関係を隠しながら、佐伯智哉(さえき ともや)と付き合って5年。智哉は若さと体力を持て余しているせいか、いつでもどこでも梓を激しく求めた。トイレに行っただけの江崎梓(えざき あずさ)なのに、ふたたびその柔らかな腰を智哉に掴まれ、洗面台に押し付けられる。梓は潤んだ瞳を細め、甘く息を漏らした。「智哉、もう少し、やさしくして……」口角を上げた智哉は、梓に顔を寄せ、耳たぶに軽く噛みついた。その声は、梓の理性をかき乱す。「梓さん、もう我慢できなくなっちゃったの?今、始まったばかりだよ、ん?」押し寄せる快感に言葉も出ず、梓はただその感触に身を任せた。この5年、数えきれない場所で愛を交わしてきたはずなのに、それでも収まることを知らない彼の欲求には、今も圧倒されるばかりだった。「年下の男は体力が違う」そんな話を、梓は身をもって思い知らされていた。しかも智哉は妙に器用で、次から次へと梓を翻弄してくる。智哉は細めた瞳で梓の腰をなぞり、離そうとしない。「梓さんの腰って、なんでこんな柔らかいの?いつも、触るだけで、自分が抑えられなくなっちゃうんだ。他の男に触れさせるなんて許さないからね。梓さんは一生、俺だけのものだよ?」独占欲を隠そうともしない智哉に、梓は微笑みかけ、キスを落とす。「分かってる。私はずっと智哉のものだから」ひとしきり愛し合った後、智哉はついに満足したらしい。乱れたベルトを整えるその横顔には、またいつもの自由奔放な余裕が戻っていた。帰ろうとする智哉に、梓は声をかける。「私、来月で30歳になるんだけど、ずっと実家から結婚はまだかってせかされてて……智哉が私たちのこと公にしたくないって知ってるから、付き合ってることは言ってない。だから、縁談とかもいっぱい持ってこられてるの。ねえ、智哉。あなたはどう考えてる?」足を止めた智哉は、梓に軽くキスを落としてやさしく微笑んだ。「あと少し待っててくれる?今、プロポーズの準備をしてるからさ」不安だった梓の心も、その言葉で安心を取り戻す。智哉が廊下の奥へと消えていくのを見届けた梓は、服を整えると、再び食事会に戻るため、個室へと歩き出した。個室の前まで戻ってくると、中の盛り上がっている笑い声が聞こえてきた。「智哉、ずいぶん派手にやったな。声、全部こっちまで聞こえてたぞ?でも、
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