だから慎也は、やむを得ず蒼士を頼り、協力を求めたのだった。......そのころ、狩猟場では駿人と謙吾が大収穫を上げていた。ウサギが3匹、鹿が1頭、キツネが1匹。キツネの赤褐色の毛並みは、陽光を受けて絹のようにつやめいている。謙吾が尻尾をつかんで提げると、体がゆらゆらと揺れた。「見てよ、これ」駿人はウサギを地面に置き、手の汚れを払った。得意げな笑みが止まらない。「ウサギ3匹に鹿1頭、キツネ1匹。この猟場でも、かなりの成果だろ」珍しく謙吾も茶化さず、少しうなずいた。「確かにな。特に鹿は見事だった。一発で仕留めたからな」「だろ!」駿人は猟銃を肩に担ぎ、目を細めて笑った。「あの鹿、少なくとも百キロはあったぜ。それを俺が一発で仕留めたんだ。格好よかったのに、お前らに見せられなかったのが残念だよ」そう言いながら、山道へ目を向ける。蒼士と紗寧はまだ戻ってこない。駿人は目を細めて山を見上げたが、重なり合う木の梢と、ときどき飛ぶ鳥しか見えなかった。「蒼士さんたちは、まだ戻っていないのか?」スマホで時刻を確かめる。「もう帰ってきてもいいころだろ」謙吾は銃身を拭きながら、顔も上げずに答えた。「大物でも仕留めたんじゃないか」「大物?」駿人は鼻で笑う。「蒼士さんは義姉さんを連れてるんだぞ。獲物なんて獲れるわけないだろ。あの細い腕じゃ銃を持つのも大変だろう。俺の予想ではせいぜいウサギくらいだ」考えるほど自分の予想に自信が湧き、駿人は大きな岩に腰を下ろして脚を組んだ。ポケットからたばこを一本取り出し、口にくわえる。「賭けようぜ。蒼士さんたちは何も獲ってないはずだ」謙吾がようやく顔を上げた。「何を賭ける?」「カリナン賭けようぜ。お前のカリナン、前から欲しかったんだ」「いいよ」謙吾はあっさり答え、また銃を拭き始めた。駿人はたばこに火をつけ、深く吸い込む。「お前の負けは決まったな。蒼士さんは義姉さんを何より大事にしてるんだ。ウサギを狙うだけでも、噛まれないか心配するだろ。だから山奥まで連れていくはずがないって。たぶん外周を散歩して、景色でも眺めてたんじゃないか」そこで言葉を切り、意味ありげな笑みを浮かべて声を落とした。「......いや、景色を眺める暇もなかったかもな
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