Alle Kapitel von 俺様吸血鬼【ヴァンパイア】と私の甘くて苦い恋愛事情。: Kapitel 41 – Kapitel 50

81 Kapitel

●41〜吸血鬼【ヴァンパイア】と両想い〜

「ねえ、桜木……?」「……なんだ?」私は屋上で桜木の手を握る。「……私もいつか、吸血鬼になって死ぬのかな?」私がそう聞いたら、桜木の目の色が変わった。 下を向いて俯いたまま、何も言わなかった。「……教えて。 私……死ぬの?」「分からない。……死ぬかもしれないし、死なないかもしれないし」桜木が吸血鬼じゃなかったら、私はこんなに悩むこともなかったのかな……。「……桜木、一つお願いがあるの」「お願い……?」「もし……もし私が吸血鬼になって、桜木のことを殺そうとしたら……その時は、遠慮なく私のこと殺していいからね」私がそう言ったら、桜木は声を荒げ「バカ……! 何言ってんだよ!」と言ってきた。「私……桜木になら、殺されてもいいよ」桜木のことをジッと見つめる。「バカ! 簡単にそんなこと言うんじゃねえよ!」珍しく、桜木が声を荒げた。「……ご、ごめん」「いや、俺こそごめん……。感情的になりすぎた」そう言って桜木は、屋上を出ていってしまった。その後ろ姿は、どこか悲しそうで、泣いている子犬みたいだった。その日桜木は、早退してしまった。……私が悪い。私があんなこと言ったから。だからちゃんと謝りたい。 ごめんって、もう一度、謝りたい……。そして桜木に、私の本当の気持ちを伝えたい。 大好きだって、ずっと一緒にいたいって……そう伝えたい。そう思った時には、すでに私の足はある方向へと向いていたーーー。✱ ✱ ✱恐る恐る玄関のインターホンを押してみる。すると玄関が空いた。 そして現れたのは……。「え……真琴?」玄関から現れたのは、桜木だった。「……なんで、何も言わずに帰るのよ」「いや……それより、どうしてここが?」そう聞かれた私は「……先生に、教えてもらったの」と答えた。「そっか。……まあ、上がれよ」桜木は私が来たことに驚きながらも、家に入れてくれた。私も桜木に会うためにここまでするなんて、バカだなと思ったけど、もう後戻りは出来ない。「……お邪魔、します」恐る恐る中に入ると、そこは光をシャットアウトするためにカーテンが閉ざされていた。やけに暗いのは、それのせいなのかもしれない。「オレンジジュース、飲むか?」「え? あ、ありがとう」「その辺、適当に座ってろよ」「うん……ありがとう」初めて来た桜木の、部屋に。 部屋だ
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○42

「桜木から好きって言われて、本当は嬉しかったの」「俺だって、お前のこと……」そう言いかけて、桜木は言うのをやめた。 それはまるで、躊躇っているみたいだった。「私のこと、好きだって言ってくれたのは……ウソだったの?」どうしても聞きたかった。桜木の口から、本当の気持ちを……。「……ウソじゃない。俺だって、真琴のことが好きだ」「私……桜木のそばにいたいの」これは私の本心なんだ。 本当に桜木と一緒にいたいから。「……でも、お前を傷つけたくないんだ」「どうして……?」どうして、そんな悲しい顔をするの……?「俺はお前のことを守りたい。 でも俺は人間じゃない。お前を守るなんて言ったけど、俺は結局ヴァンパイアなんだ。……アイツみたいに、いつかお前を殺すかもしれない。 そう思ったら、怖くなったんだ」「もし、殺されるなら……殺される運命なら、私は桜木に殺されることを選ぶよ」   そう言って、桜木の頬に触れる。その頬を撫でると人間のような暖かさと、温もりがある。「やめてくれ。そんなこと言うな……頼むから」桜木は私を優しく抱きしめる。「桜木……キス、してっ……」そう呟く私に、桜木はその唇にキスを落としてくれる。 私はその目を閉じて、そのキスを受け入れた。「桜木、抱いてっ……」「……本当に、いいのか?」私はそう聞かれて、小さく頷く。「真琴っ……」桜木は私の頬に触れると、優しく何度もキスを落としていく。 桜木は私をベッドへと運び、そのまま押し倒す。私の髪に触れながら、そのまま何度もキスをしてくれる。 「桜木っ……」今度はおでこ、耳、そして鎖骨へとキスをしてくれる。 優しくて、温かいキスが、とても幸せだった。 制服のリボンが桜木の手によって外されていくと、ブラウスのボタンが一つずつゆっくりと外されていく。「桜木……?」「ごめん。……ちょっと、緊張してる」その言葉がすごく嬉しくて、桜木の背中にぎゅっと腕を回した。「……キレイだな、真琴は」「え……?」下着姿になった私に、桜木はそう言ってくれた。「キレイだ、誰よりも」私は桜木にキレイだと言われたことが嬉しくて、「桜木……大好き」としがみついた。「真琴……もう一度聞く。 本当に、いいのか?」「うん」「後悔……しないか?」「……うん」   それが私の覚悟だ。 
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●43〜吸血鬼【ヴァンパイア】の黒幕〜

「桜木、お待たせ」「おう」私たちは色々あったけれど、無事に付き合い始めた。 萌恵には「ようやくかあ。もう、付き合うまで長すぎ!」と待ちくたびれたと言われたけど、喜んでくれた。あれから二週間くらいは平和な日々が続いていた。まるで何事もなかったのように、毎日淡々と時間が進んでいった。萌恵も少しずつだけど、前みたいに明るさを取り戻していった。本当に少しずつだけど、前の萌恵に戻ってくれているので私も嬉しい。「萌恵、今日ってバイト?」「あ、うん。そうなの、ごめんね」「ううん、頑張ってね」 「ありがとう。じゃあ、二人仲良くしてね!」「あ、ちょっと!」もう……。でも萌恵が現気になってくれたことは、本当に良かった。しばらくかなり落ち込んでいて、二週間くらい学校へ来ていなかったし。 あの時は本当に心配したけど、今はバイトに打ちこんでいるようだ。「じゃあね、桜木」「本当に送らなくていのか?」桜木からそう聞かれたけど、いつも通ってる道なので「うん、ここで大丈夫。 ありがとう」と桜木に「バイバイ」と手を降って歩きだした。しかしその帰宅途中に、事件は起きたーーー。「んんっ……!?!?」私は誰かに後ろから口を塞がれた。 なんとかここから逃げようと抵抗したけど、薬がついていたせいか、私はそのまま意識を失ってしまった。遠のいて行く意識の中、うっすら見えたのは、見覚えのある顔だった……。✱ ✱ ✱「っ……ん……?」うっすら目を開けると、そこは真っ暗で何もない、場所だった。え……ここ、どこ? なんで私は、ここに……? 「……っ!?」思い出した……。誰かに後ろから口を塞がれて、それで……。「ん、んんっ……!?」なにこれ……。口はガムテープで塞がれて、椅子に座らされて、あげく両手は身体ごとロープに巻きつけられていた。抵抗を試みてみたけど、びくともしない。「んー……んーっ!!!」助けて誰か……桜木!!助けて……!!身体が思うように動かなくて、恐怖だけが募っていく。「……お、目が覚めたみたいだな」そして誰かの声がする。 でも、誰……?「んんっ!……ちょっと、なによこれ!」ガムテープを剥がされると私はすぐにそう叫んだ。「これほどいてよ!!」「わーわーわめくな。 大人しくしねーと……殺すぞ」「……っ!?」目の前には血のついたナイフがあ
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○44

「っ……や、やめてっ!」なんなの、コイツ……気持ち悪い。 早くここから出たい……。「ほーう……よく見たら、なかなかいい女だな」彼は私の頰を触り、上から下まで見回す。 ゾクッとした感触が体全体に行き渡る。「なあ、一個提案なんだが……お前、俺の女にならないか?」「……はあ?」「お前なかなかいい女だから、俺の女になるなら、ここから出してやってもいいぜ」はあ……? 何言ってんの? コイツ、頭おかしいじゃないの……。「さあ、返事は?」「何言ってんの。なる訳ないでしょ!」こんな男の女になるつもりなんか、さらさらない。 私が好きなのは桜木だけ。「そうかぁ、いい提案だと思ったんだけどな」「ふざけないで! なる訳ないでしょ!なんで私がっ」「俺の女になれば、人生は安泰だぞ? 一生好き勝手遊んでられるし、何一つ不自由のない生活が出来ると言うのにな?」そう言って男は、ニヤリと怪しく笑う。「そんな生活……私は望まない」「人間ってのは欲望の塊で出来ているから、嬉しくないわけないと思うが……まあいい」私は「アンタ、桜木に指一本でも触れたら、私が絶対に許さないから」と伝えるが、男は「そんなこと言えるのも、今のうちだな」とナイフを見つめている。「………」コイツは一体何がしたいの? 私を誘拐して、桜木を誘き出す作戦とか言ってた。それって一体、どういうこと……? なんの目的があって、そんなことを?私は一体どうしたらいいの? このまま、殺されてしまうのかな……。突然男の携帯電話が鳴ると、男は電話に出た。「なんだ。見つかったのか?……そうか。ここに連れて来い。ヤツの女もここにいる」「……っ!?」えっ……。もしかして、桜木……!?「ああ。 いいか、ヤツの女には手荒なマネはするなよ。エサなんだからな」そう言って男は電話を切った。「よかったな。お前のだーいすきな桜木ユズルも、捕まったみたいぜ?」「なっ……!?」コイツ、桜木に何するつもりなの……? まさか、私と一緒に道連れにするつもり……?「ま、二人仲良く死んでもらうから安心しろ」「やめてっ! 私はどうなったっていいから!……だから、桜木にだけは手を出さないでっ!」なんとかして桜木を守りたい。  私が守ってもらったんだから、今度は私が桜木を守る番だ。「じゃあそうだな……まずは」「え……な、何す
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●45

「……そうね。そうかもしれない」「分かってるじゃないか」「でももし、私も死ぬとしたら、私は最後に桜木と一緒に死ぬ道を選ぶ。……もしアンタの女になることが生きる道だとしても、私は桜木と生きることを絶対に選ぶから」男は私の髪の毛に触れると「ふっ、まだそんなことを言ってるのか。 ヤツにはもう未来はない」と嘲笑う。「だったら……私がその未来を変える」「……腑抜けたことを」「腑抜けてなんてない! 例え私が死ぬ運命だとしても、その最後の瞬間まで……私は絶対に桜木と生きることを選ぶ!」「……おい女、それ以上喋ると、本当に殺すぞ」男は私の顔にナイフの先端を向ける。「……いいわよ、やれるもんならやってみなさいよ。 私は絶対に負けないから」「ふっ……人間ってのはつくづくバカな生き物なんだな。 吸血鬼のためにそこまでするなんて」私はそう言われて「違う……」と言い返した。「吸血鬼なんかじゃない!桜木は、れっきとした人間よ。アンタみたいにクズな吸血鬼よりずっとマシなんだからっ! 心だって人間だし、身体だって人間よ! 人間としての、ちゃんとした生き方を持って……くっ……くる、しっ……っ!」私は男に首を締められてそれ以上、何も喋れなくなった。 苦しくて、今度こそ本当に死ぬかもしれないと、そう思った。「っ……やめ、てっ……くる、しっ」「死ね、人間っ……!!」もうダメだと、もう死ぬんだと思った、その時……。「やーめーろー!!!!」「ガハッ……ケホゲホッ……っ」「真琴に手ぇ出すんじゃねえっ!!」桜木が来てくれた……。「さく……ら、ぎっ……?」朦朧とする意識の中、半開きの目で見たのは桜木の姿だった。「てめぇ……真琴に何をした?」「……ケホッ……」「真琴に何したんだって聞いてんだよ!!」 桜木は、男の胸倉を掴む。「何って、゙キズしただけだよ」「なっ……なんだとっ!?」「あ、そうだ。 お前の女に俺の血を飲ませた」男がそう言った瞬間に、桜木が「なんだと……?」と男を睨みつける。「お前の女は、後一週間以内に死ぬぞ」「……っ!? てめぇ……!!」私は声を振り絞り「さく、らぎ……っ」と口を開く。「真琴!? 大丈夫か、おい!!」桜木が、椅子に巻き付いたロープを解いてくれる。 そして力強く抱きしめてくれる。「……はぁ、私のことは、いいから……っ
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○46

【sideユズル⑤】  俺は意識を失った真琴に、キスをした。そして首筋に少し甘噛みし、血を吸い取り、俺の血を飲ませる。「……頼む」頼む……効いてくれ……。「おい、お前の狙いは俺だろ? なんでこんなことをするんだよ!」男は「この女は囮だよ。 お前を呼出すためのな」と笑った。「……囮? それだけのためにコイツを……コイツにこんなひどいことをしたのか?」真琴の顔には切り傷もある。 割れた瓶の欠片があることを考えると、真琴はこの欠片で顔をケガしたってことだろう……。俺の大事な真琴にこんなことをするアイツらを、許す訳にはいかない。「いやー随分威勢のいい女だったな。 俺に生意気な口を聞いていたぞ」はあ……?「人間のくせに、本当に生意気だったな」「ふざけんなよ。コイツは人間だぞ? 赤の他人だろっ! こいつまで巻き込むなんて……どうかしてる」「そいつは用済みだ。 俺の女になることを断ったからな」「……はあ?」用済み……だと? 何を言ってるんだ?「俺の女になればここから出してやるって行ったんだが、コイツはそれも断ったよ」「は……?」俺は真琴を見る。 「……お前の望みはなんだ」「俺の望むものは、お前の血だよ。 最強の吸血鬼(ヴァンパイア)、桜木ユズル」そんなに俺の血がほしいなら……。「……分かった。 俺の血なんて、いくらでもくれてやる」「ほう?」  「俺の血がほしいんだろ? だったら好きなだけくれてやるさ」俺は交換条件として「その代わり……俺たちに今後一切、二度と近づかないと約束しろ」と伝えた。「いいでしょう。その条件、飲みましょう」「交渉成立だな」「では、あなたの血を分けてください」俺は注射器数本を受け取ると、注射器を左腕に刺し自分の血を抜いた。 真琴を守るためなら、いくらだってやってやる。注射器をアイツに手渡すと「では、交渉成立です。……ご苦労様でした」とニヤリと微笑んだ。そしてアイツは、そのまま俺たちの前から姿を消した。「クッソッ……」俺はこんな守り方でしか真琴を守れない自分に、新底腹が立った。 アイツを守るって約束したのに、こんなにも傷付けて……。 俺は、アイツのことを守れなかった。守るって約束したのに……。守るのにこんなに傷付けたら、意味ねえだろうが。「……さく……らぎ?」「真琴……? 大丈夫か!?
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●47〜吸血鬼【ヴァンパイア】の誘拐〜

✱ ✱ ✱ 「桜木、おはよう」  「おはよう、真琴」あれから一ヶ月経っても私は死ななかった。 やっぱり、あの解毒剤のおかげかな……?毒を全て抜いてくれるって言ってたけど、本当だったんだ……。あなどれないな。「真琴、今日家来るか? 家の近くにカフェが出来たんだ」「へぇー行きたい!」「じゃあ、帰りに行くか」「うん」あれか平和な生活になった。 特にヴァンパイアだということもバレず、桜木も人間として生活している。 あれから特に何も起きない。 桜木の話だと、血のニオイもなくなったらしい。恐らく、しばらくは大人しくしているんじゃないかという話だ。……まあ、何事もないのが一番だけど。放課後は、桜木と一緒に最近出来たというカフェへ行った。 人気メニューがフルーツパフェとパンケーキらしいので、二つ頼んで食べてみることにした。「お待たせいたしました。フルーツパフェとフルーツパンケーキで、ございます。 ご注文の、品は以上でよろしいでしょうか? ごゆっくり、どうぞ」店員さんが持ってきてくれたパフェとパンケーキは、めちゃくちゃおいしかった。「美味しいね〜これ」「ああ、うまい。甘さ控えめがいいな」「ん! こっちのパンケーキも美味しい」「美味い?」「うん、美味しい。メープルシロップ最高かも」なんて普通のカフェデートを楽しんだりして、恋人っぽい日常を送っている。……まあ、これが普通なんだと思うんだけど。でも本当に色々あったけど、今すごく楽しいし、すごく幸せだ。「桜木、ここクリーム付いてるよ」「どこ?」「ここ!」私は桜木の唇に付いたクリームを取ってあげる。「悪いな」「子どもみたいだね」と言うと、桜木は「うるせえな」と笑っていた。こんな他愛もない会話も、何気なく楽しい。 これが望んでいた幸せだ。 裕福な生活より、今がいい。「ごちそうさまでした」「会計しようか」「私も払うよ」と言ったのに「いいよ。俺が誘ったんだし、俺が払う」と言ってくれた。「じゃあ、割り勘しよう」「いいって、俺払うし」「ダーメッ!」こんなバカみたいな会話も、今では幸せだと思ってしまう。 これも桜木と一緒だからかなと思う。 毎日がこんなだったら、いいのにな……。「俺んち来る?」「もちろん」「んじゃ、行きますか」手を繋いで歩く道も、今ではあっという間す
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○48

「これからもずっと、俺のそばにいてくれ」「……うん」「真琴、大好きだー!」「わっ!? ちょっと……!」抱きついてくる桜木の背中を掴んで、ぎゅっとした。そのまま二人でベッドに横たわり、たくさんキスをした。「……ん、さく、らぎ……」制服のリボンが外され、ブラウスに手がかかった時だった。ピーンポーンと、インターホンが鳴った。 私たちは急いでベッドから起き上がる。「悪い。出てくる」はぁ………びっくりした! タイミング悪いって……。とりあえず、制服のリボンを直す。「なんか荷物届いてた」「荷物?誰から?」そう聞くと桜木は「それが……差出人は不明だ」と答えた。「え……?」差出人不明……? それを聞いて、なんだかイヤな予感がした。 なんかとてつもなく、イヤな予感がする……。「とりあえず、開けてみるか」「うん……気をつけて」桜木は慎重に差出人不明の荷物を開封した。「……なんだ、これ」私もその荷物の中を確認した。「な、なにこれ……?」「……血?」「誰の……血?」「いや、分からない」「なんで、こんなものが……?」これ、なに……? もしかして、ヴァンパイアの血……?謎は残るばかりだった。なんのために送ってきたのか、なんの目的があってこんなものを送り付けて来たのか。「……理由はともかく、また何かが起こるサインかもしれない。気を付けよう」「そう、だね……。気を付けよう」イヤな予感がしたのは、間違いないんだ。「ね……今日、泊まっていってもいい?」「いいけど……母さんは大丈夫なのか?」「うん。友達の家に泊まるって言ってあるから、大丈夫」「そっか」私はその日、桜木と幸せを感じながら身体を重ね合わせた。 この幸せが続くように、そう祈りながらーーー。だけど、その予感が的中するのは、すぐ後のことだった。✱ ✱ ✱それから数日後の朝、ニュースで再び吸血鬼と思われる遺体が見つかったと速報で報道されていた。「え……?」ーーードクンッ私の心が、急にざわざわし始めた。 なに……なんなの、この胸騒ぎ……。身体が動かなくなって、まるで金縛りにあったみたいに、動けなくなってしまった。……え、なに? なんなの、これ……?イヤな予感がする。 それは知ってはいけない未知の世界に入り込んだかのような、そんなざわめきだった。「……っ」
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●49

その日、私の脚取りはとても重かった。 まるで霊にでも取り憑かれたみたいに、全身が重く感じた。これが何かの前兆なのか……それとも。 その予感が的中するような気がして、学校に行くのが怖い。もしまた私たちの前に、アイツらが現れたら……?私はきっと……今度こそ、生きて帰れないかもしれない。これまでだって何度も死にかけて、本当に死ぬかと思った。 それでも今生きているのは、桜木のおかげ。桜木がいなかったら私は、きっと今ごろ吸血鬼にされていたか、死んでいた。今度は……どうなるのだろうか。 また生きて帰れるかどうかわからなくて、怖くて仕方ない。……ダメダメ、もう考えるのはやめよう。ところが、学校に着いてしばらくしても、桜木は登校してこなかった。電話したりメッセージを送っても、既読にならなかった。 「なんで、電話出ないの……」どうして電話に出ないの? なんでメッセージ読まないの?その日桜木が学校に姿を見せることはなかった。同様に、朝からずっと連絡は取れないままだった。放課後、桜木の家に寄ってみたけどいる気配はなかった。「いない、か……」チャイムを鳴らしたりしたけど、いなかった。「……桜木、どこに行ったの?なんでいないの?」桜木が私になんの連絡もしないで、いなくなる訳がない。 必ず連絡してくれるはずだから。 その時、私は何かを確信した。……何かがおかしい。桜木に、何かあったんだと。私は気付いたら走り出していた。 行く宛なんて分からないし、思い当たるところもない。だけど一生懸命走った。 きっとどこかにいると、そう信じて走り続けた。だけど、桜木はどこにもいなかった。「……桜木、どこにいるのよ……」なんでいないの? 何度も電話したけど、やっぱり電話に出ない。メッセージも未だに既読になっていない。 そういや私、桜木のことなんにも知らないや……。 知っているのは、ほんの一部だけ。その他のことなんて、なんにも知らなかった。 「……まいったな」こういう時、桜木なら必ず私を助けてくれるのに、私は何も出来ない。自分が無力なのだと、改めて思い知らされてしまった。「っ……」悔しさと情けなさで涙が出る。 既読のつかないままのメッセージを眺めながら、やるせない気持ちを必死で押し殺すしかなかった。ベンチに座り込んだまま動くこともできず、無力な自
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○50

【sideユズル⑥】「……ん……んん……?」 ここは、どこだ………? 頭がガンガンして、重たい。なんで俺はここにいるんだ……? ここは、どこなんだ……。 周りを見渡してみても、真っ暗な部屋で何もない。しかも俺の体は、鎖で繋がれていて、身動き一つとれない状態になっていた。「……どうなってんだ? なんで俺はここに……」クッソ………。頭がガンガンして、何も思い出せない。なんでここにいるのかさえ、思い出すことができない。「ん……? なんだ、これ……」俺の腕に、注射器を刺したかのような跡が残っていた。 見覚えのない、針の痕だ。まだ新しい。「クッソ……。頭がいてぇ……」なんだこの香りは……。頭痛がするくらいに、クソ甘ったるい香水のニオイが部屋中に広がっている。「……なんだ、このニオイ……」それだけじゃない。 甘ったるいニオイに混じって、ふいについてくる血のニオイ。間違いねぇ……。俺だけじゃなく、他にも誰かいるな。恐らく俺と同じヴァンパイアだ。 しかし、ニオイはするが正体は見えないままだ。「……あら、目が覚めたの?」甘ったるい女の香水のニオイと同時に、カツカツとヒールの音が俺に近づいてくる。誰だ、この女は……?俺が知ってるヴァンパイアじゃない。……コイツは、人間なのか?それとも……ヴァンパイアなのか? どっちだ?「ふーん……あなたよく見ると、結構いい男じゃない?」なんだ、突然……。「あなたには私たちに協力してもらうわ。 イヤとは言わせない」「……協力? 協力って、なんだよ……?」一体、何に協力しろと言うんだ……?「人間をこの世から゙消し去る゙のよ。……この世界全てを、吸血鬼だけの世界にするの」「……っ!? お前、何言ってんだ……?」  吸血鬼だけの世界にする……だと? 正気か?「あら、あなただって吸血鬼だもの。人間がいたらこの世界に住むことが出来ないってことくらい……分かっているわよね?」そう言って女は、俺のアゴをクイッと引き寄せて、顔を近づけてくる。「やめろ……俺に近寄るな!」クッソ……。この甘ったるいニオイがクラクラする。「ますますいい男。 あなたの彼女が、羨ましいくらいにね?」「……っ!? お前、アイツに何かしたのか?!」真琴に今度は何をしようとしてるんだ……。「あなたの彼女……そう、真琴って
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