All Chapters of RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~: Chapter 181 - Chapter 190

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第181話 昨夜はごめん

 ノーファン村の山を登っていた。 登山道の両脇には木々や藪が鬱蒼と茂っている。木の葉の合間からは太陽の光がうっすらと差し込んでいた。エゾハルゼミが「ミョーキン、ミョーキン。ケケケケケ」と鳴いている。落ち葉の多い地面を踏みしめて歩き続ける。腐葉土の匂いがした。 ラグナシアではないが、気温はちょっと高かった。もうすぐ夏が始まろうとしている。 アイギスはステータス画面から製菓カードを取り出して「オープン」と唱えた。ソフトクリームを食べ始める。これで暑さが気にならなくなるはずだ。 だけど、(ニキはどこへ向かっているの?) パーティを組んでいる。 だけど三人とも、配信は切ってあった。 秘密の場所へ向かうのだろうか? ニキのまたがるキャルル丸の尻がふりふりと揺れている。途中、現われるモンスターをニキがキャノンで仕留めている。 やがて登山道をはずれて山道を進んだ。その先に洞窟が見えてくる。クジラが大口を開けているような不気味な穴だった。 ニキがこちらを振り返る。「晴恋、アイギス、今からこの洞窟に入るさ」「分かりました」「この洞窟には何があるの?」 アイギスが首をかしげつつ尋ねる。 ニキは意味ありげに口の端をつりあげた。「それは、到着してからのお楽しみさ」 彼がキャルル丸の肩を叩いた。白竜がまた歩き出す。洞窟へと進入した。(何なの?) アイギスは疑問に思いつつ、キャルル丸の揺れる尻を追いかける。 中は暗く、晴恋がランタンを取りだして点灯させた。 洞窟内に出てくるモンスターはスケルトンとオークメイジの二種類だった。現われるたびにニキとアイギスで倒した。そして十数分ほど歩き、地下一階への階段にたどり着く。ニキがキャルル丸から降りた。「みんな、食事にするさ」 ステータス画面からニキがカレーライスを取り出す。自作品のようで、Aランクの中辛だった。差し出されたのでアイギスは受け取る。
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第182話 あたしの希望

 夜。 もう我慢できないわ。 未だにルスプルのカジノにいた。照明が室内を華やかに照らしている。スロットの賑やかな音がうるさくて耳がおかしくなりそうだった。だけどそんなことはどうでもいい。 恋人のトウマはスロットにまだのめり込んでいる。一日中プレイしていた。とても鼻息が荒く、目はうつろである。スロットのレバーを引くこととボタンを押すこと以外に興味が無いようだった。 スリーセヴンは一度も無かった。(もういい加減にして):トウマさん、まだスロットやっているし……。:配信を見ているこっちの身にもなってくれ。:違う配信行きますね。 ベルフラウは覚悟を決めた。 トウマの肩をぽんぽんと叩く。 彼が煩わしそうに振り返った。「何だ? 真帆。今、良いところなんだが」「ねえ、ダーリン。実はね、もっと効率良くヴァルを稼ぐ方法があるの」「何だと? ……嘘をつくな。カジノこそが至上だ」「違うわ。ダーリンが知らないだけなのよ。本当に、もっと簡単にお金を稼げるのよ」「……マジか? どんな方法だ? 言ってみろ」「ついてきなさい」 ベルフラウは歩き出す。 だけどトウマは立ち上がらなかった。舌なめずりをしてスロットのレバーをまた引く。 ベルフラウはまたトウマのそばに戻り、その頭をぶっ叩いた。「早くついてきなさい!」「痛っ! 何だお前。殴ることないだろ」「ほら、早くコインを換金してきなさい!」 トウマは舌打ちをした。「……良いところだったのに」 彼がコインのケースを持って交換所のカウンターへと向かう。そこでコインをヴァルに交換した。50000ヴァルほどを入手している。これなら、ラグナシアでバフ料理を売った方が断然稼げると思った。 二人でカジノを出る。
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第183話 5カラット

 プロポーズをしたかった。 あれから、何度かログアウトをした。 トウマはいま、ルスプルの宝石店に来ている。 朝方だった。だけど店は営業していた。このゲームの店は全て24時間営業である。外では雨が上がり、スズメがちゅんちゅんと鳴いて散歩をしていた。 直方体の店は小綺麗な室内だった。白い床に白い壁。天井には魔導具の照明が光っている。ガラスケースの中にあるのは、宝石のついた装飾品だ。指輪、ネックレス、イヤリング、様々なものがある。ダイヤモンド、ルビー、サファイア、どれも高級そうだ。 トウマはステータス画面のヴァル残高を確認しながら物色した。 婚約指輪と結婚指輪の両方を買うつもりである。 寝ているベルフラウの指をトウマはこっそりと測っていた。細長い紙と定規を使ったのである。8号だった。 お互いがつける結婚指輪は、プラチナ製の50万ヴァルのものに決めていた。二つ合わせて100万ヴァルである。 だけど、婚約指輪はどれにすれば良いだろうか? ベルフラウの好きな宝石は聞いたことがなかった。だが、ダイヤモンドをプレゼントすれば間違いはないだろう。 残された問題はカラットである。 デカければデカいほどに値段が上がる。 トウマの視線の先には、一際光り輝くダイヤモンドの指輪があった。 5カラット……500万ヴァル。(高すぎる!) 円に直せば100万円である。 致命救済の装備効果もあるらしい。 だけど、馬鹿馬鹿しいとはこのことだった。 トウマは視線を移動させて、他の指輪を確かめる。カラットが一つずつ小さくなるにつれて、100万ヴァルずつ値段が落ちるようだ。 ステータス画面と指輪の値札をちらちらと見比べる。 そして思い悩んだ。 効率から考えれば、1カラットを買うべきだろう。 だが、それでいいのか? 結婚イベントは一回きりである。 いや、現実を含めれば二回あるのではある
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第184話 ずっと、そばにいるよ

 とても小さな結婚式だった。 客は少なく、そのせいで賑やかではない。 だけど、これでいい。(俺たちには、お似合いだよな) なあ、ウミ。 そう思うだろ? ラグナシアの教会、その大聖堂チャペルには厳かなオルガンのメロディーが流れている。シスターの一人が演奏をしてくれていた。長机に挟まれた中央の通路には、真っ赤なヴァージンロードが敷かれている。一番前の席の右手にいるのはニキとキャルル丸、左手には晴恋とアイギスが立っていた。晴恋の一つ後ろの席にはシスターが一人。その隣には町長のティオとその使用人がいた。そして、講壇の奥には牧師のおじさんがいる。 配信ドローンは入室不可だった。 チャペルの入り口にはトウマとベルフラウが肩を並べていた。今、ゆっくりゆっくりと歩き出す。トウマはパリッとしたタキシードを着ており、ベルフラウは可憐なウェディングドレス姿だった。二人の薬指には結婚指輪がはまっている。ベルフラウは婚約指輪もつけていた。 見ると、仲間たちは誰もが笑顔を浮かべていた。 祝福してくれている。 胸に熱い気持ちが溢れた。 涙がこぼれそうになる。 ウミ、(お前も天国で笑っているか?) やがて、講壇の前にたどり着く。 オルガンの音が止まった。 ふくよかな牧師のおじさんが両手を握り合わせて、お決まりのセリフをよどみなく喋った。「……健やかなる時も、病める時も、愛を誓いますか?」 トウマとベルフラウは同時に頷く。「「誓います」」「それでは、誓いのキスを」 ベルフラウとのこれまでの思い出と旅が脳裏に浮かびあがった。 幼い頃から近所同士の付き合いである。 一緒に遊んで、勉強をして、笑ったり泣いたりを共にして育った。 トウマの姉、千景の死。 あの時から、彼女を女性として意識するようになった。 小中高共に同じ学校で。
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第185話 ああ、知っている

 ひたすらに白い空間が広がっていた。 天井や壁は無い。床の感触だけはあった。白い床の先に、軽自動車ほどのサイズの赤い球体が浮かんでいる。HPMPバーがあった。名前は……電子思念体。 ステータス画面からトウマはブラウンのステッキを取り出す。 ベルフラウも腰のベルトからダガーを両手に取った。(あれがボスか?) トウマの目が鋭くなる。 ベルフラウが静かに呼んだ。「ユウマ」「ああ、行ってみよう」 赤い球体に二人は近づいて行く。 ドンと音が鳴った。【制限時間、2:00】 頭上に表示されたタイマーが動き始める。どうやらこのボスを倒すまでには制限時間があるらしい。しかもたったの二分だった。 ベルフラウが頭上を見上げて焦ったようにつぶやく。「ユウマ、このタイマーって」「おそらく、二分が経過したら、負けということだろうな」「じゃあ早く倒さないと」「ああ!」 ベルフラウが右手を掲げて唱える。「メイクアップ」 小さな可愛い手鏡が生まれる。虹色の光がベルフラウの化粧のノリを上昇させた。彼女が走り出す。「行くわ!」 ベルフラウが近づくと、赤い球体の表面には×5という文字が浮かんだ。 トウマは立ち止まって凝視する。「何だ?」 ×5、という文字は何を意味しているのだろうか? ベルフラウが赤い球体を斬りつける。「ふっ!」 身体を回転させてダガーの連続攻撃を叩き込んだ。初撃はHPが少し減った。だが、攻撃を浴びせるたびに与えるダメージが少なくなっていく。「ちょっと、硬すぎるわ!」 ベルフラウが顔をしかめている。 トウマは赤い球体の表面に表示されている文字に着目した。 ×5の文字は、いま×1に変わっていた。
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第186話 ジャンクアイランド

「ああ、知っている」 電子思念体が抑揚のない声で告げた。無機質な電子音である。 どこまでも白い空間だった。天井や壁はない。硬い床の感触だけがあった。後ろには白い扉がある。そして目の前には赤い球体、電子思念体が浮かんでいた。 トウマが急いた声で尋ねる。「ウミを生き返す方法を知っているのか?」「知りたいか?」「教えてくれ!」「このゲームの情報はヴァルだ。トウマよ、私にいくら払える?」「……何?」 トウマの眉が困ったように八の字になる。(またヴァルか!) クソゲーである。 ベルフラウが不安そうな顔を向けた。「ユウマ、どうするの?」 トウマは静かにあごを引く。「1000万ヴァルだ」「ちょっと、ユウマ! そんなにいいの?」「かまわん。ウミを生き返す方法が分かるのなら、安いもんだ」 ベルフラウは黙り込み、渋い表情で赤い球体を睨みつけた。 赤い球体が試すように聞く。「トウマよ、1000万ヴァルを払うのだな?」「ああ」「したたかな男だな。その金は、いま私を倒して入手した金だろう」「……足りないか?」「いや、いいだろう。では1000万ヴァルをもらっておく」 瞬間、トウマのステータス画面が自動で表示された。アイテム欄から1000万ヴァルが差し引かれる。トウマは腹が痛くなり、苦渋の表情を浮かべた。下唇がひきつる。 だけど、(ウミの存在は、金には変えられん)「おい、教えてくれ」「ではこれをやろう。お前たち、ジャンクアイランドへ行け」 赤い球体の手前の床が光った。一枚の羊皮紙が生まれる。 トウマは歩み寄り、その羊皮紙を拾った。「これは?」「ジャンクアイランドへの航海マップだ」「航海マ
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第187話 トビウオ

 グラスオース号が出航する。 アストラブール町で購入したばかりの船だった。 波しぶきを立てて、大海原へと船が進んでいた。魔導具のエンジンがゴゴゴと低い音を立てている。太陽の光に照らされて海面がキラキラと光っていた。カモメたちがクエーと鳴いている。まるでこれからの旅を祝福してくれているかのようだ。潮の香りがやけに濃かった。そして風が強い。 操舵士であるNPCのおやじさんが船の舵を切ってくれている。ジャンクアイランドへの航海マップは渡してあった。 そしてこれは余談だが、王都のある大陸へ行く際の航海マップは、おやじさんがすでに所持しているらしい。 船の名前にはギルドの名前がそのまま付けられていた。先ほどみんなで決めたことである。:行けー、グラスオース号w:目指すはジャンクアイランドですね。:ウミちゃぁぁん、いま行くから待っていてね。 船の前甲板の欄干に背中を預けてトウマは座っていた。その手にはアビリティの書がある。電子思念体を倒した時に入手したものだった。隣にはベルフラウがいる。 二人の服装は結婚式の正装から元に戻っていた。 今、トウマがアビリティを習得しようとしている。「なあ、ベルフラウ。本当に無料で、俺がこれを使ってもいいのか?」「いいのよ。だって、電子思念体を倒したのはトウマだし。あたしは指輪をもらっているから。それに、あたしはアビリティをもう覚えているし」「そうか。じゃあ、使うぞ?」「どうぞ?」「ありがとう」 トウマはステータス画面を見て、キーワードをつぶやく。「アビリティ解放」 金色のカバーの分厚い本が白い光を帯びて消える。アビリティを習得した。ステータス画面で能力をチェックする。 アビリティ、スイッチヒットポイント……HPが50%以下になると次の被弾時に相手のHPと自分のHPが入れ替わる。 アビリティ必殺技、フィールドクラック……ヴァルを消費してフィールドにご都合主義を
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第188話 魚介ラーメン

 現実の昼食を終えてゲームに戻って来ていた。 今、トウマ、ベルフラウ、ニキは釣りをしていた。 晴恋とアイギスは釣りシステムを開放させていないため、見ているだけである。もちろんキャルル丸もだ。 木製の後甲板。船のエンジンがゴゴゴという音を響かせている。波しぶきの音も大きく、ざぶんざぶんと鳴っていた。トウマたちの上空にはカモメが集まってきており、釣れた魚を狙っている。鳴き声がこだましている。カモメが寄ってくるごとにアイギスが槍で追い払ってくれていた。 高級釣り竿を両手に持ちながら、トウマは粋な表情を浮かべる。(大漁だ!) 魚は次々にヒットしていた。アジ、シロギス、メバル、タチウオ、様々な魚を釣り上げる。五分に一匹は釣れていた。木製の床には釣れた魚が並べられており、幽霊猫のトビウオがむしゃむしゃと食べていた。 隣にいるニキが羨ましそうにこちらを見る。「トウマさん、その高級釣り竿を、ちょっと貸してくれさ」 ニキの釣り竿は初心者の釣り竿である。木の棒に糸と針がついただけの粗末な作りだった。獲物がかかる確率は低い。 トウマは微笑を浮かべつつ首を振った。「ダメだ! 今、良いところなんだ!」「ちょっとだけだって。俺っちも、もっと釣りたいよ」「もっと釣りたければ、高級釣り竿を釣るべきだな」「なんだよぉ。ケチだなー」「いま良いところなんだ! 魚がびゅんびゅんだ!」 ふとトウマの釣り竿の先がキュッとしなる。また獲物がかかったようだ。「これはデカいぞ!」 トウマがリールを巻く。糸の先のルアーについていたものは真鯛だった。:真鯛来た!:ピチピチだな。:トウマさん、調子良いですね。 トウマはるんるんとした気分で、リールを巻いて魚を引き上げる。ルアーから真鯛をはずして両手に持った。でかい! 50cmはありそうだ。「よっしゃあ!」 思わず声を上げてしまった。 トビウオが物欲しそうにこちらを見る。
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第189話 ぎこちない連携

 船が大きく縦に揺れた。 晴れ空が途端にどんよりと曇る。雨が降ってきていた。波は荒れ狂い、海の色が黒ずんでいく。落雷が発生して空がゴロゴロと鳴っている。嵐となった。「クラーケンが出たぞー!」 操舵室の扉を開けて、NPCの操舵士のおやじさんが叫んでいた。 トウマたちが前甲板へと駆けつける。船の舳先には巨大な青黒いイカのようなモンスターが乗り上げていた。不気味な瞳でこちらを睨みつける。船を転覆させようとしていた。 ドンと音がした。 ――クエスト、クラーケンの撃破:初めて見るタイプのボスだな。:中ボスだからそんなに強くないはず。:誰か! 釣りシステムの入手方法を知っている人はいませんか!? トウマは腕を組み、いたって焦らずに吐息した。(……ふむ) 馬車の旅では途中、敵が出てくる。船旅も同じようだった。 全員がパーティをすでに組んでいる。 ベルフラウが左手のひらを掲げて唱えた。「メイクアップ」 ステータス画面からみんなが武器を取り出している。 ニキが叫んだ。「みんな、連携を取って戦うさ!」「連携?」 ベルフラウが振り向いて唇をすぼめる。 その時、クラーケンが大きな足を上から下へと振り下ろした。身体が赤いオーラを帯びている。足が叩きつけられると同時に、大きな雷が海に落ちる。辺りが稲光に包まれた。 轟音。 光がやむと、グラスオース号の前甲板には12体のゾンビが出現している。ゾンビは船乗りのような白い服装をしており、マリンキャップをかぶっていた。だけどその服はボロボロだった。ここら一帯で死んだ船乗りたちをクラーケンが蘇らせたようだ。 ニキが声をかけた。「トウマさん、連携の指示を頼むさ」「……いきなりだな」 連携など練っていない。だけど良い提案だと思った。五人と一頭でがむしゃらに敵へ突
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第190話 ウミのことなら

 ジャンクアイランドに船が着岸する。 島には、ガラクタが山のように積み上げられている。ボロボロになった武器や服、手や足のちぎれた使い魔や乗り物、戦車やロボットまであった。まるでゴミの山である。このゲームではロボットを仲間にできるのだろうか? そんな疑問がトウマの脳裏には浮かんだ。 小さな島だった。島は濃い霧に包まれている。空中を飛んでいた配信用ドローンが透明になって消えた。どうやらここは配信不可エリアのようだ。 着岸すると、操舵士のおやじさんが錨を海に降ろした。 みんなで輪になって、それぞれに適したバフ料理を食べていた。島に行けば戦闘が多いのかもしれない。準備は入念にするべきだった。 魚介ラーメンをすすりつつ、トウマが口を開く。「みんな、ここからは用心してかかってくれ」「本当にウミちゃんがいるのかしら?」 ベルフラウが疑問そうに言って、カレーライスのカツをむしゃむしゃとかじった。 アイギスの鼻がひくひくと動く。「いる! かすかだけど、ウミちゃんの匂いがする」「アイ、分かるの?」 晴恋が聞いた。 アイギスがこくりと頷く。 トウマがみんなに視線を配る。「みんな、何としてでもウミを見つけるぞ」「当たり前!」 アイギスが興奮したように鼻息を荒くしていた。 食事を終える。 船にはタラップがあった。それをつたって地面へと降りる。トウマとベルフラウを先頭に島の内部を進んだ。だけど霧が濃い。モヤモヤとしており、3m先が見えなかった。何が起こっても良いように、みんなが武器を手に持っていた。 ドンと音がした。 ――蘇生クエスト、ウミの6つのクイズに全て正解する 頭上の表示を見て、トウマが顔を険しくする。「何だ?」「クイズに答えるって?」 ベルフラウが首をかしげている。 その時だ。 前方に光の柱が立った。光の柱の中から、小悪魔のような角と翼を生や
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