All Chapters of 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 伍: Chapter 71 - Chapter 80

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その3 一日一度はメンタンピン編 第七話 メタ、遅番へ

70. 第七話 メタ、遅番へ  数日後、仕事を覚えたメタは完全に戦力1としてカウントして大丈夫だという判断をマサルが下す。そしてついに富士2号店24時間営業計画が動き出した。 これまで富士2号店は朝8時にアキラかコテツが鍵をあけて前日汚して帰った店内掃除をやり、卓清掃をやり、レジ金確認をし、スーパーのオープン時間に合わせて買い出しに行って、銀行で両替を済ませ、店内の換気を行い、糠床を混ぜ、ツマミを準備して、新しく野菜を漬けて、暑い日はベランダの野菜に水やりを1回やって、階段清掃や入り口清掃、待ち席の本棚整理、新聞の交換、新聞にステープラーをして富士2号店という判子を押す作業などを2人、あるいは1人でしていた。 閉店時間はまちまちで最後まで残るのはマサルかサブ責任者の佐藤スグルだった。メタの面接担当をしたのもこのスグルである。なんの役職者でもないのだがしっかり者なのでマサルが休みの時はスグルに全て任せている。スグルの給料はもう少し上げてあげていいのではとコテツは内心思っていた。  その他に富士2号店にはたまにだけ入るバイトが2人。呼べば来てくれる中村社長や店側に都合のいいタイミングで入ったり出たりしてくれるジンギの協力。女子バイトが2人。そのうち1人は麻雀も打たせられる。とまあ、けっこうかき集めれば協力者がいるので、もちろんまだ人手不足ではあるが24時間にしても大丈夫かもしれなかった。どうしても難しい日は1号店から借りることも不可能ではないわけだし。 「で、だ。髙橋くんは攻める麻雀でコテツとぶつかり合うから別番の方がいいと思うんだ。キミはコテツと同じでいくら打たせてもなんの心配も要らないエース級本走1番手タイプだ。同番にしているのは使い方が悪い。そんなわけで遅番になってもらう。頼んだよ」「はい!」  片番営業だった店が24時間営業になったとなれば最初は絶対に忙しい。人手不足がすごいからだ。 そんな中でゆっくり食える時間なんて簡単にあるわけがない。メタは実力を認められたことは嬉しいし誇らしかったが、コテツ
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その3 一日一度はメンタンピン編 第八話 警察突入

71. 第八話 警察突入  その日は貸し卓予約も入っていて忙しくなることが予想出来ていたのでコテツを中番(17時~5時)に配置して遅番の時間帯をいつもより厚くしていた。 (中番やだなー。1番割に合わないシフトなんだよな17時からの中番って)と思いながら、今日は可能な限り手え抜いて働こうという意識のもとコテツは中番出勤した。 そのシフト変更がこの店を大きく助けることになるとはこの時は誰も思っていなかったのだが。  イメージしていた通りその日は忙しかった。あっちにこっちにバタバタしつつの本走、集中して麻雀することも叶わず、ちょっと打っては抜けちょっと打っては抜けでコテツはひたすら駆け抜けるような1日だった。 それも落ち着いてやっと、お客さんも少ない状態になった。ようやく休憩。もはやあと3時間で帰れるという深夜2時に事件が起きた。 「みんな! 現金を隠して卓を止めろ! 雑談してるふうにするんだ。メタは掃除用具持て!」  急にコテツが指示を飛ばす。 「なんだ、どうしたいきなり」「いいから早くするんだ。警察が来た! 賭博罪と深夜営業で捕まるぞ! 今すぐ現金を隠してゲームを止めるんだ! あと酒出せ!」  コテツは耳が異常に良い。静かに入り口のシャッターを開けた音が聞こえたのだ。住宅地ならまだしも夜もそれなりに騒がしい商店街にあるこの店のシャッターをわざわざ静かに開け閉めする理由はない。来店客ならガラガラっと開けるのだ。それを静かに入ってくる理由は警察だから以外ありえなかった。 カランコロン 「責任者はいるかい」  そんなのいない。だが、心構えの出来ていたコテツが対応をした。 「責任者は私ですが、どうしましたか、本日はとっくに閉店時
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その3 一日一度はメンタンピン編 第九話 戦いへの恐怖

72. 第九話 戦いへの恐怖  メタは先日の、コテツが警察相手にしれっと嘘をついたあの度胸に心底感心していた。やはりこの度胸こそがコテツの強さかもしれない。自分に足りないものはそれだろうと思った。  コテツは勇敢な打ち手だった。これがいい! と思えばいかにその判断にリスクがあろうとも躊躇なく即決することができる打ち手だ。少なくともメタにはそう見えた。 なんでそんな勇気があるのか、ある日それとなく聞いてみた。するとその答えは意外過ぎるものだった。 「バカだな怖いに決まってるだろ。いつだって失敗を怖れてるよ」「でも、この間だって警察相手にすら対等な態度で立ち向かったじゃないかよ」「あらかじめイメージしてからやっただけだ。来る前にどういう展開になるか複数パターンをイメージして先手取ってるだけだよ。怖くないわけがないんだ」「イメージ……」 「リーチに立ち向かう時だってそういうことになる未来をイメージしてあるから立ち向かえるだけでリーチが怖くないわけじゃない。そうするのが最善だと信じて恐怖を乗り越えてるだけだ。最善かどうかなんて分かりはしないんだけどな。だが、自分で決めるしかないだろ。  本走だって怖い。そりゃそうだろ、負けるかもしれないからな。今日は勝てないかもしれない。給料なんか吹っ飛ぶくらい負けてタダ働きかもしれない。そんな恐怖が卓に着く時は必ずある。むしろ、その恐怖を忘れてはいけないとも思うんだよ。俺たちは危ない仕事をしている。楽観視を絶対するな。って言い聞かせてやるのさ」「でも、悲観していいことあるとも思えないけど」 「それはそうだ、だが、楽観も良くないと知ることだ。重要なのは楽観も悲観もした上で楽観も悲観も違うと言い聞かせること。そうして平常心という心のバランスを見極めることだ」 「平常心」 
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十話 あいつやっぱり運良すぎるよ

73. 第十話 あいつやっぱり運良すぎるよ  再来月に一泊二日の社員旅行があるという。 雀荘にも社員旅行ってあるんだな。とメタは驚いた。 たしかにこの雀荘は有限会社中村商店の麻雀部門の2号店でしかなく社長は基本的に輸入雑貨の仕事(詳しいことはわからないし興味もない)をしているとマネージャーから聞いたことがある。 そう考えると社員旅行があっても不思議ではないが雀荘の社員旅行なんてメタは初めて聞いた。 当然、麻雀するだろうなとワクワクしていたら今をときめく一流女流プロの白山シオリも参加しての麻雀大会だと言うからメタの期待は膨れ上がった。 白山プロはウチの店に毎月ちょくちょく遊びに来るよう契約していて、その代わりにマネージャーが今まで住んでた部屋を借りてるって聞いたことがあるが早番の時間帯しか来ないのでメタはまだ番交代の一瞬くらいしか会ったことがなかった。 (そっかー、白山プロもうちと契約してるっちゃしてるから身内扱いなのか。彼女の実績は凄まじいし、今度の旅行は本当に最強決定戦と言えなくもないな)とメタはもう既に再来月が楽しみで興奮していた。  白山プロを形容する言葉があるとしたら『可憐』の一言に尽きる、そんな容姿をしていたのでメタに限らず誰もが彼女に惹かれるのは当然のことであった。都内を行き来するのに便利な部屋という自分の住んでる家を餌にして彼女という一流プロとの来店契約を結び、売り上げを大きく増やすことに成功したマネージャーは本当に頭が良い。  メタは白山シオリと打つのが楽しみだったし、それより何より強い奴ら。コテツやアキラ。早番のアイツらと打てるのが何より嬉しかった。 (よーし、仕事がんばろう)  こういう褒美があると仕事にも身が入るというものである。 ──────  月日は流れて社員旅行当日。メタは気付
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十一話 麻雀の心得

74. 第十一話 麻雀の心得  麻雀大会は終わり、メタは準優勝。準優勝者の賞品は図書券5000円分だったので休みの日にさっそく漫画を買った。  メタはその日、マンガで杖術の心得というのを知った。 「突かば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにも外れざりけり、か。かっこいいな。なんか麻雀にもそんなのないかな。なあコテツ」 「……鳴かば風、曲げれば大砲、退かば鉄、揺れぬ心は不動の山」 「えっ! なにそれ。麻雀の心得ってあったの?」「いや、今おれが考えた」「……おまえは天才だァ」  その心得は的確に核心をついていて、麻雀に重要な姿勢を見事に表現していた。誰もがその心得に感心した。社長以外は。 「なんだこれは、麻雀はそれだけじゃないだろ。もっと難しいもんだ。そうだろうコテツ」  そう言われてコテツは本気を出した。そして完成させた麻雀の心得は素晴らしい出来になる。  麻雀の心得 鳴かば風曲げれば大砲退かば鉄揺れぬ心は不動の山何かに囚われることはなく視野の広さは無限の空臆せず屈せず諦めず決断は効率的で現実的を理想とし見るとなく全体を見る全てを自分中心でなく全体的に捉える欲張ることなく常に自然体で空間と一体化しあらゆる事象の意味を知れ感覚を研ぎ澄まし冷静沈着かつ大胆に負けることの許されない己の全てを賭した勝負も日頃と同じ判断をせよ不運を不運と嘆くな
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十二話 親友たち

75. 第十二話 親友たち  社員旅行からしばらくして気付いたらコテツの左手の薬指に指輪があった。 まさかと思い聞いてみたら白山シオリと結婚したと言う。そんな事があるんか! え? 白山シオリって結婚してもいい人なの?? おれらはただの雀荘店員だぞ???  まぁ、驚きつつも、おめでとう。と言った。素直に。それは本当にそう思うからだった。 ちなみにだが、麻雀界に既婚者はとんでもなく少ない。それには安定とは無縁の仕事だからという理由が大きいがコテツ程の実力があればその不安はないのだろう。これはもう流石としか言いようがなかった。 コテツのような才能ある者は麻雀界の希望の星となるべきだ。この業界にもこんな幸せな人生を、豊かさを、手に入れているやつもいる。そんな生活も実力次第では可能という前例となるべきなのだ。 なので今回の結婚は良いことだ。それはいいが、しかし羨ましいなコイツ。 「いーなー……」 ◆◇◆◇  メタはその次の休みの日にコテツとシオリをカラオケに誘うと、2人に祝福の歌を歌った。きみに幸せあれ! と。 シオリは意外にもアニソンを入れた。しかも機動戦士ガンダル第09小隊のエンディングだ。『5years after』ただのアニメのエンディングだ。だが、新婚の女性。シオリが歌うことによって非常にグッとくる感動曲になった。そうだ、5年後もきっと素敵な夫婦でいろよ。メタはそう思ってちょっと泣いた。  コテツはそれに便乗して09小隊のオープニング曲『風の中で輝いて』を歌った。これはもう文句なしに名曲なので言うことは何もない。──風の中で輝いてその夢を諦めないで。まるでコテツの生き様のような歌詞だ。コイツに似合う曲だなと思った。  それからビールが部屋に届いてどんどん3人とも気分が良くなりメタもシオリもコテツも声が枯れるま
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十三話 最後の給料日

76. 第十三話 最後の給料日  コテツの結婚は良かったが、めでたいことばかりではなかった。コテツの結婚を知ってアキラは自分の雀力では結婚は難しいがもうそろそろ結婚も考えなければならないんだなと気付いてしまう。 雀荘というのは例えるなら竜宮城のようであり、現実を忘れてあっという間に時が流れてしまいがちである。 責任感のあるアキラは富士2を辞めることを決意した。自分の力を慢心せずに冷静に恋人との未来を考えて大好きな職場を辞めることが出来る男がこの世界にどれくらいいるだろうか。 アキラの最後はスタッフ全員に惜しまれながらの退店だった。  その数日後————  今日は給料日だ。給料は手渡しなのでアキラが今日は給料を取りにくる。「お疲れ様」 マネージャーが給料を手渡す。「ありがとうございます」 アキラが最後の給料を受け取って確認のサインをする。 今更ながら別れが惜しくなりサインを書く手が少し震えた。  もう早番は帰る時間だ。その日は前からアキラを送る会を計画していた。アキラと早番みんなとその日休みなメタが集まって飯に行ってそのままカラオケコースだ。 コテツはアキラに『俺が俺であるために』を心を込めて歌った。 勝ち続けろ! どんな時も、どこにいても、ステージは変わっても勝て! というエールを贈った。君が君であるために。 マサルが歌った『さくら』の、俺らはきっと待ってる… という歌い出しはみんなの胸を熱くした。歌はあまり上手くなかったが張り裂けそうな気持ちが伝わりすぎて…。酒も入っていたのとあのマサルが想いを歌っているということからみんなが涙目になって聴き入ってた。 エリやリカもアキラを送る気持ちが入った選曲ばかりする。後ろ髪を引かれながらアキラは富士2を卒業していった。 
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十四話 なんですか事件

77. 第十四話 なんですか事件  七田喜朗はアキラの補充要員として早番に配置された。 「えーっとななたくん? 変わった苗字だね九州だと多いのかな?」とコテツが聞いてみた。「読み方は『ななだ』です。そうですね比較的九州に多いですけど、でも珍しい苗字だと思います」「で、『よしろう』くんか。ちょっとキミの雰囲気に対して名前が古くてまたギャップがあるね。逆にそれがいい。これがいわゆる『逆にいい』ってやつかな」「いいですかね。別になんとも思ったことはないんですが」「じゃあ今日から頼むよ『ナナロー』くん」 「全力を尽くします!(ナナロー…?)」  コテツは早速あだ名をつけた。どうやら七田喜朗のことが気に入ったようである。まだ会話もろくにしてないのに何を気に入ったのだろうかと思ったが同じ寮生活をするメタはふと気付いた。七田のカバンに見覚えのあるマークがついてることに。 それは宇宙連邦軍のマークだった。  そして七田の持参したクッションはガンダルマークIIのクッション (さてはコテツ、あのカバンを見たな。あのガンダルヲタクめ)と思うメタ。  アキラというガンダル仲間を失ってすっかりガントークができなくなってたコテツは七田の入店を大歓迎したのだった。  そういえばあの時『全力を尽くします』とか言ったなとメタは思い出した。(あれ、マルチダさんのセリフじゃね? やべーの入ってきたなぁ。またコテツがガンダルガンダル言い出すじゃねえか。 ……まあ、店が回るようになれば別になんでもいいか) メタはそう思いながら入寮する新人用の新しい布団カバーをドン◯ホーテに買いに行くのだった。 ◆◇◆◇ 
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十伍話 メタたちの流儀

78. 第十伍話 メタたちの流儀  ナナローは麻雀がわかってるようでそうでもなかった。というか、この店のレートやルールに適していなかった。多分競技麻雀ならうまくいく。そう思ってたら彼自身それは感じてて次の競技麻雀プロ試験はもう受けるように申し込みを完了していた。競技の試合に行きやすいようにという理由も込みで北九州から出てきたのだと言う。 ※その後、ナナローは競技麻雀の世界で才能を開花させるがその話はまた別の機会に。  とにかく、彼は競技麻雀のプロになったくせに阿佐田哲夜すら知らないのだ!  ◆◇◆◇  さて、ナナローの話ばかりしてるとちょっと気が狂ってしまいそうになるので別の日の場面に移します。  その日はメタが中番で久しぶりにコテツとメタは直接対決をしていた。それもあってかコテツはいつもよりハイな気分になっていたかもしれない。  メタは親で6巡目先制リーチを打っていた。ドラの北を頭に使ったペン⑦待ちの7700。充分な勝負手でリーチをしたのだが、そこにコテツが立ち向かう。 ビシ! バシ! ドカン!  コテツの切る牌からそんな効果音が聞こえるような。そんな幻聴すらする勝負牌の連打。(実際にはすごくソフトに捨てている)  先制したのはメタなはずだったがさすがのメタも珍しく恐れた 「おい、親がリーチしてんだぞ、ブレーキってのはねえのかよ」 「生憎だがこの局のおれにはアクセルしか搭載されてなくてな!」 「この狂人め」 「生まれつきの麻雀狂なのさ」 「そのうち事故るぞ!」&nbs
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その3 一日一度はメンタンピン編 第十六話 雷神会

79. 第十六話 雷神会  無敵の最強雀士『雷神』ことコテツは仕事終わりに勉強会を店の隅っこの卓を使ったり他の雀荘に行ったりして不定期で無償で行っていた。 コテツは何せ自分1人でも1卓借りて自主練してるようなやつだ。そこに誰かが参加しようがしまいが全く関係なくて、大勢来ても(なんか今日は多いな)くらいしか思わず、自分のやってる研究を勝手に見学させる。  質問があれば答えるが基本的には自分の為にやってる研究に見学者がいるという形でしかない集まりだった。 しかし、その研究は現代の麻雀技術本には一切載っていない麻雀の真実を紐解いていく最先端のものであり、参加した者達はみなコテツを最先端技術を開発する研究者だという認識で尊敬した。  その研究会に最も参加したのは『マル』こと、丸山圭一郎。最初のうちはコテツへの借金もあるので半分強制で参加していた、場代の支払いを担当したりさせられたからだ。しかし、次第にコテツの考えている麻雀の奥深さ、繊細さに影響されていき、コテツの一番弟子となり研究会の助手となる。  かつてはチンピラの親分をやったりしてたのが嘘のような変わり様だが、麻雀の研究は持て余したエネルギーを全て注いでも足りない、そんな奥深いものだったのだとコテツによって気付かされたようだった。 マルが助手として固定されるようになってから少しずつ参加者が増えていき、この不定期で開かれる研究会は『雷神会』と呼ばれるようになった。 ◆◇◆◇   その日、コテツの麻雀をナナローは仕事もせずにじっと見ていた。 (コテツさんは強すぎる。自分と何が違うのか、それを知る必要がある)  12時間労働したあとにさらに雷神会に参加するスタミナはナナローは持ち合わせてない。なのでスタッフの特権を活用してコテツの後ろ見を隙あらばすることにした。
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