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第23話

Author: 氷花
僕は、橘雅之。

多くの人が、瑠璃が一番傷ついていた時に現れて、瑠璃を自分のものにできた僕のことを、運が良かったって言う。

でも、これが運なんかじゃなくて、僕が20年もずっと彼女を思い続けてきたってことは、僕しか知らない。

僕が瑠璃と知り合ったのは、九条社長よりもずっと前。

僕と瑠璃は家が隣同士だった。彼女は小さな頃からハッとするほど可愛らしくて、瞳は星みたいに輝いていて、その笑顔は、いつも僕らの周りの空気を一気に明るくしてくれた。

僕はそんな瑠璃のあとを黙ってくっついて歩く、無口なお兄ちゃん役。いつも彼女の代わりにバッグを持ってあげたり、虫を払ってあげたりしていた。

10歳の時、僕の家族は海外へ移住することになった。

見送りに駆けつけてくれた彼女は、僕の手にそっと飴を握らせてくれて、その舌足らずな声で言ったんだ。「雅之兄ちゃん、絶対にまた会いにきてね!」

あの瞬間、僕の胸はギュッと締めつけられた。もうその頃には、小さな恋の芽が静かに生まれていたんだと思う。

それから、二人の道は遠く離れてしまった。風の噂で、彼女がかなり良い大学に進んだことや、付き合い始めた男がいること
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