体となった彼女達の中身は、淡い青色に光っている。 5体は軽装鎧を装備し、ロングソードを構えていた。  5体は魔導服を装備し、両手を構えて魔法陣を展開していた。 彼女達の体からは、俺の魔力が黒煙となり禍々しさが溢れ出ていた。  まるで自分達を殺した奴等に復讐をとでも言わんばかりに、目の前の盗賊達を睨みつけている。「これはアンデッドか? にしてはなんか弱々しい姿だな」 「テメェ、《ネクロマンサー》だったのかよ!」 「こんなの見た事ねえぞ? 普通は死体を操るんだろ?」 確かにファンタジーゲームでの《ネクロマンサー》と言ったら、魔王軍幹部が最強の死体を操ったりするのだ。  これはアンデッド?魔力体?霊体?名称はわからないが、戦ってくれるなら何だって構わない。「俺は《ネクロマンサー》その上位職、魂そのものをアンデッド化させるから《ソウルマンサー》かな?」  俺は右手を前に出すと、魔力の騎士達は無言のまま命令に従って突撃攻撃を始める。「召喚系は本体の魔力供給で強さが変わるからな。生前より弱くなってるじゃねえか……よ!」 「アンデッドは光属性が弱点だが、火にも弱いんだからな。《ファイアボール》」 1人の盗賊が剣で簡単に受け止めて弾き返し、逆にカウンターを食らって魔力体が破壊されてしまった。  別の盗賊は構えた魔杖の先から、炎の塊✖︎4を連射して一撃で破壊されてしまったが、完全に消滅したわけではない。 俺の魔力供給すると破壊された部分が再構築を果たして、元の魔力体に戻るなり、再度攻撃を始めた。「な、何で破壊されても復活するんだよ!」 「冗談じゃねえぞ、こっちが先に魔力切れしまうぞ!」「だから言ったろ、俺は《ソウルマンサー》だって」 俺の隣に並んでいた魔導兵達は魔導陣から、高火力の炎の塊を砲撃として連射する。  彼女達の魔力+俺の魔力が混ざってるせいか、盗賊が放った炎の塊よりも大きく、高火力で紅蓮色に染まっていた。「ぐわぁああああ……ッ!」 「助けて、助けてくれ……」 2人の盗賊に直撃した瞬間爆発してしまい、全身炎上しながら後方の大木に激突して倒れてしまった。「俺が殺したんだよな……」 ゲームキャラを殺しても平気だったのに、異世界とはいえ生き延びる為とはいえ、人を殺してしまった事には変わらない。 
last updateDernière mise à jour : 2026-04-02
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02話 騎士の本望

 セレナ王女の悲鳴に俺はやっと我に返った。「まだ危険だ、出て来ないで!」 彼女が降りようとしたから、俺は慌てて安全を考慮して一度閉じ込める事にした。 他にもいたのか、気づかなかった。  相手は《アサシン》とか《隠蔽》・《隠密》とかの類いのスキルを使ってるんだろうか。「まさか仲間が一瞬で殺されるとは、予想外だったぜ」 姿とも気配も殺気も何も感じない、相手は高速移動しながら草花をわざと揺らして視線誘導でもしているつもりなら、俺も挑発してやる。「どうした! 女1人にコソコソしないとまともに戦えないのか?」「安い挑発だな。《アサシン》の俺が正々堂々正面から来ると思ってるのが間違いだぜ……何ッ!?」 背後から声が聞こえて振り返った瞬間、アンデッドの騎士が身代わりとして盾になってくれた。  相手の短剣で破壊されたが、魔力供給で再構築出来たから問題はない。 《アサシン》はエクレールに敵意を向けていたから、今みたいにアンデッドが反応しなかったんだな。  彼女の死体からは残存した魔力量が多く放たれていた。『セレナ様……助ける……力欲しい……』 エクレールの死体から後悔の声が聞こえた。「力を貸してくれ、解放!」 彼女の残存した魔力と俺の魔力が融合して、アンデッド化したエクレールが解き放たれた。「何だそりゃ、《ネクロマンサー》にしちゃ弱すぎるぜ」 《アサシン》が迷わずエクレールに二刀流短剣を叩き込み破壊するが、魔力供給で何度も再構築する。「行け、エクレール」『はい、クロエ様!』 最初のアンデッドは喋れなかったのに、エクレールは全身が雷属性化してロングソードの刀剣から青白い雷がバチバチと火花を散らす。「面白え、俺のスピードについて来れるか……っ!?」『遅いな』 イキッてた《アサシン》が高速移動していたんだろう。  だが今のエクレールは魔力体だから雷属性を纏うと、全身が雷そのものになった方が早く動く度に、青白色の雷が軌跡を作り出していた。 一瞬にして《アサシン》の体を雷のロングソードで細切れにした。 今度こそ終わりみたいで、檻を開くとセレナが降りてアンデッド化したエクレールと対面してしまった。「貴女はエクレールなの?」『この様な姿になってしまいましたが、正真正銘のエクレール・ヴァンガードです」 生前とは違
last updateDernière mise à jour : 2026-04-03
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03話 呪われた女王 

 ブレイドのお陰で、短時間で森から脱出する事が出来た。 大自然の草原の先にはローゼリア王国が見えたが、10メートルはありそうな石壁によって中までは見えなかった。  新人冒険者パーティなのか、草原に徘徊するスライム、ゴブリン、ウルフと言ったモンスターを、鎧を纏った前衛、魔導服を着た後衛が苦戦しながらも討伐している。 彼等はブレードドラゴンが引っ張っている事に、目をギョッとして驚かせてしまったみたいだ。「もしかしてだけど、モンスターだと思って警戒されないかな?」『冒険者パーティの中には《テイマー》系がいますので、《テイム》したモンスターに荷馬車を走らせていると思っているのでしょう。それがドラゴンだと珍しいので驚いてるのでしょう』 それなら良かった。  大きい門の前の行列に向かうと、他から来た冒険者・商人が女性騎士の門番によって荷物チェックを受けている最中だった。「クロエ様、私達は門番の近くに止めても大丈夫ですよ。この国の貴族や王女は素通りできますので」「分かった」 言われた通りに少しズレて止めると、他の冒険者達から注目を浴びてしまった。「おい、これAランクのブレードドラゴンだろ?」 「あんな可愛い子がテイムしたってのか?」 「でもあんな個体は見た事ねえな。漆黒の体毛に光った体……亜種か?」 「王女も可愛いが、あの子も可愛いな!」 わざわざアンデッドだと言うと面倒事になるし、亜種だと勘違いさせた方が絡まれずに済む。  冒険者の女の子達はセレナに向かって手を振っているが、この国では貴族と庶民はフランクな関係なのだろうか。 セレナとエクレールの姿を見た門番2人が、「セレナ王女、エクレール様。御帰還お疲れ様です……その姿はまさか賊からの逃走してきたのですか?」 「そうならば、直ちに応援部隊を……」 ショートカットの女性騎士の言葉を、セレナが遮って応える。「襲って来た賊は全て、私達の命の恩人が助けてくれたから大丈夫よ」 「了解です。所で……そのお姿は?」 今度はロングヘアーの女性騎士がエクレールを見て、いつもと違う事に疑問を持ったのは当然だよな。  素直に話した所でアンデッド扱いは明白、話が広まれば最悪……俺は異端者として追放なんて事もあり得る。『詳しい事は言えない。だが、致命傷を避けられなかった私はこのお方と|使い魔契約《・・・
last updateDernière mise à jour : 2026-04-04
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04話 入浴とお着替え

「ここが大浴場となっています、クロエ様!」 案内された場所は石造りされたドーム状となっていて、天井は開閉式みたいで、今は天気が良いから露天風呂状態となっている。 一度に数十人以上が浴びれる様に、壁にはシャワーが付いているだけでなく、中央には円形の大浴槽が備わっていた。 健康的な体をしたメイド達、 次は女性騎士達だが鍛え上げられただけでなく、戦争やモンスターとの戦いで受けた傷があるのは、この異世界の過酷さ・残酷さを物語っている気がした。 お風呂もいいが、メイドや女性騎士の裸体を拝めるのは女性化したメリットだな。 お風呂場に入ると周りからの視線が集中するが、まさか変な所が出てないか心配になった。「何てスベスベで綺麗な肌なの」「人形のような美しさだわ」「メイド服着させたら、可愛いだろうな……ぐへへっ」「あの美しい肉体美、あの脚線美……鍛えたら最高の逸材だな……じゅるり」 後半からは別の意味に聞こえたが、俺は聞かなかったフリをして周りに挨拶しながらシャワーを浴びた。 薬草を使ったポーション湯は緑色で、隣の女性騎士が受けた傷痕も浴びただけで癒え始める。「これは絶景……あっいや、気持ち良さそうで良いな」「空も絶景だけど、外にも出られるよ。この国を景色を一望できるんだから」 絶景違いと勘違いしてくれて助かった。 外にも小さい浴槽があり、周りは木の板で隠されてるが十分、国中を眺めるのには最高の絶景だ。「エクレールも出て来て、入ったらどうだ?」 俺の中にいる彼女に声を掛けると、湯の中から姿を現した。『生前は体を洗い流すだけでしたが、今ではこの気持ち良さがこの身……いえ、この魂に染みます』 鎧姿だったエクレールは一糸纏わぬ姿となり、極楽気分で浴槽を楽しんでいた。「お母様と最後に、お風呂に入ったのはいつだったかしら……」『もう10年前になりますか』「お母様が死ぬと分かっていながら、何もする事が出来なかった。貴女達を無駄死にさせてしまった……」 セレナがエクレールの表情を見てどういう事を言おうとしたのか、まだ関係が浅い俺ですら分かる。『セレナ様。それ以上はダメです!』 何を言おうとしていたのか察して、セレナの言葉を遮って立ち上がり応えた。『これは貴女のせいじゃないです。我々ローゼリア騎士団もヴィクトリア女王を救いたいのは同じ
last updateDernière mise à jour : 2026-04-05
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05話 神聖教会

 ファッション防具屋から近かったから、割と数分で神聖教会・ローゼリア支部に到着した。「大きい教会だな」  教会は純白に染まっており、屋根には十字架が付いている。 ここに来る道中に少し教わったが、異世界にも曜日が制定されている。 昔はそんなの無かったのだが、俺みたいに異世界転移・もしくは転生して来た地球人が広めた可能性がある。 地球の教会みたいに毎週日曜朝から信徒達がお祈りに来て、聖母様が聖書の朗読をしているらしい。 地球では神父様と呼ばれているのに、異世界では女性版なんだろうか。「これでも支部だから小さい方だよ。中に入りましょ」 神聖皇国ルミナスにある教会はもっと大きいんだろうな。 セレナと共に教会の中に一歩踏み入れたら、中から魔法陣が展開されて警報アラームが教会中に鳴り響いた。 中にいたシスター達が聖属性魔法で創成した武器を構えて、攻撃しようとして来た。「アンデッドが神聖な教会に、白昼堂々侵入するとは良い度胸ですわ!」「聖なる力を持って払って差し上げます」「その不浄なる闇を女神様の元に送ってあげる」 俺は両手を上げて無害アピールをして応えた。 俺の中にいるアンデッドに反応しているんだな。「俺は人間です、敵意はないよ!」 シスター達は俺を見た後、創成武器を解除して顔を見合わせて、後ろに振り返ってコソコソ話をし始めた。「貴女からアンデッドの気を今も感じていますわ」「分かった貴女! 《ネクロマンサー》ね?」「そんな不浄なモノを使役する何て、正気の沙汰とは思えないんだけど」 彼女達は聖職者だし、嫌うのも当然の反応だろうけど、「いや、全部聞こえてるからな」 『謁見の間』でも思った事だが、ヴィクトリア女王を介護していたシスター達や目の前の彼女達もだが、修道服に見えない。 背中は露出度高め、純白ハイレグシスター服になっていた。 怪我の治しを求めて来る信徒達は、特に服装に関しては何も思う事はないらしいな。「他のアンデッドを使う連中は分からないけど、俺はシスター達や教会に敵意はないという事です。ちゃんとアンデッドも無害な事を証明しますから」 エクレールを筆頭に他のアンデッドも呼び出して、全てを晒す。 相手に認めて欲しいならば、こちらから歩み寄る必要があるからだ。 こちら側を全否定する相手に通じるか分
last updateDernière mise à jour : 2026-04-06
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06 オーバーロード・リッチ 

 王城に帰還すると、女王の部屋に向かう事になった。 セレナは部屋のドアに手を掛けて深呼吸、無理に笑顔を作ってからドアを開いた。「ただいま、お母様」「ヴィクトリア女王。すいません、私まで入れさせてもらって」 一応外で待とうかと思ったけど、一緒にいて欲しいと言われたから入る事にした。 初対面の人に弱った姿を見られるのも嫌かもしれないのに、ヴィクトリア女王は優しく出迎えてくれた。「おかえり……セレナ。そしてクロエ。プライベート空間だから気にしないで……。私のことはぜひヴィクトリアと呼んで……」「ありがとうございます。ヴィクトリア」 お礼を兼ねて優しく手を握ってあげると、骨みたいに痩せこけている。 微笑みを返してあげたら、優しく手を置いてその場から離れた。 部屋は死臭と腐敗の臭いがするが、皆誰も気にも止めない。 3人のシスター達が常時聖属性魔法発動して、少しでもヴィクトリア女王の進行を遅らせようと必死だった。 1人のシスターは《ヒール》で体力回復。 1人のシスターは《キュアヒール》で状態異常治癒。 1人のシスターは《ホーリーフィールド》で部屋全体を"聖域化"させて、アンデッド系モンスターの侵入を防ぐ。「セレナ。護衛のエクレールはどこ? あの子にも最後にお礼を言いたいわ……」「……ッ!? ちょっと待ってて、今呼ぶからね」 ヴィクトリアの質問に答えようとしたが、セレナは言葉を詰まらせながらも手を握って笑顔で応えて、彼女は俺に目で合図を送ってきた。 それを聞いていたのか、心の中でエクレールが話しかけて来た。『私にはヴィクトリア女王に会わせる顔が……』(二度と会えなくなる可能性も……) 俺の言葉に反応したのか、影の中から這い上がるように出て来たエクレールを見て、驚く事も・畏怖する事もなく、ヴィクトリアは当たり前のように手を伸ばした。『このような姿を晒す事を、お許しください。ヴィクトリア女王』 エクレールは片膝を付いて、ヴィクトリアの手を両手で優しく握る。 「……いいのよ、エクレール。姿形が変わっても、貴女の魂の本質は変わらないわ。その冷たい手も……今の私には、とても心地よいわ。今まで……娘を守ってくれて……ありがとう」 その時だった、外の見張りをしていた女性騎士がドアをノックした。「たった今、シグルーン王女が到着しま
last updateDernière mise à jour : 2026-04-07
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07 蘇る女王

 俺が発動すると《ダークウォール》の中から、残存した魔力がより膨大に膨れ上がる。 内側から一筋の亀裂が入ると、そこから聖属性の光が漏れ出す。 骸骨が《ダークウォール》を補強しようと右手を伸ばしたが、聖光に照らされただけで、右手の骨は燃え上がり灰と化した。 シグルーン王女様や聖母様・マリアが放った聖属性では、擦り傷にもならなかった。 だが聖属性が強いと小さな光でさえ、アンデッドには大打撃を与えられるなんて予想外過ぎた。 《ダークウォール》の壁が硝子みたくパリィンと砕け散り、そこから現れたのは、呪いを払拭したヴィクトリアだったーー。『これがアンデッドの姿なのね……』 生前よりも若返った姿のアンデッドになっていた。 セレナやシグルーン王女も美人だが、当然産みの親も美しい尊顔。 黄金の様に輝くロングヘアー。 黄金の様に輝く瞳・絶世の美女の顔立ち。  豊満な巨乳、引き締まった体型、しなやかな脚線美。 聖魂の淡白い素肌を露出させた軽装鎧を纏い、下はハイレグとなっていて、両腰からはマントを靡かせていた。 今の俺の魔導ハイレグ服だから反映されてしまったかも。 シグルーン王女はアンデッドとなった母親に話しかける。「若い頃の瓜二つ……本当に……お母様……なのですか? 『今の私に実態はないから、こうやって魔力で全盛期の姿に戻る事もできるのよ』「この温もり、この暖かさ……魂は本物のお母様です」 シグルーン王女はアンデッドとはいえ、再び母親に会えて嬉し泣きして抱きしめていた。「お母様、ごめんなさい。やっぱり寂しくてお願いしちゃったの!」『寂しいのは当然よね。私は呪いに掛かってセレナと過ごせなかったから。少しだけ親らしく、可愛い娘を守らせて?』「うん!……うん!……」 セレナは顔を上げて嬉しい泣き笑顔を、母親に見せて抱き付いた。 家族の感動の再会を見て、それを良しとしない骸骨が怒った。『そんなのがアンデッドだと!? 認められるわけがない! 何故アンデッドが聖属性を扱えるのだ!? 《ダークボール》』『元々私の魂に聖痕を刻まれているの。だからアンデッドである私も聖属性が使えるのよ。《ホーリーボール》』 お互いに漆黒と聖光の塊をぶつけ合い相殺させる。 骸骨は両手を上げた先には、漆黒の球体を徐々に巨大化すると、まるでブ
last updateDernière mise à jour : 2026-04-08
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08話 ひとときの平穏

 欠伸をしながら目覚めると、外は太陽が昇っている事に気付いた。「ふぁーあああ……ヤバい遅刻! 遅刻!……」 冷静に考えてみたら、昨日は壮絶な1日だったから異世界転移していた事を忘れていた。「そっか、学校に行かなくてもいいんだった……」 普段はいつものベッドじゃないと寝れないのだが、このフカフカベッドは体にフィットして、優しく包み込んでくれる。 疲労もあって爆睡する事が出来たし、目覚めた時に学校に行かなくていいという解放感が堪らなく幸せな気分だ。 もう少しだけ二度寝したくなり、顔を横に振り向くと、「おはようございます。クロエ様」「うわっ、ビックリした!」 突然セレナに話しかけられて、思わず身を引いたらベッドからズリ落ちてしまった。立ち上がるとセレナが笑顔で、ベッドから起き上がった。「凄く気持ち良さそうに寝ていましたね。このベッドは気に入りました?」「自分のベッドよりも気持ち良かったよ。所で何でセレナが……」 周りを見ると明らかに女の子の部屋感があるが、俺はゲストルームに案内されたものだと思って、ベッドに入った瞬間爆睡したから分からなかった。「気付いたかと思われますが、ここは私の部屋です。気に入ってもらえて良かったです! これから私達の部屋として一緒に使いましょう」「は……はい」 彼女に押しまかせれて拒否できなかった。まぁ、こんな美少女と一緒に寝られるのも悪くはない。 にしても彼女はミニスカネグリジェは、男子思春期として堪らない。 もっと眺めていたい自分と、女体を利用しているみたいで心苦しい。 俺の影からヴィクトリアが片膝曲げて、頭を下げた状態で現れた。『おはようございます。クロエ様、おはよう、セレナ』「おはようヴィクトリア。朝の挨拶なら普通に出て良いのに」「おはようございます。お母様」 セレナは母親と会話する時だけ、素の状態で娘に戻るのが可愛い。『今日は何しますか? 戦闘ならば、我が亡者騎士団をお使いください』 いつのまにそんな用語が出来たのか分からないが、ただのアンデッドよりマシな気がする。 まぁ昨日は色々あったからな、急に予定を聞かれても答えられない。 何を答えてもヴィクトリアやセレナは、何処へでもお供しますって感じだし、無難な答えをしないとな。「そうだ。冒険者ギルドに登録とかってのは出
last updateDernière mise à jour : 2026-04-09
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09話 ギルマスはメイド!?

 冒険者ギルドまで徒歩で近いらしく、歩きで向かっている。 昨日の大々的な《映像魔法》で映し出された放送を見て、国民達がヴィクトリアに感謝している。  そして俺は《ネクロマンサー》として認識されて、嫌われるかと思ったが意外にもアンデッドにしてくれた事で皆助かったと感謝された。 国民は感謝してくれたが、鎧や魔導衣服を纏っている冒険者達は明らかに警戒されている。  俺をではなく……周りにいるヴィクトリア、エクレール、他護衛アンデッド騎士の方を警戒していた。  オンラインゲームではパーティを作ったりしてたが、コレではパーティ自体作れそうになさそうだ。 街の中央部にある、一番大きい建物に到着した。『ここが私の友人がマスターをしている冒険者ギルドです』 外から見るとギルドと酒場が合体しているのか、冒険者達が朝から酒を飲んで盛り上がっているみたいだ。  やっとファンタジーアニメで見た王道展開を期待しながら、俺は扉を開いて建物に入る。 左側は酒場となっていて、長椅子に長テーブルが数列並んでいる。  食事をしている冒険者達を見て疑問に思った。「俺達と近い人もお酒飲んでない?」「他国は知りませんが、ローゼリア王国は15歳が成人扱いなので、エールも飲めますよ」 ファンタジードラマでもエールだったな。俺は未成年だからビールとの差は分からないが、アルコールだから子供の俺には合わないのは確かだ。 クエストを受ける前に、食事で腹ごしらえをしているが、出てくる料理はドラゴン・ミノタウロス・ワイバーン・オークの肉類系なのが多い。  これからクエストで相手と戦闘するから、しっかりとしたモノを食べる必要があるのか。  他にはクエストを終えた後は、祝杯をして沢山の酒を飲んでいるパーティもいた。 そして右手には冒険者ギルドの受付カウンターとなっていて、クエスト掲示板まで貼られている。  まずは登録が先だから、受付嬢がいるカウンターへと向かう。「こんにちは! 今日はどういった……って昨日のもしかしてヴィクトリア女王ですか?」『そうよ。ギルドマスターと話がしたいんだけど、いるかしら?』「分かりました。少々お待ちください」 受付嬢が右耳に当てている魔道具を押しながら魔力を流すと、展開された魔法陣が発動された。  あれを通して離れた場所にいる人と会話とは、形からしてイ
last updateDernière mise à jour : 2026-04-10
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