美術館の中に入る。 みんなで室内の絵を見て回ってみることにした。広い通路を一周して歩く。 白い天井にワックスの塗られた木製の床。壁には様々な絵が掛けられていた。農夫が畑を耕しているもの、着物の女性が振り向いているもの、秋の山を色鮮やかに描き出したもの、何を表しているのか分からない抽象画まであった。だけど不思議とパワーを感じる。 やがて目に飛び込んできた一枚の絵にウミは釘付けになった。ひまわりの油絵である。華やかな絵では無い。花は若干よじれており、部分的に散っていた。けれど、その絵には確かな生命力が息づいている。植物の生々しさと、エネルギーのほとばしりを感じた。ウミは興奮してつぶやいた。「すごい絵ですぅ」「ウミちゃん、これ、何が凄いの?」 隣にいるアイギスが渋い顔をする。 ウミはびっくりして親友を見た。「アイちゃん、もしかして、分からないのですか?」「ちんぷんかんぷん」 アイギスは首を振っている。 ウミはもう一度ひまわりの絵を眺めてみた。(こ、これは絶品です!) 絵の中では、ひまわりが力強く生きている。 作者の溢れる才能を感じた。 ウミはもう一度アイギスを見る。「アイちゃん、この絵は、す、すごいですぅ」「何が凄いのか、説明して」「そ、それは、見てください。ひまわりが、生き生きとしていて、みずみずしくて華麗ですぅ」「今にも枯れそうなひまわりだね」「ち、違いますぅ。このひまわりは、一生懸命に生きようとしていますぅ」「子供がいたずらで描いたのかも」「ち、違いますよぉ。アイちゃんには、分からないですぅ」「うん。分からない」 アイギスはつまらなそうにぼんやりとこぼした。(アイちゃんはおっかしいですぅ) ウミは飽きることなくひまわりの絵を眺めて、胸を高鳴らせていた。 少し離れたところからトウマが歩いてくる。「ウミ、アイ、こっちに来てくれ」「ウミちゃん、行く」 アイギスがウミの手を握って引っ張った。 ウミが残念そうな声を出す。「あうぅ、まだ見ていたいですぅ」 トウマが案内した場所にはみんなが集まっていた。 マーカスとその母親はもういないようだ。 いくつもの机と椅子がある。美術館の女性スタッフが一人いて、ステータス画面を出していた。「みなさんもどうぞ、絵を描いていってください」 女性スタッフは画材を取りだし
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