All Chapters of こちらギルドの調査員: Chapter 41 - Chapter 50

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第41話 陰謀ってやつは俺を休ませない1

 というわけで、無事ナックは救出された。 いや「無事」って言葉が似合うのかどうかは知らんが、とりあえず元気に馬鹿やってる。 縛られて、猿ぐつわされて、床下収納でぐーすか寝てたのを発見。 こいつにしかできない芸当だろうな。「アル、腹減ったな。なんか食おうぜ」 ほらな。 こっちは命がけで狂信者とやり合ってきたってのに、真っ先に口から出るのがそれかよ。 さすがナック、期待を裏切らない。「なぁアル、漁村って魚うまいよな。焼いて食うか? 煮てもいいな」 おい、勝手にメニュー考えるな。  まだ任務の途中だろうが。 ナックの仕事だった街道の青白い光の調査は――まぁ、これで完了と言っていいだろう。 こいつが自力で何かしたわけじゃないけどな。 だが、俺の方の「各所で目撃される光の謎」は、未だに手つかずのまま山積みだ。 どう考えても、仕事量のバランスがおかしいと思うのは俺だけだろうか。「ところでお前さ、相手の顔とか数は憶えてないのか?」 期待薄だが、眠らされる前のことを憶えてないか一応聞いてみた。「ん? 腹減ったから魚釣って……アルが起こしてくれただろ」 ほらな。  なんもねぇ。  こいつに情報を期待した俺が馬鹿だった。 廃村を監視していたのは、一人だけだったのか?  俺の勘だと、そんなわけないと告げている。  あいつらがこれで終わるはずがない。「アル、きたぞっ! こいつは大物か!?」 見ろよ。  案の定、全然関係ないことでナックが騒ぎ始めた。  ◇ ◆ ◇  俺たちは飯を食ったあと、ひとまずギルドへ報告するた
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第42話 陰謀ってやつは俺を休ませない2

 課長の深いため息が漏れた。  そのまま机に、また倒れそうだな。「……そうか。異教徒の村、ねぇ」 「課長、今までなんで摘発されなかったんです?」「さぁな……住民が姿を消しちまったんだ。仮に捕まえようにも、できないだろ?」 「まぁ、確かに」 なるほど。  それもそうか。「ところで、課長も冒険者連中も疲れてるみたいですけど?」 課長は文句を言いたそうな目で答えた。「魔道具の詳細がわかったからだ」 なんだ。  ウィザーズもたまには仕事してるじゃん。「あれは、微弱な波動を出して、魔物をおびき寄せる代物だ」 「微弱?」「そうだ。本来は繰り返しの使用に耐えるための設計なんだが……波動が弱すぎてな」 あぁ、だから売れなかったわけか。  ジャンク扱いにもなるよな。「それが犯人には好都合だったんだろうな。一回きりの使い捨て。出力を最大まで高めれば問題ない。壊れてしまえば証拠もなくなる」 課長は肩をすくめた。  大量に仕入れて、精神作用の細工をしたわけか。 ……ご苦労なこった。「で、課長。それで倉庫街ってことですか?」 「ああ、積荷からその魔道具が見つかったんだ」 ……マジかよ。だから倉庫を掘り返してたのか。「三つ見つかった……いずれも積荷の中に隠されていた。魔道具自体は壊れかけていてな。動作不良だろうな」 なるほど。  そりゃ冒険者どもが疲れ果てるのも、無理はない。  お宝探しじゃなくて、ガラクタ探しだもんな。 課長が体を起こし、椅子に座り直す。  その顔が一気に真剣みを帯びた。「魔道具を仕入れた連中は、ウィザーズが洗い出してる最
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第43話 陰謀ってやつは俺を休ませない3

 課長の言葉で話は一区切りついた。  どうせ逃げられないのは、わかってる。  ならせめて……。 ってことで、場所は変わって夜の食堂。  腹が減ったんでな。  腹が減っちゃ、頭も回らないってことだ。 夜の食堂には肉と酒の匂いが充満して、冒険者たちの笑い声が響いていた。 ……さっきまでの陰鬱な話とのギャップで、胃が余計に痛ぇ。 ジョッキ片手にナックが口を開いた。「なぁアル。俺思ったんだけどよ……」 「どうした?」 「調査員って、人員が少なすぎじゃね?」 「やっと気付いたのかよ」 そこはもっと早く気づいとけ、ほんとに。「冒険者ギルド……いや、もうハンターズか。別れてから、十年は経つんだろ?」 「そうだな」 「冒険者もいい加減、ハンターって名乗ればいいのにな」 ……そこかよ。 人員の話はどこいった。「でもよ、アル。俺たちって、調査ギルドのエースってことだよな? なっ?」 呆れるしかねぇ。「ああ、そうかもな」 課長とカエデ含めても、ペテルの現場は十人もいないんだぞ。  馬鹿め。 冒険者ギルド――いや、正確にはハンターズギルドだ。 ギルマスには会ったことはないが、何を考えて調査員なんて作ったんだろうな。 明確に分野を分けたかったのか……まぁ、わからないでもないけどさ。「あ~、テッタ。唐揚げ追加ねぇ~」 ……お前、相当腹減ってたんだな。「はいよ~。唐揚げ二つ追加~!」 おい、テッタ。  俺は頼んでないぞ。  空いた皿をさげたテッタが、こっちにウインクを飛ばしてくる。  ちゃっかりしてん
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第44話 その鐘の音は残業のお知らせ1

 三日以内に何かが起きる――らしい。 課長のありがた~いお言葉を頭の片隅に突っ込んだまま、俺は酒場を出て教会へ向かっていた。 ペテルの朝は今日も元気だ。 通りではテッタが「おまけするよー!」と声を張り上げている。 あれ、毎回聞くけど本当におまけしてんのか?  どうせ大盛りって名目で鍋の底の焦げ付きを足してるだけだろ。 で、その脇を昨夜の倉庫街から帰ってきた冒険者どもがゾンビみたいな顔で歩いてる。  目の下の隈が深すぎて、アンデッドに混ざってても違和感ゼロ。 鎧を脱ぐ気力もなく、地べたにへたり込んでるやつもいる。 徹夜で荷物をひっくり返した結果が、これってわけだ。  表面上は、いつものペテル。 でもな、裏では確実に何かが蠢いてやがる。  俺がそう思うってことは、たぶんそうなんだろう。 それにしても、コレル神父の件は臭ってしょうがない。  死んでたはずなのに、ついこの前まで普通に会っていた。  しかも、ジョナスが言っていた可能性まで頭をよぎる。 まずはそれを確かめなくちゃならない――ってわけで、今から教会行きだ。 ……そろそろ、ギルドの人員増やしませんかね? 課長。  ◇ ◆ ◇  中央通りの石畳を抜けると、聖堂の尖塔が見えてきた。  俺は聖堂を横目に教会へ向かう。 いつもなら、朝の祈りを終えた信者がぞろぞろ出てくる時間帯……のはずなんだが、今日は妙に静かだ。 扉の前にいるのは修道士がひとりだけ。  サボりか?  それとも人手不足?「……おかしいな」 つい口から漏れた。  神父が死んでたなんて話、知ってるのは一部の人間だけのはずだ。 街に広まったら大騒ぎになるから隠している――課長はそう言ってた
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第45話 その鐘の音は残業のお知らせ2

   修道士に案内されて奥の廊下を進み、神父の部屋へと入る。 中は質素そのもの。  机、書棚、ベッド。  それと祈り用の小さな祭壇――見事に「聖職者の部屋」のテンプレート。 おかしいな、もっと分かりやすく怪しいもんが転がっててくれてもいいんだが。 机の上には書類の束が整然と積まれている。  引き出しを開けても、羊皮紙とインク壺が並んでるだけ。 きっちり整理整頓派ってやつか。  俺とは真逆だな。 机や棚をざっと見回したが、目に見える怪しいもんは出てこない。 まあ、そんな都合よく「はい証拠です」なんて転がってるわけないか。 ……となれば、次は別の手。 神父の持ち物に、かすかに残ってる魔力の痕跡を拾ってみる。 指先に意識を集中し、周囲の空気をなぞるように探ると――確かにある。 机やベッドじゃなく、もっと強く残ってるのは……本棚だな。「……本棚、っと」 近づいてみると、やっぱり妙な反応が返ってくる。  本が一度どけられて、戻された痕跡。  こりゃ、ただの几帳面さじゃ説明できねぇな。 本を数冊抜いてみると、奥に小さな箱が隠されていた。 ほら出たよ。  やっぱりこういうの仕込んでたか。 にしても、もうちょっと隠し方を工夫してくれないと、こっちの立場がないんだが?「開けてみても?」 俺が念のため確認すると、横にいた修道士が小さく頷いた。 ……おお、意外とノリがいい。 てっきり「聖職者の持ち物に勝手に触れるな」とか、説教が飛んでくるかと思ったんだが。 蓋をそっと開ける。  中に入っていたのは――首飾り。 ただの装飾品かと思いきや、トップに刻まれているのは見覚えのある紋様だった。
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第46話 その鐘の音は残業のお知らせ3

 許可は出てるから、遠慮は無し。 祭壇をえいやっと横倒しにした瞬間、修道士の顔が青ざめた。 そりゃそうだろ、信仰の対象を転がされたら腰も抜かす。  けどな、調査していいって了承したのは、あんただ。  後で「やっぱりダメでした」って言われても困るんだよ。 像を裏返すと、底に不自然な溝が刻まれているのが見えた。  こういう細工は、だいたい「どうぞ開けてください」と言ってるようなもんだ。 爪を引っかけてみると、案の定パカリと像が真っ二つ。 ……出ました隠しギミック。ミステリー小説の定番展開だな。 中から出てきたのは、小さな布包み。  その中身は――冷たい鉄の感触。  小ぶりな鍵が一本と、折り畳まれた紙片が一枚。 鍵はただの金属の塊に見えるが、手に取った瞬間、じわっと嫌な冷気が伝わってきた。 紙片の端には、例の「異教徒の印」に似た、いや別物っぽい刻印が押されている。 隣で修道士が息を呑んだ。  まあ、そうなるよな。  祭壇の中から出てきたのが、こんな代物だ。  信仰心が厚いほど、信じたくない光景だろう。 俺? まあ、驚きはしたが……もう慣れた。  ペテルじゃ、こういう胃に悪い発見が日常茶飯事なんだよ。 鍵に紙片。  いかにも「怪しいセットです」って顔をしてやがる。 こういうのを見つけちまった時点で、余計に厄介ごとの匂いしかしないんだよな。「手がかりは……」 小声で呟きつつ、さっき引っ張り出した書類束をもう一度開く。  インクはかすれて読みにくいし、余白に走り書きされてる記号も意味不明。  ページを繰って、印を睨んで、頭を捻って――全然、分かりません。 結局、この鍵がどこの扉を開けるのかは、さっぱり見当もつかなかった。 宝箱か、地下倉庫か、それともただの机の引き出しか。  どっちにしろ
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第47話 その鐘の音は残業のお知らせ4

 教会を出ると、外の光がやけに眩しく感じた。  中で見つけたもんを考えれば、当たり前か。 修道士は、事件が片付くまで口外しないと約束してくれた。  それは素直にありがたかった。余計な混乱は避けたいからな。 けど、問題はそこじゃない。  異教徒が絡んでる時点で、これは正教会にとっちゃ致命的な落ち度だ。 神父が握り潰してきた文書、隠していた鍵、そして異端の証拠。  どれも「見なかったことにしましょう」じゃ済まされない。 もう、この件は俺たち調査員の手を離れた瞬間から、でかい火種になるってことだ。 まずは報告だな。  神父の件は伝えねぇとマズイ。  黙って持ち帰るには、デカすぎるネタだ。 ってわけで、足を早めてギルドへ急ぐ。 扉をくぐった瞬間、案の定というか……なんか揉めてやがる。 依頼の取り合いか、報酬の分配か、あるいは酒場のツケの押し付け合いか。  大声が飛び交ってて、場末の芝居より安っぽい騒ぎだ。 ……関わってる暇はない。 顔も向けず、まっすぐカウンターの奥へ。  報告は後回しにできねぇ案件だ。 課長は……まだ戻ってないか。「カエデ、課長戻ってないのか?」 帳簿をめくっていたカエデが顔を上げた。「ついさっき戻ってきましたよ。でも、またすぐに出て行かれました」 「なんか言ってなかった?」 カエデは顎に指をあてて、思い出すように眉をよせた。「う~ん……確か、『クソッタレ』って」 「なるほど、元気そうで何よりだ」 議会で何があったかは知らんが、課長がご機嫌ナナメってことは確かだな。 いないものはしょうがない。  課長がどこで文句を言ってようが、ここで待ってたら日が暮れる。 やるべきことは……そうだ、鍵だ。
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第48話 その鐘の音は残業のお知らせ5

 俺が目を丸くする横で、ゼットはいつもの無表情。  こっちは肝が冷えたってのに、当たり前みたいな顔しやがって。「これは……鍵のようで、鍵ではない」 「つまり?」 「魔道具だ。使用する物ではない。ただ、そこにあるものだ」 ……はい? つまりどういうことだ? そこにあるだけって、それ鍵として一番やっちゃいけないポジションじゃないのか。「おい、ゼット。もうちょい分かりやすく頼む」 俺が追加の説明を求めると、ゼットはわからないのかとでも言いたげな顔で、わずかに息を吐いた。 無言の圧がすげぇ。「……存在そのものが術式だ。鍵の形をしているが、開けるためではなく、示すための道具だ」 なるほど。  つまり「ドアを開ける」んじゃなくて、「存在を知らせる」ってことか。 いやいや、ますますややこしいじゃねぇか。「……誰に示すか、が重要だ」 ゼットが静かに言った。「誰に? 狂信者たちが誰に知らせるかってことか?」 俺は思わず声を潜める。 そんな……アイツらが「ここで~す!」なんて合図を送るとしたら、そりゃ仲間連中しかいねぇだろ。 ゼットは首を横に振った。「アル、知らせる対象は人とは限らない……例えば、魔物とかな」 背筋に冷たいもんが走った。 ……いくらなんでも……冗談だろ。 いや、こいつが冗談なんか言うわけないか。「つまりなにか。これを目指して化け物どもが集まって来るってことか?」 「そうだ」 ゼットの短い返事。  簡潔すぎる説明。  こっちとしてはもうちょい肉付けしてほしいんだが、まあ仕方ない。
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第49話 その鐘の音は残業のお知らせ6

 どの程度、化け物が集まるかは予測不能だな。  問題は――守りきれんのかって話だ。 戦力は、警備隊。  下級冒険者たち。  ランクの低い傭兵団……で、俺たち調査員。 ……厳しくねぇか? 冒険者なんか、ゴブリンに出し抜かれるやつらだぞ。  傭兵団は未知数だが、金のためにしか動かねぇ連中だ。  魔物専門じゃねぇし。  ヤバくなったら、ペテルを捨てて逃げ出す可能性もある。 まともなのは警備隊ぐらいか――そう思ったところで、脳裏に浮かんだのはマルマルのドヤ顔。 ……いや、そうとも限らねぇな。 親分がいねぇと、尻尾巻いて逃げるお巡りさんが在籍してる時点で、警備隊の信頼度もたかが知れてる。 まぁ、警備だもんな。  戦いを生業にしてるわけじゃねぇしな。  親分が規格外なだけだ。 ああ、もう。  頼みの綱すら怪しくなってきたじゃねぇか。  頭が痛いと思った矢先、ギルドの扉が勢いよく開いた音がした。 ……嫌な予感がするぜ。 入口から、ナックが飛び込んできた。  額には玉のような汗、肩で荒く息をしている。  全力で走ってきたってのが、一目でわかる。「課長ぉ~! お、アルもいたのか」 ぜぇぜぇ言いながらも、俺を見つけて口の端だけはいつもの調子で吊り上げた。 こいつの顔芸は呼吸と連動してるのか?「どうした?」 課長の声は低く、目つきはさらに鋭い。  ナックはその視線に肩をビクリとさせながらも、慌てて言葉を繋いだ。「御者を探しに東の街道を張ってたんですけど……その、南からすげ~数の鳥? みたいのが」 「「鳥?」」 俺と課長は顔を見合わせる。  課長の眉間には深いしわ。  俺の頬は引きつった笑い
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第50話 徹夜一直線1

 鐘が鳴り響いた瞬間、街は一変した。 ついさっきまで屋台で串焼きがどうだの、宿屋で昼寝がどうだの言ってた平和な空気はどこへやら。 通りには冒険者たちが慌てて飛び出してきて、装備を抱えて叫び合う。「剣はどこだっ!」 「俺の盾知らねぇか?」 ……知らねぇよ。 市民たちは悲鳴を上げて家に駆け込み、母親に抱きついた子供が泣き叫ぶ。 怒鳴り声、泣き声、鍋を落とす音。  街全体が、でかい蜂の巣を棒で突ついたような騒ぎだ。 はいはい、予定通り大混乱っと。 魔物が来る前にこっちが自滅するんじゃねぇか? ってレベルだ。 戦闘態勢に入れって話だったのに、現状はただの避難訓練失敗例だな。 武器を落として拾う音に怒鳴り声。  それに混じって子供の泣き声とか――カオスそのもの。 まだ戦ってもいねぇのに、すでに残業感が漂ってる。  ほんと勘弁してくれよ。 警備隊はさすがに鍛えられているだけあって、無駄口も叩かず南門へ走っていく。 盾を鳴らしながら列を組む姿は、一応頼りになる部類だ。  マルマルの顔を思い出すまではな。  あれが混ざってる時点で、信頼度は五割減。 一方の傭兵団はといえば、「金は弾むんだろうな!」とか「前払いしろ!」などと、口論しながら街路を押さえてる。 やる気があるんだか、ないんだか。 冒険者たちは相変わらずバラバラで、鎧の紐を締め忘れて慌ててるやつとか、逆にテンション上がって酒瓶片手に突っ走ってるバカとか。 ……お前ら本当に戦えるのか? まとまって動けているのは警備隊ぐらいだが、それですら穴がある。 いやはや、前途多難ってやつだ。「アルっ!」 ギルドの玄関口から、マルセル課長の怒鳴り声。  振り向けば、腕を組んで仁王立ち
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