All Chapters of 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 伍: Chapter 81 - Chapter 90

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その3 一日一度はメンタンピン編 第十七話 麻雀の魅力

80. 第十七話 麻雀の魅力  富士2遅番にはたまに入るアルバイトが2人いる。それが椎名リョウスケと並木クニオさん。 早番とは全く関わり合わないが富士2の社員旅行の時に店に残って留守番してくれてたのがこの2人だ。  リョウスケは普段はボッタクリバーの呼び込みの日払いバイトをしてる子で「どんな店だとボッタクリじゃないの? 見分ける方法とかあったら教えてよ」と聞いたら「どんなって言われても……。外で呼び込みしてる店は全部ボッタクリですよ」と言っていたのは衝撃だった。真実かどうかは知らないが。 呼び込みバイトは足が早くないと出来ないとも言っていた。逃げる事がよくあるからだという。もうやめろ、そんな仕事は。  しかし、この店では忠実な仕事ぶりで、少なくともおれとコテツは信頼を置いていて、マサルさんもそれは同じだった。 並木さんはもうベテランのメンバーで何年もこの仕事をしているが年齢が66なので深夜の12時間労働は身体的に難しいとし、たまに短時間のバイトで入るだけの助っ人だった。麻雀は達者で、また麻雀に対する向上心はあり、いつも遅番の若手たちとああでもないこうでもないと麻雀談義をするのが楽しくてこの仕事を続けているそうだ。  この2人はとても馬が合い「並木さんが入るならこの日はおれも出勤します!」とかリョウスケは言い出すくらいだった。 2人には40以上の年齢差があるのだが、そんなことは関係なく友人になれる。仲間になれる。それも麻雀の魅力、そしてこの仕事の魅力の一つだ。  おれはこの2人の関係を見て。こういうの良いよなあ。とつくづく思う。  おれにも、こんな仲間が増えたらいいな。コテツやアキラみたいな同世代もいいが、オッサンになってもジジイになったあとでも慕ってくれる麻雀友達ができたらいいな。 そんなことを思った。 ◆◇◆◇
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十八話 キッチンの林アヤノ

81. 第十八話 キッチンの林アヤノ  近頃、麻雀界に『ギャル雀』というのが出始めた。  ギャル雀とはその名前から分かるように女の子のスタッフが立ち番ではなく本走要員となり麻雀をする雀荘だ。 レートは0.2や0.3か高くても0.5が相場で、基本1.0で働いてるメタからしたら安いわけだが、近頃はそのギャル雀『虹色の牌』にメタは通っている。 理由はいちいち聞くまでもない。  そこには確かに可愛いスタッフはいた、コテツもその子を見て入れ込んだというわけではないが(可愛いし、いい女だな)とは思った。 そして、メタもおそらくその子が目的であることは間違いなかった。  そのスタッフの名前は『林アヤノ』。  アヤノは背が高く、多分メタと身長がそんなに変わらない。髪は金髪に近い茶髪で、巻いてあったりなかったり。その毛先のあたりには服の上からでもわかる明らかに大きな胸の膨らみがあり、それが派手な顔に似合っていた。 顔立ちは特徴的ではあるが整っており、ややタレ目で眉毛は逆に吊り上がっている。 肌は白いかと思えば、夏場はあっという間に黒くなってくる。基本的に自然に任せていて、元は白めということなんだろう。 だが、彼女の魅力はなにより言葉にあった。彼女は礼儀作法をよく知らない代わりにどんな時も丁寧語は崩さなかった。それが一番の決め手で、メタはアヤノを好いていった。メタは作法を重んじる人間なのだ。  また、アヤノの作る料理はいつも盛り付けが美しく整っていた。 店売りとして販売している焼きそばすら黒い丸皿にわざわざ盛って出すような工夫をした。(たんなるカップ焼きそばをである) トーストを焼かせれば焼き加減は客の好みを完全に把握して出し。ハムチーズトーストにカラシを入れる入れない、パンのミミは落とす落とさない、パンは小さく4等分するしない、までしっかり人の好みを記憶していた。
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十九話 剛腕! 髙橋幸太郎

82. 第十九話 剛腕! 髙橋幸太郎  アヤノはキッチンからホールを眺めていた。そこからは最近よく来るようになった髙橋幸太郎の手牌がよく見えた。髙橋は今ラス半コールをしている。その最終戦のクライマックス。 髙橋手牌 切り番一二三④⑤⑥⑦⑧⑨12233  南3局親番中でドラは2索だった。18000点持ち三着目の6巡目だが、どうするのか判断が分かれそうな場面である。 (シンプルにシャボでリーチ? 私なら多分そうしてる。でも、違うのかな。彼は。 打3索で好形を探しながら仮テンの満貫? それもありそう。いや、彼なら⑨筒なのかな。ソーズが残れば一盃口でソーズが埋まればノベタンかフリテン三面張。それっぽい! 高打点の彼ならそれだきっと)  そう思いながらアヤノは見ていた。  しかし髙橋はアヤノの考えたその予想の最高打点すら超えてきた。 打④!  それはアヤノの考えに無い選択だった。⑨筒なら三面張フリテンで理解は出来るが④筒にはそちらにするメリットがわからない。 そう思っていたが次のツモは1索!(ドラ表示牌を引いてきた! 一盃口で⑥-⑨筒待ちリーチはアガれそう!) そう、アヤノは思ったが髙橋の選択は打⑤のダマ。(ダマ?!) 次巡。ツモ……一萬!! 「リーチ!」  そう言い髙橋は⑥筒を曲げる。 (まさか、そんなことが……)アヤノは呆然としながら局を見守る。それなりに麻雀を理解しているアヤノだからこそ今目の前に起きている奇跡から目が離せなかった。 「ツモ!」&n
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十話 幸運ではあるが偶然ではない

83. 第二十話 幸運ではあるが偶然ではない 「見てたんだ。ラス前の手。難しい手だったよね!」と髙橋が少々興奮気味に話す。「あれ! 私だったらシャボでリーチしちゃうんですけどダメですかね!」とアヤノも興奮していた。 「アヤノうるさいぞー。もっとボリューム落として会話しろー」 店長からお叱りを受けた。それはそうだ。ギャル雀とは言え雀荘。基本的には騒がしくしないのが常識なのである。ましてスタッフが騒がしくしていいわけがない。しかし、今はお客さんと会話しているのだからもう少し気を遣ってくれてもいいのではとも思った。「あ、ごめんなさい!」(…でね。私はシャボリーチ派です)(悪くないと思うよ。多分それが一番多いんじゃないかとも思うし)(じゃあなんであの時――)(あの時なぜ④筒に手をかけれたのかって? それは結果見てたならわかるでしょ)(でも、⑨筒ならまだしも)(純チャンはあの時点で見えてた。それなら鳴いて仕上げても満貫になるという強みがあるし上家は親のないラス目だったから鳴けるとも思ってた)(っ、そこまで考えて?)(ツモ赤⑤筒での跳満とかもあるし)(――たしかに)(何よりメンゼンで仕上がった場合の最終形打点が半端じゃないからね。やる価値はあるよ。 一発ツモ裏3は奇跡みたいな確率ではあったけど、それを目指すことによる裏目リスクは大した事ない差だったと思う。なら、目指す)(うわ……)(奇跡ってのは、その可能性を見落としてない奴しか受け取れないもんなんだ。今回の逆転劇は幸運ではあるけど、偶然ではないって事! なんてな)   ズギューーーーン!! と撃ち抜かれた気がした。(し、痺れる!!) 夢追い系雀士とでも言おうか。とにかくすごい! (た、髙橋さ
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十一話 男連れ

84. 第二十一話 男連れ  たった1局の観戦とその後の3分程度の会話。それだけでもうアヤノはメタのことが気になって仕方なかった。 例えるなら人気爆発を何年も続けている海賊漫画の主人公のよう。夢は叶えるもの、宝物を探して、どんな困難にも立ち向かい、決して諦めない。そんな強さをメタから感じていた。 加えて、自分が作るトーストを褒めてくれたのが本当に良かった。 よく考えると食事が終わった時に必ず一言。「美味しかった、ありがとう」と言ってくれると言うことも思い出していた。つまりもう、大好きってこと。  その日、アヤノは連休を使って富士2号店に行こうと思った。なぜ連休が必要かと言うと仕事を終えてから行くとなると疲れているからムダに負けて散財してしまうだろうけど休みの日に行ったら明日が仕事だと思うと終電を気にしながらせいぜい2回、多くても3回打つのが精一杯だから。(タクシーを使うという手はあるが、節約家なアヤノはそんなことは思い付きもしない) なので、遅番のメタに会いに行くには連休中が最適なのだった。 「おい、今日は休みだろ。めかしこんで、どこか行くのか?」「アンタに関係ないでしょ。雀荘よ。遊びに行くだけ」「フリーで?」「フリーでよ」 「仕事でもやるのに休日までよくやるな。よしわかった、おれも行くぜ」(えええーーー?)「ついてくるな!」「気にすンなよ」  結局、男はアヤノと一緒に富士2号店へと行った。 「いらっしゃいませ! あ。アヤノさん」「髙橋さんこんばんは! 来ちゃった。えへへ」  頬を染めたアヤノを見て男はピンとくる。 「オメ、こんなんが好み……」と男が言いかけると「うるさいよ!」とアヤノが遮る。 
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十二話 一流の三色

85. 第二十二話 一流の三色  リュウイチとアヤノは別卓になりリュウイチの方とメタが同卓となった。  メタとリュウイチは牽制し合っていた。 2人はどんな関係なのか聞きたい。それをお互いに思っていた。 意識してしまう。気になってしまう。 だが、そんな事は麻雀が始まってしまえばメタの頭から飛んでいってた。  牌に触れた瞬間から集中力が高まるのを感じる。(この手、どうやって作ろうか)それだけに意識が集まる。 そして、それはリュウイチも同じようだった。どうやらリュウイチも只者ではないようだ。 「リーチ」  メタが攻める。リュウイチはそれをまずは様子見。お手並み拝見というところだ。 「ツモ」 北家のメタがツモアガる。ドラは⑦筒だ。 メタの手牌二三四伍六七②④23499 ③ツモ (ほう、リーヅモ三色の満貫か。…むっ?) 最初はなんとも思わなかった三色だったがリュウイチはあることに気付いた。それはメタのリーチ宣言牌だ。 (この男、⑤筒を切ってリーチしてきている。なるほど、ピンフに取ればのみ手で安すぎてリーチを宣言するか迷う所だ、それよりはアガリ牌を減らしても三色を取り打点を充分にし、なおかつリーチ宣言することによりプレイヤーに圧を与えて迂回させてるうちにツモアガリを決めて打点を大きくする狙い。他2人は知らないが俺は初見だから様子見するだろうとの読みも含まれていそうだ。しかも、どうせリャンメンにしてもドラが⑦筒であるためその周辺の待ちは弱い事も計算に入れた判断ということか。それをイメージ通りにやり遂げた…… ふむ出来るな。 アヤノが見込んだ男だけはあるようだ。力押しに見
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十三話 老師

86. 第二十三話 老師  メタはその後は来客があり、譲る形で卓を抜けた。 立番に戻りアヤノの卓を見ると、キツイ性格した常連2人と口数の少ないお爺ちゃんのいる卓にアヤノはついていた。 (あちゃあ、よりによって酷いメンツに囲まれたもんだ。お爺ちゃんはいいけど、他2人は言ってしまえばクソおやじ。ああいうのいるから本当はあんまり来てほしくなかったんだよな、大丈夫かなあ)とメタは思った。 しかし、アヤノはついていた。リーチしてロンして裏。リーチしてツモって裏。リーチしてツモって裏裏。など、とことん良いアガリを決めていた。 圧勝するアヤノに対しておっさん達が僻む。「バカヅキだな嬢ちゃん。たく、裏だけで勝たれちゃ敵わねーよ。運だけ麻雀だな」 などと、失礼極まりないことを初対面から言う。その顔がまたムカつく顔をしている。 そんなおっさん達にアヤノは少しだけムッとしていたけど、勝ってるからそこまでは気にならなかった。 でも、聞いてただけで言われた彼女より腹を立ててるやつがいた。メタだ。 「あいつら黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって。それが初対面の人間に対する態度なのか!」  と、普段温厚なメタが怒ってしまう。  リョウスケが「メタさんマズイですって、アタマ冷やして! 気持ちはすごくわかるけど。落ち着こう」と言っていたら、普段何も話さないお爺ちゃんがふと口を開いた。 「ツキ、幸運、確かにの。この子は今日ついとるようだ。裏が乗る日はついとる。それはそうかもしれんが、テンパイを作り、アガれそうな形にしてリーチをかけたから裏が見れたんじゃないかい。それは彼女の選択が優れていたということ。そこは運じゃない。それに対して、自分だってアガリ目指して同卓していたにも関わらずアガリをものに出来ずにいたのは誰なんだい? おたくら、知らんみたいだから一ついい事を教えてあげよう。 彼女のアガリは運もいいかもしれ
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十四話 女の人生計画

87. 第二十四話 女の人生計画 「楽しかったです、また来ますね髙橋さん」「おれもまた来るよ」と言ってアヤノとリュウイチは帰って行った。「ありがとうございました! またよろしくお願いします!」  朝5時少し前。始発はそろそろ出ている。 「アヤノさ。なかなか男を見る目があるじゃないか」とリュウイチは言う。「そうでしょう? 髙橋さんは格好良かったでしょう? この前なんかね……」 アヤノは先日の数え役満の話をしたりして弟と盛り上がった。リュウイチも麻雀をある程度理解しているからこそメタの凄さがよくわかった。  電車が到着して、2人は乗車した。 「ただ、太り過ぎじゃねえか?」「それは私が健康管理するから大丈夫よ。長生きしてもらいたいからね」「長生きって、もう結婚を視野に入れてんのかよ」「当たり前でしょ。大人なんだから。子供の恋愛とは違うのよ。この年齢で好きになったら結婚はセットよ」「そういうもんか」「そうよ。何? あんた誰かと軽い気持ちで付き合ってたりする訳? え、バカなの?」「ウッ!」 図星を突かれてリュウイチはビクッとする。「相手は歳上? ならそんな意識はダメよ、出産とかも女は計画して生きてるんだから。真面目に考えてあげなさい」  いつの間にか双子の姉はずいぶん大人になっていたようだ。 「なんか、本当に姉ちゃんって感じだな」「実際、本当に姉ちゃんじゃない」「双子だろ」「双子でも、姉ちゃんは姉ちゃんよ。私はそういう意識で育ったんだから」  「そうだ、写真あるんでしょ。どんな女か見せなさいよ」
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十伍話 子供は臨時パーティー

88. 第二十伍話 子供は臨時パーティー  白山シオリが引退した。  元々積極性のないシオリは結婚してからは活動休止状態だったが、今回妊娠して、これからは妻として、そして母としての幸せを大切にしていきたいということでプロ団体から籍を消した。  収入面は夫である南上コテツに全て任せることにして自分は子供と一緒にいれる時間を何より優先した。 シオリは賢い人だ。だからまだ産む前からあることに気づいていた。それは、子供とはいずれ別れる。子供は臨時パーティーだということ。  いかに我が子だと言っても同じ時を過ごせるのはほんの20数年。生涯を共に生きてくれる相手は配偶者だけなのだと、それを理解していた。だから、大切にする。子供が子供である時間を。出来る限り手厚く接して育てていこうと決めていた。 私の冒険はここで一度終わり。一旦セーブして。ここからは母としてサポートの物語。子供が主役の物語の脇役になる。というような、そんな考えを持てるのがシオリなのであった。  ◆◇◆◇  丁度その時期に参加費無料のネット麻雀から予選参加出来る新しいタイプの麻雀大会が告知された。賞金は優勝400万円。連続した5半荘の成績上位が予選通過となり本戦へと進出する。本戦からはネットでその日その日で配信卓があり1箇所だけは生配信される。準決勝卓からはリアルの卓を使用しての配信となる。参加資格は18歳以上。つまり特にないということだ。 (これは出るしかないな)とコテツは思った。  いつもなら面白そうな事はみんなにも声をかけるコテツだが、富士2の連中は本当に世界レベルで強いやつが揃っているのでやめておいた。 今回だけは強敵と当たりたくない。400万円はおれが貰って子供のために貯金しとくんだ。そう考えて(あいつらも誘いたいなぁ)というウズウズする気持ちをなんとか制御して誰に
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その3 一日一度はメンタンピン編 第二十六話 こいつは誰なんだ

89. 第二十六話 こいつは誰なんだ  大会の予選期間が終了した。コテツは当然というか、さすがというか、難なく一発でオールトップを出して予選通過。その事も誰にも言わずにいた。仲間たちを大会に誘わなかったことを気にしていたのだ。  でも、そう隠し通すのも限界が来ていた。というのもコテツは本戦のAグループにされておりネットで生配信卓に指定されたからだ。 南上虎徹の名はもう登録してるのでそのままネットで出てしまう。麻雀オタクなメタやネット麻雀に精通しているアキラには絶対に見つかるだろう。(登録名、SNSハンドルネームの『雷神』を使えばよかったかな)と思ったが今さら遅かった。 ◆◇◆◇  本戦がネット配信される頃。シオリは入院していた。もうそろそろ産まれる頃だからだ。 コテツのパソコンは一応はノートパソコンなのだが、デカくて重いので持ち歩く習慣が無く、常に定位置に固定していたので本戦を終えたら明日は病院へ行くとシオリには伝えていた。今日はコテツは仕事を休んで本戦。明日は出産の立ち会いという予定だった。  しかし、コテツの身体に異変が起こる。なんだか具合が良くない。 午後7時半 (気分が悪いな)と思いながらも大会の本戦Aグループの試合が生配信で始まった。  ◆◇◆◇  メタはしばらく早番だった。  コテツが4連休を取っているのでその期間の早番の打ち子1番手を担当してもらうためだ。 コテツの4連休なんて聞いたことがなかったが出産予定日が近かったからそのためだとみんな理解した。しかし、本当の所は初日は別の理由だった。夕方からの麻雀大会本戦に出るためである。 ────  
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