翌日の昼休み。 佳苗のスマートフォンに、母親からメッセージが届いた。『昨日は来てくれてありがとう』『こちらこそ。ごちそうさま』 すぐに返事が来る。『雄吾さん、思ってたより気さくで安心したわ』『うん』『また来てもらいたいわね』『都合が合えばね』 そこまで読んで、佳苗は微笑んだ。 けれど。 次に届いたメッセージを見て、表情が止まった。『そういえば昨日の食事、結構かかったのよ』 嫌な予感がした。『そうなんだ』『雄吾さんが来るから、安いもの出すわけにもいかないでしょう?』 続けて。『全部で二万ちょっとかかったの』 佳苗はしばらく画面を見つめた。 何と返せばいいのか迷っている間にも、次のメッセージが来る。『一万円でいいから、今度返してくれない?』 やっぱり。 佳苗は小さく息を吐いた。『昨日、食事代を払ってほしいって話は聞いてないよ』『だって家に来るのに、普通お金の話なんて先にしないでしょう』『だったら、招待した人にあとから請求するのも違うと思う』 既読がつく。『請求って言い方やめてよ』『別に全部払えって言ってるわけじゃないでしょう』『半分だけよ』 佳苗は返信する前に、少し考えた。 金額は払えないものではない。 一万円なら、自分で出せる。 けれど。 ここで払えば、次も同じことになる気がした。『払わないよ』 送信した。 しばらく返信が来なかった。 やがて。『たった一万円なのに?』 佳苗は目を閉じる。 顔合わせのときと同じだ。 たった服一着。 今度は、たった一万円。『金額の問題じゃな
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