転生したら首が揺れる系ヒロインだったので、首を揺らすのを止めたら溺愛が待っていた!의 모든 챕터: 챕터 51 - 챕터 60

64 챕터

第五十一話:子鹿ロッテの逆襲?

「それで? あなたは、何がしたいのかしら?」呆れた視線を向けるレミリア様に、ロッテは涙目で言い返した。「ユリエル様の妹なのに、イチャイチャして助けに行かない人に言われたくないです!」(ロッテ……足、震えてるわよ……!)生まれたての子鹿のように、足をぷるぷる震わせながらレミリア様に噛み付くロッテ。──笑っちゃいけないけど……可愛い。つい頬が緩んだ、その瞬間。ロッテが、びしっと私を指差した。「お嬢様!? なんで笑うんですか!笑うなんて、酷いですぅ!」「え? だって……ロッテが、可愛いから……」「こんな状況で可愛いって言われても、全然嬉しくないです!」頬を膨らませて怒るロッテに、私はレミリア様と目を合わせた。「ソフィア……あなた、ユリエル兄様があなたをからかっている時と、同じ顔をしていますわ」扇で口元を隠しているが、声が微かに震えている。(レミリア様も……絶対、笑ってる)私がジト目を送ると、レミリア様は咳払いをして姿勢を正した。「イチャイチャって……お兄様の居場所が分からないから、動けないだけですわ」するとロッテは、まだ子鹿脚のまま叫んだ。「う……嘘です! わ、私、聞いたんですからね!」某探偵アニメの”メガネのちびっ子”さながらに、人差し指をビシッと突き出す。「まあ、心外ですわ。で? 何を聞いたというのかしら?」レミリア様は、余裕の笑みを浮かべている。「ユリエル様の居場所は分かってる。でも”割く時間が無い”って、言ってましたよね!」今度は、まるで法廷に立つ弁護士さながらの勢いで指差した。しかし、レミリア様は静かに扇を閉じる。「あら? おかしいですわね。私たち、会話をする時は必ず結界を張っておりますの。あなたが想像するような、イチャイチャ会話ばかりでもありませんし」その瞳が、すっと細くな
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第五十二話:揺らぐ忠誠、交わる視線

私たちの攻防を横目に、レミリア様がバシッと扇を閉じた。その鋭い音と同時に、空気がピンと張りつめる。「言えないのでしょう? 答えたら──あなたが”女神アマンダ”だと認めることになりますものね!」「そんな! 違います! お嬢様は、わかってくださいますよね!」私に詰め寄ろうと、一歩踏み出したその瞬間。レミリア様はスカートの中から、赤い刃を持つ細身の聖剣を抜き放ち、そのまま、鞘に隠していた小さなナイフをロッテへ向けて投げつけた。「動かないでくださいまし!」ナイフはロッテの頬をかすめ、細い赤い線が浮かぶ。「ソフィア! 私の後ろへ!」私は反射的に、レミリア様の背へと飛び込んだ。次の瞬間、彼女は赤い光をまとい始めた聖剣をロッテへ向けている。その赤は、レミリア様の瞳と髪と同じ色。燃えるような紅──それは、彼女自身の魔力を纏った聖剣の輝きだった。「酷いですわ……お嬢様! 私、ずっとお嬢様に仕えてきたのに……!」ロッテが、今にも泣き崩れそうな声で訴える。けれど私は、レミリア様の背に庇われながら、静かに告げた。「私……ロッテの言葉で気づいたの。幼い頃から仕えているはずなのに……あなた、全然年齢を取らないんだもの」ロッテの肩が、ピクリと揺れた。「そうですわ。ソフィアが気づき、お兄様が結んでくれていた魔法通信で、私に知らせてくれたのですわ」レミリア様の言葉に、ロッテは驚愕の色を浮かべて私を見た。その表情に、胸がズキリと痛む。あれほど懐いてくれていた侍女《ロッテ》が裏切り者だったなんて……。信じたくなかった。それでも私は、ゆっくりとロッテを見返した。ロッテは俯き、「……酷いです、お嬢様……」と、震える声で呟く。──しかし、次の瞬間。ゆっくりと顔を上げたロッテの表情が、歪んだ笑みに変わった。「私の顔に、傷をつけるなんて……」低く
last update최신 업데이트 : 2026-05-29
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第五十三話:嫉妬と絶望が語る”前世”の秘密

「お前に、何が分かる?」 女神アマンダは低く呟き、私を鋭く睨みつけた。 「ユリエルの心は……ずっと”お前”しか見ていない。それも──器ではなく、お前という”中身”だ」次の瞬間、アマンダは両手で顔を覆い、震える声で叫んだ。 「憎い……! お前が憎い、渡良瀬菜穂!」突然、前世の名前を呼ばれ、背筋に冷たいものが走る。 「お前をソフィアの姿にすれば、興味を失うと思ったのに……彼はすぐに”お前だ”と見抜いた。なぜ? なぜ私ではダメなの……!」 顔を上げたアマンダは、ロッテの姿から、本来の”神”の容姿へと戻っていた。 涙を流しながらも、思わず見惚れてしまうほどの美しさだった。 (……さすが女神様。次元が違う美しさだわ……) ──そんな呑気な感想が浮かんでしまう自分が、今は少し情けない。私の内心など意に介さず、アマンダは静かに語り続けた。 「だから私は……前世で”お前が死んだ時”、ついに彼を自分のものにできると思った。けれど──彼は”お前を失ったショック”で、まもなく車に轢かれて死んでしまった」息を呑む。 「まるで……お前の後を追うように」 耳を疑った。 「え……ちょっと待って。ってことは……ユリエル様って、前の世界で私の知り合い……なの?」アマンダの顔が、さらに険しくなった。 「彼が誰かも分からない女に、どうしてあんなにも操を立てる!? どうして”お前だけ”に愛を囁く!!」怒号が響く。私は動揺しながらも、胸の奥でそっと呼吸を整えた。その時、聖剣を構えたまま、レミリア様が低く言った。 「お兄様は──こういうソフィアが好きなのだから、仕方ありませんわ」 (レミリア様……フォロー、よね? ……きっと、そうよね……)張りつめた空気に耐えきれず、私は思わず手を上げた。 「あの~……それで
last update최신 업데이트 : 2026-05-30
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第五十四話:過去の記憶と長い片想い①(ユリエル独白)

出会いは、入社試験の日だった。「大丈夫ですか?」 第一志望でもなかったせいか、俺は会場へ向かうのがギリギリになっていた。その途中、横断歩道を渡ろうとしている年配の女性に声をかけている女性の姿が目に入った。「渡ろうとすると、すぐに赤になっちゃうの」足が悪いらしいその女性の言葉に、「少し、待っていてもらえますか?」そう言うと、彼女は走って反対側にある病院へ向かって行った。そして次の信号が青になると、病院から借りてきた車椅子にその女性を乗せ、そのまま案内していた。(今どき、珍しいな……)その時は、ただそう思っただけで、深く考えることもなく流してしまった。そして、会社の入社試験を受け、面接を待っている時のことだ。俺の前に座っていた男が、緊張のせいか何度もトイレに立っていたせいで、スーツの背中がめくれ上がっていた。(身だしなみくらい、ちゃんとチェックしとけよ)そう思って無視していると、「あ! ちょっと、きみ。待って!」試験前に見かけた、あの女性が隣を通り過ぎながら声をかけた。「スーツの後ろ、めくれてるよ。面接、これじゃ落ちちゃうよ」そう言って、笑顔で彼の背中を軽く叩く。「そんな些細なことで落ちたくないでしょう? あ、ほら。きみは襟が折れてる」彼女は他の面接待ちの人たちの身だしなみも、次々と整えていった。髪のリボンがほどけていた女性には、結び直してあげるほどだった。すると──「渡良瀬さん! こんなところで何してるの!」上司らしき人物の声が飛んだ。「早く来なさい! あなたは経理の人間なんだから、面接は関係ないでしょう!」怒られながら会場を後にする彼女は、去り際に振り返り、「ファイト!」と、両手で拳を作り、口パクで俺たちを応援してくれた。そのおかげなのか、さっきまでガチガチに緊張していた他の連中も、次第に落ち着きを
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第五十五話:過去の記憶と長い片想い②(ユリエル独白)

それからは、がむしゃらに営業部のエースを目指した。彼のようになりたい!彼のように、彼女をスマートにサポートしたい。ただひたすらに、そう思った。彼女との接点は、経費の精算申請を間違えて指摘されるくらいだった。経理課の係長が申請方法を教えてくれたにもかかわらず、俺はわざと間違えて申請しては、彼女から直接教えてもらう口実を作っていた。忙しいのに、本当なら正しく申請してほしかっただろうけど……当時の俺には、そんなことを考える余裕など微塵もなかった。ただ、彼女と話したい。それだけだった。だから言い訳で「いつもご迷惑おかけしてるので……」とか言って、彼女の荷物持ちを手伝ったりしていた。彼女は申請方法を教えてくれる時も、間違いを指摘しに来る時も、嫌な顔や態度は一切しなかった。それなのに、荷物持ちを手伝うと、いつも申し訳なさそうに眉を下げて謝る。(みんなが使うんだから、謝らなくていいのに……)いつもそう思っていた。いつしか彼女のおかげで、経理申請に一切ミスがなくなり、関わることが少なくなった。ただ、そんな俺を「さすが〇〇、渡良瀬の教育の賜物だな」と、俺への評価と一緒に、彼女も褒められているのが嬉しかった。「いや、〇〇君は、最初からきちんと出来てたよ。ちょっと、心配症だっただけだよ」彼女が笑顔で答える度、胸が苦しかった。彼女の瞳に、俺は映らない。きっと彼女も……営業部のエースみたいにバリキャリで爽やかな、何でもそつなくこなすイケメンが好きなんだ……。根拠もなく、俺はそう決めつけていた。必死に……彼に追い付け追い越せと頑張ってきた。いつしか、自分も認められ始めた頃……彼女の婚約の話を聞いた。 しかも相手は、バリキャリでも爽やかでもない、ただ歳上なだけの『普通の男』だった。漏れ聞こえた話で「彼が普通だから良かったんだ。優秀だと、緊張しちゃうじゃない?」そう彼女が言っていた。
last update최신 업데이트 : 2026-06-01
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第五十六話:誘惑からの逃亡(ユリエルの独白③)

目を覚ますと、そこは神殿らしき場所だった。 「ユリエル……」 頬に触れるのは、覚えのある女神の顔。 「……女神、アマンダ」 ぽつりと呟くと、彼女は悲しそうに瞳を揺らした。 「なぜ、そんなにも憎々しく私の名を呼ぶのだ?」 「ハッ。自分を襲おうとした相手に、優しく出来るほど人間が出来ていないのでね」 そう返すと、アマンダは俺の頬に触れ、 「呪いは解けたのだな? それなら、私とひとつになりなさい。そうすれば、お前はこの世界を手にするだけの力を得る」唇が触れるか触れないかの距離で囁かれ、強烈な嫌悪感が込み上げた。 「触るな!」魔法でアマンダの手を弾く。 「ユリエル……どうして? あんな女より、私の方がずっとお前を愛しているのに……」そう言って、アマンダは俺の胸元に顔を埋めた。身体の自由が利かないことを歯がみしながら、俺は睨み上げる。 「俺を……どうするつもりだ?」 「どうするって……分かっているでしょう?」胸元に手を這わせ、アマンダは妖艶に微笑んだ。 「こんな状態じゃ、襲われるのと同じだ。屈辱でしかない。しかも……お前じゃ、俺は何の反応もしない」冷めた声で言い放つと、 「あらあら……それはどうかしら?」耳元で、クスクスと不快な笑い声が響いた。アマンダが指を鳴らすと、俺たちの周囲に薄い膜が張られる。鼻腔をくすぐる甘い香り──。十年前、あの部屋に焚かれていた媚薬と同じ匂いだ。 「そんなもの、俺には効かない」睨みつけると、 「あら……そうかしら?」次第に霞む視界の中で、アマンダの姿が揺らぎ──そこに立っていたのは、渡良瀬さんだった。 「……いいんだよ。好きにして」甘い、吐息混じりの声。 「やめろ!」 「ど
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第五十七話:茨に囚われた想い──前世の名を呼ぶ声

茨の……毒? と、首を傾げる私をよそに、レミリア様は息を呑み、女神アマンダは地面に膝をついて泣き崩れていた。その表情だけで、“茨の毒”がただ事ではないと分かる。不安と恐怖で、心臓が押し潰されそうになった。「それって……どうにかならないのですか?」震える声で問いかけた私に、アマンダは叫ぶように答えた。「だから言っているだろう! お前しか……助けられないのだ!」悲鳴に似た声で続ける。「茨の毒は……愛する者の口づけでしか解けぬ……!」涙をぽろぽろと落としながら、アマンダは嗚咽を漏らした。「ひと月経てば、茨は心臓に達する。そうなれば……もう助からぬ……」「そんな……」その言葉が、じわりと胸に沁みた。アマンダは追い打ちをかけるように続けた。「しかもユリエルは魔力が強い。だから茨の成長も早いのだ……! もう……間に合わないかもしれぬ……」私は拳をぎゅっと握りしめ、顔を上げた。「連れて行ってください! 私を……ユリエル様のところへ!」「待ちなさい、ソフィア!」レミリア様が鋭く制止する。「罠かもしれないのよ!」「……それでも」私は一歩前に出て叫んだ。「万が一でも、助けられる可能性があるなら……罠でも構いません!」覚悟を決めて言うと、アマンダは静かに手を差し出した。「連れて行くのはソフィアだけだ。行くなら──私の手を取れ」迷いはなかった。心配そうに私を見るレミリア様に微笑み、「大丈夫です。私には、ユリエル様の”保護魔法”がありますから」そう告げて、アマンダの手を取った。 その瞬間、視界が白く弾け──景色が一変した。そこは、石造りの薄暗い部屋だった。中心で、ユリエル様が黒い茨に両腕を縛られ、全身を絡め取られている。鋭い棘が肌に食い込み、滲んだ血が赤い線となって流れていた。「ユリエル様!!」叫んだ瞬間、ユリエル様の睫毛がかすかに震えた。茨が、まるで意志を持つように彼の頬へじわりと伸びていく。「やめて!!」私は駆け寄り、
last update최신 업데이트 : 2026-06-03
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第五十九話:茨のキス──涙の先に見えたもの

「松永君……どうして?」私はユリエル様の頬に触れながら、溢れてくる涙を止められなかった。私より五つも年下で、イケメンで、優しくて。自分なんか彼に釣り合わないと勝手に諦めて、別の人と婚約した私を……どうして、そこまで想ってくれるの?涙がぽたり、ぽたりと茨の蔓へ落ちていく。「松永君……いいえ、ユリエル様。迎えに来ましたよ。一緒に帰りましょう……私たちの家に」そっと重ねた唇。その瞬間──まばゆい閃光が、私たちを包み込んだ。『渡良瀬菜穂……今はソフィアね。ありがとう』女神リリアの声が、遠くから響いた気がした。茨の蔓が光に焼かれたように、灰となって崩れていく。すると、ぐらりとユリエル様の身体が私に倒れ込んできた。「え? お、重いっ!今のか弱い私じゃ……支えられない。無理!」支えきれず、そのまま二人で毛足の長い絨毯へと転がり込む。気がつくと──私の手の傷も、ユリエル様の全身の傷も、跡形もなく消えていた。「いやいや……待って。今のこの状況、どうしよう……?」ユリエル様を抱えたまま、押し倒されたような体勢の私。しかも……距離が、近すぎる。(いやいやいや……待って、待って!命の危機で本能がどうとか聞いたことはあるけど!今はそういう状況じゃないし……!ダメ、ソフィア。変な妄想は禁止!!)必死に頭を整理している最中──足元の絨毯が消え、私たちは真っ逆さまに落下した。「きゃああああああ!?ユリエル様!! 起きてー! このままじゃ死ぬ!二人とも死んじゃうからぁぁぁ!!」必死に叫んだが、ユリエル様は微動だにしない。「こらぁ!! 女神リリア! なんとかしろぉぉ!!落ちて死んだら、末代まで恨むからなーーっ!!」ヤケクソで叫んだその瞬間、再び景色が一変した。柔らかな寝具の上に、ゆっくりと落ちる感覚。無事に着地してホッとし、辺りを見回す。気付けば、アルシェイン家の自分の部屋のベッドの上だった。私はユリエル様の体重で押し潰さ
last update최신 업데이트 : 2026-06-04
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第六十話:前世と今世が重なる瞬間

するとユリエル様が、そっと私の頬に触れ、熱い眼差しを向けてきた。「渡良瀬さん……」「松永……くん」この時だけは、どうしても”ユリエル様”とは呼べなかった。すると松永くんは、ふにゃりと笑い、「俺の腕の中に、渡良瀬さんがいる……。こんな良い夢、他にない……」そう呟きながら、ゆっくり顔を近づけてきた。「待って松永くん、これは夢じゃ──むぐっ」言い切る前に、強引に唇を塞がれた。前世と今世を通して、初めて”流されたキス”だった。重ねた手は強く握られ、その情熱に──私は初めて、“女に生まれた意味”を知った。***「うわぁぁぁ!」隣から素っ頓狂な声がして目を覚ますと、松永くん──いや、ユリエル様が、顔半分が真っ赤、半分が真っ青でベッドから落ちていた。「だ、大丈夫?」手を差し出すと、彼は下から慌てた顔で、「わ、渡良瀬さん! 服……服着てください!」そう言って、顔を両手で覆い隠して背中を向けた。「え? 今さら?」私が目を瞬かせると、「あれ、夢じゃ……なかったんですか……?」そう言いながら、今度は自分が全裸なことに気付いて慌てふためいている。バタバタと脱ぎ捨てた衣類を集める背中を、私は冷静に眺めていた。……こういう時、人がパニックだと、逆に自分は落ち着くのよね。「松永くん、とりあえず落ち着こうか?」声をかけた瞬間──彼は、なぜか私に土下座した(全裸のまま)。「えっと……それって、後悔してるってこと……?」恐る恐る聞くと、勢いよく首を横に振られた。「いくら夢だと思ったとはいえ、合意なしに……すみません!」あぁ……こういうところ、本当に松永くんだ。「合意なし、じゃないよ……」言った途端、今度は私が真っ赤になる。「え?」驚いた顔で、松永くんが目を瞬かせた。「今はユリエル様とソフィアとして、私たち恋人じゃない?それに……前世でも、私は松永くんのこと……好き、だったし……」うわ
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第六十一話:フェロモン魔人、宮殿を壊滅させる

「……で、私たちに報告が遅れた、というわけね?」レミリア様は扇をパタンと閉じ、眉間に深いしわを寄せた。完全に怒っている。──そう、あの日。私が絶倫……ゴホッ、体力オバケのユリエル様に何度も気絶させられ、気づいたら 救出から丸一日 経っていた。私たちが発見されたのは、ロッテが消えたと報告しに来た侍女が、慌てて私の返事も待たずに寝室を開けてしまったからだった。(あれは本当に……顔から火が噴いた)「まったく……。殿下がどれほどご心配なさっていたか、分かっておりますの?」レミリア様にキッと睨まれ、私は縮こまったが──隣に座るユリエル様はというと、私の腰に腕を回したまま涼しい顔で「レミリア、妹なら少しは気を使ってほしかったな」と、のたまった。……は?なにその他人事みたいな顔。私がジト目で睨むと、頬にキスをしてくる始末。「ユリエル様! 今は控えてください!」奥歯を噛みしめて言うと、彼はあっさりこう返してきた。「甘い時間を邪魔されたんだ。これくらいは許してくれるだろう? ソフィア」──その瞬間。バタン、バタン、バタバタバタッ!侍女たちが一斉に失神して倒れていく。(えぇぇぇ!? 怖い!もしかしてこの人……フェロモンだけで男女を妊娠させられるんじゃ……?)私が震えていると、レミリア様が叫んだ。「お兄様!! その無駄にダダ漏れしているフェロモンをお控えなさいませ!執事も気合いで立っているだけですのよ!!」(やっぱり効くの!? ユリエル様のフェロモンって、男女どっちにも効くタイプなの!?)ドン引きしている私に、ユリエル様は耳元に顔を寄せて甘く囁く。「だって……ソフィアがレミリアばかり見てるのが悪いんだよ」顎クイと同時に、最大限の色気をまとった笑顔。『バタン』背後で執事がついに落ちた。(あぁ……南無。ユリエル様、あなたの存在は公害レベルです……)私は心の中で十字架を切りながら祈った。(神様……私は松永君の方が落
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