創作の街(ヤンガミ)…。 神が地上に国を創造した時、まず作ったのが、ここ(ヤンガミ)と言わている。 太古の昔、空にあった大国と親交を深め、歴代の空の継承者を育てる場所だったとか……。 それもこれも全て、カタリナが地下神殿で知ったことであり、亡きロシェの口から聞いたわけではない。 しかし、神殿に残されていた空の物語が真実であるのならば、ロシェの血を引く娘のルーナには深く関わってくる。 15年間。そのことについて目を塞いで生きてきた。夫ロシェという大きな対価を払う形となってしまったが、この国は大きく変わった。 15年という月日で、かつて争いの絶えなかったスカーデッド王国は、平和と花の国アルフレアへと変貌を遂げている。 カタリナは(アルフレアの英雄)なんて呼ばれているが、正直そんなことはどうでも良くて。 今日!まさしくこの日に15歳の誕生日を迎える娘のルーナを…。 空の導き通りヤンガミへと連れていくかの岐路に立っていた。 「お母さんどうしたの?」 せっかくの誕生日に、ボーッと考え事をしている母に、ルーナは少し怪訝そうに聞いた。 「あ!ごめんごめん。ルーナ。お誕生日おめでとう。」 あまり料理は得意ではないが、お菓子屋のエミリに手伝ってもらいながら、ルーナの好物を並べた。 「お母さん。何か隠してるでしょ?」 ルーナは随分と母親似のようで、勘が鋭い上にズバッと聞いてくる。 「とりあえず食べましょ。話はそれからね。」 「わかった。いただきます。」 妙な緊張感が2人の食事を包んでいた。 ルーナは、とにかく自分の誕生日に集中してくれない母親に少しの不満を持っている。 カタリナは、娘を危険に晒すかもしれないヤンガミへの訪問が気がかりで仕方ない。 黙々と進む誕生日に救世主が訪れた。 「やっほー。ルーナちゃん!誕生日おめでとう!」 登場と同時にクラッカーを3発も打ち上げたのは、カタリナの親友エミリだった。 「エミリさん!!わぁ!綺麗!ありがとうございます。」 「ふふふ。どういたしまして!それより。せっかくの誕生日に何辛気臭い顔してんのよ2人とも!!」 「あぁ…。すまない。私が空気を作るのが苦手で…。」 カタリナがそう言うと、エミリは笑って答えた。 「ぶち壊す方が得意だもんね!!」
Last Updated : 2026-06-30 Read more