そして、ヴィクトが泣きに泣いてようやく涙も枯れ果てた頃。ヴィクトが顔をあげれば、ラフィが足元から消えかかる。「……ラフィッ……」「時間だね。元々私がこうしていられるのはオルドデウスの技術のおかげで、だから、もうそろそろ限界みたい」 ラフィは残念そうに微笑んだ。残念そうなのに、悔いはない。そんな笑み。「ありがとう。最後にさ、スメラギに1つお願いしていい?」 そんな申し出。そんなもの1つじゃなくてもいくらでも受ける。「ああ、なんでも……何個でも言ってくれ……」 また涙が出そうになるヴィクトに対して、ラフィは嬉しそうに微笑んだ。「もし……もし、アキミネがちゃんと約束を守ってて、地下牢でお父様が生きてたら。……私が〝ありがとう〟って言ってたことを伝えてほしいの」 本当に、本当になんの強欲さもない願い。人の子であるから、親に感謝したい、そんな願い。ヴィクトはそれすらも自分で叶えられないラフィの状況に胸を搔き乱される。だが。「ああ、ちゃんと伝える」 ヴィクトはラフィをまっすぐ見て言う。ラフィの願いだ、絶対に叶えて見せる。「あと……これはスメラギに伝えたかったこと。これは此処だけの話、誰にも言っちゃダメよ?」 凄い念を押してくる。「お、おう……?」 そんなヴィクトの反応にラフィは太陽のような眩い笑顔をヴィクトに向けて言うのだ。「愛してるわ!スメラギ。この世界の誰よりもっ!」 そうして、ラフィは光の粒子となって崩れていく。残されたのはラフィの体とヴィクトのみ。 ヴィクトは願う、いや、祈る。(もう誰も、ラフィの眠りを妨げることがありませんように)-------------------------------------------------
Terakhir Diperbarui : 2026-09-30 Baca selengkapnya