瑠璃と雅之。腕を組みながら、仲睦まじそうに会場へと入ってくる。瑠璃は、宝石のようなロイヤルブルーのオフショルダードレスを身にまとっていた。雪のように白い肌がいっそう際立ち、しなやかな体のラインが美しく浮かび上がる。長い髪は上品にまとめられ、すっきりとした首筋と滑らかな鎖骨があらわになっていた。顔には繊細な薄化粧が施され、その表情には以前には見られなかった自信と、どこか艶やかな気配が宿っている。彼女が雅之の腕に優しく手を添える。二人は何かをささやき、笑い合っていた。そのあまりに自然で親密な空気感は、周囲の人々の視線を集めるだけではなく、まるで焼けつく刃物となって、蓮の心臓を容赦なく刺し抜いた。雅之はいつも通り穏やかで品がある。ただ、ビジネスで荒波を越えてきた自信からか、以前より落ち着いた雰囲気が漂っていた。並んだ二人の姿は、まさに絵に描いたようなお似合いの伴侶だった。蓮の手が震え、持っていたグラスから酒がこぼれそうになる。視線が釘付けになり、蓮は二人から目を離すことができない。再会を何度夢見たことか。だが、その再会が、これほど眩しく、幸せそうな姿で、しかもその隣には他の男が立っているなんて。見えない何かに心臓をギュッと握りつぶされているような痛みで、呼吸が苦しくなる。痛すぎて、もうこのまましゃがみ込みたい。今の惨めな自分を見られたくなくて、近付くことすらできなかった。それでも、雅之が蓮に気づいた。雅之が瑠璃に何かひと言声をかけると、そのまま堂々と蓮のほうへ歩いてくる。「九条社長、お久しぶりです」雅之が先に穏やかな声で言った。余裕を感じさせる、落ち着いた態度だ。蓮はやっとの思いで喉を鳴らし、ようやく声を出した。「橘社長……それに瑠璃……」視線は、どうしても瑠璃から外せない。瑠璃も会釈をした。そして、礼儀正しく微笑みを浮かべる。「こんばんは、九条さん」その笑顔は完璧だが、一切の温かみを感じない。まるで仕事上の取引相手に接するような微笑みだった。そのとき事情を知らない一人の男が近寄ってきた。蓮に取り入ろうとする商人で、どこか媚びるような笑みを浮かべながら、場違いな馴れ馴れしさで口を開く。「九条社長……それに、まさか今夜、元奥様にもお会いできるとは思いませんでした。いや、もう瑠璃さんとお呼びすべきですかね。本
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