All Chapters of 死に戻り令嬢は、初恋を選んだ元婚約者が土下座しても絶対に許さない: Chapter 51 - Chapter 60

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第51話 落ちぶれる男

――そして、地獄が始まった。 オフィスにかかってきた電話は証券会社の担当の男だった。資金は大丈夫か、というので「無問題」と答えておいた。  前世の記憶持ちの俺様が、無様な姿を見せるわけにはいかない。それに、空売りしているものを買い戻せばいい話。益は減ってしまうが仕方ない。  というわけで翌日、前日のストップ高を受け、白峰ホールディングスの株価は朝の寄り付きから「買気配(買い注文が殺到して値がつかない状態)」のまま一切動かない。 空売りのポジションを解消するには、誰かが株を売ってくれなければ「買い戻し」ができない。だが、謎の圧倒的な資金力で板が買い占められているため、売り手など存在するはずもなかった。 この日も一度も売買が成立することなく、ストップ高張り付き(配分)で取引終了。  どーなってやがるんだ!?  こんなの前世にはなかった動きだぞ!!!! 頼む頼む頼む! 明日には板剥がれして、どうか俺に買い戻させてちょんまげ~!!  連日のストップ高により、東証のルールに基づき「値幅制限(ストップ高の上限)」が4倍に拡大。 株価は垂直跳びのように跳ね上がり、俺の画面に表示される含み損の赤字は、マイナス10億、30億、50億……と、鬼のような勢いで膨らんでいく。「買い戻させてくれ!! 頼むから買い戻させてくれぇぇええっっ!!」 PCの前で髪をかきむしり、叫び続けても、市場は無情にも「買気配」のまま。 逃げ道のない完全な密室で、自分の首に巻きついたロープがどんどん締め上げられていく感覚。 そしてストップ高のまま週末を迎えた。『一条様。証券会社です』 受話器から聞こえてくるのは、氷のように冷酷な担当者の声。『連日の株価急暴騰を受け、お預かりしていた証拠金は完全に相殺され、現在30億円の未解消の差し引き損失が発生しております。翌営業日(月曜日)の15時までに指定口座へ追証(追加証拠金)の入金が確認できない場合、全ポジションの強制決済、ならびに即座に資産の差し押さえ手続きに移行いたします』「さ、30億……!? そんな金、どこにあるんだよぉぉおおっっ!!」『お支払いに応じられない場合、契約に基づき破産手続き、ならびに刑事告発・法的措置へと移行いたします』 ガチャリ。 金曜日の15時。市場が閉まると同時に、俺の数十億のあぶく銭は完璧なゼロどころか、生涯
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第53話 恋人のように

  私と彼を乗せた車は、都内でも指折りの高級ホテルで停まった。彼に抱きかかえられたまま、ホテルの最上階まであっという間に運ばれた。  静まり返った室内。窓の外には、都会の煌めく夜景がどこまでも広がり、眼下の喧騒を遠くへ置き去りにしている。  前世で信じた男に裏切られ、冷たい地獄に落とされた私。 けれど今、私を抱きしめているこの男の腕は、恐ろしいほどに熱く、私を逃がそうとしない。 彼に囚われることが『檻』なのだとしたら――その檻は、なんて甘く心地よいのだろう。  帝は私をそっと、けれど逃げ出せないように深くベッドの上へと降ろした。 沈み込むシーツ。その上に覆いかぶさってくる彼の逞しい身体と、上質なセットアップから漂う爽やかなシダーウッドの香り。    「食事は君を抱いた後だ」 「嫌だと言ってもやめてくれませんわよね?」 「嫌じゃないはずだ」    噛みつくような激しい口づけに見舞われた。   「……逃がさないと言っただろう、結月」 「逃げようなどと……思っておりませんわ」    私がフッと微笑んで見せると、帝の漆黒の瞳が息を呑むように揺れた。 彼の手がワンピースのファスナーを滑らかに下ろしていく。肌を撫でる冷たい夜気と、それを一瞬で塗り替える彼の
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第54話 素直になれない

 彼の額に浮かんだ汗の粒が光っていた。その姿は私を征服しようとする雄でありながら、どこか苦しげで。愛おしい。 「帝……」  私の呼びかけに応えるように、彼がゆっくりと動き始める。最初は探るように、次第に深く──。  以前あなたと交わった時とは全く違う感覚が全身を駆け巡る。単なる肉体の結合ではない。まるで魂の一部を奪われるような…… 「あぁっ……!」  喉から漏れる声が制御できない。彼の指が私の頬を撫でる。「どうした結月? 今日は随分かわいいこえで啼くんだな」  その問いに顔が火照るのが分かる。図星を突かれた恥ずかしさと同時に、確かに違うと感じる真実があった。 「んんっ……!」  言葉を紡ぐ暇もなく、彼の唇が私のそれを塞ぐ。舌が絡み合う音が響く中で、彼の腰の動きが加速する。ベッドのスプリングが悲鳴を上げるほど激しく、そして正確に私の弱点を抉ってくる。 「もっと乱れてみろ……結月」彼の荒い息遣いが耳元で囁く。「君の全てを見せてみろ」  むき出しになった肌を彼はまるで舐めつくすかのように、すべての部分に舌を這わせる。恥ずかしい部位でもおかまいなく。  足を広げられ、花芯を舐められると、とんでもない悲鳴が口をつく。彼の唇が触れるたびに電流のような刺激が全身を駆け抜けた。腰が無意識に跳ね上がり、逃げるそぶりを見せたが、帝の強靭な両脚がそれを許さない。 「……っ! んぁ……ああっ……!!」  羞恥と快楽で涙があふれ視界が歪む。こんな浅ましい声を出してしまう自分が情けないのに──彼の舌先が最も敏感な突起を軽く弾く度に、抗う意志さえ砕かれていく。もう彼以外何も考えられない。 「ひどいですわ……こんな……帝……いやっ、いやぁ……あぁ……――!」  抗議の言葉も甘ったるい吐息に変わってしまう。彼の頭部を押さえる手指には力が入らないどころか、むしろ押し付けてしまいそうな自分に戸惑いすら感じる。彼は顔を離さないまま低く笑った。 「も
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第55話 君が欲しい

 帝の言葉が鼓膜に絡みつく。かつての冷酷な氷の帝王からは想像もできない柔らかな声。そのアンバランスさが理性をさらに揺さぶる。 「っ……!」  なにか言いたげに唇が僅かに動いた。その微かな変化を見逃さなかった帝が、更に私の膝を持ち上げる。視界を埋めるのは彼の欲望に滾った肉体のみ。外界から遮断されたベッド(ここ)はまさに「檻」そのものだ。 「聞こえない」帝の笑みには残酷な優しさが混じる。「言え、結月」 「……っ……嫌…!」  必死の抵抗だったが、次の瞬間帝の指先が再び動き始める。今度は深い部分を探るように、執拗に円を描く。 「ひゃうぅっ!?」  突然の刺激に背筋が仰け反る。私がいい反応をする場所を、彼はもう完全に把握していた。さっきまで散々弄ばれ、絶頂に導かれた体は嘘をつけない。 「嘘つきは罰が必要だ」帝の囁きが耳朶を掠める。「もっと大きな声で言うんだ。『俺が好きだ』と」  きゅっと唇を結んで抵抗する。でも、入り口を広げられ、物欲しそうに彼を待ちわびるいやらしい唇は、嘘がつけない。 帝の指先が下腹部を撫でる。震えが手のひらを通じて伝わってくるのを楽しむように。蜜をまとった指が退くと同時に、熱い楔が入口に触れた。いよいよ来てもらえる――はしたなく私の体が悦んだ。 「嫌がるわりには、ここは準備ができているみたいだな?」  嘲笑うような言葉と共に帝が侵入を始める。  認めないと挿れないと言っていたのに、なぜ――? 「あぁっ───!!」  圧倒的な衝撃に視界が白く染まる。苦痛と甘美が渾然一体となった感覚が脊髄を駆け上がる。彼の侵入は拒絶するどころか体は歓迎していて、疼くような快感が瞬く間に押し寄せた。 「あ……あ…んっ!」  帝は動かない。結合部をじっくりと味わうように腰を押し付けたまま、私の表情を見つめている。羞恥と困惑に染まっていく。たぶん彼は気づいているはず。私が物欲しそうにあなたを見つめていること―― 「どうした? 動いて欲しいのか?」
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第56話 結月の本心

 帝の言葉が熱い楔のように私の胸を貫いた。彼の瞳が揺れる。それは冷徹な王でも強欲な支配者でもない——ただ私の答えを待つ一人の男性のものだった。「俺の妻に——」「それは……んむっ……」 弱々しい拒否の言葉は、帝に唇で封じられる。彼の舌が絡みついてくるのはいつも荒々しいのに、今は甘く優しい。まるで壊れ物を扱うように。「どうしたら君の心が手に入る?」 その囁きには、普段の傲慢さを欠いた哀願のような響きがあった。「教えてくれ、結月……」 大きな掌が私の頬を包む。熱く湿った感触が火照った肌に心地よい。彼の胸板に額を寄せれば、早鐘のような鼓動が伝わってくる。この人も緊張しているんだ——そう思うと何故か安心できた。  今、前世とは違う人生を歩んでいるのは間違いないのよ。 前世をやり直したくて別のルートを歩んでいるなら、当然、その先の未来だって変わるはず。 失敗を恐れてなにも行動しないなんて、結局前世の私と同じじゃない。  今は違うわ。 たとえ傷ついたとしても、それでもいい。 帝に惹かれる気持ちに嘘はないんだから。  ふふ。よりによってこんな高慢な男――あ、別の意味で陽太も高慢だったな。 私、男の趣味ほんと悪い。  でも、同じ高慢でも、帝はきっと違うと思う。 何度も助けてくれることはあっても、傷つけられたことはない……はず。「結月……?」「怖かったんですわ」 本音をぶつけてみようと思った。「私……人間不信でしたの。手ひどく裏切られることがあって&
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第57話 壊れるほど、愛して

「あっ……!」  突然の衝撃で肺から空気が押し出される。性急に帝の腰が叩きつけられたのだ。結合部が灼熱となり、脳天まで貫くような快感が走る。 「あああっ!」 悲鳴に近い嬌声が漏れる。帝は動きを止めない。むしろ荒々しさを増し、私を壊さんばかりに打ち付けてくる。 「もっと言え」 帝の目は爛々と光っている。まるで獲物を狩る獣のように。「その言葉を聞きたい。もっと……もっとだ!」 「あ……帝…帝っ!」 彼の名を叫ぶ度に膣が収縮する。まるで意思を持ったように帝を締め付けてしまう。「誓え結月。この身体も……魂も……全部俺のものだと!」  タガが外れたように帝が私に腰を打ち付ける。つながった部分から卑猥なメロディーが溢れ、ふたりの体を濡らして行く。 「俺だけを愛していると……言ってくれ結月……」 切なげに私を見つめる帝がほんとうに泣き出しそうに見えて。  私は彼の背中を強く抱きしめた。 「誓いますわ……っ」 途端に帝の腰が跳ね上がり、最高潮を迎える。私の体内で何かが弾けたかのように、熱い奔流(ほんりゅう)が注ぎ込まれる。粘膜が灼熱の液体で満たされていく感覚。それは痛みと多幸感が入り混じった異様な快感だった。 「あ……っ…!」  脳天を直撃した快感は、一瞬で弾けて星屑のような光を散らせた。意識が飛びそうになる中、帝の低い呻き声が耳に届く。「結月……」  名を呼ばれただけで背筋に電流が走る。彼の腕が蛇のように絡みつき、逃さぬように抱き寄せる。「もう離さないから」 耳元での囁きは、まるで誓いの言葉のよう。  一度達したはずの帝の欲はとどまらず、汗で濡れた肌と肌が溶け合う。再び侵入し、結合部は緩やかな律動へと変わる。帝の抽送(ちゅうそう)はもはや欲を満たすだけの激しい出し入れではなく、深い海を泳ぐような落ち着きを帯びていた。 「もっと奥
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第58話 俺と結婚してくれ

 「……ん……っ」  気が付くと朝だった。 身体中に残る甘い痺れと、身体の奥に残る心地よい熱。 隣を見れば、普段は完璧な覇王として世界を平伏させている帝が、私を逃がさないように腰へ腕を回したまま、静かな寝息を立てていた。 「……ほんと、こんな高慢な男に惚れちゃうなんて……どうかしてるわ」  帝を見ると、昨夜の情熱的なお仕置きと愛撫が思い出される。 『私を満足させられるのはあなただけ』と挑発した後の彼は、まるで猛獣だった。何度も、何度も深く愛され、乱され、最後は意識が飛びかけるまで抱きつぶされて――今。  思わず苦笑が漏れた。はあ、とため息をついて気怠い身体を起こす。「結月」「起こしましたか? ごめんなさい……きゃっ」  逞しい腕で引き寄せられ、至近距離に彼がいる。「結月、かわいい」と耳元で低く囁かれ、首筋にフッと甘い息が吹きかけられる。  身をよじって逃げようとする私を押さえこむと、彼は私の頬を指先で優しくなぞり、その漆黒の瞳で真正面からじっと見つめてくる。 「昨夜の答えをまだ聞いていなかったな、と思って」「え……?」  帝はベッドのサイドテーブルへと手を伸ばすと、ベルベットの小箱を取り出し、パチンと静かな音を立てて開いた。 眩いばかりの輝きを放つのは
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