ついに発射されてしまった六発の核ミサイル。 僕たちが固唾を呑んで見守るその瞬間も、ミサイルは《天使》に向かって突き進む。 至近距離から発射されたミサイルが《天使》に着弾するのは一瞬だった。 と、思われた。 しかし───。「人類諸君。またしてもこのセリフを言わねばならぬようだ。だからキミたちは不合格なのだ、と」 閉じられていた《天使》の両目が薄っすらと開く。 その瞬間、発射されたミサイルはピタリと動きを止め、空中で停止した。『な、なにッ!? どうしてッ!? 何故なのッ!?』 ミサイルを発射したリポーターが、その光景を目の当たりにして困惑の声をあげる。『きゃぁぁああぁぁぁぁぁッ!』 次の瞬間、動きを封じられたのは六発の核ミサイルだけではなく、リポーターの乗る撮影用の軍用ヘリも、まるで見えない巨大な手に鷲掴みにされたかのように空中で停止する。『そんな馬鹿なッ! ここまで周到に……憎き《天使》に悟られないよう完璧に偽装して、ここまで接近してミサイルを発射したのにッ!』 彼女は気が狂ったようにミサイルの爆破ボタンを押すが、ミサイルがその指令に従うことはなかった。「また失敗してしまうというの……!? また、人類は《天使》に一矢報いることなく、失敗してしまうというの……!? 嫌よ、そんなの……。そんなのは嫌。絶対に嫌。《天使》を殺す。私は絶対に《天使》を殺す。そして《天使》に殺された父の無念を雪ぐの!」 リポーターは、ついには拳を核ミサイルの爆破ボタンに叩きつける。 そして、何度も、何度も拳を叩きつけるが、六発の核ミサイルは、一発さえもその威力を炸裂させることはなかった。「たった一発でいい。たった一発でも爆発すれば、さすがの《天使》も無傷では済まないはず……」 僕は、今にも核ミサイルが爆発するのではないかと緊張しつつ、リポーターのリポート映像を見続ける。「でも、もしそんな事(=核ミサイルがこの場で爆発する)が起ったら、あの場に集まった僕と同じ十六歳の若者達も無事では済まないだろうけど……」 僕はその事が心配で、不憫に思う気持ちもあった。「《天使》に一矢報い
最後更新 : 2026-09-22 閱讀更多