大学入学共通テストが終わってすぐ、これまでにないくらいの大地震が起きた。陣内茉優(じんない まゆ)は身を呈して、崩壊した家から両親と兄の陣内俊輔(じんない しゅんすけ)を救い出したが、自身は落ちてきた梁に背骨を打ちつけられて、下半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされた。両親はそのことを悔やみ、毎日のように涙を流し、悲しみに明け暮れていた。そんなある日、俊輔がある女性とDNA鑑定書を携えて帰宅した。「父さん、母さん。こちらが美月。彼女こそがあなたたちの実の娘だ」俊輔は冷静に告げたが、その言葉は茉優の耳に衝撃として響いた。「茉優は……当時の病院での取り違えだ」一瞬、両親の瞳から深い悔やみが薄らぎ、代わりに安堵の表情が浮かんだ。「私の娘!愛しい娘よ!」母の陣内芳美(じんない よしみ)は陣内美月(じんない みつき)を抱きしめて号泣した。父の陣内正宏(じんない まさひろ)も目を赤くして、美月の背中を叩きながら言った。「戻ってきてくれて本当によかった!」それからというもの、何もかもが一変した。「茉優、美月は帰ってきたばかりで慣れていないんだ。あのバルコニーのある部屋、美月に譲ってくれないか?」「茉優、この宝石を美月のプレゼントにしてくれない?あなたはもうたくさん持っているでしょ?」「茉優、東都中央大学の推薦枠だが……美月にもっと必要だから、譲ってやってくれないか。お父さんがまた別の学校を探してやるから」こうして茉優の生活は、暗い闇に覆われたように色を失ってしまった。幸い、幼馴染の秋月司(あきづき つかさ)だけは、これまで通り優しく傍らに寄り添い、彼女にこう言った。「茉優、大丈夫。俺がいる」司は茉優にとって暗闇における、唯一の光だった。しかしあの日、美月は、茉優が自分の大切にしていた猫をわざと溺死させた、と涙ながらに告発した。「そんなことしてない!」茉優は青ざめた顔で必死に否定した。だが、両親と俊輔は信じようとしなかった。涙を浮かべる美月の姿を見ていると、実の娘に対する申し訳なさが、彼らの理性を失わせていた。「なんて意地汚いの!長年育ててきてやったのに、美月にそんなことをするなんて!」芳美はそう言いながら激怒した。一方、正宏は冷たい目線を向けてこう言った。「こいつを裏庭の池に投げ込め。溺れる苦しさを思い
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