夜隼はもう片方の手で、傍らにあった重く錆びついた鉄パイプを掴み取った。「上野、お前はこの手で炎真様に毒を盛ったんだな?そしてこの手で、炎真様の会社の株を横流ししたんだな?」彼は目を真っ赤に血走らせ、狂気じみた殺意を渦巻かせていた。「よくもあんな大胆な真似を……炎真様をこんな目に遭わせた報いだ。今日、俺がその手をへし折って使い物にならなくしてやる!」彼は鉄パイプを高く振り上げ、風を切る音と共に、作業台の上に身動きすら取れないほど強く押さえつけられている柚希の手に向かって容赦なく振り下ろした。「やめて!」柚希は恐怖に目を見開き、声を振り絞って叫んだ。「本当に枯寂をすり替えたの。信じられないなら解毒剤を試させてよ!ダメ元でもいいから試させて!万が一効いたらどうするの!?もし効果がなかったら、その時に処分したって遅くはないでしょう!でも、もし今私を廃人にして、万が一私の言ったことが本当で、炎真が目を覚ました時、あなたはどうやって申し開きをするつもり!?どう責任を取るっていうの!?」その最後の言葉は、一本の細い針のように、怒りで我を忘れていた夜隼の意識の僅かな隙間に正確に突き刺さった。高く振り上げられた鉄パイプは、空中でピタリと止まった。夜隼は彼女を憎悪に満ちた目で睨みつけ、その眼差しが微かに揺らいだ。彼が躊躇したのを見て、柚希はすぐさま機会を捉え、早口で弁解を続けた。「夜隼、一度だけ、一度でいいから私を信じて。私と柊馬の間の因縁はあなたも知っているでしょう。もし本当に柊馬が再起して炎真が倒れたら、もう誰も私を守ってくれなくなる。私も柊馬に捕まって、一生監禁されて弄ばれ、いたぶられることになるのよ。いくら絶望的な状況に追い詰められたとしても、自分に逃げ道を残さないほど愚かじゃないわ。柊馬に対抗できるのは炎真だけよ。だからどう考えても、理屈から言っても、私が本当に炎真を破滅させる理由なんてないわ。私が使ったのは本当に偽物の枯寂なの。本当に解毒剤を持っているわ。私に身の潔白を証明させて!」「ふん、逃げ道だと?」夜隼は冷笑した。「ユニバース・グループは今、桐生柊馬に奪われたんだ。炎真様が目を覚ましたとしても、権力も地位もない。どうやってお前を守るっていうんだ?上野、お前はこの期に及んでもまだ俺を騙そうというのか
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