All Chapters of 新米ソープ嬢は無月経の体で百合と童貞に溺れる ~シルヴァア・スワロウ~: Chapter 61

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エピローグ:幸福な王子と血

イルミネーションの光が、キヨミの後ろ姿を淡く照らしていた。 テラダの白いコートが遠ざかっていった後、キヨミは一人、新宿サザンテラスの光の海を歩いていた。カップルが手を繋ぎ、笑い合い、写真を撮る。クリスマス・イヴの喧騒が、まるで別世界の出来事のように耳を通り過ぎていく。 キヨミはふと、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』を思い出した。 宝石を体に埋め込まれた幸福な王子像。その宝石を一粒ずつ剥がして、貧しい人々に運んでいったツバメ。冬の寒さの中で、王子のために命を落としたツバメ。 (私は、あのツバメなのかもしれない) ミチコ。そしてアズサ。 煌びやかなメッキや装飾を身に着けていた彼女たちから、宝石は一つ一つ剥がされていった。ミチコの明るい笑顔、アズサの完璧な自信、ユキとしての艶やかな魅力——それらを、ひょっとしたらキヨミ自身が知らず知らずのうちに剥がし、別の誰かへ分け与えてしまったのかもしれない。そして彼女たちは、この世を去ってしまった。 本来ならば、私も彼女たちと共に死んで逝かねばならないのかもしれない。 この冬は暖冬だと言われていた。ニュースでは「記録的な暖かさ」と繰り返されていた。けれど今のキヨミには、耐えられないほど寒くて、凍えそうだった。コートの襟を立てても、冷気が骨の髄まで染み込んでくる。 そのとき、ふとキヨミのお腹に異変が走った。 今まで体験したことのない、鈍く重い痛み。下腹部がきゅっと締めつけられるような感覚。そして、何かが股間から漏れたような、温かい湿り気。 キヨミは足を止め、慌てて近くの商業施設のトイレに駆け込もうとしたが、すでに閉まっていた。 仕方なく少し歩き、サザンテラスを出て、西口方面の公衆トイレへ向かう。かなり汚いトイレだったが、お陰で空きが見つかった。 個室のドアを閉め、息を整えながら下着を下ろす。パンツが、真っ赤な血に染まっていた。 「……まさか」 26年間、一度も体験してこなかった生理が、今、起きたのか。 無月経の体。それが風俗嬢としての武器だった。生理の心配がなく、いつでも働ける。けれど普通の恋愛にとっては、決定的な欠点だった。テラダに「子供ができない体」と告白したとき、彼の表情が凍りついたのを、キヨミは今でも鮮明に覚えている。 それが、今、壊れた。 泣いていいのか、笑っていいのか、複雑な気持ちがキヨ
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