転生したら首が揺れる系ヒロインだったので、首を揺らすのを止めたら溺愛が待っていた!의 모든 챕터: 챕터 41 - 챕터 50

64 챕터

第四十一話:最後のファーストダンスと、闇からの手

「ソフィア?」 過去の記憶に意識が沈んでいた私に、ユリエル様がそっと声をかけた。 その手が頬に触れた瞬間、じんわりと温かさが広がる。 「大丈夫か?」 「はい……。こんな豪華なパーティー、初めてなので……少し緊張してしまって」 小さく笑ってみせると、ユリエル様はさらに優しく囁いた。 「それなら、俺だけを見ていればいい」 甘い声色に──そのまま、頬へ軽いキスを落とされる。 「ちょ、ちょっと! 人前ですってば!」 慌てる私を見て、ユリエル様は肩を震わせて笑っていた。 「でも、緊張は解けただろう?」 返す言葉に詰まった、その瞬間。 弦の音が高らかに響き渡った。 ユリエル様は私に向かって優雅に一礼すると、 「ソフィア嬢。あなたとファーストダンスを踊る栄誉を、どうか私に」 「……光栄ですわ、ユリエル様」 差し出された手に触れた瞬間、音楽に合わせて身体が自然と動き出す。 会場から、小さな感嘆の声が漏れた。 軽やかに舞うようなユリエル様のステップ。 その姿に、次こそは自分を誘ってほしいと、令嬢たちが息を呑んでいるのが分かる。 「ユリエル様って、本当に何でもお出来になるのですね」 私の言葉に、彼は静かに首を振った。 「そんなことはない。できないことも……たくさんある」 その言葉に、ふと”呪い”の話を思い出してしまい、 「あ……そうですよね」 そう呟くと、ユリエル様がふっと目を細めた。 「その呪いなら、もう解けたぞ」 「……え?」 「お姫様のキスで、王子様の呪いは解けましたとさ──めでたし、めでたし」 突然の言葉に、思わず吹き出してしまった。 「何ですか、それ……!」 笑
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第四十二話:禁呪の影、ユリエル陥落

「さて、ユリエル。僕の契約者が、きみの魔力を欲しているそうなんだ」 クリフォード殿下の言葉に、ユリエル様が叫んだ。 「まさか……禁呪を解いたのか!」 その声とほぼ同時に、足元から黒い影がうごめき出した。 影はじわりと広がり、やがてユリエル様の身体を覆い尽くしていく。 「ユリエル、無様だな」 不快な笑いを漏らす殿下に、私は声を振り絞った。 「やめてください! 何をしているんですか!」 やがて影は、女の姿を形作った。 幻のように甘い囁きをまとい、影はユリエル様へと迫る。 『ユリエル……愛しいユリエル……』 「離せっ!」 ユリエル様は必死に抵抗するが、女は薄く笑い、頬を撫でる。 『今日は剣を持てぬ日だからな。 あの日のようには、いかぬぞ』 徐々に、ユリエル様の意識が遠のいていくのが分かった。 何かが、彼の瞳から光を奪っていく。 私は叫び、必死にもがいたが、クリフォード殿下はピクリとも動かない。 やがて、ぐったりと意識を失ったユリエル様を、影がゆっくりと飲み込んでいく。 影の女は、勝ち誇ったように宣言した。 「クリフォード、最高の供物だ。 ユリエルの魔力があれば、私は蘇る!」 その言葉と同時に、影は跡形もなく消え去った。 そして──残されたのは、私の嗚咽だけだった。 「嫌ぁぁぁぁ……!」 伸ばした手は、もうユリエル様には届かない。 どんなに叫んでも……この声さえ、届かない──。 絶望が、私を覆った。 「さあ……僕の天使。 もう、ユリエルたちを欺かなくていいんだよ」 そう言って、クリフォード殿下は私をぎゅっと抱き締めた。 胸の奥で、怒りが静かに、しかし確かに燃え
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第四十三話:もう一人の殿下──その瞳に宿るもの

女神アマンダ──快楽と破滅の神。 その昔、この国を滅ぼしかけたアマンダを封印したのは、アルシェイン家の当主だった。これは、アルシェイン家にお世話になった日に、レミリア様から教わった歴史のひとつだ。アマンダは封印の力が弱まった折、まだ齢十歳にも満たないユリエル様に目をつけた。豊富な魔力と、凛とした美貌。何年もの歳月をかけ、じわじわとユリエル様の周囲へ侵食していったという。そして──あの事件の日。アマンダの誘惑に呑まれかけたユリエル様は、自らの足に剣を突き立て、精神支配を断ち切った。その時、アマンダは完全に封印された……はずだった。──その封印を、解いた? (このクソバカ王子が?)私の中で、怒りが込み上げてくる。こいつの自分勝手な行動で、今この瞬間も、私やユリエル様だけでなく、この国そのものを破滅へ導こうとしている。 「……最低」ぽつりと零れた言葉に、クリフォード殿下の笑いが止まった。 「なんだと?」 「最低って言ったのよ。このクズ王子」次の瞬間、頬に強烈な衝撃が走った。叩かれたのだと気付いたのは、痛みを遅れて感じた時だった。 「お前……生意気だな。僕に逆らったこと、後悔させてやる!」その言葉と同時に、視界が闇へと沈んだ。──そして、目を覚ました時、私はすでにこの状況に置かれていた。 「さて……そろそろ、お楽しみの時間だ」耳元で囁かれた殿下の声に、全身が凍りつく。声を出そうとしても、喉は塞がれたように音を生まない。 「向こうも楽しんでいるんだ。こっちも楽しまないとな……」その下卑た笑いに、吐き気が込み上げる。殿下の手が、私の肌に触れようとした──その瞬間。まばゆい閃光が走り、殿下の身体が凄まじい勢いで吹き飛ばされた。 「……え?」壁に叩きつけられた殿下は、
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第四十四話:帰ってきた本物の王子

「身体を入れ替えられた!!」殿下の口から飛び出したその言葉は、あまりにも衝撃的だった。思わず叫ぶ私に、クリフォード殿下とレミリア様は静かに頷いた。──つまり。さっきの、あの”普通の反応をした殿下”こそ本物。そして、私を攫い、ユリエル様を襲わせたのは……殿下の身体を乗っ取っていた”別の魂”だったという。その魂の名は──成沢孝。「ふむ……あやつも、磨けばモテるのにな」ぽつりと殿下が呟いた瞬間、レミリア様の目がスッと細くなる。「殿下? あちらの世界で……なにをなさっていたのです?」空気がピシリと凍った。嫉妬オーラ、全開である。「私か? かなり楽しかったぞ。友を作り、世界各国を旅した。……まあ、やつの両親は”急に社交的になった”と腰を抜かしていたがな」爽やかに笑う殿下。(あぁ……眩しい。爽やかさの暴力……)「それで? どのような方々と行かれたのです?」背後に黒い炎でも見えそうなほどの圧。殿下は苦笑しながら手を上げた。「なんだ、レミリア。嫉妬か?安心しろ。皆、気のいい男友達だ。この世界では、作りたくても作れなかった者たちばかりだ」何気ない言葉が、彼の孤独を痛いほどに示していた。胸の奥が少し熱くなる。そんな中、殿下はそっとレミリア様の髪に触れた。「長らく……苦労をかけた」その一言で、レミリア様の瞳から涙が零れ落ちた。「殿下……。ずっと……お会いしたかったです……」──年相応の少女の顔だった。凜とした公爵令嬢の仮面が外れ、ただの少女に戻った表情。(……なんだろう。今なら、分かる。今まで私とユリエル様を見ていたレミリア様の気持ちが……。いま、めちゃくちゃ分かる……!)外見は同じなのに、中身が違うだけで、ここまで雰囲気が変わるものなのか。今のクリフォード殿下は、まるで光をまとっているようだった。そりゃあ……レミリア様が惚れないわけがない。内面も外見もイケメンなんて……反則よ、反則。そんな事を考えていると、
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第四十五話:入れ替わりの真実(クリフォードの独白)

王家には代々、王を継ぐ者に”予知能力”が与えられるという。僕も、気づいた時にはその力を持っていた。それは夢に見たり、声として聞こえたりと、形はさまざまだった。この能力は、この世界の創造神──女神リリア様のご加護によるものらしい。そんな僕が五歳のとき、ひとつの長い夢を見た。それは、悪夢のような未来だった。欲望と破壊の女神アマンダによって、この国が滅びる。そして僕自身も、アマンダの力によって異世界へ魂を飛ばされてしまうというものだった。しかも、その恨みを晴らす舞台として使われるのは──他でもない、僕自身の身体だった。想像するだけで背筋が凍った。その日から僕は、この世界をどうすれば救えるのかを考える日々を送ることになる。そんなある日、夢の中に女神リリアが現れた。「この世界を救うには、黒と赤の剣、そして聖なる乙女と共に戦うのです!」「聖なる……乙女?」問い返す僕に、女神は妙に明るい口調で言った。「あっ! 言っておくけど、あんたの相手は”赤き剣”の方だからね。間違っても”聖なる乙女”を相手にしたらダメよ!違う意味で世界が滅ぶから」「違う意味で……世界が滅ぶ?」首を傾げる僕に、女神は肩をすくめて言った。「ま、とにかくアルシェイン家の令嬢と婚約して、今のうちに対策を練っておきなさい。あ、それから……会うことはないと思うけど、“聖なる乙女が入る前の器にいる女”には要注意よ。彼女は女神アマンダが作り出した化身だから。じゃ、頑張ってね!」「えっ、待って下さい!それだけですか!? もう少しアドバイスを──!」叫んだ僕の声を残して、女神リリアは消えてしまった。──そして八歳の春。僕は女神の言葉に従い、アルシェイン家の令嬢・レミリアと婚約した。真紅の髪と瞳が印象的な、気の強そうな少女だった。彼女の兄・ユリエルは、十歳にして無詠唱魔法を使う天才で、夜の闇のような髪と瞳を持つ、類い稀なる魔力の持ち主だった。そんな二人に、僕の話が通じるだろうか──。
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第四十六話:殿下とレミリア──誓いの口づけ(クリフォードの独白)

──抗う、だって?考えたこともなかった。この瞬間、レミリアは僕にとって“かけがえのない存在”として、はっきりと刻まれた。そんな矢先、事件は起きた。ユリエルが──女神アマンダに、魔力を奪われかけたのだ。詳しい状況は、正直よく覚えていない。ただ、ユリエルとレミリアの力でどうにかアマンダを再封印し、事態は収まった。けれどその際、アマンダの一部が、この世界へと零れ落ちてしまった。それが後に、すべての悲劇の始まりとなるとは──この時はまだ、知る由もなかった。人の欲望を喰らい、アマンダ復活の器となる”化身”。そして、アマンダに取り込まれかけたユリエルには、代償として”魅了魔法”が宿ってしまった。あれは、女神《アマンダ》による、言わば”マーキング”だ。──いつの日か必ず、お前を奪いに行くという、呪いの証。十五歳の誕生日が近づくにつれ、僕は恐怖で夜も眠れなくなった。目を閉じれば、もう二度と同じ景色を見られない気がして……。そんな時だった。ユリエルが、ぽつりと呟いたのだ。「……こっちの世界の殿下を殺せば、自分の身体に戻れるのではないのか?」「え? それって……僕も死ぬんじゃない?」思わず聞き返すと、ユリエルは真顔で答えた。「死ぬな」……いや、そうじゃないだろ。その瞬間、レミリアが剣を抜きかけた。僕が慌てて制したが──「お兄様! 冗談にしても、度が過ぎますわ!!」怒り心頭のレミリアに対し、ユリエルは本気で首を傾げていた。「だから、殿下の身体に保護魔法をかけて、“死にそうな衝撃だけ”与えればいいと思ってな」「まぁ! お兄様、天才ですわ!!」ぱん、と手を叩くレミリア。……本当にそれでいいのか、僕?「とはいえ、“聖なる乙女”とやらが来ない限り、殿下を完全に戻せるかは分からないけどな」「不完全でも構いませんわ!お兄様、今すぐにでも、その”聖なる乙女”とやらを呼び寄せて!!」レミリアはユリエルの襟元を掴み、
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第四十七話:そして──僕は帰還する(クリフォードの独白)

その世界で僕は、『成沢孝』という名前になっていた。成沢孝は、その国──”日本”では『ひきこもり』と呼ばれる存在だった。それは、彼の日記を読み、彼の記憶を辿るうちに分かったことだ。希望校に落ち、『馬鹿学校に行くくらいなら』と自ら殻に閉じこもり、滑り止めで受けていた高校を中退。三年間を、自分の部屋の中だけで過ごしていたらしい。僕は、彼の部屋にあった”パソコン”という機械を使い、この世界の仕組みを学ぶことから始めた。そして彼の両親に頭を下げ、通信制高校への再入学を願い出た。その時の二人の表情を、僕は忘れない。泣きながら「ありがとう」と言ってくれたのだ。きっと、彼の未来を心配していたのだろう。僕の言葉に、心の底から安堵しているようだった。 それからの僕は外見を整え、この世界の”自由な学び方”を活かし、働きながら貯金をした。日本中を旅し、たくさんの景色を見て、多くの出会いを得た。やがて海外へ渡り、大学生になる頃には、特に親しい仲間たちと起業し、その会社も軌道に乗せることができた。そんな僕は、この世界の女の子たちにも好かれたけれど、特別な興味はなかった。──僕には、元の世界で待っていてくれる“深紅のバラ”がいるから。生まれや家柄で全てが決まるあの世界とは違い、この世界で僕は初めて「平等」というものを知った。人は、生まれで決まらない。努力で変われる──そう、確信できた。そして、七年の月日が過ぎた頃。ある夜、夢を見た。『久しぶりね、クリフォード』それは、女神リリア様の声だった。『あんた、随分と面白いことしてくれたわね。成沢孝の人生、丸ごと変えちゃうなんて』女神は楽しそうに笑い、『私、そういうの大好きよ。だからお礼に、あんたを元の世界に返してあげる』そう言うと、今度は真剣な瞳で告げた。『その代わり──その身体に成沢孝が戻っても、二度と”妬み”が生まれない世界を、あいつのために作りなさい』
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第四十八話:ユリエル様、救出大作戦!

「さて、ユリエルを救出に行こうか」剣を軽く振りながら、クリフォード殿下が呟いた。「えっ、もうですか!?」レミリア様が思わず声を上げる。「一分一秒でも早く救い出さないと、ユリエルの命が危ない」そう答えた殿下に、レミリア様は頬をぷくっと膨らませた。(レミリア様……その表情、可愛い! 非常に可愛いですが、今はユリエル様がピンチなんですよ!)私が心の中でツッコんでいると、レミリア様はふっと表情を和らげた。「ソフィアが心配しているから、仕方ないわ。行きましょう」(えーっ! レミリア様、ユリエル様はあなたのお兄様ですよ!?)私の心を見透かしたように、レミリア様はぽんっと私の肩を叩き、「分かったわよ。ほら、行くわよ、ソフィア」そう言って、優しく微笑んだ。「とはいえ……相手は、腐っても女神様だからな……覚悟して行かないと」クリフォード殿下の言葉に、レミリア様は力強く頷く。「大丈夫ですわ! お兄様と殿下には、私とソフィアがついておりますもの!」そう言って、彼女はクリフォード殿下の隣に並んだ。「では、行きましょう! お兄様を救い出しに!」レミリア様の力強い宣言に、私たちは揃って頷いた。 どんなことが待ち受けているのかは分からない。けれど──ユリエル様を救えるのは、私たちだけなのだ。そう自分に言い聞かせていた、その時。私は、ある重大なことに気づいてしまった。やる気満々の二人に、そっと手を挙げて言う。「あのぅ……行くって、どこに?」レミリア様は、きょとんと首を傾げた。「あら……そういえば、そうですわね」肩をすくめる彼女の視線の先で、クリフォード殿下も、まったく同じ動作をしている。(ちょっと、ちょっと! せっかくカッコよく決めたのに、締まりませんよ、二人ともー!)なんとも頼もしくも、どこか抜けている──それが私たちの、最強の救出チームだった。
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第四十九話:ロッテの告発

「殿下、あ~ん」「レミリア、人目があるから」「あら! 一年間も婚約者を放置したのですもの。これくらいはさせていただきたいですわ!」戸惑うクリフォード殿下に、ぐいぐい迫るレミリア様。私はお茶を飲みながら、思わずテーブルを叩いた。「……ですから、いつ救出に行くのですか!」「あらやだ、ソフィアったら。急いては事を仕損じると言うでしょう?」にっこりと微笑むレミリア様。「ですが……以前、クリフォード殿下が“一刻の猶予もない”みたいなことを言っていませんでした?」「あら、そうでしたかしら?」小首を傾げるレミリア様。(くっ……推しが今日も可愛すぎる! でも、ここで負けてはダメよ、私!)自分を叱咤しながら、私は訴えた。「あれから一週間が経っています。本当に……何の手がかりもないのですか?」クリフォード殿下は苦笑いを浮かべる。「情報が錯綜していてな……。事実確認を進めているが、どれも偽情報ばかりなんだ」そう言いながら、腕にぴったりと貼り付いているレミリア様を、ゆっくりと引き剥がしていく。「殿下! 殿下は私がお嫌いですの!?」「いや、レミリア。時と場所をだな……」「まさか殿下……ソフィアのことを……?」「違う」即答する殿下に、レミリア様はますます唇を震わせた。口元に両手を当て、今にも泣き出しそうな表情で殿下を見上げている。(……なんの茶番劇を見せられているの、私?)あんなに理性的だったレミリア様の、理性の崩壊っぷりに唖然とする。恋する乙女とは、恐ろしい……。(バカップルめ……)そう心の中で呟きながら、私は二人を庭園に残し、自室へ戻った。 ベッドに突っ伏し、大きくため息をつく。ユリエル様なら、私に何かあればすぐに駆けつけてくれるのに……。それなのに私は、ユリエル様のピンチに何もできずにいる。そんな自分が、情けなかった。
last update최신 업데이트 : 2026-05-26
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第五十話:ロッテ、決死の訴え

「ねぇ、やっぱりレミリア様とクリフォード殿下に協力してもらわない?」 私がそう提案すると、ロッテは目を輝かせて叫んだ。 「聖剣……! そうです、王家の聖剣を借りれば大丈夫ですよ!」 「え!? いやいや、それはダメよ」 「どうしてですか!」 「王家の聖剣は”王家の血”を持つ者しか触れないの。ロッテも知ってるでしょう?」 「じゃあ、このままユリエル様を見殺しにするおつもりですか!」 いつになく食い下がるロッテに、私は思わず溜め息をついた。 「ロッテ……今日のあなた、どうしたの? なんだか変よ」 そう問うと、ロッテは涙をぽろぽろと零すばかりだった。 ……恋する乙女って、みんなこうなのかな? 私も、こうだったのだろうか……と、ほんの少し考えてしまう。 「とりあえず、クリフォード殿下に”聖剣を貸していただけないか”聞いてみるよ」 するとロッテは、勢いよく顔を上げた。 「貸してくれなかったら、どうするんですか!」 「じゃあロッテ。私が”無断で聖剣を持ち出して窃盗罪”で捕まったら、どうするつもりなの?」 あまりの言い分に思わずそう返すと、 「ちょっと借りて、すぐ返せば平気です!」 「いやいや! どれくらい”ちょっと”か分からないでしょう? それに、折れたりしたらどうするの? ダメなものはダメ!」 「私、お嬢様がこんな”わからず屋”だとは思いませんでした!」 「それは、こっちのセリフよ!」ちょうどその時。 外に聞こえるほど喧嘩していたせいか、ドアがノックされた。 入ってきたのは、レミリア様だった。 「何の騒ぎ?」その声にロッテは唇を噛み、スカートをぎゅっと握りしめる。 「もう……お嬢様なんて嫌いです! ユリエル様は、私一人で助けに行きます!」涙を零しながら、そのまま走り去って行った。レミリア様は肩をすくめ、小さく笑う。 「お兄様、気づ
last update최신 업데이트 : 2026-05-27
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