All Chapters of 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない: Chapter 51

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第51話 落ちぶれる男

――そして、地獄が始まった。 オフィスにかかってきた電話は証券会社の担当の男だった。資金は大丈夫か、というので「無問題」と答えておいた。  前世の記憶持ちの俺様が、無様な姿を見せるわけにはいかない。それに、空売りしているものを買い戻せばいい話。益は減ってしまうが仕方ない。  というわけで翌日、前日のストップ高を受け、白峰ホールディングスの株価は朝の寄り付きから「買気配(買い注文が殺到して値がつかない状態)」のまま一切動かない。 空売りのポジションを解消するには、誰かが株を売ってくれなければ「買い戻し」ができない。だが、謎の圧倒的な資金力で板が買い占められているため、売り手など存在するはずもなかった。 この日も一度も売買が成立することなく、ストップ高張り付き(配分)で取引終了。  どーなってやがるんだ!?  こんなの前世にはなかった動きだぞ!!!! 頼む頼む頼む! 明日には板剥がれして、どうか俺に買い戻させてちょんまげ~!!  連日のストップ高により、東証のルールに基づき「値幅制限(ストップ高の上限)」が4倍に拡大。 株価は垂直跳びのように跳ね上がり、俺の画面に表示される含み損の赤字は、マイナス10億、30億、50億……と、鬼のような勢いで膨らんでいく。「買い戻させてくれ!! 頼むから買い戻させてくれぇぇええっっ!!」 PCの前で髪をかきむしり、叫び続けても、市場は無情にも「買気配」のまま。 逃げ道のない完全な密室で、自分の首に巻きついたロープがどんどん締め上げられていく感覚。 そしてストップ高のまま週末を迎えた。『一条様。証券会社です』 受話器から聞こえてくるのは、氷のように冷酷な担当者の声。『連日の株価急暴騰を受け、お預かりしていた証拠金は完全に相殺され、現在30億円の未解消の差し引き損失が発生しております。翌営業日(月曜日)の15時までに指定口座へ追証(追加証拠金)の入金が確認できない場合、全ポジションの強制決済、ならびに即座に資産の差し押さえ手続きに移行いたします』「さ、30億……!? そんな金、どこにあるんだよぉぉおおっっ!!」『お支払いに応じられない場合、契約に基づき破産手続き、ならびに刑事告発・法的措置へと移行いたします』 ガチャリ。 金曜日の15時。市場が閉まると同時に、俺の数十億のあぶく銭は完璧なゼロどころか、生涯
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