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All Chapters of All World My hands: Chapter 51 - Chapter 60

102 Chapters

第50話 「最後のデート」

 又聞きなのだけれど、その言葉に続いたのは。「クロムって全員知ってるわよねぇ?」 そんな瑠奈の確認に瑠奈以外の全員が口々に言う。「んなもんたりめェだろ」「私は直接目の当たりにしたことはないけれど」「私もー、なんかこのゲームの粛清役?みたいな?都市伝説?」「いや、姫沙羅。実在する」 皇の言葉に姫沙羅が「するんだ」なんて軽いリアクションを取って、その口々の言葉に瑠奈は少し考えるように言うのだ。「実はクロムって最初はああではなかったらしいのよねぇ」「ああ、というと?」「プレイヤーキラーじゃなかったってことよぉ」 プレイヤーキラーではなかった、それはつまり、プレイヤーキラーになった理由がある、ということ。「以前はねぇ、クロムって言ったら白い装備を身に纏ってお綺麗な騎士様みたいに品行方正でAWMプレイヤーの憧れの的だったらしいの」 あのプレイヤーキラーの黒い装備を身に纏ったクロムからは想像もつかないような印象だった。お綺麗な品行方正な騎士様。「時期は忘れたけど、ある時からクロムが神器の欠片を集めているって噂だけは聞いたわぁ。でも、その直後」 瑠奈が言葉を区切る。「白い装備のクロムは黒い装備を身に纏ってプレイヤーキルをするようになった。私はその理由に統治権、いや、神器の欠片が関わってるんじゃないか、と思ったわぁ。だから、正直手放せるなら万々歳よぉ」 瑠奈はそう両手をあげて見せる。その顔は本当に清々としてて。「ただ、集めるなら気を付けなさぁい。皇がそのせいで可笑しくなったら……面白くないわぁ」 そんな瑠奈の鋭い視線がどこか遠くを見る。 皇は黙り込む。黙り込んで自分の中で情報を整理する。プレイスタイル……というか、人格まで豹変したクロム。それを起こしたと予想される神器の欠片。(……だったら、何故、神器の欠片を集めなければいけないと、俺は思った?) 
last updateLast Updated : 2026-08-16
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第51話 「恋人のような行為」

〝今日だけ、ヴィクトの恋人のように扱って〟 そんなリザの言葉にヴィクトはリザを優しく抱きとめる。リザの体温からリザがどれだけの勇気を振り絞ってその言葉を言ったかが伝わって、ヴィクトの胸を締め付けた。 でも、ヴィクトには正直リザ以外に体の関係がある恋人は存在しなかった。だから、恋人のように扱う、がどういうものなのかあまり想像がついていなかった。 だから、せめて、優しくしよう、それだけは心に決めるのだった。--------------------------------------------------------------- 天蓋付きベッドの縁に2人で座る。唇をお互いに貪るように重ねて、お互いを求め合う。 舌同士がこすれれば後頭部にゾクリ、とした快楽が走り、それを求めて尚更リザの舌に自分の舌を擦りつける。 その度にリザからはくぐもった声が出て、ヴィクトのちんぽは緩く勃起をしていた。「は、ぁ……ヴィクト……私の此処、触っ、て……?」 リザの手がヴィクトの手を掴み、リザのスカートの中へ導く。下着越しに触るリザのまんこはもうかなり湿り気を帯びていて。 その事実が酷くヴィクトを興奮させる。「触る、ぞ」 ヴィクトはそう言いながら、リザの下着をずらし、リザのまんこに指を浅く挿れる。「あっ、ああ……」 リザの気持ちよさそうな喘ぎ声。これだけ濡れてるなら、指を挿れても痛くないだろうと判断して、指をリザのまんこに埋めていく。「あっ、ああっ、あ————ッ!」 リザの腰が逃げる。だが、そのことによってベッドに乗り上げる形になり、リザの足はM字開脚したパンツの隙間からまんこが覗くというとても卑猥な姿になった。「逃げるなよ、気持ちいいんだろう?」 ヴィクトはリザの後頭部に手を回し、もう一回、リザを貪るように唇を重ねる。 すると、
last updateLast Updated : 2026-08-17
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第52話 「前向きな違和感」

 瑠奈とのセックスから数日。あの日はマジで皇の精子が空になるまで搾り取られた。ゲーム内でのセックスだったというのに、そのぐったりとした疲れをログアウト後も感じるぐらいだった。 そうして、瑠奈から神器の欠片を受け取り、3つの欠片が揃った。 ……正直、揃ったから何かが起きる訳でもなく。また、皇はいつもの日常に帰っていた。---------------------------------------------------------------「愛鹿―、受け渡し終わったぞー」 玄関から戻り、リビングで作業をする愛鹿に声をかける。 今日のメインの業務は梱包作業と、午後16時頃にくる宅急便への大量の荷物の引き渡しだった。 此処最近、皇の作業速度はぐんぐんと上がり、自分でも「あれ?こんな器用だったっけ?」と思うレベルになっていた。 いや、それは愛鹿のアルバイトだけではなかった。前より、味というものが分かるようになった。それは薊の料理を食べていて分かったことだが。それ以外にもスタミナが持つようになったり……考えすぎのようだが、まるで神器の欠片の個数によって能力が解放されているような感覚があった。 そんなことを考えながら、声をかけても返事もせず黙々と集中して作業をする愛鹿のために、暖かいお茶を淹れる。(えーと、今日のお茶請けは……) 冷蔵庫を見ると信玄餅が入っていた。それを皇は取り出し、小皿に適当に盛り付ける。 そうして、キッチンからトレーにマグカップと信玄餅の乗った小皿を乗せて食卓に置いていく。 そうして、配膳が終わって愛鹿を見れば———愛鹿が机に突っ伏していた。「愛鹿!?」 皇が名前を呼べば、かろうじて上がる片手。「ごめんなさい、ちょっとあまりにも忙しすぎて現実逃避していただけよ」「いや、うん、程よく休んでくれ……」「スケジュールがそれを許さ
last updateLast Updated : 2026-08-18
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第53話 「この世界の異物」

 ———都内、山手線内。  ついにこの日が来た。薊の伝手で神器の欠片を解析してもらう日が。 向かっているのは都内にある某大学。そこで、八坂 九重教授と言う人が神器の欠片の解析を行ってくれるらしい。 山手線に揺られて、皇は少し緊張していた。 だが、そんな皇の心境を嗅ぎ取ってなのかなんなのか。薊はいつも通りの調子で言うのだ。「まー、正直どうなるか分かんねェけどよォ。んなキツい人じゃねェし、緊張しなくていいと思うぜェ?」「て言われてもなあ……」 皇の愛用しているデメテールを厳重に入れた紙袋を持つ手に少し力が入る。「池袋だからよォ、帰りに牛タン食っていこうぜ!美味い店があんだよ、今日は俺が奢ってやる」 そんな薊の気遣い。嬉しくない訳がない。だけど、やはり緊張が勝って。でも、薊の気遣いを無碍にもできなくて皇は笑う。「ぜってー奢れよー?」 そうして、山手線は池袋着を告げる。某電気屋さんの広告BGMが聞こえてきた。--------------------------------------------------------------- ———某大学。  池袋駅から徒歩15分ほどにその大学はあった。正直、都内、池袋でこの立地を維持していることに驚きしか出ない大学で。 薊が警備員さんに受付を済ませれば、入館証を皇に手渡す。 それを2人して首から下げて広大な敷地内を歩く。その間はしょうもない雑談をして10分ぐらい歩いただろうか、というところに白いまだ新しく感じる建物があった。「お、此処だな。新館3号棟」 そう薊が入口の看板とリムレットでなにかを見ながら確認する。そうして、そのまま進んでいけば、4階———八坂《やさか》研究室と書かれた扉を薊が叩いた。「八坂さーん、薊ですー」 そう
last updateLast Updated : 2026-08-19
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第54話 「10分、6000万ネント」

 ———AWM内。  ヴィクトとアザカはAWM内の様々なワールドでクロムのことを探った。 マザーグースの老舗の店から始まり、デストロイアのBarに行き、そしてオアシスの情報屋に辿り着いた。「クロムねぇ……」「なんでもいいんだ。クロムのことを知っている人とか、追える限りの足取りとか」 ヴィクトの言葉に、情報屋は葉巻の煙を吐き出しながら言う。「まあいい。隠すような情報でも大して探るような情報でもねぇ。……5万ネントで情報を渡してやるよ。買うか?」「買う」 即決だった。皇は5万ネントを情報屋に送信する。そして、情報屋がそれを確認すれば、情報屋はヴィクトのチャット欄にメッセージを送ってきた。「……永夜都市《えいやとし》・主人帝《しゅじんてい》……紅華《べにか》……?」「クロムの元パーティーメンバーのうちの1人だ。そして、1番クロムに信頼されてた女。そいつならクロムのことを知ってるだろうよ」 その情報屋の言葉にアザカを見る。「聞いたことがある。主人帝の今の統治者、だよなァ?」「おう、そこのにーちゃんは分かるじゃねぇか。俺からはこれ以上の情報はねえ。行きな」 そうして、情報屋の営業している穴倉から追い出される。 そして、アザカが大きなため息をついた。「……仕方ねェ。腹括るか」「ん?そんな覚悟が必要なところなのか?」「いや、覚悟とかじゃねェ。俺も正直主人帝のことは噂程度にしか知らねェんだけどよ……主人帝はネントが物を言う世界だ」 それは大分このゲーム全体的にだと思うが。「永夜都市、っていう名前に恥じねェワールドで、常にこのワールドは夜。分かりやすいイメージは夜の新宿歌舞伎町だ」 あー、それで
last updateLast Updated : 2026-08-20
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第55話 「愛鹿と瑠奈の共闘」

 その日もいつも通り、嬉嬉軒をたまり場にしていた。ランチとディナーの間の休業の時間、メンバーが続々と嬉嬉軒に集まる。 ちなみに、メンバーと言っても全員ではない。薊は今日はランチタイム時間のシフトということで間に合わないのであとで話したことを共有してくれ、と言われた。 そして———。「ふふっ、ちょ、ちょっと待って頂戴……」「うん、少し待って、ほんとに5分でいいから……」「皇って、本当に……んふふふっ」 瞬間。全員が弾けたように大笑いを始めた。(こんなに笑われるのか……) 悲しい気持ちになりながら、愛鹿、姫沙羅、瑠奈の大笑いを聞く。愛鹿は机に突っ伏して。姫沙羅は机をばんばん叩きながら、瑠奈に関しては皇の顔をチラチラ見ては何かを確認して大笑いをしていた。 三者三様の爆笑。「だ、だって、俺たちがやらなきゃクロムの情報に辿りつけねーんだ!でも、女性に水商売なんてさせられねぇだろ!?!??!?!」 皇、必死の弁明。 だけど、笑いは収まらない。「言えば、うちの女の子たち派遣したのにぃ……」 瑠奈のその言葉に「うっ」となる。それは考えてなかった。考えてなかったけど。「いや、だってよ。女性に水商売行かせる男ってやべぇじゃん……」「その健全な考えがある時点で向いてないわよ、水商売」 愛鹿の言葉にまたもや「うっ」となる。「あたしはホストとか行ったことないから想像だけど、女の人口説くんでしょー?皇は無理そー」「女性の機微に疎い皇なんて3日でクビよぉ」 酷評である。(そんなに俺は女性を口説くことができないと思われてるのか……?) いや、できるかできないかで言われたら正直できない。瑠奈の前に元カノが数人いたけど、散
last updateLast Updated : 2026-08-21
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第56話 「クラブ デスサイズ」

 さてさて。「未経験?現実でも?それじゃぁなあ……」「うちは新人育成機関じゃねぇんだ」「ちょっと夢見すぎじゃないかな」 まず、体験入店をさせて貰える店が圧倒的に少なかった。最初の面談の時点であーだこーだ落とされる。 そうして、最後に辿り着いたのが店舗規模の大きい「クラブ デスサイズ」という店だった。「え?未経験?紅華に会いたくてこっちの業界?ウケるー、日給出すから今日働いて向いてそうだったら在籍すれば?」 そんな金髪のTHE・チャライケメンという風なオーナーさんに拾われた。「ウチ、上下関係厳しめだけど、大体愛の鞭だから分かってくれると嬉しいよ。貸衣装なんだけどー」 そんなオーナーさんにヴィクトとアザカはバックヤードを案内される。「……軽い、な……?」「いや、ああいう手合いの人の方がこェえ」 そんな小声での会話。オーナーさんは鼻歌を歌いながら、貸衣装をヴィクトとアザカに宛がってくれる。「ヴィクトくんはこれかな。髪色が明るいし、顔がやんちゃ系だから前ボタンは少し開けてね」 そうしてスーツが一着手渡される。遊城の家で着ていたものほどではない、当たり前ながら。「逆にアザカくんは大人っぽいからね、お兄さん売りしていい感じに女の子メロつかせちゃってよ」 そうしてアザカにもスーツが手渡され、バックヤードで着替えること数分。 スーツ自体は遊城の家で着ていたから、手慣れたものではあるんだが———。「プッ、ヴィクトくんってもしかして育ちいい?」 オーナーさんはそう笑えば、ヴィクトのスーツの着こなしを少し崩していく。「やんちゃ系って言ったでしょ。本当にこの業界の子じゃないんだね。紅華も罪な女だ」 そんなことをしみじみと言いながら、オーナーはヴィクトの胸を叩いた。「期待してるよ、ヴィクトくん」 &hell
last updateLast Updated : 2026-08-22
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第57話 「ケースバイ双鹿」

 それから。 双鹿もヴィクトの現状は理解してくれている訳で、寝る時間以外はヴィクトはAWMにログインして主人帝でホストとして働いていた。 ———すると。「ヴィクトさん、奥のVIP個室、次お願いしまーす」「はーい、……はい!?」 ヴィクトは黒服をもう一回捕まえる。「すみません、どこか聞こえなくて……!」「あはは、音ヤバいですもんね。奥のVIP個室です。防音なんで此処よりは会話楽ですよー」 おー、聞き違いじゃなかった。VIP!?あの、1セットで数万ルームチャージ料がかかるVIP個室!?!?!どんな富豪が、どんな酔狂でヴィクトを指名したのかばくばくと心臓を高鳴らせながら高価な店内を歩いて行く。 そして、VIP個室の扉を開け———。「どうも、ご指名ありがとうございます。弟系ホスト、ヴィクトです」「ぶふっ……」 ……ん?「本当に……ホストやってるッ……!」 そう、声を震わせる。その声は……双鹿だった。「ごめん、ヴィクトくん。3分頂戴」 そして、双鹿はお腹を押さえて震え始めた。盛大に笑っている、もうヴィクトが悲しくなってしまうぐらいに笑っている。(そんなに面白いか?俺のホスト)「ふっ、ふ……」 3分後。「はー……笑ったわ。いい刺激をありがとう、ヴィクトくん。凄くインスピレーションが沸いたわ」「そんなインスピレーション捨てちまえ」 そうツッコみながら、双鹿相手に距離を詰めるのもアレな気がして近くも遠くもない距離に座る。「はー、とりあえず注文しようかしら。ヴィクトくんおすすめは?」
last updateLast Updated : 2026-08-23
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第58話 「ケースバイリザ」

 その日もまた。「ヴィクトさーん、指名入りました!VIP個室の方お願いしまーす!」「また!?」 ヴィクトはツッコんだ。また、双鹿か?というか、この頻度でそんなバカスカ課金して大丈夫なのか!?と。 ちなみに、この間の大量のアルコールは頼むだけ頼んで少し飲んだだけで放置して双鹿は帰った。 本人曰く。〝ネントは払うわ。売り上げに貢献したくて来ただけだから〟 その双鹿の言葉を聞いた時、「ああ、これ普通だったら神客って言うんだろうな」とぼんやり思った。 ちなみにその後先輩方に突きまわされた、〝あのマザーグースの双鹿とどういう関係だ〟と。 そんな出来事からちょっとしてのVIP個室呼び出しリターンズ。 ただ、一応双鹿じゃない可能性もミリで存在しているため、ヴィクトはVIP個室の前である程度身なりをただし、ドアを開ける。 ———すると。「遅いわぁ。姫を待たせるなんてホスト失格ねぇ」「……リザ!」 そこには足を組んで腕を組むリザが居た。ばいんばいんなおっぱいが腕に乗っている。「ひ・め。……いや、同じ呼称をされると特別感が消えるわあ……リザ様。そうね、それがいいわあ」 リザが手をぱん!と叩く。どうやら、リザはリザ様と呼ばれることを望んでいるらしい。 だが、リザがこんな高い部屋をチャージ料まで払って指定してきたってことの意味を考える。流石に、これでなにも言うことを聞かないは人間としてない。「リザ様」「はい、じゃあ、ホストのヴィクト。挨拶をして」 ご主人様が、犬に命令するような口調だった。「ご指名ありがとうございます。弟系ホストのヴィクトです、今夜は一緒に盛り上がろうぜ?」 すると、リザが膝の上に肘をついてヴィクトを上から下まで見て言うのだ。「長男がなに言ってるのかしら」「マジレス辞めてく
last updateLast Updated : 2026-08-24
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第59話 「億プレイヤー・アザカ」

 さてさて。クラブデスサイズで働き始めてそこそこ。結局ヴィクトにはリザと双鹿以外の固定客はあまりつかなかった。 やっぱり、此処は夜の街。酒を飲んで言った言葉をアテにしちゃいけないね!なんてことを学びながら今日もヴィクトは働く。---------------------------------------------------------------「ヴィクトくーん、姫たちに営業かけてるー?」 バックヤード、ヴィクトの肩にオーナーの腕が乗る。「え、かけてますけど……?」「俺的にはさ、もうちょいかけて欲しいんだよねー。あの双鹿とリザからはもう少し引っ張れると思うんだよ」 ああ、そう言う話。「まあ、それ以外にもリザや双鹿並みにお金を絞れそうな姫を作れればいいんだけどね。ヴィクトくんなかなか固定作れないからなー……あ、今度俺主催の講座参加してみてよ。ネントは取らないからさ」「オーナー主催の講座、ですか?」 そんなものがあったのか、そんな気持ちでヴィクトが聞き返せばオーナーは気分よさげに笑うのだ。「あるよぉ。姫の育成方法とか、やりやすい営業方法とかちょっとコアなのだとDV営業とか。これを受ければヴィクトくんも一流のホスト……なんてね」 DV営業はちょっとやりたくないけど。「じゃあ、是非、お願いします」「おーけー、参加名簿に入れておくね~」「あ、……ちなみになんですけど」 ヴィクトが声を潜めれば、オーナーも声を潜めてくれる。「え、なになに、内緒の話?」「いや、内緒って程じゃないんですけど……」 ヴィクトはちょっと考えて切り出す。「あの、アザカは講座受けなくてもいい感じ、なんですかねぇ……?」 そんなヴィクトの問い。そんな問いかけに、オーナーは一瞬目を丸くしてそして爆笑した。
last updateLast Updated : 2026-08-25
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