「瑛理香! これはどういう事なの!?」そう激高して聞いて来たのはお母様だった。私と翔太が一ノ瀬のお屋敷に戻った頃には七倉からの手配が既に回っていたようで、お母様はあの青い布を手に持ち、私に詰め寄る。「それは……」私が何かを言おうとした時、お母様が私にその青い布を投げ付ける。「あなたは何もしないでお部屋に居なさいと言った筈よ」そう言われて私は俯く。「どうやって七倉と連絡を取ったの!」そう聞かれて私は立ち尽くしたまま、言う。「お母様が破ったあの名刺を繋ぎ合わせました……」そう言うとお母様は大きく溜息をつく。そしてスタスタと歩き、テーブルの上に広げられている紙を拾い上げ、それを手に取ると、また私の元へスタスタと歩き出し、私にそれを差し出す。「良く見なさい」そう言われて差し出された紙を受け取り、それに目を通す。「は? ……700万……?」(ドレス一枚で700万……? 有り得ないわ!)そう思ってお母様を見る。お母様は私を睨み付け、言う。「これは賠償金額だと書いてあるけれど。あなた、一体、何をしたの?」そう聞かれて私は足元に落ちている青い布を見ながら言う。「七倉のお屋敷で少し迷子になって、それで歩いていた時に入ったお部屋がドレスルームだったようで。目についたドレスがとても綺麗だったから、手に取ったんです」無残にも裁断されたドレスは本当に布の状態になっている。「それで……」そこまで言って、私は思い付く。「私は触っただけなんです……それなのに私が触れたから穢れたと言われて……」私はそう言うと私の背後で小さくなっていた翔太が私をマジマジと見つめる。(翔太……余計な事、言わないでよ!)そう思いながら私はお母様に縋りつく。「七倉に勝手に行ったのは申し訳なかったと思っています……それでも私が触れただけで穢れたと言われるなんて……」私はそう言いながら俯く。お母様はまた大きく溜息をついて、私の背後に居る翔太を見る。「それで? あなたは一緒に行ったの?」そう聞かれた翔太は少し慌てて言う。「確かに一緒に行きました……七倉と知り合いになれるなら、と……」お母様はそこでハッと笑い、言う。「それがこの体たらくなの?」そう言われて翔太が焦ったように言う。「それでも、得たものはあります!」翔太がそう言ったのを、私は制する。「そうです!
続きを読む