All Chapters of 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 伍: Chapter 101 - Chapter 105

105 Chapters

その3 一日一度はメンタンピン編 最終話 魂の音楽

100. カラスたちの戯れ 最終話 魂の音楽  アキラの企画したプロ団体は想像のはるか上を行く大人気企画となった。  予想以上の大手がスポンサーに付いてくれたこともありプラスアルファリーグは地上波放送もされる超大人気番組となる。  アキラはここまでうまくいくとは想像もしていなかった。まさか道楽的に企画したものが大当たりしてしまうとは。  そもそも、戦術指南書だってコテツの思想、戦略、技術があまりに素晴らしいものだったから記録に残したいと思ってほんの趣味で書いただけだったのに、それを評価されて出版になり、文章力があるからと小説も書いてみないかと言われて書いたら超絶大ヒット。 雀神コテツに挑むっていう自分自身の青春の話がこんなに読者の心を掴むとは思ってもいなかった。  人生は何がどういうきっかけで化けるか分からない。 ほんの、ちょっとのことで過去全てが救われるような、このルートを辿ってきて良かったと思えるような。そんなことが急に起きる。それはアキラのような超の付く大成功に限った事ではない。例えば、メタ。 アイツはいい奴ではあるが女にはモテないやつだった。その点ではよくコテツやアキラのことをグチグチ言っていた。だが、今はどうだ。 心なしか見た目も健康的に痩せたし、誰かに浮いた話が出ても「へぇ、おめでとう」とか言ってるくらい余裕だ。 今のメタにはアヤノがいるから。 たった1人の愛する人と出会うだけで人生は過去全てが救われるもの。だから、どんな人生でも絶望することはないんだ。救いはいきなり訪れる。逆転劇は常に起こりうる。それが人生という舞台なのである。  あなたを救う人は今日訪れるかも知れないし。来年かもしれない。それは分からないけど、逆転の可能性だけはいつもある。それを忘れないでいれば、いつだって夢を見て明るく生きて行けるだろう。  正しく生き
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エピローグ 勝者たちを讃えて

101. エピローグ 勝者たちを讃えて   富士2号店はまたビルメンテナンスの日を迎えていた。何年ぶりだろうか。 そう、第2回富士2号店最強決定戦だ。  今回は財前姉妹や新店長アヤノも加わって女子勢が多くなった。アヤノは看板娘どころではない器の持ち主だった。今では富士2号店の店長なのだ。  もちろん前回優勝のシオリも参加している。今はもう富士メンバーではないアキラも社長に誘われて家族全員で参加した。  前回より大世帯の旅となったがそれを全員連れて行くのもわけないくらい富士2号店は流行っていた。それはそうだろう。何せ麻雀の大ブームを巻き起こしたプラスアルファリーグのその21人の選手たちのうちのなんと9人がここ富士2号店にいるのだから。  富士グループはスタッフのレベルも売り上げも知名度もその全てが日本一の雀荘になったのである。 「これも全てマサルの手腕だな。お前を雇って正解だったよ」と中村社長がマサルを褒めた。 「あはは、そんなバカな。私は少しアイデアがあっただけで、それが全て良い方向へ良い方向へと進んだのは運でしかない。それよりもコテツとアキラですよ。彼らが私たちをここまで導いたんだと私は思っています」 「謙虚だな、相変わらず。だが、それはそうかもしれない。しかし、アキラ君や財前姉妹を雇ったのはマサルだ。これこそが大手柄だろう。寮も女子寮を作ってまで雇い入れて。マサルはやっぱり先見の明があるよ。お前はおれの福の神だ」 「そうですかね。メタとアヤノさんの活躍も大きいと思ってますけど」 「参加者は決定しましたかー? 決まり次第私に教えて下さいね。トーナメント表作るんで」と女子バイトの鈴沼エリが言った。いや、今は女子社員だが。  
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サイドストーリーLAST 木嶋秀樹の自慢話 前編

 サイドストーリーLAST 木嶋秀樹の自慢話前編 「今は時代が変わったよな。おれの常識じゃあノーレート麻雀なんて考えられないし、地上波で真昼間からプロの対局が観られるなんて、そんな時代が来るとは思いもしなかったよ」  酔っ払いながら安い飲み屋でプロ麻雀の放送対局を観ると、決まって男はそう言った。男の名前は木嶋秀樹(きじまひでき)47歳。 「ヒデちゃんは麻雀観るの好きだよなあ」「そりゃ、好きさ。だってな、この番組作った人と会ったこともあるんだぜ。……あの頃はハッキリ言っておれは最低な人間だったけどな。でも、今になって考えたら…やあ、やっぱり最低だったよ! ははは! ……お! ケイちゃんは今日トップ取ったんだな。良かったあ。ケイちゃん良かった~。ははっ」 (このおじさんいつも丸山圭一郎プロを『ケイちゃん』って言ってるけど、なんなのかな)(分かんない)とヒソヒソと店員さんが話している。ちなみにヒデは地獄耳だ。「あのさ、ケイちゃんとおれはクラスメイトで学生時代から卒業してもずっと、いつものようにつるんでたんだよ。ユースケも一緒の3人組で。バカばっかしてたよ。ほら、今日解説してるコイツ。これ、田中ユースケな」「へえー。おっちゃんスゲーんだなー」「おれはただの何者にもなれなかった男だよ。好きだった麻雀も結局弱いし、惚れた女とも…… 結婚して子供も1人いたのに離婚するし、仕事は転々として続かない……。安アパートで一人暮らしの。ただの猫好きなおやじさ」  うつろな目をしてヒデはそう言った。その顔は決して暗くはなく、むしろ、そんな人生も悪くなかったよな。と言っているようだった。 「じゃあ丸山プロとユースケプロの他にも知り合いとかいたりしないの?」「あー、いるいる。スゲえのがいるよ。何を隠
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サイドストーリーLAST 木嶋秀樹の自慢話 後編

 サイドストーリーLAST 木嶋秀樹の自慢話後編 ────── ──────  「ハンデはあげる。君らは30000点、おれは10000点スタートでいい」 「まいりました。兄さん」 「おれたちはプロになるよ」 「木嶋、おまえも受けてみないか」             ハッ! (なんだ夢か。……ずいぶん前の記憶を見たな。コテツは悪魔のように強かったし、あのケイちゃんを従えたという人間性も凄かったなあ。 ケイちゃんとユースケはずいぶん強くなってプロになったけど、おれはずっとハンパもんだ…でも、それでも…)「……そんな生き方も、悪くはない」とヒデはポツリと呟いた。そしてモニターを見ると丁度先ほどエンディングが終わった所で次回対局の組み合わせを表示していた。 「……あー。エンディング見逃したかー」「ヒデちゃんあの歌好きだよな」「ああ、【結果論Happy End】な。あのバカバカしい軽い感じがな。(それでいいじゃないかと肯定してくれてる気がするんだよな)……帰ろ。悪いな今日も寝ちゃって。お勘定」  そう言うとヒデはポケットから財布を取り出して万券を店主に渡した。 「いいんだよ、また明日も来てくれよな」「明日は仕事ないから来ないかも。でも雀荘に遊びに行ったら帰りに寄ると思う」 
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