Alle Kapitel von 俺様吸血鬼【ヴァンパイア】と私の甘くて苦い恋愛事情。: Kapitel 51 – Kapitel 60

81 Kapitel

●51〜吸血鬼【ヴァンパイア】の命令〜

あれから結局、桜木がいなくなってから一週間が経ってしまった。 メッセージも見てないし、電話もつながらない。 居場所が分からなくて、もう何もできることがなくなった。いつも考えるのは桜木のことばかり。ちゃんと食べてるのか、ちゃんと寝てるのか。 色々と考えて、結局辛くなってしまう。もう二度と会えなかったらどうしよう……。なんて、イヤな考えすら浮かんでしまう。 どこにいるの?桜木……。お願いだから帰ってきてよ……。笑ってよ。 なんで私を置いていなくなるの? そばにいて、守るって約束してくれたでしょ? 助けてくれるって約束したでしょ? 桜木のバカ……。早く戻って来てよ! ✱ ✱ ✱ そんなある日のことだった。萌恵と休みの日に買い物をしていた私。 萌恵との買い物を終えて、家に帰る途中だった。バッ……!!「んんーーっ!?!?」な、なに!? 誰っ……!?「大人しくしろ! 殺すぞ!!」「んん……んんーー!!!!」後ろから誰かに口を塞がれてしまった。 逃げようと抵抗したけど、力が強くて無理だった。「ゔっ……っ」   どうにかして抜け出そうとしたけど、抵抗したため、男の人にお腹を一発思いっきり殴られて、私はそのまま気を失った……。✱ ✱ ✱ 「……んん……?」眩しい光が目に入って、目をうっすら開けると、私は何もないけど真っ白な部屋で、両手を縛られた状態でベッドに横たわっていた。「……えっ!? なにこれっ……?!」両手を縛られているせいで、まともに動けない。 それどころか、ベッドがあるだけで他にはなにもない。私のスマホ、カバン、財布、何にもなかった。 そしてそこには私以外に誰もいない。「ちょっと!なんなのよこれ!? どういうことっ……!?」   大声を出しても誰も来ない。 シーンと静まり返ったこの部屋の中は、防音になっていて、外には声が聞こえないようになっていた。「誰か!誰か助けて……! ねぇお願い!ここから出して……!!」叫んでみても、当然防音なのだから聞こえるわけがない。 どうしよう……。どうしたらいい?ここはどこなの……? なんとかしてここから逃げなきなゃ……!  そしてその時、ガチャっと部屋のドアが空いた。「誰っ!?……っ!?」「お、お目覚めかい?」私はその声の主を見て、言葉を失った。  「アンタ……あ
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○52

「ちょっと……何すんのよっ!」「安心しろ。今度はちゃんとしだキズだ。 毒なんか飲ませたりはしてないよ」「んっ……っ!?」男は再び私にキスをする。……やめてほしいのに、抵抗できないから何もできない。 悔しい。 今すぐその胸を押し返してやりたいのに、できない……。「……アンタ、本当に最低……!」「なんとでも言うがいい」「アンタ一体、何が目的なの……? また桜木の血が目的?」そう聞くと男は、私の頭を撫でて「フッ……今度は君だよ、子猫ちゃん」と怪しく微笑んだ。「え……?」私? どういうこと? なんで私を……?「単刀直入に言う。 俺の女になれ」「はあ?……なる訳ないでしょ!」私の答えは変わらない。 「そういや、前も同じ答えだったな」「……なんで私が、アンタの女にならなきゃいけない訳?」「俺の女になるのに、理由なんて必要かい?」「アンタ……何言ってんの?」コイツ、とことん腐ってる。 頭おかしすぎる……。「お前には俺の女になってもらう。 これは命令だ。命令には従ってもらう」「ふざけないでっ! アンタの女になんか、絶対にならない!」「いいか?これは命令だ。 逆らったら……アイツの命、どうなっても知らねぇぞ」「え……?」アイツって……桜木のこと? まさか、桜木がここに……?「どうだ?俺の女になる気になったろ?」「いい加減にしてよ! アンタの女になるくらいなら、死んだほうがマシよ!」「……なんだと?」私は男に「命令だかなんだか知らないけど、私は絶対にアンタの女になんてならない! 思い通りになんて、させない!」と叫んだ。「ほう……。それじゃ、あの男がどうなってもいいっていうのか?」そうか、桜木を使って私を脅すつもりなんだ、この男は……。なんて卑怯なの。「……やれるもんなら、やってみなさいよ。私のことは殺したきゃ殺せばいいわ。……ただし、その時はアンタもただじゃ済まさない」「ふん……本当に威勢のいい女だ。 ますます気に入ったよ」「はあ?何言ってんの……?」男は私にもう一度キスすると「ますます、君が欲しくなったよ」と怪しく微笑んだ。「……いい加減にして! なんなの、さっきから」その眼はまるで……。私をわざと挑発してるみたいに感じた。「言ったろ、これは命令だ。 お前はもう俺から逃げることはできないよ?」「アンタ……
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●53

「そうだ、喜べ。 お前は見事俺たちの実験台に選ばれたんだ」「……なに?私を吸血鬼にでも、するつもり?」なおさらそれなら、絶対にここから出なきゃダメだ。「違う。お前には……俺の子供を産んでもらうことにした」「っ……!? アンタ、何言ってんの……?」私が、この男の子供を……産む? 何言ってるかわからない。「お前が俺の子供を産めば、お前も必然と吸血鬼の子の母親となる。 そしてお前の子供の父親は、この俺だ。……吸血鬼の子孫を残すには、いい提案だろ?」「はあ……? 意味がわからないんだけど」コイツ、とことん狂ってる。 何言ってんのか、わかってんの? 吸血鬼の子供って……正気? 吸血鬼の子孫って……。「バカじゃないの!そんな提案、受け入れられるわけないでしょ!? 私がアンタの子供を産むって……。吸血鬼の血を分けた子供を私が産むって……何それ、冗談言わないで!」「なるほど。……この提案を受け入れられない、とでも?」「当たり前でしょ?……そんなの、ごめんよ!」「ふん……まあいい。まだ時間はたっぷりあるからな。 たくさん可愛がってやろう、お前を。 そしていずれ、お前は俺のものになる」男はそう言い残して、部屋を出ていった。「冗談じゃない……」 吸血鬼の子供を、私が産むなんて……どうかしてる。 桜木と関わったせいで、私はこんな変なヤツらの実験台にさせられるんだ……。 とにかく、どうにかしてここから出る方法を考えないと……。アイツ、さっきはこれは命令だって言ってた。 アイツに逆らったら、私は今度こそアイツに殺される。  もしかしたら、桜木の目の前で殺されるかもしれない。 でも今はここに閉じ込められてるから、脱出する術もない。どうする、私……。この部屋は防音になっていて、どれだけ叫んだところで助けが来る可能性は遥かに低い。 となると……。「もう……これしかない」助かる方法は一つしかない。私はもうこれしか方法がないとわかった。 だから一か八か、賭けることにした。 この作戦は、正気かなりリスクが大きすぎる。 私にとってはデメリットばかりだ。けどもう、やるしかない。これしか方法がない。 これなら、桜木を助けてあげられるかもしれない。……そう信じて。その日の夕方、ガチャっと部屋のドアが空いた。 入ってきたのはアイツだった。「……なに?」今
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○54

「俺に逆らったバツだよ。自業自得だ」「……っ」本当にコイツらがクズすぎて、何も言えなかった。 その反面、こんな姿の桜木を見て、恐怖や怖さがあったのもまた事実で……。「……もし私が、アンタの命令を無視して従わなかったら、私も桜木と同じように……こうやって痛め付けて殺すの?」コイツはきっと、桜木を使って私を脅す気なんだ……。「子猫ちゃん、君は何も分かってないな。 言っただろ?お前には俺の子供を産んでもらうと。 そのために協力してもらう……とな」私は何も言えなかった。 そして確信した。 桜木のこんな姿を目撃した以上……生きて帰れる保証なんてどこにもないと。 だったら……必ず桜木を連れて、生きて帰ってやる、と心に決めた。「これで分かっただろ? 君もこの男も、俺には逆らえない。俺の手の中にいるからだ」そんなの……絶対に許されることじゃない。 私たちを支配しようとするなんて、許せない。でも……ここから出られる保証だってまるでない。 今はこの男の命令とやらに従うことしか、私の生きる道はない。私は男に「……ねえ、一つだけ約束してほしいの」とお願いした。「なんだ?」「アンタの言うことを聞く代わりに、桜木にはもう何もしないって誓ってほしいの」正直、 どうするべきなのかは分からない。 悔しさと後悔、そして恐怖を前に、ただ立ちすくむしかなかった。 「お前はコイツのこんな姿を見ても、まだ桜木ユズルを好きだと言えるか?」 「………」その問いかけに、私はなぜか答えることができなかった。「どうなんだい、子猫ちゃん。答えてみな」「……ねえ、アンタの望みは私なんでしょ?……だったら言うこと聞くって言ってるんだから、桜木にはもう手出しする必要はないでしょ? お願いだから、桜木をもうこんなに痛め付けるのはやめてよ」私がそうお願いすると、男は「……分かった。いいだろう。桜木ユズルには手出しをしないと約束しよう」と言った。「……だったら早く、桜木のことを開放してあげて。手当してあげてよ」「分かった。いいだろう」私は桜木の身体を縛っているロープをゆっくりと解く。「桜木……しっかりして。もう大丈夫だからね。こんなにも傷付けさせて……ごめん」私はグッタリした桜木の身体を、優しく抱きしめた。 するとかすかに、桜木の身体が震える。「……お前……なんで、あん
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●55〜吸血鬼【ヴァンパイア】の怒り〜

【sideユズル⑦】「ん……んっ……?」目を覚ますと、遠のいていた意識が少しずつ戻ってきた。 あれ、ここは……。 え? 真琴……!?「……桜木?目が覚めたの? 大丈夫?身体、痛くない?」「……お前、なんで……?」真琴は目が覚めた俺に「よかった。……もう、大丈夫だからね。 ゆっくり休んでね」と微笑みを向ける。「っ……俺は、そんなこと、聞いてるんじゃねぇ……よ」「……怒ってるの、桜木?」「あ、たり前、だろ……。俺のために……そこまで、する必要なんて、ないだろうが……」俺は痛い身体をゆっくりと起き上がらせる。「あ、起きたらだめだよ。 まだ安静にしてないと……」俺は真琴に向かって「お前って……本当に、バカだな」と伝えた。「……桜木だって、バカでしょ。一人で無茶して」「なあ……なんでアイツの言いなりになるんだよ」   俺がそう聞くと、真琴は「それは……」と口を紡ぐ。口を紡いだ理由なんて、大体想像がつく。 きっと、俺のためだ。 俺のこんな姿を見て、辛くなったに違いない。「俺のため……なのか?」「……そうじゃない」「え?」「……私のため、だから」   そう呟いて下を向いたアイツは、震えていた。 きっと……ムリしてるんだ。 本当は自分のためじゃない。 俺のためにそうしてるはずなのに……。「……私、死にたくないの。 私は人間だから、吸血鬼じゃないから。……もうこんなことに巻き込まれるのは、もうイヤなの」「真琴……本当にごめん」「私は……桜木のことが好き」「……俺も、お前のことが好きだ」「私が好きなのは、人間としての桜木で……。桜木が吸血鬼だから、好きになったんじゃない」俺は何も言えなかった。「私は……桜木と、ずっと一緒にいたい」「……俺だって、ずっと一緒にいたいよ」「一緒にいたい。 離れたくない……。離れたくないよ」真琴が俺のボロボロになった服の袖を掴む。そして悔しそうに泣いていた。「……ごめんな。俺のせいで……こんなことに巻き込んで、ごめん」「桜木は何も悪くない。私が……私が悪いの」真琴はそう言って泣きじゃくる。「私……桜木のこと守りたい。 傷付けたくない……」「……もういい。もう何も、言わなくていいから」「ごめん、桜木。本当に、ごめん……」真琴はずっと泣きながら謝っていた。 悪いは俺なのに……。
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○56

あの日以来、私はアイツの言うことを聞くフリをして、ずっと逃げる隙を探していた。だけどなかなか、逃げる隙を与えてはくれなかった。きっとアイツは、分かっているんだ。私が逃げたいと思っていることを。 それでも私がいい子を演じていることで、何もされることはない。このまま、何事もなければいいのに……とさえ思ってしまう。「子猫ちゃん」「……なに?」「俺と一緒に来い」「……っ」ここでは、この男のルールに従って生きるしかない。 月が出るところにさえいなければ、生活はほとんど人間と変わらない。彼が吸血鬼だということを、時々忘れてしまう。「子猫ちゃん」「……なんですか」その子猫ちゃんという呼び方はやめてほしい。 私はペットじゃない。「今日から俺の部屋で一緒に生活してもらうよ」「……っ!」唯一の救いだった、私だけの部屋がついになくなる。……イヤだ。「……返事はどうした」「っ……はい」ついにこの時がやってきてしまった。  アイツに言われたあの言葉が蘇る。【俺の子供を作る時が来たら、部屋を一緒にする。 いいな】それは一番聞きたくない、言葉だった。 しかもアイツの部屋は、今桜木が監禁されている部屋の隣だ。私たちが逃げ出さないかを監視するために、自分の近くに置いてるんだ。……これでもう、本当に逃げ場はなくなった。やっぱり私はこういう運命なんだって、改めて思いしらされた。「なぜそんな顔をする。 俺と子作りが出来るんだぞ?もっと喜べ」「っ……んんっ」そう言われて、強引に唇を重ねられる。 何度も何度も、キスをされる。この男とのキスは、気持ち悪い……。愛なんて微塵も感じない。でも対抗すれば私は、コイツに殺される。 命令は絶対なのだ。 従わないと、殺される……。「……よし、いい子だ」好きでも男とのキスなんて、誰がしたいのだろうか。私は桜木とだけキスをしたい。桜木にだけ……抱かれたいのに。こんな風に見せつけられるようにキスをしたり、抱かれるなんてイヤ……。桜木に助けてほしい。 助けてほしいのに、気付いてくれない。桜木……私がこんなことになっても、アンタは平気なの……? ねえ、桜木……教えてよ。ドサッ……! 「きゃっ……!」その時、私は男の部屋のベッドに押し倒された。「さ、お楽しみタイムといこうか、子猫ちゃん」「っ……イヤッ……んっ
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●57

男を睨んだけど、男は「ふっ……まあいい。 君のその応えは、この身体に教えてもらうとしよう」と厭らしく笑った。「イヤッ……。やめて、お願い……やめてっ……」こんな変態男に抱かれるくらいなら、死んだほうがマシだ……。「大人しくしていろ。……アイツがどうなっても、いいのか?」   私は桜木のことを引き合いに出され、答えることが出来なかった。 これは桜木を守るために選んだ道だ。……もう、受け入れるしかない。「……っ」「そうだ。やれば出来るじゃないか」そう言われて、抵抗すら出来なくなった。 制服のボタンを外され、リボンも外される。 身動き一つ取れない自分が情けなくて、悔しい。「やはり、いい身体だ」「イヤッ……んっ」ブラの上から胸を揉まれた瞬間に身体がゾクッとして、震えが止まらない。「……怖いのか? 安心しろ。大事な君に、手荒なマネはしないよ」その言葉でさえ、恐怖と悲しみで支配される。 私はこんなことを望んでいない。……望む訳もないのに。「……アンタ、最低」「その目、ゾクゾクするな。……さ、早く続きをしようか」今度は私のスカートの中へと手が伸びてくる。「っ……んん、やっ……」アイツに触られてゾクッとする。 すごく気持ち悪い。「いい反応だな。もっと見せろ」 「いやっ……っ」 恐怖で支配されている今、抵抗なんてしたってムダなんだ。 そんなことしたら、アイツの怒りを生むだけ。 「ほら、抵抗しちゃダメだよ、子猫ちゃん」「っ……」もう下手なことはできない。わかってる、私はアイツの言いなりになるしかないんだ……。「そうそう。 いい子だね、子猫ちゃん」これが生きるために必要なことなら、受け入れるしかない。 愛おしそうに、私の太ももを撫でるアイツの手が私を支配する。「……細くてキレイな足だな」「触ら、ないでっ……」「安心しろ。今日は君と初めての子作りなんだし、なるべく優しくするよ。痛いのはイヤだろ?」「っ……イヤッ……」 太ももを撫でながら、怪しい笑みを浮かべた男が私の下着に手を伸ばしてきた。「大丈だよ。ちゃんと感じさせてあげるから」男は私の下着をするりと脱がせると「さあ、俺の全てを教えてあげるからね、子猫ちゃん」と厭らしく微笑む。思わず悔しさで涙がこぼれ落ちる。「泣かないで、子猫ちゃん。大丈夫だから」「……っ
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○58〜吸血鬼【ヴァンパイア】の子、妊娠〜

「……聞き分けのいい女だ。 ますます気に入ったよ」 「やめろ! コイツに触るな!」桜木が私の前に割って入ってくる。「桜木……」「退け、桜木ユズル」「退かない。コイツには指一本触れさせない」桜木はそう言って私を抱きしめる。 抱きしめる力に、ぎゅっと力が込められた。「退けと言ってるんだ。……まさか、また死の淵を彷徨いたいのか?」男の言葉に桜木は怯むことなく「……好きにすればいい。殺したきゃ殺せよ!」と叫んだ。「何言ってんの、桜木……!?」「……俺は所詮吸血鬼だから、死んだっていい。 でも真琴、お前は違う。お前にはたくさんの人間という存在がいる。 俺たちみたいな吸血鬼のように生きたら……ダメだ」「イヤだ……。私は桜木がいい。 桜木と一緒に生きるって決めたのっ!」勝手なこと言わないでよ!「真琴。俺みたいな男はお前を幸せには出来ない。それは、俺が吸血鬼だからだ。 俺はいつかお前を殺すかもしれないんだぞ?」「それでもいい!……桜木と一緒に生きたい。死ぬなら一緒に死ぬ!」「……っ!」私は桜木に無理矢理キスをした。 私はやっぱり、桜木が好きだと改めて感じた。やっぱり、桜木じゃないとダメ。ダメなんだよ、桜木……。「……うっ」だけどその瞬間、私は急に吐き気に襲われた。 急に気持ち悪くなり、思わず下を向いて座り込んだ。「真琴……? どうした!?大丈夫か!?」「……き、気持ち、悪い……」急に気持ち悪くなり、その場に座り込んだ。「大丈夫か?」「なんか、急に吐き気が……」なんでこんなに気持ち悪いの……?「……おい、まさかお前」あの男が急に口を開いた。桜木は男に向かって「……お前、真琴に何をした?」と問いかける。「いや、まだ何もしていないよ。お前に゙邪魔゙されたからな」「ウソつけ! じゃあなんで、コイツこんなに苦しそうなんだよ? お前がなんかしたとしか思えない」「うっ……気持ち悪い……」そんな私の様子を見た男は「子猫ちゃん、君……まさか妊娠してるのか?」と言ってきた。「え……?」妊娠? ウソでしょ……。「なるほど。お腹の子の父親は……桜木ユズル、お前か」「えっ……?」妊娠……? 私が、妊娠……?しかもそれは、よりにもよって吸血鬼(ヴァンパイア)の子供だ……。「……真琴、お前……それ、本当なのか?」私は何も言えなか
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●59

いつぶりだろうか……外に出たのは。 ずっと閉じ込められていたせいで、感覚がマヒしてる気がする。今何時なんだろう……今日は何曜日なんだろう。 ふと自分のお腹に手を当ててみる。「……真琴」   私……本当に妊娠してるの? 本当に……?「……なあ、真琴」まだ信じられない……。本当に、私のお腹の中に赤ちゃんが……?「待てって、真琴!」立ち止まらずに歩こうとする私を、桜木は腕を掴んで阻止する。「なんで、何も言わなかった?」「……え?」「妊娠してること、なんで俺に言わなかった?」   ……違う、言わなかった訳じゃないんだ。 「おい、真琴。なんか言えって」「……言わなかったんじゃないよ」「え……?」「本当に、知らなかったの」「……そうか。ごめん」桜木は悲しそうな顔で私の腕を静かに離した。まさか、こんなことになるなんて……。何も言えずにいる私に、桜木は「真琴。……ちゃんと病院へ行こう」と言ってきた。「え……?」「ちゃんと病院へ、行こう」「……でも」知るのが怖い。……知りたくなんてない。「……お腹の子のことは、俺にも責任がある。 だから、ちゃんと調べてもらおう」私は「……病院には行かない」と告げた。「はあ? なんで?」「……病院には、一人で行く」桜木に、これ以上迷惑を掛けたくない。「俺も一緒に行くよ」「いい。……一人で行くから、大丈夫」私は再び一人で歩き出した。桜木にこれ以上、迷惑をかけたくない。もし本当に、私が妊娠しているとしたら……。 産むべきかどうかさえ、分からない。私の妊娠は、普通の妊娠じゃない。……妊娠しているのは、吸血鬼(ヴァンパイア)の子供なのだから。これは喜ばしい妊娠なんかじゃ……きっとない。「どうすれば、いいの……」妊娠しているという事実を知ったら、お母さんはなんて言うだろう。 しかも妊娠しているのは人間の子ではなく、吸血鬼の子供だ。「……言える訳、ない」お母さんになんて、言えるわけない。……一人で、病院へ行こう。翌日、私は学校へ行くフリをして、病院へと向かった。 結果を知るのはとても怖いけど、逃げてはいけないと思った。「金森真琴さん、診察室へどうぞ」「……はい」でもどんな結果になったとしても、私は逃げない。  しばらくして診察が終わると、そこには……。「よう、真琴」
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○60

これは桜木なりの、気遣いなのかもしれない。「……今、六週目だって」「そっか」「……うん」私はオレンジジュースを飲み始める。でもそれ以上、何も言えなかった。 確かに私はお腹の中に、小さな命を感じた。  本当に、赤ちゃんがいるんだと感じた。顔も頭も分からない小さな命だったけど、確かに感じた。 小さな鼓動を。「妊娠してること、親には……?」「……まだ言ってない」「そっか」   私は再びオレンジジュースを一口飲んだ。その先、なんて言ったらいいのかわからなくて……。「真琴は、これからどうするつもりだ?」「わかんない。……とりあえず、親には話さないとと思ってるけど」お母さんは絶対、怒るに決まってる。 産みたいと言ったところで、反対するに決まってる。 私はまだ未成年で、働いてる訳じゃないし……。この子を産んで育てていくなんて、私には出来るのかな。「親に言うなら、俺も一緒に……」「だめだよ。そんなこと、させられない」「どうして……?」「だって……桜木に迷惑は、かけられない」これは私たち親子の問題だ。 そこに桜木を付き合わせる訳にはいかない。「何言ってんだよ。俺のせいでこうなったんだぞ。迷惑も何も、ないだろ……」桜木はそう言うけど、私はもうこれ以上、桜木に迷惑かけるのがイヤなんだ。「だって私ば吸血鬼゙の子、妊娠してるんだよ!?親にそんなこと……言えると思う?」「……ごめん」私ってば、最低だ……。「私の方こそ……ごめん。言い過ぎた」「……いや、俺こそごめん」「私は……こんなこと、言うつもりなかったの」「いいんだ、わかってる。 気にするな」桜木に対して、私は失礼なことを言ってしまった。……申し訳ない。「……桜木は、どうしてほしい?」「俺も……まだよく、分からない。実感ないし」「……そうだよね」 私も今、同じ気持ちだから。 気持ちを整えようとオレンジジュースを飲もうとした時……。「うっ……っ」突然吐き気に襲われた。「真琴……? 大丈夫か?」「っ、うん、大丈夫……」桜木が心配そうに背中をさすってくれる。「ムリするな。……お前一人の、身体じゃないんだから」あんなにひどいことを言ったのに、桜木は優しい言葉をかけてくれる。 どうして……どうして……。桜木のその優しさが辛くなって、泣きそうになってし
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