光希の瞳が驚愕に見開かれた。信じられないといった様子で、指輪の内側を指で何度もなぞり、刻印を確かめる。なぜ、この指輪に美月のイニシャルが刻まれているんだ!これは間違いなく、俺が彩葉にプロポーズするために用意した婚約指輪だったはずだ。彼女の荷物がすべて消え失せているのに、なぜこの指輪だけがぽつんと残されていたのか。その理由を、彼は痛いほど理解した。光希は怒りに任せて指輪をデスクに叩きつける。その衝撃で机が震え、箱の下からキャッシュカードの端が覗いた。光希がそのカードを手に取ると、さらにその下には折り畳まれた一枚の紙が敷かれていた。広げてみると、そこには詳細なリストが記されていた。この数年間、彼が彩葉に贈ったすべてのプレゼント――マンションから、たった一輪のバラの花に至るまで。長く連なった数字の最後には、無機質な合計金額が弾き出されていた。二億円。光希の胸に瞬時に怒りの炎が燃え上がり、手の中のリストを力任せに引き裂いた。一体どういうつもりだ。これで俺と綺麗さっぱり縁を切ろうとでもいうのか?彼女と美月が共謀して仕組んだあの芝居の中で、俺が彼女を選ばなかったからだとでも?先に俺を騙していたのは、彼女の方ではないか。光希はスマートフォンを掴み、彩葉の番号を叩いた。だが、耳に届いたのは氷のように冷たい機械音声だった。「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」その瞬間、怒りは霧散し、代わりに言いようのない焦燥と不安が再び光希の心を支配した。メッセージアプリを開く指先が、微かに震えている。【彩葉、どこにいるんだ?ケーキとお前の大好きなマカロンを買った。一緒に誕生日を祝おう、いいな?】だが、どれほど時間が経とうと、メッセージはずっと未読のまま。一向に既読に変わる気配はなかった。光希の思考は真っ白になった。すぐさま別の番号へ電話をかけ、焦燥と怒りの入り混じった声を荒らげる。「今すぐ彩葉の行方を洗え!それから、この一週間彼女が何をしていたか、洗いざらい報告しろ!」電話を切るなり、光希は信じられない思いで屋敷中の部屋を駆け回った。だが、どこを探しても彩葉の痕跡は微塵も見当たらず、彼女の髪の毛一本すら残されていなかった。光希は弾かれたように裏庭へと飛び出した。視界に飛び込んできたのは、火のよ
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