「ねえ、桜木……?」「……なんだ?」私は屋上で桜木の手を握る。「……私もいつか、吸血鬼になって死ぬのかな?」私がそう聞いたら、桜木の目の色が変わった。 下を向いて俯いたまま、何も言わなかった。「……教えて。 私……死ぬの?」「分からない。……死ぬかもしれないし、死なないかもしれないし」桜木が吸血鬼じゃなかったら、私はこんなに悩むこともなかったのかな……。「……桜木、一つお願いがあるの」「お願い……?」「もし……もし私が吸血鬼になって、桜木のことを殺そうとしたら……その時は、遠慮なく私のこと殺していいからね」私がそう言ったら、桜木は声を荒げ「バカ……! 何言ってんだよ!」と言ってきた。「私……桜木になら、殺されてもいいよ」桜木のことをジッと見つめる。「バカ! 簡単にそんなこと言うんじゃねえよ!」珍しく、桜木が声を荒げた。「……ご、ごめん」「いや、俺こそごめん……。感情的になりすぎた」そう言って桜木は、屋上を出ていってしまった。その後ろ姿は、どこか悲しそうで、泣いている子犬みたいだった。その日桜木は、早退してしまった。……私が悪い。私があんなこと言ったから。だからちゃんと謝りたい。 ごめんって、もう一度、謝りたい……。そして桜木に、私の本当の気持ちを伝えたい。 大好きだって、ずっと一緒にいたいって……そう伝えたい。そう思った時には、すでに私の足はある方向へと向いていたーーー。✱ ✱ ✱恐る恐る玄関のインターホンを押してみる。すると玄関が空いた。 そして現れたのは……。「え……真琴?」玄関から現れたのは、桜木だった。「……なんで、何も言わずに帰るのよ」「いや……それより、どうしてここが?」そう聞かれた私は「……先生に、教えてもらったの」と答えた。「そっか。……まあ、上がれよ」桜木は私が来たことに驚きながらも、家に入れてくれた。私も桜木に会うためにここまでするなんて、バカだなと思ったけど、もう後戻りは出来ない。「……お邪魔、します」恐る恐る中に入ると、そこは光をシャットアウトするためにカーテンが閉ざされていた。やけに暗いのは、それのせいなのかもしれない。「オレンジジュース、飲むか?」「え? あ、ありがとう」「その辺、適当に座ってろよ」「うん……ありがとう」初めて来た桜木の、部屋に。 部屋だ
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