又聞きなのだけれど、その言葉に続いたのは。「クロムって全員知ってるわよねぇ?」 そんな瑠奈の確認に瑠奈以外の全員が口々に言う。「んなもんたりめェだろ」「私は直接目の当たりにしたことはないけれど」「私もー、なんかこのゲームの粛清役?みたいな?都市伝説?」「いや、姫沙羅。実在する」 皇の言葉に姫沙羅が「するんだ」なんて軽いリアクションを取って、その口々の言葉に瑠奈は少し考えるように言うのだ。「実はクロムって最初はああではなかったらしいのよねぇ」「ああ、というと?」「プレイヤーキラーじゃなかったってことよぉ」 プレイヤーキラーではなかった、それはつまり、プレイヤーキラーになった理由がある、ということ。「以前はねぇ、クロムって言ったら白い装備を身に纏ってお綺麗な騎士様みたいに品行方正でAWMプレイヤーの憧れの的だったらしいの」 あのプレイヤーキラーの黒い装備を身に纏ったクロムからは想像もつかないような印象だった。お綺麗な品行方正な騎士様。「時期は忘れたけど、ある時からクロムが神器の欠片を集めているって噂だけは聞いたわぁ。でも、その直後」 瑠奈が言葉を区切る。「白い装備のクロムは黒い装備を身に纏ってプレイヤーキルをするようになった。私はその理由に統治権、いや、神器の欠片が関わってるんじゃないか、と思ったわぁ。だから、正直手放せるなら万々歳よぉ」 瑠奈はそう両手をあげて見せる。その顔は本当に清々としてて。「ただ、集めるなら気を付けなさぁい。皇がそのせいで可笑しくなったら……面白くないわぁ」 そんな瑠奈の鋭い視線がどこか遠くを見る。 皇は黙り込む。黙り込んで自分の中で情報を整理する。プレイスタイル……というか、人格まで豹変したクロム。それを起こしたと予想される神器の欠片。(……だったら、何故、神器の欠片を集めなければいけないと、俺は思った?)
Last Updated : 2026-08-16 Read more