世紀の結婚式(最大規模のプロモーション)から、数ヶ月が経過した。 現在、アウグスト帝国は建国以来かつてないほどの『空前の大・黄金時代(超黒字化)』を迎えていた。 皇帝レオンハルトの完璧な治世と他国を圧倒する外交力。 第二皇子ルカによる、規格外の魔法を用いた次世代インフラ網の完全開通。 そして、私、帝国財務卿にして二人の伴侶となったエルゼ・フォン・ブラウベルトの緻密な財務管理と再投資スキーム。 トップ三人が文字通り「一心同体」となったことで、帝国の意思決定スピードは極限まで上がり、あらゆる産業が爆発的な成長を遂げていたのである。「……素晴らしい。今四半期の帝国全体のGDPは前年同期比で四百パーセント増。新設された魔導鉄道の物流効率化により、地方の税収も想定の二点五倍を叩き出しています。まさに、全セクターにおいて文句なしのストップ高ですね」 かつて『オープンイノベーション空間』と名付けられた、豪華絢爛な天蓋付きベッドが鎮座する私専用の執務室。 私は、特注のふかふかなソファに深く腰掛けながら、手元の魔導計算機を軽快なリズムで弾いていた。 かつての祖国(倒産したブラック企業)で、蝋燭の灯りを頼りに、すり減るような思いで赤字の穴埋めをしていた日々が嘘のようだ。 あの無能な元婚約者たちは、今頃極寒の鉱山で、永遠に減らない借金(金貨一億六千万枚)を返すためにツルハシを振るっていることだろう。完全に『損切り』が完了した不良債権のことなど、今の私の輝かしい帳簿には一ミクロンの影響も及ぼさない。 私が上機嫌で最終的な決算書にサインのペンを走らせようとした、その時。「エルゼ。そろそろ『定時』だ。本日の業務はそこまでにしておきなさい」「そうだよ、エルゼ! 今日は僕が南の島から、転移魔法で一番甘い完熟マンゴーを採ってきたんだから! 一緒に食べよう!」 執務室の扉が開き、この世界で最も尊く、最も私を甘やかす二人の男たちが姿を現した。 レオンハルト様は、私の手から羽ペンと計算機をふわりと取り上げ、ルカ様は色鮮やかなフルーツが盛られた銀のトレイをテーブルに置く。「お二人とも、お疲れ様です。しかし、あと五分でこの稟議書の決裁が……」「駄目だ。これ以上の残業(オーバーワーク)は、君の美しい肌と心に悪影響を及ぼす。有能な経営者は、自らの休息(メンテナンス)も仕事のう
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