まるで青天の霹靂だった。柚希の顔色は瞬時に青ざめ、すべての羞恥心や取り留めのない妄想は、この巨大なパニックに取って代わられた。「お父さん、焦らないで!私にお母さんを救う方法があるから、落ち着いて待ってて。すぐに戻るから!」柚希は電話を切り、震える指で直ちに柊馬に電話をかけた。電話はすぐ繋がった。柚希は切羽詰まった声で口を開いた。「柊馬、緩和薬を渡して!今すぐ!早く!」電話の向こうから聞こえる柊馬の声は、どこか面白がるような冷ややかさを帯びていた。「そんなに焦ってどうした?どうやら百合子さんの容態が思わしくないようだな。だが……柚希、俺の記憶が確かなら、今朝は炎真に三回目の薬を飲ませる時間だったはずだ。なぜ彼が麻痺したという知らせがまだ届かないんだ?」柚希の心臓がドクンと跳ねた。時間を見ると、もう九時になろうとしていた。本来の計画では、確かに今朝、炎真に薬を盛るはずだった。すべては清乃のせいだ。彼女が昨夜あんな罠を仕掛け、自分に薬を盛って理性を失わせたりしなければ、こんな時間まで眠りこけてしまうことなどなかったのに。柚希は湧き上がる感情を無理やり押し殺し、早口で説明した。「私が体調を崩して、寝過ごしてしまったの。柊馬、先にお母さんを救うための緩和薬を頂戴。約束するわ、お母さんの容態が安定したら、すぐに炎真に薬を盛るから。たった数時間遅れるだけで、計画には何の影響もないわ」「病気になった?寝過ごしただと?」柊馬は全く信じておらず、その声は次第に陰湿に、そして歪んでいった。「柚希、また何か企んでいるのか?三回目の薬を、あいつに盛るのがそんなに忍びないか?お前の中では、自分の母親の命よりも炎真の方が重要だというわけだな……残る時間はあと一時間だ。母親の前で懺悔し、その親不孝を許してくれと乞うつもりか?」次第に激昂し、歪んでいく彼の声を聞きながら、柚希はこれ以上彼と口論しても無駄だと悟り、怒りのあまりそのまま電話を切った。あんな精神異常者なんて当てにできない!残された時間はあと一時間。彼女は今すぐ病院へ駆け戻り、薬を取り、炎真に薬を盛るしかない。急いで走れば、まだお母さんを救うのに間に合うはずだ。柚希はすぐに掛け布団を跳ね除けて起き上がったが、両足が床についた途端、内腿の奥から言葉では言い表せないほどの脱力感
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