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All Chapters of All World My hands: Chapter 71 - Chapter 80

102 Chapters

第70話 「遊城の家の思惑」

 ———数日後。  悠理、いや、ゲームでのプレイヤー名はレインブラ。双鹿、銃姫、リザとレインブラとヴィクトのスケジュールの兼ね合いを見た結果、集まるのはあの再会の日から1週間後となった。 そして、今日ついにヴィクトのホームに一同が介する。 ヴィクトはこの日のために、窓の外を夜景の見える南国にし、部屋の中をモダン調の家具で整えた。「あらぁ、私たちが来る時よりはりきってるじゃなぁい」 リザがでかめのソファで足を伸ばしながら、言う。「いや、なんというか……妹には見栄を張りたいんだよな」 ちなみに今はリザと2人きりだ。双鹿も銃姫もそれぞれあと30分もすればログインしてくるだろう。「妹ってあの子でしょう?灰色のくすんだ髪の子」「あ?ディスってんのか?」「違うわよぉ。遊城の家じゃ目立つ子って話よぉ……そう、あの子がAWMにねぇ……」 リザが背もたれにもたれながら少し遠くを見る。「なんだよ、含みがあるな……」「いいえぇ?べっつにぃ……あるけど」「あるんかい」 皇は思わずツッコんだ。リザは自身の爪を見ながら言うのだ。「元大旦那様はあの家がただのトロフィー欲しさに統治者やれなんていうと思ってる訳ぇ?」「……なんだよ、遠回しな……」 そう言われて少し考える。確かによくよく考えれば妙だ。 統治者を遊城の家から排出したいのなら、適当に政治ができる人間にやらせればいい。だが、ゲームに卓越した悠理を選んだということはその先の目的があることを予感させる。 ヴィクトは口元を押さえた。「まあ、ただの杞憂だったらいいんだけどぉ」「このAWMというゲームのそもそもの成り立ちに遊城の家も一枚噛んでる、とかか?」
last updateLast Updated : 2026-09-05
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第71話 「レッスンtoレインブラ」

 それから。レインブラは双鹿、銃姫、リザの話を熱心に聞いて。その様子はまるで新人研修を受ける新人のようだった。「……やはり、ある程度のカリスマ性は必要なのですね」「そうね。うち……マザーグースなんかは……自分で言うのは恥ずかしいのだけれど、私の求心力でやっているようなものだから」「うーん、正直うちもそう。プレイヤーに愛される統治者であることってかなり大きいと思う。……ちなみにリザのところは?」「うちは、正直人口が増えたのも最近だしアテにはならないかしらぁ。でも、こま目にイベントを開催したりして、プレイヤーが離れない工夫は絶対的に必要よねぇ」 普段和気藹々としているメンツでも、こんな真面目な話ができるのか、という感動と共に、友人と義理とは言え妹が和やかなに話しているというのは大変眼の保養になった。「ちなみに、最初のプレイヤーの呼び込みってなにをしました?」 そんなレインブラの質問に、3人は微妙そうな顔をする。「それは正直、リザのところ以外アテにならないかも……」「銃姫に同意だわ。マザーグースやデストロイアって本当にAWM当初にできたワールドなのよね……」「で、そんなリザさんは……?」「私の場合は有名プレイヤーに頼ったわあ。ヴィクトっていうんだけどぉ……」 そんなリザの言葉にレインブラの視線がヴィクトに向く。ぐりん、と。お、おう。 だが、すぐにリザに視線が向きなおって。「有名プレイヤーを……ちなみにどういう風に使われたんですか……?」「義妹さん。ヴィクトと違って頭かったいわねぇ……俗に使うのよ。所謂、コマーシャルプレイヤーってこと」「コマーシャル……え、と…&helli
last updateLast Updated : 2026-09-06
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第72話 「VS元執事」

 そうして、悠理とも密に連絡を取り合うようになった。主だったことは、どういったイベントにするか、どういった形式がウケがいいか。報酬は、などなど。 だが、同時に皇は思い悩んでいた。--------------------------------------------------------------- ———薊の病室。 皇は薊の病室で、椅子に座りながら定期的な報告を終わらせる。聞こえている訳がないことは分かっている。 だけど、薊が生きていることをちゃんと確認したくて、でも、無言で帰るのもアレで。結局、椅子に座ってその近辺であったことを話すのが習慣になってしまった。「なあ、薊。俺すんげー悩んでるんだよ」 もちろん、返事はない。心拍も乱れないし、脳波も動いてないことから本当に声が届いてないことを知る。「妹と再会してさ、俺、ちょっと元気になったんだけどさ」 髪の毛をくしゃり、と握る。「あ、いや、薊が居なくていい訳じゃないんだけど……つーか、悩んでるっていうより、勝手に胸を痛めてるって言う方が正しいな」 そう自嘲する。これから起こす事柄を勝手に悲観して、勝手に胸を痛めている。なんて無駄な行為だと皇は自分のことながらに自嘲するしかなかった。「俺さ、薊もクロムも取り戻すために悠理の神器の欠片を奪うよ」 一拍の間。「兄として最低だよな……正直、上げて落とす行為だって分かってる……」 でも、返事は帰ってこない。薊の表情は何1つ変わらない。 薊はなんて言うだろうか。それを想像しても、どれも自分に都合のいい言葉しか思い浮かばなくて。 薊に「いや、てめぇ、流石に俺はそんなこと言わねーぞ……」と呆れられる気がして考えるのを辞めた。 皇は静かに立ち上がる。皇は皇の願いのために、悠理から神器の欠片を奪うことを決めて。-------------
last updateLast Updated : 2026-09-07
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第73話 「兄として、妹として」

 ———AWM内。ヴィクトのホーム。「って言うことがあって……」 樺子の襲撃の件をログインした双鹿に話せば。「……二重にも三重にもよろしくない状況ってことね」 双鹿ははあ、とため息をつきながら紅茶を淹れる。ちなみにこの紅茶は双鹿の持ち込みだ。マザーグース産のクッキーの香りが楽しめる紅茶。 ちなみにヴィクトもご相伴にあずかっている。「まあ、家の重大なプロジェクトとやらは妹さんに聞けば出てきそうだけれど。あの子、相当ヴィクトくんのことが好きなようだし」「そうかあ?流石に家の内緒ごとは漏らさないと思うけどな。俺ももう一応部外者だし」「試しに聞いてみたら?」「いや、それ聞いたら樺子に襲われたこと話さなきゃいけなくなるだろ」「なに、話したくないの?」 そんな双鹿の指摘に言葉に詰まる。言いたいか言いたくないかで言ったら言いたくない。というか、執事をボコしたとかイキってると思われそうで普通に嫌だ。というか、喧嘩をしたこと自体がイキってると思われそうで嫌だ。 そんなヴィクトの沈黙をどう受け取ったのか、双鹿が紅茶を啜りながら口を開く。「……それ言われない方が嫌だと思うけど」「え?」「ヴィクトくんがなにを考えているのかは知らないけど、妹さん的にはヴィクトくんが傷つくことがあったかもしれない、という事実を知らない方が嫌な気持ちになると思う、って言ったのよ」 そんな双鹿の指摘に唇を尖らせた。ヴィクトも紅茶を啜って、クッキーをさくさくと食べながら言う。「そうかぁ?兄貴がおやじ狩りしたとか知る方が恥ずかしくないか?」「ない。だって、その執事さんは遊城の家でも武闘派の人間だったのでしょう?それに襲われたと知ったら、真っ当な人間は恥ずかしいという気持ちより心配の方が勝つでしょう」 その双鹿の言葉には一理あった。きっと、レインブラは泣きそうな声で言うのだ。〝兄さ
last updateLast Updated : 2026-09-08
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第74話 「ドールランド」

 ———AWM内・機械仕掛けの絡繰り・ドールランド。 「さぁて!心機一転統治者が変わってからのドールランドでの初イベントだァ!実況はあらにゃんこでお送りするぞォーっ!」 そんなもう実況解説でお馴染みのあらにゃんこの声が響く。 今日は、レインブラ主催の初イベント日。事前に、ドールランドの中を見て回った印象は、ちょっとゾッとするワールドだな、だった。 西洋アンティークというか、マザーグースはぬいぐるみという感じだったけど、ドールランドはまさしくドールと言った塩梅で。 建物も近代ヨーロッパのようで。悪役令嬢とか居そうですね、という感じだった。 そんなドールランドでのレインブラ主催の初イベントは「貴方に捧げるご奉仕人形」というイベント名だ。「イベントのルール説明だーっ!」 ドールランド内の上空を飛ぶスピーカーからはあらにゃんこの声も響いて。ちなみに、プレイヤーの入りもなかなかいい感じだ。まあ、なんていったって———。「イベント内容は簡単!最近話題のルーキー、ヴィクトと1対1で戦って、勝てばいい!それだけでーっ!なんと!統治者・レインブラが統治の力で作るドールが貰える!なんて太っ腹!あ、いや、レインブラ様が太ってるって訳じゃなくてね?」 そう。勝つだけで貰えるドールこれがなかなかいいもので。適合率50%ぐらいのプレイヤーと同じ動きをするドール。しかも自動人形。戦い以外にも愛玩にしてもよし、なにか作業を肩代わりさせてもよし、というなかなかいい作品だ。 しかも、双鹿に聞いた話だが、AWM内では最近新しい統治者……つまりはレインブラの人形はこれからの流行を作ると噂になっていたようで。 それに加えて、噂のルーキーことヴィクトと一戦交えることができる、そんな噂が人を呼びに呼んで……ヴィクトはかなりの回戦数をこなすことが確定していた。 ヴィクトはレインブラに用意してもらった部屋の窓からあらにゃんこの実況を見ていると、銃姫がワー
last updateLast Updated : 2026-09-09
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第75話 「レインブラの一閃」

 ———主催席。 観客席の人間は騒然として我先にと逃げ出した。「あれが……」 レインブラは目を見開いた。噂には聞いていた、クロムと言う殺した相手のアカウントをBANする謎の力を持ったプレイヤー。 そして、なによりヴィクトに謎の執着を見せるプレイヤー。何度もヴィクトの前に姿を現し、その度に苦しんで撤退していくプレイヤー。 そんな存在がまたヴィクトの前に姿を現した。ヴィクトに危機が迫っている状況をレインブラは看過できない。 レインブラがマイクに手を伸ばそうとする、すると。「お嬢様。茜様から通達です。おとなしく見ているように、と」「え……?」 レインブラは目を見開いた。一体、何を言っているのだ、と。他のプレイヤーに対して圧倒的に危害を加えるプレイヤーが乱入してきて、イベントどころではないのに、おとなしく見ていろ?それは、つまり。(……あの男は……遊城の家に関係しているものの差し金) レインブラのそれはほぼ確信に近かった。(……兄さまッ……) 今のレインブラには多分降りてきていない情報がある。それを知り、尚且つ、この包囲網を抜け出さなければ、ヴィクトを助けることができない。 レインブラは歯噛みして、椅子の肘置きをきつく握った。--------------------------------------------------------------- ———コロッセオ、中央。 「らぁっ!」 見えて、いた。クロムの剣筋が、クロムの足遣いが。 ヴィクトは剣でクロムの剣を受け流し、切りかかる。だが、それはあっさりとクロムに避けられる。 ヴィクトは感じた、可笑しい、と。クロムは近衛騎士である。王国の剣
last updateLast Updated : 2026-09-10
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第76話 「ほっぺたへのちゅー」

 クロムの乱入と言う事件があったものの、無事にイベントが終わった。双鹿や銃姫、リザのおかげであのあと観客を戻すことに成功し、コロッセオの中でヴィクトは再び戦った。 結果、30戦29勝。いいスコアだ。あ、勝ちに含んでない1回はクロムのことだ。「では、是非、ドールランドのことをよろしくお願いします!」 そんなレインブラの言葉と同時に、花火があがる。フィナーレの花火。そんな色とりどりの火花を、ヴィクトは双鹿たちとともに控え室から見上げていた。「ヴィクトお疲れーっ!全戦全勝じゃん!」 そんな銃姫の体当たりのような肩パンによろけながら苦笑する。「いやいや、1戦はノーカンだろ」「なに言ってるのよ。クロム相手に引けを取らなかったじゃない」「でも、勝ってはいないだろー」 そんな会話をしていると、控え室の扉が開いて。そこには笑顔のレインブラが立っていて。「皆さん、今日はお疲れ様でした。お助けいただき感謝です」 そうレインブラは微笑んだ。だが、そんなレインブラの微笑みを見て複雑な表情をする人間が1人。ヴィクトだ。「いや……」「ん?どうしましたか?兄さま」「いや、うん、すまん。さっきの件でレインブラの立場が……その、悪くなったよな?」 そんなヴィクトの確認するような声に、レインブラは軽く目を見開き、くす、と笑った。「いいえ……私、今回のことで決めたことがあるんです」 そうレインブラが微笑んだ。そのレインブラの瞳には強い、意思が宿っていて。「え?」 な、なにを?そんなことを思いながらレインブラを見れば、レインブラは……微かに怒気を纏って言うのだ。「私、遊城の家を出ていきます。なんですか、あの陰湿な家。同じ家族だと思われたくありません」「…………え?」 皇は思わず固まった。ん
last updateLast Updated : 2026-09-11
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第77話 「襲来オブザ悠理」

 ———現実世界。薊と皇の部屋。  その日もその日とて、皇はのそのそと起きていた。愛鹿のところのバイトもない日はお昼過ぎに起きて、薊が残してくれていたレシピノートから自分でも作れそうな、技術の要らなさそうな軽食を選んで作るのだ。 でも、相変わらず味は微妙で。というか、薊の作ってくれるご飯が美味しすぎたのだ。あんなもんに慣らされたら並大抵のメシは「普通」になってしまう。(ん?ということは俺お婿に行けない……!?) そんなことを1人、ふざけて思いながら今日の朝ご飯。鯛の刺身のなめろうを乗せた出汁茶漬けをかきこむ。(これもなーんか、薊が作った方が美味しかったんだよな……なんだろ、隠し味とかあんのか?) それとも、味見して直感で味を調整しているとか。なんとなく、薊のそんな姿が想像できてしまう。 そんなことを思いながら、朝のニュースを見れば———。『ニュースです!遊城家から2人目の勘当です!』「おーおーおーおー……」 悠理のことがニュースでやっていた。でも、悠理はニュースで取り上げられるのは二回目だ。あの、遊城の家に義理の娘が入ったと取り上げられたことがある。 そこに映る、実父は皇の時のように悪い点を挙げへつらうことなく簡素な事実のみを言って退場していった。なんとなく皇の胸がスカッとした瞬間だった。(だろうよ。義理の娘に愛想つかされて出ていかれたなんて言えねーよなァ!?) なんとなく勝ち誇った気分になる。でも、こうして、悠理も自由になると思うとホッとするやらなにやら。 ちなみにあのイベント後はぽつぽつと1日に1回程度のリムレットでのやり取りが続いていた。 決まって、深夜1時ごろ前日の会話の続きが投下される。多分それは寝る直前までなにやら忙しいということなのだろう。そして、寝る直前に少しだけ会話をしてくれている。 そんな大事な時間を皇に割いて
last updateLast Updated : 2026-09-12
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第78話 「ちょっと笑えない陰謀論」

 ———薊の病室。 その日も全てが相変わらずだった。薊は穏やかに眠っているようだし、そんな薊に皇は「起きろよ」って少し腹立たしくなってしまうし、その日食べた朝食は相変わらず微妙にうまいとは言い難くて。薊のベッドの前で、点滴につながれた薊に独り言を喋るだけ喋って複雑な気持ちを抱えて帰ろうとした時だった。「あ、ヴィクトくん」 その声に、顔をあげれば。「紅華さん……」 現実で皇のことをヴィクトと呼ぶ数少ない、というか正直他に居ない。ゲームと現実は別だからね!でも、今更紅華に「皇くん」とか呼ばれるのも想像できなくて、なんとなくそのままになってしまっていた。「今時間大丈夫?」「え、ああ、俺は全然……」「奢るわ、カフェいきましょ」 そう、紅華に連れられて病院内の最上階に位置するカフェに移動することになった。--------------------------------------------------------------- ———カフェ・レイヴ。  カフェ・レイヴ、薊の見舞いに来るたびにエレベーターの標識のおかげで存在は知っていたが、立ち寄ることはないだろうな、と思ってたカフェだ。 そのカフェは入院患者とその家族のためにあるらしく、メニューは病人でも食べられるものまで取り揃えられていた。 まあ、だが、病院のカフェ。あまり人は入っておらず、店員さんがいい感じにお互いの話が聞こえないそんな距離に客を点在させてくれていた。 皇と紅華が通されたのは、一番窓際の席。この時間帯は夕日が入ってきて、なかなかに眩しく、ちょっとブラインドを下げさせてもらった。「まずは義妹さんの件、報告ありがとう。感謝するわ。で、私から義妹さんにコンタクトを取ったのだけれど……」「悠理に?」 皇がカツサンドを持とうとした手が止まる。
last updateLast Updated : 2026-09-13
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第79話 「魂の居場所」

 ———AWM内、ヴィクトのホーム。  その日も例の如く、ヴィクトプラスいつもの面子が集っていて。 ヴィクトはとりあえず、夕方紅華と話したことを全員に共有する。「……あの、すっごい今更な話していいですか……?」「ん?どうした、レインブラ」 レインブラが大変申し訳なさそうな顔をしている。ヴィクトが首を傾げれば、レインブラは声を絞り出すように言った。「あの、あまりにも紅華さんに貰ったタルトが美味しすぎて吹っ飛んで言い忘れてた情報があるんです……隠す気なんて一切なかったんですが……」 ほうほう、そんな美味しかったのか。そのタルト。「リザ」「ええ、あれはぁ……なんか違うこと考えてるわねぇ……」 双鹿とリザがひそひそと話し始める。そんなことないやい!「そもそも、根本的に私、聞きかじったことがあったんですよ。デメテールを用いた人民の意思の操作……?みたいな話。あくまで廊下を歩いていた時に漏れ聞こえてきた程度なんですが……」 ちゃんと聞いておけば、と頭を抱えるレインブラ。いやいや。「そこを聞いてるだけでも全然。俺から紅華さんに話しとく」「申し訳ありません……でも、実際、当時の私は〝そんなことできる訳がない〟と思って流してたんですよね……」「まあ、そう考えるのが妥当だよね。正直スケールでかすぎて、頭痛くなってきたし」 銃姫がこめかみを押さえながら言う。「でも、そんな実験をプレイヤーでやったら違法どころの騒ぎじゃないわ。クロムみたいに、この世界に戸籍がないとか言うならともかく……」 そんな双鹿の論理的な声に、それも確かに、となる。だ
last updateLast Updated : 2026-09-14
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