80. 第十七話 麻雀の魅力 富士2遅番にはたまに入るアルバイトが2人いる。それが椎名リョウスケと並木クニオさん。 早番とは全く関わり合わないが富士2の社員旅行の時に店に残って留守番してくれてたのがこの2人だ。 リョウスケは普段はボッタクリバーの呼び込みの日払いバイトをしてる子で「どんな店だとボッタクリじゃないの? 見分ける方法とかあったら教えてよ」と聞いたら「どんなって言われても……。外で呼び込みしてる店は全部ボッタクリですよ」と言っていたのは衝撃だった。真実かどうかは知らないが。 呼び込みバイトは足が早くないと出来ないとも言っていた。逃げる事がよくあるからだという。もうやめろ、そんな仕事は。 しかし、この店では忠実な仕事ぶりで、少なくともおれとコテツは信頼を置いていて、マサルさんもそれは同じだった。 並木さんはもうベテランのメンバーで何年もこの仕事をしているが年齢が66なので深夜の12時間労働は身体的に難しいとし、たまに短時間のバイトで入るだけの助っ人だった。麻雀は達者で、また麻雀に対する向上心はあり、いつも遅番の若手たちとああでもないこうでもないと麻雀談義をするのが楽しくてこの仕事を続けているそうだ。 この2人はとても馬が合い「並木さんが入るならこの日はおれも出勤します!」とかリョウスケは言い出すくらいだった。 2人には40以上の年齢差があるのだが、そんなことは関係なく友人になれる。仲間になれる。それも麻雀の魅力、そしてこの仕事の魅力の一つだ。 おれはこの2人の関係を見て。こういうの良いよなあ。とつくづく思う。 おれにも、こんな仲間が増えたらいいな。コテツやアキラみたいな同世代もいいが、オッサンになってもジジイになったあとでも慕ってくれる麻雀友達ができたらいいな。 そんなことを思った。 ◆◇◆◇
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