※ ※ ※ 季節は巡り、街が色鮮やかなイルミネーションと華やかな狂騒に包まれる冬――クリスマスがやってきた。 推薦入試で早々に進路を決めた二人は、無事に希望通りの東京の大学への進学を確定させていた。春からの新生活を数ヶ月後に控え、玲と渚は冬の澄んだ空気のなか、クリスマスデートを楽しんでいた。 街には休日を楽しむ大勢の人々が行き交い、人波が絶えることはない。 玲は人混みを遮るように前を歩き、渚の手を引いた。 かつての渚なら、見知らぬ人々の気配に気後れし、身を縮こませていたはずだった。けれど今の渚は、玲の大きな背中に守られるようにしながら、引かれたその手をしっかりと握り返してきた。 指を絡ませ合うような、繋ぎ方ではなくて。 指先を揃え、お互いの掌の温もりを確かめ合うような繋ぎ方。 ゆっくりと、焦らずに。渚のペースを守りながら重なり合うその手からは、確かな信頼と、玲の深い愛おしさがじんわりと伝わっていた。「玲、見て……すごくきれい」 街灯の光に照らされた渚の頬が、寒さのせいかほんのりと赤く染まっている。 握り返された手の力を感じながら、玲は優しく微笑み返し、彼女の隣で歩調を緩めた。「渚の方がきれい」「もう……馬鹿言わないで」 渚が隣を歩く玲の横腹を、肘でつんと突く。「本気だよ」 玲が真剣な目を向けて、優しく微笑むと、渚は「もう……」と小さく呟いて、赤くなった顔を誤魔化すようにふいっと目を逸らした。 逸らされた横顔の愛おしさに、玲は胸の奥が温かくなるのを感じる。 指先を重ねたままの手に少しだけ力を込めると、渚もまた、その温もりに応えるように小さな手でキュッと握り返してきた。(幸せだな) 渚とクリスマスを過ごせるなんて。 彼女とこうして、手を繋いでクリスマスの夜景を見に行けるなんて夢にも思っていなかった。(これからも、ずっとずっと渚と一緒に過ごしたい) 視線の先には、色とりどりの光を纏った巨大なイルミネーションのクリスマスツリーが、夜空に向かって誇らしげにそびえ立っていた。無数の光が降り注ぎ、周囲の喧騒すらどこか遠い世界の出来事のように思える。 渚はその光を見上げていた。眩しそうに瞳を輝かせ、息をのむ彼女の横顔を、玲は静かに見つめる。 ツリーの光が幾重にも重なり、渚の瞳の中に小さな星のように映り込んでいた。寒さのせいで赤く
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