Todos los capítulos de フィギュアオタクで手に触れた物をなんでもすぐ壊す僕が異世界全民ロードサバイバルで人類の分断を修繕する: Capítulo 61 - Capítulo 70

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第061話 二回目(?)の出立②

 自衛隊の駐屯地には、僕のような若者を乗せた車両が続々と到着していた。  その数は見る見る膨れ上がり、その結果、この駐屯地だけでも僕と同じく《天使》の《審判》に臨む若者が、千人近く集結することとなった。「私の見送りはここまでだ。傑。お前を信じている。必ずや《天使》の《審判》に打ち勝ち、生きて帰ってくるんだぞ」 母は僕の目の前で起立すると「敬礼」を行う。  自衛隊の高官(=陸将補)である母が答礼(=敬礼に対する返答)ではなく「敬礼」を行うことは稀だ。そして重みがある。僕は母の、母なりの最大限の愛情表現に感謝しつつ、答礼を返すと「任せてよ。それじゃあ、行ってくる」と、まるで普段通り学校に登校するかのような軽いノリで母に背を向けた。  しばらく歩いて自衛隊の建物に入る前、もう一度、母を振り返ると、母は先ほど、僕と別れた敬礼姿勢のまま、微動だにせず気をつけの姿勢を保ち続けていた。「あれで子煩悩で涙もろく、子離れができていない母親なんだから驚いちゃうよね」 僕は最後に母に小さく手を振って建物の中に入った。  ※ ※ ※ 建物の中には僕と同年代の若者がひしめき合っていた。そして全員、誘導する自衛官の指示に従い、緊張した面持ちで歩みを進めていた。  案内された先は自衛官が室内で訓練をする体育館のような場所だったが、そこでは早速、問題が発生していた。「嫌です! 《天使》の《審判》に臨むことは容認しますが、《戦争》の《派閥》の人とは同じ飛行機に乗りたくありません! 断固拒否です!」「こっちも願い下げだ。《服従》の《派閥》の奴らは信用ならない。途中で自爆して飛行機を墜落させるかもしれない。《天使》の《審判》に辿り着く前に、墜落死なんてまっぴらごめんだ」「ふざけないで! 私たち《服従》はそんなことはしません! あなたたち《戦争》こそ、巨人を攻撃するようなことをしなければ「《消失12》」なんて惨事は起こらなかったのに……!」 僕は「やれやれ……」と溜息をついて肩を落とした。「でも、仕方がないね。考えの違う《|派
last updateÚltima actualización : 2026-09-13
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第062話 二回目(?)の出立③

 尚も「《戦争》」の男子と、「《服従》」の女子の言い争いは続いていた。  他にも、自衛隊の施設の中では、あちらこちらで「《派閥》」同士の争いが発生していて、とても五月蠅かった。  僕はこうした「騒がしい連中」を避け、体育館の壁際に移動する。  周囲を見渡すと、どうやらこの場に集まった若者全員が、自然と《派閥》ごとに集まり、集団を形成しているようだった。「全員、何かしらの名札をしたり、自分の《派閥》が分かるような目印をつけたりしているわけではないけど、同じ考え、同じ思想の持ち主だから、自然と「似た者同士」で集まるんだね」 僕はその集団行動を興味深く観察した。「まあ、そして僕のように、どの《派閥》にも属していない《無派閥》の者は、各々、壁際に集まって様子をうかがうのが好きなようだけど」 僕は自分と同じように喧騒を避け、壁際に避難する若者たちを見渡した。「ここにもまた、似た者同士が集まる《無派閥》という《派閥》ができているわけだ」 僕はその様子を可笑しく思い、フッと笑みを漏らす。「全員、静かにッ! 言い争いを止めて整列するんだッ!」 自衛隊の施設に集められた若者の喧騒を切り裂き、自衛官の怒号が鳴り響く。「あっ。母さんっ」 一喝で僕たち全員を黙らせたのは、他の誰でもない。僕の母だった。  僕の母は自衛隊の高官で、階級は将官の中で第三位の「陸将補」だった。  しかも母さんは、ただの陸将補ではない。  陸将補の中で、特に厳しいとされる鬼陸将補で「ジェネラル・オーガ」と異名を取っていた。  その異名の通り、鬼のような迫力で怒声を上げた母は、一瞬でこの場にいる千人近い若者を黙らせ、従順に整列を始めさせた。「さすが僕の母さん。「鬼陸将補」の異名は伊達じゃないね」 僕は自分の母親を誇りに思う。 僕たち十六歳の若者が整列すると、今度は壇上に僕の父が立った。「えー。これから《天使》の《審判》で異世界に転移する皆さんに、我々、「奇跡の生還者42(ミラクルサバイバーフォーティーツー)」から最後の言葉を送ります」 僕の父と母
last updateÚltima actualización : 2026-09-14
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第063話 軍毅との再会①

 《天使》の《審判》に挑むため、自衛隊の駐屯地に集められた僕たちは、異世界に転移する前に最後のアドバイスと「装備の点検」を行う。  僕たちは《天使》の《審判》に挑む日を、何もせず、ただ待っていただけではない。  《天使》の《審判》から生きて帰った僕の父や母のような生還者から、異世界の様子や試練の内容を聞き取り、異世界で生き残るための「知識」と「サバイバル術」、そして銃や爆発物の扱いを学ぶ「戦闘訓練」を受けていたのだ。「拳銃、サバイバルナイフ、それに食料と水、寝袋、ロープ、ライト……」 僕も支給された装備品を一つ一つ確認する。「うわ。すごいな。このマグライトはジュラルミンを削りだして作られた「正規品」じゃないか。どんな構造になっているんだ?」 僕は柄の長さが三十センチあり、警棒の代わりにもなる頑強なマグライトをいとも簡単に「分解」する。「すごいや。こんな部品から作られていたんだね」 僕は綺麗に整列させたマグライトのパーツを見渡して感嘆の声をあげる。「待てよ。そうだ。これは拳銃と「合体」ができるぞ」 あることを閃いた僕は拳銃を取り出し、同じく拳銃も「分解」する。  そして拳銃とマグライトのパーツを「合体」させ、マグライト付きハンドガンを組み立てた。「じゃーん。マグライト照明付きハンドガンだ。ライトで暗闇を照らしたり、相手の目を眩ませたりしつつ、こちらは正確に目標を射撃できる一石二鳥の便利武器だよ」 僕は嬉々として出来上がった「オリジナル作品」を両手で掲げた後、さっそくあちこちを狙ってみる。そして頭の中で弾を発射し、次々と目標を破壊した。「お前……。何やっているんだ?」 不意に僕が構えたマグライト照明付きハンドガンの照門と照星の延長線上に、同年代の「戦友」が顔を覗かせる。  僕は驚いて危うく引き金を引きそうになったが、幸い、何事もなく照準から「戦友」を反らし、銃を降ろすことに成功した。 そして僕は、急に戦友に声をかけられたことにも驚いたが、それ以上に、僕に声をかけた戦友が誰であるかわかって、思わず名前を呼んでしまう程、驚いた。「ぐ、軍毅……ッ!」 それは軍毅だった。  宇宙に数多
last updateÚltima actualización : 2026-09-14
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第064話 軍毅との再会②

「なんだよ、その銃。そんな銃なんて支給されていたか?」 軍毅は威圧的な態度で僕が「改造」した「オリジナル作品」を指差した。「こっちの世界でも、やっぱり軍毅は軍毅だね。まあ、相変わらずといったところが嬉しくもあるけど……」 前の世界と変わらず、軍毅は僕を見下すような態度だった。  別世界の軍毅と、今の世界の軍毅は、同じ軍毅だけど厳密に言うと別の軍毅だった。  この世界は、人々が人生で選択する度に枝分かれが発生し、並行世界が誕生する。  枝分かれ後は、同じ人でも別々の人生を歩み、成長したり、変化したりするが、軍毅は軍毅のまま、この世界でも在り続けているようだった。  しかし、軍毅は僕が改造したマグライトと銃を合体させた「オリジナル作品」には興味津々といった様子だった。  まあ、それはそうだろう。  頑丈なマグライトの柄を銃身に沿わせ、見た目も重厚でカッコ良く、何より機能性も高めたこの「優れ物」は、男子憧れの象徴。子供の頃に、男の子なら誰しも一度は頭の中の銃を手に、次々と標的を打ち抜いて遊んだだろうが、この僕の「オリジナル作品」は、まさにその憧れの銃が具現化されたものだったからだ。 僕は自分の作品に興味を持ってもらえたことが素直に嬉しく、思わず軍毅に対して「オリジナル作品」を自慢してしまう。「すごいだろう。マグライトと拳銃が合体したマグライト照明付きハンドガンだよ。ライトで暗闇を照らしたり、相手の目を眩ませたりしつつ、こちらは正確に目標を射撃できる一石二鳥の───」 僕は調子に乗って説明を続ける。  しかし、軍毅は───。「ぎゃははははははは。見ろよこの銃。馬鹿じゃねーの? マグライトと銃を合体させてやがるぜ」 軍毅は僕から、僕の「オリジナル作品」を奪い取ると可笑しくて仕方がないといった様子で周囲に見せびらかせた。「これじゃあ重くて銃の照準も定まらねえし、ライトを照らすのにもわざわざ銃創を握らないといけねえ。どっちの用途にも使えねえ不良品だぜ。それに見た目もカッコ悪いしな」 僕はショックを受ける。  特に「見た目が悪い」と言われたことは衝撃的だった。こんなにカッコいいのに……。「これだから一般の「《派閥》」と関わる気にはなれねえ。やっぱり《|派閥《ディビジ
last updateÚltima actualización : 2026-09-15
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第065話 詩華との再会①

 僕は大切な自分の「オリジナル作品(=拳銃とマグライトを合体させたマグライト照明付きハンドガン)」を返して欲しいと願う。  しかし、僕は何度も手を伸ばすが、その度に、あと一歩のところで僕の「オリジナル作品」は軍毅によって僕から遠ざけられ、取り返すことができなかった。「軍毅、もういいだろう。僕の拳銃を返してよ」 僕は軍毅に訴える。「まだダメだ。こんな変な拳銃、もっとみんなに見せびらかせてやらなくちゃな。……ん? しかし、待てよ。お前はどうして俺の名前を知っているんだ? 自己紹介はしていないはずだぞ?」 軍機は自己紹介がまだなのに、僕が軍毅の名前を知っている事を疑問に思ったようだった。「しまった。そうだった。この世界で、僕と軍毅は初対面だった。それなのに僕が軍毅の名前を知っているのは不自然だった」 僕は、その点は反省するが、今は何より、僕の「オリジナル作品(=拳銃とマグライトを合体させたマグライト照明付きハンドガン)」を返してもらうことが先決だった。 軍機が一瞬、僕が自己紹介がまだなのに自分の名前を知っている事を怪訝に思い、動きが止まったので、僕は、僕の「オリジナル作品(=拳銃とマグライトを合体させたマグライト照明付きハンドガン)」を奪い返すチャンスだと手を伸ばすが───。「おっと、危ねえ。こいつはまだ返さねえよ」 もう少しの所で奪い返せそうだったのに、軍毅に躱されてしまった。 僕は自分の「オリジナル作品」を奪い返せず、落胆する。  そして、もうこのまま、二度と僕の「オリジナル作品」を返してもらえないかと心配になったが、その時───。「あなたたち《戦争》の《派閥》が一番信用ならないわ。今回の《天使》の《審判》でも、きっと何か良からぬことを企んでいるに違いないわ」 そう言って僕の「オリジナル作品」を、軍毅から掠め取るかのように奪い取ってくれたのは、サラサラのロングヘア―が美しいアイドルのような女の子だった。「なんだテメェは。ん? お前はさっき、俺たち《戦争》の《派閥》と一緒に飛行機に乗るのを嫌がった《服従》の───」「詩華よ。お前なんて呼び方で私を指差したりしないで。失礼よ。本当に不快だわ」 詩華だった。
last updateÚltima actualización : 2026-09-16
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第066話 詩華との再会②

「この詩華は前の世界の詩華とは別の、今の世界の詩華だ。僕は前の世界と今の世界で記憶が連続しているが、詩華はそうじゃない。いきなり僕が抱きついたら、声を上げて驚き、僕を変質者だと思うだろう。だから落ち着け。落ち着くんだ……」 僕は、目の前にいる詩華が、僕の知る詩華ではなく、別の世界の詩華であることを懸命に自分に言い聞かせる。  しかし、それでも、前の世界の詩華と、姿がまったく同じである詩華が目の前にいることに、喜びと、安堵、そして「やり直せる」と思う気持ちが溢れ、僕の目からは今にも涙がこぼれそうになった。 しかし、そんな僕をよそに、詩華は今、軍毅と対峙していた。 詩華は軍毅から、軍毅が僕から奪った僕の「オリジナル作品(=拳銃とマグライトを合体させたマグライト照明付きハンドガン)」を奪い取ってくれたが、その事で軍毅から敵視されてしまっていた。「前の世界での軍毅と詩華は仲間同士だったけど、こっちの世界では少し様子が違うようだ……」 僕はその違いに気付き、注意深く二人の様子をうかがった。「お前は詩華というのか。俺は梶原 軍毅だ。詩華だかなんだか知らねえが、さっきからいちいち俺につっかかってきやがって───」 軍毅が詩華に詰め寄る。 軍毅と詩華は、さっきも言い争いをしていた。 軍毅は《戦争》の《派閥》。  詩華は《服従》の《派閥》。 そうした《派閥》の違いも、二人の対立をより深めているようだった。「しかし、《派閥》か……。前の世界でも、考えや主義、それに主張は人それぞれで違ったけど、この世界程、対立はしていなかった。  こっちの世界では考えや主義、それに主張が違う人たちが「《派閥》」という組織に別れ、組織同士で争っているみたいだね……」 今の僕は、こっちの世界の僕でもあるので、当たり前のように「《派閥》」を受け入れていたが、前世や別世界の僕の記憶から見ると、この世界での「《派閥》」は、今までにない新しい出来事だった。 僕は「《派閥》」のことをもっと深く考え、考察したかったが、しかし、今はそれどころではなかった。
last updateÚltima actualización : 2026-09-17
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第067話 詩華との再会③

「な、なんだよ、俺の名前がなんだっていうんだ」 軍毅は目に見えて動揺する。  その様子に、僕は軍毅は何か気づいて欲しくない「忌まわしい過去」のような後ろめたさがあるのだと察した。「お、俺なんかより、お前の顔の方こそ見たことがあるぞ。お前は確かアイドルグループの───」 今度は詩華が同様する番だった。「わ、私の顔なんて、ど、どうでもいいでしょう。それより早く装備の点検を終えて列に並びなさいよ。ほら、あなた以外の《戦争》の《派閥》は、もう全員整列しているじゃない」 そう言われて軍毅は、自分が遅れている事に気付くと、小さく舌打ちして「これで終わりじゃなぇからな。お前たちはどうも気に入らねぇ。後でしっかり話をつけてやるからな」と捨て台詞を吐いて大急ぎで自分の《派閥》の後を追った。「今、軍毅は「お前たち」って言ったよね。詩華だけじゃなくて、僕も含んでいるんだ。やっぱりこの世界でも軍毅とは仲良くなれないのかな……」 僕は自分も軍毅に目をつけられ、敵対視されたことに寂しさを覚える。  そんな項垂れる僕の目の前に、詩華が僕の「オリジナル作品(=拳銃とマグライトを合体させたマグライト照明付きハンドガン)」を差し出してくれた。「はい、これ。あなたのでしょ?」「詩華……」 僕は、自分の「オリジナル作品」が帰ってきた喜びもさることながら、こうしてまた詩華と再会できたことを心から嬉しく思った。  また、この世界での僕は、《天使》という巨人が現れて以来、人々はこれまでの日常を過ごすことができず、余裕がなくなり、他人に対して優しくすることができなくなっていた為、近頃、他人に親切にすることも、親切にされることも少なくなっていた。  その為、今、こうして詩華に「親切」にしてもらうことが、相手が詩華であることと、そして久しぶりであることとが相まって、より大きな感動となって僕の胸を打った。「あ、ありがとう。助かったよ。このまま僕の宝物を奪われてしまうのかと心配だったんだ」「いいのよ。だって私たちはこれから一緒に《天使》の《審判》に臨む「戦友」じゃない。本来ならみんなで一致団結して協力しないといけないのに……。何故なら、最初の《|天使《セ
last updateÚltima actualización : 2026-09-18
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第068話 詩華との再会④

 それより僕は詩華と再会できたことを喜ぶ。  そしてついジロジロと詩華の顔を見渡してしまった。 僕の視線に気付いた詩華が溜息をつく。「もともと隠し通せるつもりはなかったけど、やはりすぐにバレてしまうわね。そうよ。私は国民的アイドルグループの不動のセンター・皆の喜びの探求者ことシーカよ」 そう言って詩華は、いつもテレビや動画、コンサートで披露してくれる「心を覗き見る」ような決めポーズを披露してくれる。 どうやら詩華は、僕が詩華の顔をジロジロと見つめた理由を勘違いしたようだが、それはさておき、僕は感動で打ち震える。「ま、まさか、僕の最推しのアイドル・シーカの「生決めポーズ」を目の前で見られるなんて……!」 たくさんの「課金」をして臨む「握手会」だって、こんなサービスは受けられない。  僕は今自分が、もうこのまま死んでしまっても良いと思える程の喜びに包まれている事を実感した。 しかし、僕が詩華の顔をジロジロと見渡していたのは、僕の最推しのアイドルと間近に接しているからじゃない。  今の詩華は知らないが、別世界の詩華を僕は救い、そして異世界でも一緒にいることを約束した仲だったからだ。「まあ、そのことは今の詩華には絶対に言えない。何故なら、僕が助け、異世界でも一緒にいると約束した詩華は、今、目の前にいる詩華とは別の世界の詩華で、もしこの世界の詩華に言ったとしても理解してもらえず、きっと僕のことを「変な人」と思い、警戒するだろうからね」 そこで僕は別世界での詩華のことは話さず、まるで初めて出会ったかのように振る舞った。「そ、そうか……。やっぱり君がシーカこと詩華だったんだね。そう言えば詩華も僕と同じ十六歳。今回の《天使》の《審判》に参加していてもおかしくないよね」 少しわざとらしいかな?と僕は思ったが、僕のぎこちなさを、詩華は自分のような有名なアイドルと間近で接して緊張しているようだと考えてくれたようだった。「そんなに緊張しないで。大丈夫。今の私はシーカじゃない。あなたと同じ十六歳で、これから一緒に《天使》の《審判》に挑む「戦友」よ」 詩華は僕を安心させようと、優しくニッコリ微笑んでくれる。「ま、眩しい……ッ!」 僕はその天使の
last updateÚltima actualización : 2026-09-19
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第069話 二回目の異世界へ①

『《天使》専任リポーターの梶原です! ご覧ください! 「《巨人の試練》」に挑む若者が続々と、ここ「斜塔」の前に集まっています! すでに千人以上の若者が集結していますが、若者を乗せた軍用ヘリは、この後も途切れることなく続々と到着しており───』 《天使》は現在、イタリアのトスカーナ地方にある「斜塔」で有名なピサにいる。  その斜塔の周辺や、隣接する大聖堂の庭や広場には、僕と同じく「《巨人の試練》」に挑む若者達がひしめき合っていた。『なんという光景でしょう! これ程の若者達がこれから「《巨人の試練》」に挑むべく、異世界に転移させられます! 人類の宝とも言うべき若者達! まだまだ幼く、いたいけなこの子達がこれから命懸けで異世界でのサバイバルに挑むのです!』 リポーターのヘリは上空を旋回しつつ、集結する若者、そして《天使》を映し出す。 僕はその中継映像を眺める。  リポーターのリポートは熱がこもっていて、今日という日(=僕たち十六歳の若者が《天使》の《審判》で異世界に転移させられる日)の特別感が、感情を高ぶらせているのだと察した。「それにしてもこのリポーターは、ずいぶんと興奮しているようだけど……。このリポーターってこんなに気性の激しい人だったっけ?」 僕は毎朝のニュース番組で、このリポーターが届けてくれる《天使》の中継映像を見ていたが、確か「梶原」と呼ばれるこの女性リポーターは落ち着いた印象のリポーターだと思っていたのだ。 多少の違和感は覚えたが、今日という日の特別感もあって、僕はそうした違和感を押し込め、尚も中継映像を眺める。  中継映像で、リポーターを乗せたヘリは《天使》の周囲を旋回し、《天使》と、僕と同じく、今日、今から異世界に転移する若者達を交互に映していた。『皆さん、ご覧ください! 実にいたたまれない光景です! ここに集められた若者達が今から過酷な異世界に転移させられます! 何という事でしょう! このような仕打ちを人類に───そして若者に強いる《天使》に憤りを禁じ得ません!』 僕と同じ十六歳の若者を送り出す家族の思いは、まさにリポーターの言う通りだっただろう。
last updateÚltima actualización : 2026-09-20
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第070話 二回目の異世界へ②

「何か良くない事が起る……!」 そう予感した僕は全身に緊張が走り、汗が吹き出る思いだった。 僕たちは中継映像に釘付けになる。  そして僕たちが見つめる中、《天使》をリポートしていた撮影用の軍用ヘリはさらに機首を巡らし、一直線に《天使》に向かって急降下を始めた。「やめろ! 何をする気だ!」 戦友の誰かが思わず叫んだ。 僕はその戦友が、思わず叫び声を上げる気持ちがよくわかった。  何故なら、今、《天使》に向かって急降下する撮影用の軍用ヘリは、明らかに《天使》をリポートする為に、《天使》の周囲を飛行する様子とは異なっていたからだ。「な、何をする気なんだ……!?」 僕は目を見開き、《天使》に激突しそうな勢いで急降下する撮影用の軍用ヘリに視線が釘付けになった。 激しく揺れる撮影用の軍用ヘリから、リポーターは尚も懸命にリポートを続ける。『皆さまには内緒にしていましたが、私の《派閥》は《戦争》です! 私はこれまで同志(=《戦争》)の《派閥》の人々)と周到に準備をしてきました! ご覧ください! この撮影用の軍用ヘリには核弾頭を搭載したミサイルが六基備わっています! 過去に人類は《天使》を攻撃し、失敗しました! しかし、この至近距離で六発もの核ミサイルを喰らえば、さすがの《天使》も無事でいられるはずがありません!』「か、核爆弾だって!?」 「それも六基も!?」 「ど、どうやってそんな物を用意したんだ!?」 周囲の戦友達が驚きの声を上げる。  それ程までに、リポーターの明かした真意は驚くべき事実だった。「まさか核爆弾を六発も……。あの人達だけの力でこんな準備はできない。《戦争》の《派閥》だけじゃない。国家。それも一つや二つの国じゃない。《天使》を倒したいと思う国家が手を組んで、今この状況を作りだしたんだ……」 僕は自分達の知らない水面下で、こんな作戦が遂行されていた事実に驚く。 そして尚も撮影用の軍用ヘリは急速に《天使》に突き進む。  六発の核爆弾は今にも発射される寸前だった。『ざまあ
last updateÚltima actualización : 2026-09-21
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