All Chapters of 暴君幼女は愛されたい!: Chapter 41 - Chapter 49

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第三章 第9話 アリシア、お店の宣伝を始める

「親方ー。そういうわけだから、わたししばらく『龍神の館』に通うことになりそうです」 まだ工房に住まわせてもらったばかりなのに、いきなりお店の手伝いとかできなくなるけど大丈夫かな……。わたしの代わりにミィちゃんに店番頼んでみよっか?「気にするな! ソフィーを助けてやってくれぃ」 親方が笑いながらわたしの背中をポンと叩いた。 うん、でも、ちゃんとスーズさんは休ませてあげてね。ヤンスをもっと働かせて。不安になってきた……なんとかコピーロボットでも創っとく?「リーンちゃんありがとね。私、アリシアに可能性をビンビン感じてるわ!」 ソフィーさんもわたしの背中を叩いてくる。 え、わたしの背中で手をつなぐのやめて? 親方とソフィーさん、マジどんな関係なの⁉ 見たくないし知りたくないんで、わたしの見えるところでやめてくださいます⁉「夜遅くなるようなら、ステンソンを迎えに寄こすが」「けっこうです。わたし、1人で帰れますから」「お、おう……そ、それならいいんだが……余計な気を回しちまったみたいだな」 親方がタオルを出して汗を拭いだす。 やべ。親方にきつく当たっちゃったかも。だって、ヤンスと2人で並んで歩くとか、ちょっとじんましん出そう……。たとえ盗賊に襲われたとしても、たぶんわたしのほうが強いし、ヤンスを守ってこれ以上好きにでもなられたりしたら、次の日辺り行方不明になっちゃうかも。ヤンスが。「さーてと! さっそくお店改造の設計とローラーシューズショーの特訓を開始しないと!」 やることがいっぱいだー。100人の天使ちゃんたちにもたくさん働いてもらうよー。* * *「まずは何をやるにもお店の宣伝からですねー」 何をやるにも知名度が一番大事。「とにかく注目を集めていきたいですよね」「つまり具体的には何をどうするつもりなのかしら?」 ソフィーさんが不安そうに尋ねてくる。 ノーヒントだとわかりませんかねー? 簡単だと思いますけどね?「揃いの制服です」「ああ制服ね。でも制服が最初なの? 意外だわ~」「えーとですね。これから、料理の試作、店内の改装など大掛かりな仕掛けをしていこうと思ってます。そのためには何が必要かというと――」「食材や資材よね」「そう、正解です。それをだれが買いに行くでしょーか?」「……なるほど。そういうことなの」 ソフィーさ
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第三章 第10話 アリシア、チームドラゴンを結成する

「改めましてこんにちはー。アリシア=グリーンです! 10歳です。今日からこのお店のプロデュースを担当しますのでよろしくお願いいたします!」 一応ちゃんと挨拶ね。 アイドル選考会で顔は合わせてるけど、わたしが何者なのかはあんまり説明してないからね。「えー、では、そちらのお兄さんからお名前と特技、好きな食べ物なんかを聞いちゃってもいいですか? あ、ちなみにわたしの特技はモノづくり全般で、好きな食べ物はクレープです!」 3人とも「クレープってなんだ?」って顔してるねー。いいよいいよー。今度作ってあげるね。お店のテイクアウト用の看板メニューにするつもりだからね。「はい、こんな感じでよろしく!」 左手の、80番の筋肉ムキムキマンからー。「私はエリオットと申します。年齢は18です。特技……そうですね。肉の解体や薪割りなどの力仕事が得意です。好きな食べ物は肉……ですかね」 少し照れながらもポツポツと話をしてくれた。 筋骨隆々のエリオットさん。体のわりに物静かな方みたい。シャツピッチピチだけど、それがまたいい! 男らしく力強い演技に期待ですなー。「わー、パチパチパチ! パワー! エリオットさんすてきー♪ 自己紹介ありがとうございました! お次は真ん中の方、お願いしまーす」 真ん中は21番の長髪でチャラそうなお兄さん。「自分はセイヤーと言います! 年は16っす。特技は料理っすかね~。調理場ではリーダー的なポジションを任されているっす。好きな食べ物は肉っすかね」 元気いっぱいのセイヤーさん。ハキハキと答えてくれた。 思ったよりもチャラくない。さわやかイケメンだなあ。うーむ、料理男子。しかも調理場のリーダーか……。こいつぁ、対決せねばなるまいな。わたしがここのトップに君臨するためには避けては通れない相手のようだ! もちろん勝ったほうが負けたほうを好きにできるわけだから……ってセイヤーのエッチ♡「パチパチパチ! 料理! わたしも料理には一家言あるのでー、勝負っすね!」 宣戦布告じゃー!「え、そうすっか。自分、負けないっすよ!」 セイヤーがにやりと笑う。やっぱりイケメン! くっ、負けないぞ!「はーい。じゃあ最後、お願いします!」 右手の5番のお兄さん。ソフィーさんからちょっとだけ身の上を聞いちゃったね。「ボクはエデンです。この間14になった、そうで
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第三章 第11話 アリシア、秘密を共有する

「おもしろい話ではないかもしれないですが、しばしお時間をちょうだいします」 エデンはオレンジジュースを1口飲むと、ポツポツと語りだした。「ボクのもっとも古い記憶は、おそらく実母のものだと思っています。2歳か、3歳か、とても小さい時のもので、あれはボクが熱を出して寝込んでいた時のものだと思います」 熱を出したエデンが苦しくて泣いていると、ひんやりとした手で、エデンのおでこを冷やしてくれる人物がいた。 熱のせいか、視界がぼんやりとしていてその人の顔は覚えていない。 ひどく冷たい手と、透き通るような声で歌ってくれた子守歌の響きだけが記憶の片隅に残っている。「おそらくあれがボクの母なのだと思うんです」「つまり、エデンはホントに小さい時はお母さんと一緒に暮らしていた。でも、そのあとすぐ……何らかの理由で離ればなれになってしまった、のね」 遠い記憶がとてもつらい思い出に変わる。 どうしてお母さんとずっと一緒にいられなかったのかな……。「エデンさんつらすぎるっすね……」「それで、お母上が人族ではないかもしれない、というお話なのですか?」 エリオットが尋ねる。 確かに今の話からだとそれはちょっとわからなかったかな。「ええ、そうです。どうやら母が歌ってくれていた子守歌が、雪女族特有のものである可能性が高いらしく――」 なるほどね、そういうこと! やっと話が見えてきたわね。「昔の記憶の話なので、ボクもなんとなくメロディーを鼻歌で口ずさめる程度なのですが、ソフィーさんが方々調べてくださって……おそらく雪女族のものだろうと」「そう言われてみれば、エデンって肌がすごく白いし、雪女族っぽい……あれ? 男って生まれるっけ?」 雪女族は精霊種に属するから、女性だけの種族で、子どもは単為生殖で作るから、男は産まれない、はず?「はい。通常は女性だけのはずだと。ただし例外が1つだけあるのです」 エデンが少し言いにくそうにわたしから視線を外してくる。 何? そこまで言ったら気になるじゃないのさ。「その……通常の、と言いますか……男女の、そのアレです」「あーはいはい、アレね!」 マジか……。急にぶっこんでくるね! びっくりしたわ……。男女のアレ……ってなーにー? わたし幼女だからわかんなーい♡「アレで産まれたのがエデン殿、と」 ちょっと、エリオット⁉ 
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第三章 第12話 アリシア、男たちの体を調べる

「スキル:構造把握」 わたしはエデンの体に対してスキルを使った。 そこで読み取れたいくつかの情報――。 エデン=サクリスフィア。15歳。父:マシェリ=サクリスフィア(人族)。母:ミレネ(雪女族)。現在の身長162cm・体重43kg(その他の身体情報省略)。所持スキル:剣術Lv8。コールドアローLv0。コールドブリザードLv0。コールドバリアLv0。以下参照不可。「だってさ。……良かったのかな?」 迷ったけれどすべて伝えた。 もしかしたら雪女族のお母さんがいることだけを伝えれば良かったのかもしれない。でも、お父さんのことも、名前も、年齢も、まだ活性化していないスキルのことも全部伝えた。わたしの精一杯の誠意。「ありがとう……ございます。そうか。ボクにも父がいて、母がいたんだ……」「わかって良かったっすね! アリシアさんのスキルぱないっす!」 セイヤーが大げさにリアクションを取る。 セイヤー、ありがと。場を柔らかくしてくれて。そういうの、ホント助かるよ。でもスキルのことは声小さめに!「本当に雪女族の血を引いていたんですね。自分と同じ混血だ。エデン、混血仲間がいてくれてうれしいよ」 エリオットが立ち上がり、エデンの肩をがっちりと組む。エリオットの胸板につぶされながらもエデンはどことなく嬉しそうに照れ笑いを浮かべていた。 妬けちゃうね。男同士の友情ってやつ? ちょっとうらやましいかもね。でもちょっとだけだよ?「しかし、エデン。あなたのスキルはとことん戦闘向きですね。鍛えている剣術以外にも氷系のかなり強力な部類の魔法が眠っているのですね」「ボクは剣術しか習ってきていないから、魔法はぜんぜん……どうすればいいのかもわからないです」 どうやって魔法を行使するか。 わたしたちは全員顔を見合わせてしまう。どうやら誰もここに攻撃系の魔法スキルを持つ人はいないみたい。「わっかんないわね。活性化していないスキルの呼び起こし方? それこそギルドに行くとかかな……いや、それはちょっとやめて。なんで活性化していないスキルがあるってわかったんだって話になっちゃう」 わたしが構造把握できることは誰にも知られたくないもの。「大丈夫です。今の仕事には不要ですし、もしかしたら何かのきっかけで使えるようになるかもしれませんし」 エデンが微笑む。 なんだ、心までイケ
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第三章 第13話 アリシア、グレーゾーンを攻めていく

「というわけで全員分の制服とローラーシューズ納品でーす」 アリシアさんへとへとですよー。 さすがにMP切れですー。 でもでもでも、そんなの関係ねぇー! まさに草の根を分けて探し出した伝説の雑草! これを良い感じに配合したMP回復ポーションが遂に完成したのですじゃ! 一口飲めばあら不思議! MPが満タンになっちゃいますのよーオホホホホ。……ち、違うから、合法なんちゃらとかじゃないから! 気持ちが上がるだけじゃなくてちゃんとMP回復するんだからね! というか、この世界に違法薬物なんてあるのかな? まああるかな? でもわたし幼女だからわかんにゃい♡ グビッ! ピカーン☆ ウィー!「さて、次はVIPルームの建設ですねー」「アリシア、そんなに働いて大丈夫なの? まだ子どもなんだから無理しちゃだめよ?」 ソフィーさんが心配そうに肩に手をかけてくる。 なんて常識的な方なの! 見た目は非常識極まりないのに……。さっすが元軍人さん。「大丈夫ですよー。わたしが買い出しの指示とかしないと、天使ちゃんたちが困っちゃいますからね。資材購入の指示をしたら、チームドラゴンのほうの監督に回るので、そこからは楽させてもらいますからね。左団扇でイケメンたちを眺める仕事に就きますよ♪」「まあそれならいいわ。でも無理して物を作ったりするのは控えなさいね。無理して途中で倒れられたらこのお店が傾いちゃうわ」 そうですねー。でも開店準備中は全力営業できなくなっちゃってますし。とくにVIPルームは客単価も高いから、早めに開けたいところ。下のフロアはこれまで通り、夜営業してもらってるから売上は落ちていないと思うけど、VIPルーム閉じている期間はなるべく短くしたいなー。 ソフィーさんと一緒に2階、3階のフロアを見て回って、部屋のレイアウトを検討していく。「防音対策をしっかり入れれば、部屋同士が接していても大丈夫なので、2階は中くらいの部屋を3つ、3階はぶち抜きの超VIPフロアにしましょう」「半個室はなしでいくのかしら?」「なしで。すべて完全個室にします。とくに3階はフロア内でローラーシューズショーが開催できるように天井の飾りはなくして、照明関係もあらたに設置しましょう」 ソファもキャスターをつけて移動できるようにしておけば、ショーの準備に手間取らなくて済むかな。「じゃあ、材料は
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第三章 第14話 アリシア、VIPルームを完成させて……悩む

「料理……料理……どうしようかな……」 やっぱり課題はメイン料理よね。「アリシア、どうしたの?」「ちょーっとだけ困ってるんですよねー」 料理どうするかなー。 何を出しても今よりはクオリティ上げられる自信はあるんだけど、VIPルームはなんでも定食屋ってわけにいかないから、コンセプトを定めないとねー。お店の方向性に合っていて、インパクトがあって、人に語りたくなるような……それでいて超おいしい!「ショー? 設備の建設? うまくいってそうに見えていたけれど何か問題があったのかしら」 ソフィーさんが3階のフロアを眺めてつぶやく。こんなにちゃんとできあがっているのに、って表情だ。「順調ですよー。というか、3階のフロアはこれで完成です」 全方向完全防音で、盗聴・盗撮ができないように魔力遮断対策もバッチリ。最高級のミノタウロス本革張りのソファに、透明度が高いクリアガラスのローテーブルを設置。そしてサイドテーブルには熱々のお鍋も置けるように合金を使いました。あとは床にフローリング材を敷いて、樹液を加工したワックスも塗ってピカピカです☆ ソファもテーブルもボタン一つで下にキャスターが飛び出してきて、移動も楽々ー♡「あれはどう? つけてくれたのかしら?」 ソフィーさんが周りをキョロキョロ。そわそわしだす。「はいはいもちろんですー。ソフィーさんの要望通り、ムーディーな間接照明もつけましたよー。ほらっ」 指をパチンと鳴らせば部屋の照明が落ちて、ゆっくりとミラーボールが回るようにしたのと、怪しげな紫の間接照明が――。「素晴らしいじゃないの~。良い仕事してるわね。これなら自信をもってお客様をお迎えできるわ♡」 ソフィーさんから贈られる惜しみない拍手。 わたし、インテリアコーディネーターとしても食べていけますかね? 実は自分の部屋のコーディネートもけっこうな自信作なんですよねー。「まあ、ここは大丈夫だし、2階のカジノももう少しで完成なので、いよいよ新装開店で営業できそうなところまで来ていると思うですけどー」「ほかに何が必要なのかしら?」「何を言ってるんですか! 料理ですよ、料理! ここは料理店ですからね! ここは料理店ですからね⁉」 一番大事なことなので2回言いました! ちゃんと味で勝負しましょうよ。貴族様が悪いことをするための場所を提供する店に成り下
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第三章 第15話 アリシア、パパ活を始める

「なかなか料理が出てきませんねー」 待つこと3時間。 さすがにテトリスも飽きてきたんだけど……。「次、私にもやらせてちょうだい!」 ソフィーさん……下ボタン押すとすぐ積みあがっちゃうでしょ。下手だなー。「コース料理とはいっても、さすがに3時間は長すぎです。調理法に問題があるんだろうな……」「今は一晩に1組しかVIPのお客様を受けて入れていないのよ。厨房は一般用とVIP用に分けていて、VIP専用の調理スタッフを配置しているわ」 おー、非効率! 付きっきりでこの調理時間はぜんぜんダメですね……。この先3階1組、2階2組、さらにカジノスペースとかなりの量の料理を捌かないといけないわけで。厨房の配置や調理法も見直していきましょうかね。「VIPルームはそこまで気にしなくてもいいですが、1階やテイクアウト料理は回転が命です。ここは設備投資をしっかりしたほうが良さそうです」「設備投資というと、具体的には何をするつもり、なの?」 ちょっと大事な話してるのでゲームやめてもらっていいですか? ソフィーさんじゃわたしのスコアは抜けないからあきらめて?「アイテム収納ボックスの購入です」「それはまたとんでもないことを言うわね……。いくらかかるかわかっているのかしら?」 ソフィーさんもさすがに手を止めて、わたしの本気度を確認してくる。「値段はわかっていないです。でも、アイテム収納ボックスの有用性は理解しているつもりです」 肩にかけた革製のバックをポンと叩いて見せる。 こんなに小さなカバンでさえ、ソファやテーブル、その他巨大な木材などなど、相当なアイテムを収納してもまだ空きスペースがある。「まず食材の保管スペースの問題。そして、賞味期限の問題。ここまではわかりますね?」「ええ、まあ。確かに便利よね……でも価格が……」「アイテム収納ボックスは食べ物を扱う料理店にこそ必要な設備だと思うんですよね」 収納中の時間は止められるという最大のメリットは料理にこそ生かすべきものだと思う。実際わたし、作り置きした料理をいっぱい収納してるし。 でもソフィーさんの反応があんまり良くないな……。「んーと、ほかの料理店でもあまり使用されていないものなんですか?」「聞いたことがないわね……。アイテム収納ボックスなんてレアなものはランカー冒険者の一部か、王族、貴族……少なくと
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第三章 第16話 アリシア、巨鳥の解体ショーを堪能する

 天使ちゃんたち5人がかり、30分ほどで書類の整理が終わる。「こんな細かい仕事頼んだのに助かりますー。めっちゃ早い!」 それにしても優秀なスタッフたちがそろっていますね。店の規模にしては少し多すぎる人数の天使ちゃんたち。ただ人数をそろえただけではなく、多種多様な能力を持つイケメンたちが集まっているということね。 ソフィーさんはこのお店で何をしようとしているのかな?「そうね~。やっぱりこの2人になるかしらね……」 ソフィーさんがまとめられたメモを見て、案の定といった具合につぶやいた。「候補は2人ですか。どんな方なのか教えてもらえますか?」 2人もいたら何とかなりそうな気もする。エロおやじじゃないといいなー。「本命はガーランド伯爵ね」「え? 城主様も顧客だったんですか⁉」 うそー! マジぃ⁉ もう勝ったも同然じゃないですかー!「ええ、ガーランド伯爵にはご贔屓にしていただいているわ。個人的に、昔からの馴染みなのよ」「それはそれは……もしかして、一緒にパーティー組んだり?」「内緒よ♡」 笑顔で拒絶される。 ちぇっ。いつか絶対聞きだしてやるんだから!「まーでも、もうガーランド伯爵で決まりじゃないですか? よくご利用いただいていて、しかも馴染みでコネもあるときた!」「ただ、あのお方はお金にはシビアよ。私がこのお店を継ぐとなった時に『お金か~し~て~♡』って頼んだけど、ぜんぜんだったわよ」 そりゃまあ、ただ貸してって言っても「い~い~よ~」とはならないでしょうよ。いくら昔からの知り合いとは言っても、城主としてのお立場もあるでしょうし。「近いうちに試食会は開いて、ガーランド伯爵をお招きしましょう。そこでお料理、ショー、カジノなどを見ていただき、アイテム収納ボックス購入の資金援助を求めましょう。駆け引きなしの真っ向勝負です!」 それでダメなら裏口から試せばいいだけのこと。弱みを握ったり、ああ、そういえば――。「わたしと同い年のお嬢様がいらっしゃいましたね。ロイス嬢も試食会にお招きしましょう!」「若い方にも喜んでいただけるようなお料理も用意したいわね」「それは考えてまーす。平民向けのお料理なんですけど、エデン、エリオット、セイヤーの3人にはめちゃくちゃ好評だったので行けると思いますよ!」 クレープ、スパイシーから揚げは主力商品になりそ
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第三章 第17話 アリシア、調理場にダメ出しをする

「まずい! ぜんぜんダメ!」 これはひどい! ただ焼いただけのものを料理とは言えない……。「でもお客様には好評をいただいていて……」 ソフィーさんが困惑した表情を見せる。 いや、そうじゃないんですってば!「解体ショーのパフォーマンスは最高でしたよ? たぶん何回見ても良いものだろうし、誰かを会合に招待する時の話のネタにもなる」「それなら!」「そのあとの落差ですよ。最高潮にテンションが上がった後に、ただ鳥を焼いただけの獣臭いものを食べさせられたら、ね」 テンションダダ下がりっていうか、まあ、これは見るもので食べるものではないよね、的な反応をされちゃうかなって。プラマイゼロ的な? むしろマイナス?「巨大な鳥だから――」「焼くのが精一杯は味付けまで手が回らないって? 秘伝のタレはどうしたんですか⁉ 料理を提供する側としてどうなんですか? それ、本気でお客様の目を見て言えます? プロのプライドは?」「めんぼくないわ……」 あんなに生き生きとしていたメスのオークが、小さなゴブリンみたいに……。でもダメ。許しません! これは大事なことですよ!「見て楽しい。食べておいしい。また来たい。料理店として胸を張って言える水準を目指しましょう」「そう、よね……。いつからかお客様に甘えていた自分がいたわ。深く反省します」「よろしい。それでは厨房に向かいましょう」* * *「おお、ここがVIP用の厨房なんですね」 10m四方の正方形の部屋に、10人ほどの天使ちゃんたちが控えていた。 さらにもう1つ部屋がつながっていて、奥のほうに巨大なかまどが見える。どうやら奥の部屋はコカトリスを焼くための専用になっているみたいだった。「ちょっと一通り厨房を見させてもらいますね」 手前の部屋は普通サイズの食材を扱う部屋のように見える。 流し台も、調理台も家庭のものとそう変わりない大きさだ。20種類くらいのナイフが吊るしてあるのはさすが調理店というところかな。 清潔感はある。床も油で滑る、みたいなことはなくて、ちゃんと掃除は行き届いていて好感が持てるね。  あとは冷蔵品をどう扱っているか。 見渡しても保管庫らしきものがなさそう。「冷蔵品はどこに保管してるんですか?」 「それはこっちよ」 ソフィーさんに連れられて、奥のかまどルームへと足を運ぶ。「おお、こ
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