レセプションパーティーまであと三日……そんな差し迫った時期に俺は家族に大事な事を話さなければならなかった。「お父様、お母様、お話があります」俺がそう言うと、二人ともが俺を見る。その瞳には既に失望の光があった。「今度は何だ?」つい先日、俺が瑛理香に付き添って、七倉家に行った事を既に両親は知っている。ドレスを破ったのは瑛理香だったし、賠償金の請求先も一ノ瀬家だったにも関わらず、俺の両親は俺が瑛理香と共に七倉家へ行った事を知っていた。誰かから話が漏れている……そう思ったけれど、大事なのはそこじゃない。そして瑛理香の流産の騒動の事も既に両親は知っていた。当然といえば当然だろう。俺の子供を妊娠していた瑛理香が流産したのだから。(両親はどこまで知っているんだろうか)そう思いながら俺は両親の前に立つ。「実は話していない事があります」そう言うとお父様が聞く。「話していない事?」そう聞かれて胃がキュウッと掴み上げられるような感覚がした。「はい」そう言って俺はどこから話すべきかを考える。「実は、一ノ瀬美緒が生きていました」俺がそう言うと二人ともが息を飲む。お父様は立ち上がり、俺の前まで来ると聞く。「生きていた、だと?」その声は大きく、そして怒りを含んでいるように聞こえたけれど、その感情が本当に怒りから来るものなのか、俺には分からなかった。「美緒さんが……生きていた……」お母様がそう呟いている。俺の両親は大人しく慎ましやかな美緒を気に入っていた。だから俺が瑛理香との婚約を決めた時、良い顔をしなかった。それでも死んだ人間をいつまでも思っていても仕方ないという事と、瑛理香が俺の子供を妊娠している事を考慮に入れて、婚約を認めてくれていたのだ。そんな状況の中、瑛理香が流産し、そして美緒が生きていたと知らされたら。「美緒さんはどこに居るんだ?」お父様にそう聞かれて俺は小さな声で言う。「美緒は今、九条家に居ます……」俺がそう言うとお父様が更に驚く。「九条家、だと!?」一ノ瀬家と敵対している九条家……そう言われてはいるが、実際のところは、一ノ瀬家が一方的に九条家を敵対視しているだけだった。九条家からしたら、一ノ瀬家など、吹けば飛ぶ程度の家柄でしか無いのは誰もが知る事実だったし、それはうちの高橋家もそうだった。「先日、瑛理香が流産騒動を起こした
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