All Chapters of 愛されること~夫と義妹に殺されたので、今世では悪女になります: Chapter 151 - Chapter 160

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第150話 実篤の勘

「失礼します」朝食を終えたタイミングで、高峰が入ってきた。「旦那様」「なんだ?」「こちらを」高峰が差し出したタブレットを実篤が受け取るのを見ながら、実花はナプキンで口を拭いた。そして、部屋を出るために立ち上がろうとしたとき。「お待ちください」高峰が実花を止めた。「実花お嬢様にも関係することです」「分かりました」何が起きたのかと実花がわずかに緊張したとき。「おはようございます。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」「あ……おはようございます」高峰が実花に向ける笑顔は柔らかい。その笑顔を見ると、何かは起きたものの、差し迫った事態ではないのだと思えた。.「小童が……」実篤が喉から絞り出したような言葉に、実花はビクッと体を震わせた。「旦那様、言葉が乱れていますよ」「古語として見れば乱れておらん」「東国様に『これだから爺は』と言われますよ」「あの若造が……」(……東国さんって、お父様のことそんな風に言ったかしら)「ちょっと待て。いくらあいつでも、私のことを爺などとは言わないぞ」「そうでしたね。申し訳ありません。私の心の声です」「お前、いつも私のことを爺と罵っているのか?」「頭の中だけです」「罵っているじゃないか……全く同じ年で何を……」実篤はため息を吐くと、またタブレットに目を向ける。指で動かしているところを見ると、続きを読み始めたようだ。(東国さんとのやり取りに慣れた感じがあるわけだわ)実花が高峰を見ると、高峰がこちらを見た。「今日もいい天気でございますね」「そうですね」
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第151話 暗躍する秘書

「……なんだそれは?」藤宮家の玄関前。光也を出迎えた実篤は眉間にしわを寄せた。「実花にです。お義父上にではありませんよ?」「俺が花をもらってどうする」「飾ればよろしいでしょう」実篤との言い合いを聞きながら、実花は光也からもらった花束を控えていた使用人に渡す。「お部屋に飾っておきますね」「お嬢様宛てですものね」使用人たちがクスクス笑いながら、花を受け取る。実花は笑い、実篤も思わず苦笑したところで。「お義父上にはこちらを」「……なんだ、これは」「塩です。高峰さんから、ついでに塩を買ってきてほしいと頼まれました」「それで買ってきたのか?」「頼まれたので。どうぞ」差し出された塩を実篤が受け取る。「どこで買った?」「特別なブランド塩ではありませんよ。そこのコンビニです」「君もコンビニに行くのか」「一人暮らしの、料理のできない男が、コンビニなしで生き抜けると思っているのですか?」「自信満々に言うな。それなら料理を覚えろ」「お義父上はできるのですか?」「できんが、うちには料理人がいる」「いいですね。俺にも利用させてください」「飲食店のように気軽に来ようとするな」実篤は、大きくため息を吐く。「高峰から連絡があったということは、真理君のことは聞いたな」「一ノ瀬家からの依頼で興信所が探っているそうですね」そう言うと、光也は肩を竦めた。「何を探ろうとしているのかは想像ができますけどね」「そうなのか?」実篤が意外そうな声を出す。「なぜ、そんなに不思議そうなのですか?」「君は他人の気持ちになど一切興味がないのだと思った」「間違っていませんが、実花が勘違いをしたので『そうかな』、と」「実花がどんな勘違いを?」
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第152話 派手に振る舞う

光也の車で藤宮邸を出発してしばらく。助手席に座る実花は、隣でハンドルを握る光也をそっと見た。いつもと同じように見えるけれど、機嫌がいい。口元もわずかに緩んでいるようだ。「東国さん、楽しそうですね」「ああ」光也は前を向いたまま、あっさりと認めた。「思いがけず、実花とデートができているからな」「……っ」あまりにも真っすぐ返され、実花は言葉に詰まった。頬が熱くなる。実花はもう光也を好きだと自覚している。だからなのか。以前なら聞き流せた言葉が一つひとつ胸に響く。実花は誤魔化すように窓の外へ顔を向けた。「そ、そういえば、高峰さんからの指示は『派手に振る舞う』でしたよね」「俺と実花の仲の良さを見せつけて、俺が真理に心を揺るがしていないことを知らしめる……だったな」光也が少し考える。「なかなかの難問だな」「え?」実花は思わず光也を見た。「難しいのですか?」「真理なんぞが間にいないことを知らしめるなら俺の部屋に実花を連れていけば解決だ。だが、見せつけるとなると」光也が眉間に皺を寄せる。「何をすれば派手になるのか分からん」「……東国さんが?」「ああ」実花は驚いた。光也の行動は、普段から十分に派手だ。女子校前に堂々と車で迎えに来られる人だ。着ているものも、身につけているものも、本人は気にしていないようだが一目で上質だと分かる。「東国さんは、普段からかなり目立っていますよ」「そうなのか?」本気で不思議そうに聞き返された。「気づいていなかったのですか?」「目が向けられるのは分かっていたが、顔のせいだと思っていた」なかなかな台詞だと実花は感心した。「だから、人目を気にしたことはない」光也は興味なさそうに答えた。「失敗しない限り、自分の行動を振り返ることはしない」光也が肩を竦める。「人目はどうしようもない。見るなと言えば、反応を見せたと余計に見られる」光也は面倒そうに眉を寄せた。「見るなと声をかければ、それを話しかけられたと受け取って、今度は向こうから話しかけてくる。煩わしいことが増えるだけだ」「……東国さんらしいですね」実花は思わず笑った。人にどう見られているか気づいていないのではない。気づいても、自分に意味がないから意識から外している。「それなら」光也が少し考える。「俺が好きなようにすれば目
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第153話 派手な男

光也が車を降りる。助手席側へ回るのが見えて、実花は自分で開けるのを待った。しかし、扉の横に立ったものの、光也が扉を開ける気配はない。(何かあったのかな?)仕事で何かあったのだろうか。それとも真理のことで何か。扉を開いた。そして、実花へ手を差し出してくる。光也の表情を見ると、トラブルがあったようではない。(むしろ……楽しそう?)「実花、手を」「はい」実花は素直に手を重ねた。そのとき。「リアル王子様」「あの顔で『手を』、なんて言われたら正気ではいられない」(……え?)大きな声ではないけれど、確かに聞こえた。首を傾げつつも、実花は車から降りる。(何、これ?)歩道に人が数人集まり、こっちを見ていた。「顔、小さっ!」「めちゃくちゃ可愛い」数人に見られるくらいは想像していた。老舗宝飾店の前に停まった最新型のスポーツカー。どんな人が降りてくるのか。芸能人や有名スポーツ選手とか、期待しただろう。でも、想像以上の人数。しかも、何か感想を言われている。「良かったな、めちゃくちゃ可愛いそうだ」「……東国さん、これは?」実花の言葉に、光也が首を傾げた。「派手に振る舞えと言われただろう?」「いや、でも、どうやって?」ものの数分で、どうやったらこんなに?「目が合ったから手を振っただけだ」「それだけ、ですか?」光也は考える。「笑っていたかもしれないな」(それだっ!)「笑顔はやり過ぎです」「やはりそうか」「……え?」
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第154話 君が何者でも

宝飾店を出たあと、二人は実篤が予約していたレストランへ向かった。テレビで見たことのある外観。実花が一度食べてみたいと口にしたことを、父が覚えていた店だ。.店内へ入ると、柔らかな照明と落ち着いた音楽に迎えられる。大きな窓からは手入れされた庭園が見えた。「素敵……」実花が思わず声を漏らす。光也は店内ではなく、実花を見た。「気に入ったか?」「はい」答えたあとで、実花は首を傾げる。「どうして、そんなに嬉しそうなんですか?」「実花が喜んでいるからな」あっさりと言われ、また胸が跳ねる。(……今日、こんなのばっかり)恋を自覚する前なら、ここまで一つひとつの言葉に反応しなかった。今は違う。何を言われても、その裏にある気持ちまで探してしまう。案内された席に着く。窓際。庭園が最も綺麗に見える場所だった。「お父様、ここまで指定したのでしょうか」「しただろうな」光也はメニューを開く。「実花のことになると、抜かりがない」「そうですか?」「同類だから、よく分かる。お義父上は実花のことをとても大事にしている」実花はメニューで顔を隠した。同類と言うなら、光也も……。思わず期待してしまったが。「さて、何を食べようか」光也はメニューを楽しげに見ていた。光也の言葉を甘いと感じるのに、さらっとし過ぎて実感が湧く前に次に移ってしまう。.コースはすでに実篤が予約していた。季節の野菜を使った前菜。魚介のスープ。メインは肉と魚から選べるらしい。「どちらになさいますか?」店員に尋ねられ、実花は少し迷った。どちらも美味しそうで悩む。「魚にします」「では、俺は肉で」光也が即答するが、その答えは実花の注文が魚だからと言いたげだった。「感想を言い合えば、次に来るときの参考になる」「え?」実花は光也を見る。「それのほうが、合理的だ」「でも、東国さんは、コース料理はいつも肉ですよね」「では、俺が次回に魚を食べるかどうかは、実花のプレゼン次第ということだな」あまりにも当然のように言われ、実花は小さく笑った。「そうですね」.前菜が運ばれてくる。色鮮やかな野菜。小さな皿の上に、絵画のように盛りつけられている。実花は少しだけ眺めてから、フォークを入れた。「美味しい」自然と笑顔になる。光也は満足そうに頷く。「お義父
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第155話 次のサプライズ

「メインが来たな」光也の言葉に後ろを見ると、料理が運ばれてくるのが見えた。実花の前に置かれた皿には、皮目を香ばしく焼いた白身魚。柑橘の香りを効かせたソースがかかっている。光也の皿には、赤身肉のロースト。「どうだ?」「美味しいです」「それだけでは、次回も肉かな」もっとと催促する光也に実花は小さく笑う。「魚本来の味を損なわず、邪魔はしないけれど香り豊かなソース……」実花は言葉を止めた。悪戯めいたことを思いついた。「私は好きです」「実花が好き、と言うのはポイントが高いな」(それなら……)「同じものを食べれば、ここが美味しいって話ができると思うのですが?」「……次回は魚にするか」(……勝った)光也の軽く驚いた姿。実花は内心でガッツポーズをしていたが。「……熱いな」光也が水を飲む。いつもより勢いがいい。よく見ると、薄っすらと耳が赤い気がする。(もしかして、照れていたりして……)光也が赤くなるほど、大胆なことを自分は言ってしまったのか。慌てて、実花は水を一口飲んだ。顔が熱かった。.いつもより甘く感じるデザートを食べ終えたころ、店員が二人の席へ近づいてきた。手には、小さな箱を載せたトレーがある。「東国様。こちらをお預かりしております」箱を見た瞬間、実花は先ほどの宝飾店を思い出した。思い出したが。「……本当に届いた」実花は目の前に置かれた小さな箱を見る。「近かったからだろうな」まるで料理のデリバリーのよ
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第156話 父の監視網

実花がデザートを食べ終えたタイミングで、実花のスマートフォンが鳴った。実篤からのメッセージが届いていた。【食事が終わったら帰ってきなさい】「お義父上は何と?」なぜ分かったのかと実花は首を傾げる。「何となく。君が食べ終わったタイミングで来たというのに作為的なものを感じる」「それは、さすがに偶然では?」そう言って笑う実花に、光也は肩を竦める。「試してみよう」「どうやって?」「追加のデザートを頼もう。プリンは好きか?」実花が頷くと、光也が店員を呼ぶため手を上げた。給仕してくれた店員とは違う。フロアのチーフで、実花もよく知る店員だった。「はい」光也の横に立ったものの、店員の彼は実花に会釈する。実花も会釈を返す。「追加で、プリンを頼む」「……かしこまりました」妙な間があった。(そう言えば)この店のデザートにプリンなんてあっただろうか。なかった気がする。そう思っていると、先ほど席を離れた店員が戻ってきた。それと同時に、実花のスマートフォンが鳴る。「申し訳ありません。当店はプリンを提供しておりません」【お前の好きそうなプリンを買ってきた。丁度いいから皆で食べよう】偶然で片づけるにはタイミングが良すぎる。実花は思わず店員を見た。顔なじみの店員。実花とそうであるということは、実篤とはもっと懇意だということだ。「お手数をおかけしました」「……えっと」実花が頭を下げると、店員は苦笑した。「私にも同じくらいの娘がおりますので、藤宮様の心配はよく分かります」店員と目が合った光也は肩を竦めた。その仕草がまた様になる。「俺の義父になる人は、求める理想のハードルが高くて困る」「背面飛びをなさってみては?」揶揄うような店員の言葉に、光也がふむと考える。「体育の授業でやった程度だが、百六十センチと少しくらいなら飛べたな」なんでもないことのように言うので、実花は「そうなんですね」と流そうとしたが。「そんな凄いことをサラッと……宝飾品のデリバリーと言い、藤宮様のご心痛をお察しします」店員の感心と、実篤への妙な同情に実花は驚いた。「百六十センチって、すごいのですか?」「走り高跳びはかなり技術が必要なので、身体能力だけでそこまで飛べるのはすごいですよ」「……なるほど」実花が納得する向かいで、なぜか光也も「そうなのか
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第157話 東国の血

東国万葉。光也と真理の異母姉で、数多くいる東国家の子どもたちの長子。(お父様が東国家の後継者に相応しいと仰っていた人物……)実花は万葉をじっと見た。(……なのよね?)実花が疑問に思うのは仕方がない。なぜなら。「実篤様、お久しぶりですわ」語尾にハートがついているどころではない。乱舞しているハートが見えるような弾んだ声。「ああ、久しぶりだな」実篤の言葉に、万葉が頬を染める。「相変わらずのイケボ。そしてイケオジ。こうしてお家に招いてくださるなんて、本当に嬉しいですわ」「いや、君が来るというから……」「チャンスは掴んで離さない主義ですの」そう言ってにっこり微笑む美女。光也も万葉も、どちらも母親似だからか、顔立ちは似ていない。だが。「東国君と姉弟であることをヒシヒシと感じるな」実篤の言葉に思わず実花は頷く。その動きで気づいたのか、万葉が実花に気づく。そして、満面の笑顔になった。「藤宮実花さんね」「は、はい」「ずっと会いたいと思っていたの。東国万葉です、これからもよろしくね」会えたことが嬉しいと分かる笑顔。柔らかく優しい声音。「よ、よろしくお願いします」「緊張しちゃって。実花ちゃん、可愛い!」ギュッと抱き着かれて、実花は内心で喜びの悲鳴を上げた。そんな実花に光也は呆れる。「俺の母のときといい、君はオバ……年上の女に弱いな」光也は言い直したが、実花は許さなかった。「東国さん、女性に失礼ですよ」「……すまない」納得しかねる顔をしていても謝る光也。その様子に万葉はキョトンとし
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第158話 東国の血筋

「……婿?」実花は首を傾げた。先ほどの話では、万葉が婿と言ったら父の実篤になる。だが、実篤は目の前にいる。だから「どこだ」はおかしい。首を捻る実花の耳に実篤の声が届いた。「高峰、彼を呼んでくれ」(……彼?)誰のことだろうか。実花は光也を見た。目が合った光也は肩を竦め、知らないと言っている。一方で、その隣にいる真理は何か知っているらしい。「……真理」「すぐに分かるよ」実花の質問に答えず、真理は残っていたプリンを食べきった。よくあの騒ぎでも食べ続けていたなと感心した。「……真理?」一方で、万葉は真理を驚いたように見ていた。「真理って……」万葉は真理をじっと見る。「よく見ればその顔立ち……あなた、篠原家の?」「あ……」実花は自分の失言に気づいた。今の真理は、実花から見れば普段通りだが、今日は男性的な服装をしている。(男であることを隠していたのに……)実花は万葉の気を逸らさなければいけないと思った。だから。「そんなことよりも」自分でもあざといなってくらい、可愛い声を出す。「お義姉様」実花の作戦はうまくいった。首が吹っ飛ぶのではないかと思うくらい、勢いよく万葉がこちらを見た。「み、実花ちゃん、も、もう一回……聞こえなかったから、もう一回……あっ」「え?」「ちょっと待って」万葉は手のひらを実花の目の前に出す。そして鞄を漁りはじめた万
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第159話 父親に似た男

――採用!東国万葉の声は響き、使用人が持つ洋菓子店の箱を覗き込んでいた航にも聞こえた。とりあえず、気になったほうじ茶プリンを選んでそちらを見る。そして驚いた。全員が航を見ていた。「え、なんで?」航は光也に尋ねた。一番聞きやすかったこともあるが、自分に何かなければ光也が自分を見るわけがない。「就職が決まった」そして、知っているなら必ず答える。誤魔化したり、思わせぶりなことを決してしない。実花相手なら別だろうが、自分を相手にする時間は最短にしたい男だ。「へえ、藤宮への就職が決まったのか。いや、この場合は転職だろう」めでたいことだと笑って気づいた。光也が藤宮に来るとなったら、誰がいまの会社の社長になるのだ?いま、会社の業績は良い。しかし、この業績は光也が社長だからということもある。東国のグループ会社の一つ。同じグループなのだから協力し合えばいいのに、出る杭は打たれる運命にあるのかグループ内の他会社からいろいろ妨害がある。その妨害の全てを、光也が一手に引き受けて、跳ねのけている。嫌がらせを受けても傷一つつかないタフな精神を持ち、必要とあらば、東国の名も自分の顔も躊躇なく使う。(そんな奴いるか?)社員は誰も彼も優秀だ。元々優秀な人材が多かったが、光也によってブラッシュアップされている。だが、だからといって社長になれるわけではない。社長としての優秀さはそれとは別だ。(必要なものが飴か鞭かを瞬時に見極め、他人を遠慮なくこき使い、電話が鳴り続けていても今日はもう終わりと無視して帰れるくらいの図太さが……いないだろう)会社はどうする。「いや、俺ではない。確かに俺はいつか辞めるが、今ではない」「そうなのか」就職が決まったのは、光也ではない。実花も真理もまだ高校生で、
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