転生したら首が揺れる系ヒロインだったので、首を揺らすのを止めたら溺愛が待っていた!의 모든 챕터: 챕터 21 - 챕터 30

64 챕터

第二十一話:ロッテ、恋に落ちる。~若公爵の危険な囁き~

「まぁ……そんなわけで、あなたを我が家で保護することにしましたの」レミリア様の言葉に、ありがたく思う一方で、胸の奥が少しだけ痛んだ。「そんなに気になさらなくても大丈夫ですのよ。お兄様、今の方が活き活きなさっていらっしゃるもの」そう言って微笑むレミリア様に、私は複雑な気持ちで頷く。「……でも、それじゃ後継者問題が……」思わず呟くと、レミリア様は小さく笑った。「その時はその時! こう見えてお兄様はロマンチストですの。必ず運命の女性が現れると思っているのですわ」「おい、こう見えてって……失礼だな」苦笑するユリエル様に、なぜか笑えなかった。「そんな顔するな。俺が可哀想になるだろ? ……俺は、俺の意思でやったんだよ」そう言って、私の鼻をつまむ。「もう! 鼻をつまむのはやめてください!」怒る私を見て、ユリエル様が楽しそうに笑う。その笑顔に、胸の奥がじんわりと温かくなった。少しでもこの人が笑顔でいられますように──そう思ってしまう自分に、少しだけ戸惑う。「さて、そろそろロッテがお茶を持ってくる頃かな?」ふいに立ち上がったユリエル様。その瞬間、私はつい視線を下に落としてしまった。(……自分で、自分を縛るなんて)胸が痛んだ、その時。「ソフィア、どこ見てるんだよ。えっち」甘い声に、耳まで真っ赤になる。「ち、違いますっ! そういうつもりじゃなくて!」顔を覆って叫ぶ私に、ユリエル様はまた声を上げて笑った。「お兄様、ソフィアといると楽しそうですわね」レミリア様も穏やかに微笑む。お二人が笑っているなら……まぁ、いいか。そう思いかけた、その時──「うわぁ!」ユリエル様の声に視線を向けると、ドアの前には泣きながらハンカチを握るロッテの姿があった。「私…
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第二十ニ話:禁断の魅了魔法、発覚す。~あの女、やっぱりヤバかった~

「レミリア様、今のは?」驚いて尋ねると、レミリア様は顔色一つ変えずに答えた。「記憶操作ですわ。お兄様は、魅了で記憶操作ができますの」「何の因果かね。魅了なんて、要らないのに」ユリエル様が苦々しく呟く。その表情を見た瞬間──気付けば、私は彼の手を握っていた。「ん?」「あれ?」視線がぶつかり、我に返る。「うわぁ! ご、ご、ご……ごめんなさい!」慌てて手を離すと、レミリア様がくすりと笑った。「あら! やっぱり、私はお邪魔だったかしら?」「と、とんでもないです! ぜひ、いてください!」「あら、そう? 先程から、私、壁になった気分ですのよ」わざとらしく頬杖をつくレミリア様に、苦笑いを返すしかなかった。「さて、そろそろ本題に入りましょうか」お茶を一口飲み、穏やかに切り出す。「まず、あなたは前ソフィアとはどういう関係ですの?」「ん~……会社の同僚、かな?」「何故、疑問形ですの?」「いや、彼女に婚約者を寝取られたと思ってショックを受けて、車道に飛び出して、そのまま車に轢かれてここに来たから……」ざっくり話すと、レミリア様は眉間にしわを寄せた。「あの女、異世界に来ても変わらないのですわね。相変わらずの尻軽ですこと!」その横で、ユリエル様が黙り込む。「……よく考えたら」低く落ちる声。「元ソフィアって、クソバカ王子と関係持ってたんだよな……」「ひっ」背筋にぞわりと寒気が走る。「クソバカ王子だけなら良いですけど」レミリア様が冷静に言い、わずかに目を細めた。「……まずいな」ユリエル様が短く呟く。「ええ、かなり厄介ですわね」二人の間に、重い空気が落ちた。「ソフィアさん、とりあえず一人になるのは禁止です。良いですわね!」
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第二十三話:アルシェイン家の朝は、今日もまぶしい

「お嬢様、良い天気ですよ!」朝の光が白いカーテンの隙間から柔らかく差し込む。シャーッと音を立ててカーテンが開かれ、まぶしい光が部屋いっぱいに広がった。目を細めると、ロッテが笑顔で窓を開け、空気を入れ替えている。アルシェイン公爵家に引き取られて、一週間が経った。私はロッテに身支度を整えてもらいながら、ここに来てからのことを思い返していた。──あれは、一週間前。お茶を飲みながら、レミリア様とユリエル様に言われた日のことを思い出す。中身が違うなんて周りは信じないだろうということ。そして、王族に魅了魔法を掛けたことがバレたら破滅まっしぐらだということ。(処刑か国外追放なんて……ごめんだけど遠慮したい!)ユリエル様は、元ソフィアがいなくなった今なら魅了魔法も解けているのではないかと言っていた。まずはあのクソバカ王子──クリフォードをどうにかしないといけない。本来、王族には魅了魔法が効かないはず。だから二人の推測では、単に肉体関係に溺れただけではないか、とのこと。……あのヒロイン体型を見せられたら、そりゃ普通に男は落ちるよね。とはいえ、私は無理。好きでもない人にそんなことできない。何故、並本さん……元ソフィアは、そんなことをしたんだろう。「ふぅ……」小さく溜め息をつくと、あの日の話が頭から離れなかった。「お嬢様、どうなさいました?」ロッテが心配そうに覗き込む。「やはり、このシックなお部屋では不満ですか?」「え?」「伯爵家では、フリフリのお部屋にいらっしゃいましたものね……お労しい」ロッテが涙ぐむ。いやいやいやいや!違う違う、そういう問題じゃない。最初こそ客間だったけれど、今の部屋はアンティークで重厚、上品で落ち着いた色調。まるで高級ホテルのスイートルームみたいな空間だ。そして、その部屋を見た時──ふと別の日のことを思い出した。──アルシェイン家で暮らし始めた二日目。
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第二十四話:朝から全力でドS若公爵

「はい! 出来ましたよ!」不服そうなロッテの声に、私は整えられた髪型にご満悦だった。ゆるふわ縦ロールは漫画の中だけで充分よ!と微笑む。「ロッテ、ありがとう。やっぱりあなた、最高よ!」「嬉しくないです!」ぷくっと頬を膨らませるロッテ。今日は某ネズミ的ヘアーで、高い位置のツインテールにお団子を作り、小花まで添えてくれている。可愛さ全振りの仕上がりに満足しつつ、私は部屋を出た。「ソフィア、おはよう。今日も可愛いね」背後からの声に、全身がビクッと跳ねる。「ひゃっ! ユ……ユ……ユリエル様!?」振り向くと、彼は声を殺して笑っていた。「おはようございます!」「おやおや? こんなところに血管が浮いているぞ」楽しそうに額をツンツンされる。「ちょっと……やめて下さい!」その指を掴むと、彼の笑みが深くなる。「本当に……ソフィア嬢の反応は面白いな」「私は全然、楽しくないです!」「おや? 朝からこんなイケメンに会えて、幸せだろう?」「はぁ? 自分で自分をイケメンって言いました!?」「おや? 俺以上のイケメンが居るとでも?」顔を近づけてくるユリエル様の顔を、私は反射的に掴んだ。(うわっ! 片手で掴めそうなくらい小さい!)「おい……」「はい」「この手は何だ?」「顔が近いので……」目を据わらせるユリエル様に、私はにっこり笑う。「随分な扱いだな」「ユリエル様、適切な距離は必要ですよ」そう言った瞬間──手首を掴まれた。次の瞬間、私の手のひらに温かい感触が走る。「……え?」理解するより先に、舌の感触が残った。「ギャァ~~~~!!!」引こうとしても、びくともしない。「い~~やぁ~~!!」涙目で叫ぶ私に、ユリエ
last update최신 업데이트 : 2026-05-08
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第二十五話:婚約者の証と、ドレスの約束

ようやくユリエル様のお遊びから解放され、食卓に着いた私は、すっかりゲッソリしていた。「やっと終わりましたの?」優雅にお茶を飲むレミリア様に、恨みの視線を送る。「あら、ソフィア。私は気を使ったのですわ。あんなにイチャイチャしていたら、私、お邪魔虫ですもの」「イチャイチャ?」「えぇ、イチャイチャですわ。ねぇ……お兄様?」レミリア様が視線を向けると、ユリエル様は涼しい顔で言った。「我が婚約者はつれないな」(ちょっと! “仮”が抜けてるわよ!)心の中で叫んでいると、豪華な朝食が運ばれてきた。「さて、いただきましょうか」その一言で食事が始まる。さすが有力公爵家。毎朝の食事が、まるで晩餐会のようだ。目の前に並ぶ料理はどれも美味しそうで、思わず手を伸ばしたくなる。けれど──数口食べただけで、胃がきゅっと縮こまる。(……もう、入らない)食べたい気持ちはあるのに、身体がついてこない。(前は、こんなんじゃなかったのに……)ほんの少しだけ、胸の奥がチクリと痛んだ。フォークを置くと、ユリエル様がすぐに気付いた。「なんだ? もう食べないのか?」「はい……食べたいのは山々なのですが」しょんぼり答えると、彼は少しだけ考える素振りを見せる。「今後は、すべて一口サイズにしてもらうか?」「……でも、ご迷惑では……」「残されるより、よっぽどいいと思うがな」そう言われて、チラリと侍女を見る。彼女は笑顔で小さく頷いた。「では、お言葉に甘えます」そう答えながらも──(……なんで分かったの?)食べきれない量も、無理していることも。まるで最初から知っていたみたいに。胸の奥に、ほんの少しだけ引っかかるものが残る。「お兄様、随分とソフィアのことがお分か
last update최신 업데이트 : 2026-05-09
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第二十六話:ドレスに込めた独占

「まぁ!……まぁ、まぁ、まぁ!」それは、マダム・マリーのドレスを作ると聞かされた日のことだった。彼女が到着するなり「ドレスは完璧に仕上げましたわ!」と鼻息荒く言われ、問答無用で試着させられた。そのドレスは、まるで朝焼けのように美しかった。胸元は淡いピンクで夜を押しのけて昇る光のように輝き、裾にかけて黒へと溶けていく布地は夜と朝の境界を描いている。幾重にも重ねられた透ける生地には星屑のようなダイヤが散りばめられ、動くたびに光が流れるように揺れた。 「……綺麗」 思わずつぶやくと、マダム・マリーは満足げに頷く。 「とてもお似合いですわ! 私の渾身作ですのよ! まるで、ソフィア様がユリエル様色に染まるようですわ」その瞬間、テンションが音を立てて落ちた。 「はぁ?」目を据わらせたその時―― 「おぉ、よく似合っているな」ユリエル様が現れる。「まぁ……お兄様、独占欲丸出しですわね」とレミリア様が扇で口元を隠して笑うと、「まだ作っておりますのよ!」とマダム・マリーが勢いよく次のドレスを取り出した。今度は色味が逆で、スカートが淡いピンク、その上に黒の薄布が重ねられている。一見すると黒いドレスだが、動くたびに内側のピンクが透けて見えた。 (しかも、やっぱりスカート部分にダイヤがぁぁぁ~!)庶民には心臓に悪い。 (……綺麗。でも)ふと視線を落とす。 (なんで全部、黒とピンクなの?)無意識に浮かんだ疑問に、自分で少しだけ引っかかった。ユリエル様とレミリア様は並んでドレスを見つめ、「どちらも良いな」「お兄様は、本当にセンスが素晴らしいですわ」と軽く言葉を交わす。 (いや、そこの兄妹!)これを着てパーティーに出たら、“私はユリエル様の婚約者です”って言って回ってるようなものじゃない! ……とはいえ、最高級の生地に金糸と銀糸の刺繍。その見事さに思わず息を呑んだ。 「ユリエル様の案で、ダイヤの廃材を有効利用できましてよ。まぁ、こんな生地を作れるのはユリエル様くらいでしょうけれど」その言葉に彼を見ると、「魔
last update최신 업데이트 : 2026-05-10
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第二十七話:婚約者(仮)のドレス騒動

「いやいやいやいや!! 違う!! 違いますよ!!」 心の中で全力反論していると、ユリエル様は私の髪を一束そっと掴み、そのままキスを落とした。 「私の最愛の婚約者は、何を着てもよく似合う」 ゾワッと背筋が粟立つ。思わずチキン肌が立った。 (思ってもいないこと言うなぁぁぁ!!) 抗議も虚しく、彼はさらに耳元で低く囁く。 「これを着てパーティーに参加して、クソバカ王子の前で踊ったら……さぞ悔しがるだろうな」 その表情は完全に悪役だ。 (ですよね~! 分かってましたとも。この腹黒ドS若公爵様め!) レミリア様へ視線を向けると、やはり同じ顔で笑っている。 (そうそう、こっちも悪役令嬢でしたね) その瞬間、レミリア様は扇をパチンと閉じた。 「マダム・マリー、やはりあなたは素晴らしいデザイナーですわ! 私もソフィアに負けない素敵なドレスをお願いしたいわ」 「もちろんですわ! レミリア様もスタイルがよろしいから、毎回作り甲斐がありますの!」 そのやり取りを眺めながら、私は小さくため息をついた。 (いいなぁ……。私も、自分で相談しながらドレス決めてみたかったな) そのとき、すぐ隣から声が落ちる。 「ソフィアも、自分で作りたいのか?」 「毎回は嫌ですけど……、一度くらいはやってみたいです」 ユリエル様は少し考え、すぐに微笑んだ。 「では、俺の卒業式に着る正装を任せようかな?」 「えっ!?」 思わず声が裏返る。 「嫌なのかな?」 にこやかなのに、額にはうっすら血管が浮いている。(怖い怖い怖い!) 「嫌っていうか……いきなり人のデザインとか……」 「そうか……嫌なのか……」 今度は分かりやすい“しょんぼり顔”。 (うわ、来た……!)
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第二十八話:堕ちた王子~クリフォード~

「クッソ~!」苛立ちのまま、テーブルの上の食器を払い落とした。陶器の割れる甲高い音が部屋に響く。「何をボサッとしている! さっさと片付けろ!」怒鳴りつけると、メイドたちは肩を震わせながら慌てて動き出した。その中で、ふと目に留まる女がいた。細い腕を掴み、強引に引き寄せる。「お前、付き合え」短く命じると、怯えた顔で固まる。──だが構わない。どうせ皆同じだ。嫌がる素振りを見せても、最後には縋ってくる。俺に愛されたいと泣いて求めてくる。……なにせ、俺は王子だ。(そうだろう?)全てはあの悪役令嬢《レミリア》のせいだ。可憐で、俺の天使だったソフィアが、ある日突然変わってしまったのだから。「殿下……愛しています」「殿下……もっと……」あの頃の彼女は確かにそう言っていた。俺の胸にすがり、甘く囁いていた。それが今では、俺を見る目はまるで汚物を見るようなものだ。……何故だ。何故だ、何故だ、何故だ!ソフィアァァァァァァァ!──俺はある日、目が覚めたら王子になっていた。前世では“キモい陰キャ”と蔑まれていた俺が、女に囲まれる存在になったのだ。笑いが止まらなかった。婚約者がいようと関係ない。女は寄ってくる。なら楽しむだろう?しかも王族は婚姻契約をしなければ子はできないらしい。その話を聞いたとき、俺は笑った。──なんて都合のいい世界だ。だからレミリアも、いずれ俺のものにしてやろうと思っていた。……あの時までは。「汚らわしい!」そう言って扇で手を払われた瞬間、胸の奥で何かが音を立てて歪んだ。──その時、ソフィアに出会った。「まぁ……殿下。レミリア様ったら酷いわ」そう言って叩かれた手にそっと触れてきた。見上げてくる瞳はピンクダイヤモンド、震える唇、甘く揺れる声。「きみ、名前は?」「ソフィア…
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第二十九話:忍び寄る黒い魔の手

「パリーン」その瞬間、私の手にしていたカップが、破裂するように砕け散った。 「ソフィア、大丈夫か?」 すぐにユリエル様が私の手を取り、割れた破片で切れた指先に治癒魔法をかける。傷は一瞬で塞がった。 「後片付けを――!」レミリア様の声が響き、侍女たちが慌ただしく動き出す。私はその光景をぼんやりと見つめながら、胸の奥に渦巻く不安を拭えずにいた。 ……今の、何?ただカップが割れただけ──そう思おうとしても、嫌な感覚だけが残る。 「お嬢様、お着替えを……」ロッテに耳打ちされて、ハッと我に返る。その時だった。 「どうした? 顔色が悪いぞ」ユリエル様が、まだ繋いだままの手に力を込める。もう片方の手で頬を優しく包まれ、その温もりに──ほんの少しだけ、心がほどけた。 「大丈夫です。お茶を飲もうとしたら、カップが割れて……驚いただけです」 そう言って微笑んだ、次の瞬間── 「きゃっ!?」 身体がふわりと浮いた。 「ユ、ユリエル様!? な、何ですか!?」驚いてしがみつくと、彼は当然のように言った。 「部屋まで送る」 「だ、大丈夫です! 一人で歩けます!」慌てて訴えるも、彼は聞く耳を持たず、そのまま歩き出す。助けを求めてロッテを見ると──満面の笑みで、親指を立てていた。 ──ロッテ! 違う! そうじゃないぃぃ〜!!心の叫びは虚しく、私はそのままお姫様抱っこで部屋へと運ばれていった。けれど──胸の奥に残った違和感だけは、消えないままだった。部屋に着くと、そっとベッドに下ろされる。 「ユリエル様、ありがとうござい──」 顔を上げた、その瞬間。 唇が、塞がれた。 ──え?思考が追いつかないまま、固まる私。顎を軽く持ち上げられ、再び唇が重なる。触れるだけだったはずのそれは、次第に深く、熱を帯びていく。息が絡み、逃げ場を失う。頭の奥が、じんわりと痺れて──何も、考
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第三十話:ダンスの話だったのに……?

「ダンスの練習をしましょう!」ある日、お茶をしている最中、レミリア様が唐突に言い出した。「え?」驚く私に、彼女はカップを静かに置き、真っ直ぐにこちらを見据える。「お兄様のパートナーですのに、下手な踊りをされては困ります」その凛とした言葉に、ぐぅの音も出ない。(……ですよね~!)貴族も通う学園では、年に何度もパーティーが開かれる。それくらいは、ゲームでも漫画でも知っていたけれど──「ちなみに……ソフィアさんのダンスって……」縋るように視線を向けると、レミリア様はふっと微笑み、「私、可愛いからダンスしなくても大丈夫♡ きゃぴ」──尊死。「ぐはっ……」崩れ落ちる私に、レミリア様はハッとして咳払いをし、「……と、仰っていらっしゃいましたわね」ほんのり頬を染めて呟いた。(レミリアたんの、時々見せるボケ……可愛すぎる……)癒やされていると、彼女は一転して声を張り上げた。「ですので! アルシェイン家でお預かりしている以上、変なダンスを披露させる訳にはいきませんの!」「あの……ヒロインチートで、実はダンスが上手とか……」「ある訳、ありませんわ!」鋭い一刀両断。(……ですよね~)※本日二回目。涙目になった、その時だった。「どうした? 我が愛しの婚約者殿」背後から、低く甘い声。振り向けば――悪魔、ユリエル様。相変わらず、私の髪を一束すくい上げ、口づける。髪を下ろすとこれをやられるから嫌なのに、ロッテはこれが大好きで、外出時以外は絶対にまとめてくれない。(涙)今も少し離れた場所で、鼻息荒く見守っている。「ごきげんよう、ユリエル様」礼を取ると、彼は肩を竦めた。「なんだ……つまらないな。それじゃあ、ただの貴族の娘じゃないか」私はじっと睨み返す。「ユリエル様? 私は普通の貴族の娘です」「へぇ~?」にっこりと笑って、「普通の貴族の娘なら、ダンスくらい当然できるはずだけどね」(聞いてた
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