《こちらギルドの調査員》全部章節:第 11 章

11 章節

第11話 調査員の胃は休まらない3

 ギルドを出て真っ先に向かったのは道具屋。  扉を開けると、相変わらず渋い声が飛んできた。 「また来たのかい」 「まあな。ちょっと追加でな。で、匂い消しと痺れ草、あるか?」 「あるよ……なんだ、ゴブリンか?」  さすがタマ婆。  伊達に年季は食ってねぇ。 俺の買う道具を見りゃ、相手が何かだいたい察してしまう。  この街でそういう芸当ができるのは、この婆さんくらいだろう。 代金を置くと、タマ婆が小さく鼻を鳴らした。「どうせまた無茶すんだろうが、まあ気ぃつけな」 「わかってるさ。俺の胃袋が先にやられる」 軽口を返して店を出る。 次の寄り道はテッタの食堂だ。  夜には戻りたいが、保証はない。  だったら、今のうちに弁当を調達しとくしかない。「弁当一つ、頼む」 カウンター越しに受け取って、つい口が滑る。「唐揚げ、美味くなってたぞ」 テッタが、にやりと笑った。「でしょ?」 その一言を聞きつけた客から「俺も!」「唐揚げ追加!」と注文が飛ぶ。 ……こりゃ売り切れだな。「じゃあね、アル兄! 毎度あり~!」 厨房の奥から飛んできた声に手を振って返す。 ……さて……行きますか。 ◇ ◆ ◇  昼下がり、西門をくぐる。  門番に軽く手を上げて、そのまま街道を西へ。 川に架かる石橋を渡ると、遠くの地平線にうっすらと緑の塊が見えてきた。 あれが報告のあった西の森。 街道を進むたびに、森の輪郭が少しずつ濃くなる。  西の森
last update最後更新 : 2026-06-17
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