All Chapters of 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 伍: Chapter 91 - Chapter 94

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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十七話 おれとお前の仲

90. 第二十七話 おれとお前の仲  メタはコテツのことを心配して電話をかけたが対局中だから出れないという。それはそうか。 またメールでやり取りする。 "今どこにいるんだ、カミさんの入院してる病院か?" "いや、家。おれのパソコンでかいし重いから持ち運ぶ習慣なくて" "家に一人で体調不良じゃ大変だろ。いまちょうど暇だから差し入れ持ってってやるよ" "え、悪いよ。大丈夫だよ大人だし。麻雀終わったらコンビニくらい行けるから" "気をつかうなよ、おれとお前の仲だろうが" "……そうだな、すまん。助けてくれ"   メタはマサルに話してみた。すると。「悪いな、そしたら行ってやってくれ。くれぐれもマスクはして。伝染されないようにな」と、事情を聞いたマサルはメタを早上がりさせた。 「お先に失礼します。みなさんごゆっくりどうぞ!」 退勤の口上を上げてメタが早上がりする。  すると、階段を降りたその先に背の高い女性がいた。アヤノだ。雀荘に入ろうかどうか悩んでる様子だった。  アヤノがメタに気付く。 「あれ? 髙橋さん。どうしたの?」「アヤノさんこそどうして?」「私は今日は16時上がりの半休だったから明日休みだし、1人で来てみたんだけど。でも、1人で入るのはやっぱり勇気が出なくてウロウロしていたの」「そうなんだ、せっかく来たなら遊んでってよ。おれは今から行くとこあるから今日はもう退勤なんだけどさ」 「髙橋さんいないなら意味ないし」 
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十八話 天性の女たらし

91. 第二十八話 天性の女たらし  メタとアヤノはコテツの家がある駅に着いた。駅前薬局で少し買い物をして、熱冷ましのシートなども購入する。  ケータイで配信を確認すると、コテツの出番は終わっていた。 結局コテツのアガリは1回しかなく、敗退した。それも仕方ない。本調子ではないのだから。というよりは絶不調だ。 「まあ、しゃあねえな。いくらアイツがバケモンでも体調不良にゃ勝てねえか」と言いつつもメタは残念そうだった。(それでもコテツなら勝つかも)そんな期待をしていたのだ。 「アヤノさんはまだコテツと喋ったことないよな。気を付けてくれよ。あいつは天性の女たらしだから。口を開けば甘い台詞言い出すんだ。熱出てるからって油断できねえ」 「そんな人なの? コテツさんて。でも既婚者よねえ?」 「義理堅いし、真面目だし。仕事に真剣で、プロ意識の高い男だよ。ただ、女たらしなんだ。呼吸するように『可愛いよ』とか『きれいだね』とか言いやがる。でも、結婚してからは女の子とは食事に行くくらいしかしてないみたいだけどな。つまり女が好きなんだよあいつは。少し面倒なくらいにさ」  気付いたらもうコテツの家の前だった。  ピンポーン 呼び鈴を押すとコテツが出る。  『おいこら、デケェ声で人聞きの悪い話をしながら歩くんじゃねえよ。網戸なんだから近所中全部聞こえてんだよ。……鍵はあけてあるから入ってこい』 「たく、それが看病されるやつの態度かよ! 少しは感謝したらどうなんだ?」 「今さっきまでは感謝してたんだよ」 「お邪魔しまーす」
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十九話 アヤノ料理長

92. 第二十九話 アヤノ料理長 「ところでお前なんでオレに大丈夫とか聞いてきたわけ?」「自分でわかんねえのかよ。さっきの麻雀酷かったぞ」「もう記憶にねえや。棄権したかったけど棄権の方法もよくわかんなかったし。ただなんとなく打ってやり過ごしたから」「東1局の三元牌処理に続いて東2局のリーチのみ。それだけ見ればもうオマエに何かあったと確信できる内容だったよ」 「凄い信頼関係ですね。それだけでわかるなんて」とアヤノは心底驚いた。 「ああ、メタは麻雀オタクだから」「お前だってそうだろ」 「メタ?」 「あ、メタは髙橋のアダ名だからアヤノさんもそう呼んでやってよ」 「そうなんですか『メタさん』ふふ、なんかかわいいかも。私、お粥作りますね。キッチン借ります」 「ありがとうね。アヤノさん」 「おい、アイス食うか? ポカリもあるから飲めよ」と、メタが買い物袋から何個かのアイスとポカリを取り出す。 「ありがとう、それ。レモンのやつもらうよ。買い物いくらした? 金払うから」「そんなんいいよ。病人はいらんことを気にせずにゆっくり休めよ」「でも」「いいから!」「たく、お人好しが……」 「なんかいいですねえ。うちの店のスタッフの関係性とは大違いです」  アヤノは心底羨ましそうだった。 コト  アヤノがお粥を置く。腕の筋力があるのか、けっこう重い食器をとても静かに、丁寧にテーブルに置いた。 「ふーふーして食べて下さいね♡」
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その3 一日一度はメンタンピン編 第三十話 無力を知る

93. 第三十話 無力を知る 「じゃあ、もうおれたち帰るから」「おう、ありがとな。おれは…… もう、寝る」 コテツは今にも眠りそうだった。普段からふたえがくっきりとした眠そうな顔をしているコテツだが、それがさらに際立っていた。 「そうしろ、おまえもうここで寝そうだけどちゃんと布団行けよ? 鍵は開けといていいのか?」「大丈夫だ、開けたままでいい。じゃあな、今日は本当に助かったよ。アヤノさんもありがとう」「お気になさらず。私は元々ヒマでしたから。あ、冷蔵庫に明日食べるものを作り置きしておいたので明日お腹空いたら食べて下さい」 「わかった。明日食べる。ありがとう」 「いえいえ、お口に合うかわかりませんが、栄養はあるので摂って下さいね」  「じゃあ」 「うん、ありがとう」  「お邪魔しました」    ガチャ、……ガチャン   2人は帰った。      そのあとコテツは直ぐに眠りについてしまったようで気がついたら朝だった。 ケータイを確認する。シオリから一通連絡が来ていた。産まれたのだろうか。  “まだ産まれない”  とだけ書かれていた。相変わらずの文章だ。と思ってコテツは微笑む。この感じが好きなんだ
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