LOGIN炎の巫女カタリナは、亡きロシェとの子ルーナと共に平穏な日々を過ごしていた。 ルーナの15歳の誕生日、カタリナはルーナに父親のことを教えるため、空の民に縁のある国ヤンガミへと連れていくことにする。 暗躍する組織。魔界。空の王。炎の巫女。そしてルーナ。 新たな戦いが始まる。
View More「さて。これからどうしようかな。」バルドレは天馬を空に向かって進ませている。しかし先程のルーナの一撃で、一時的に脅威は去ったとは言え油断は禁物。すぐにでも空の王と接触して、この記憶の墓地から脱出したいところだが…。「ルーナ。傷は大丈夫かい?」「だいぶ落ち着いた。」ルーナの回復力には驚かされる。ラオムの拳をまともに受けた時は、全身が悲鳴をあげている状態だったにも関わらず、そこ30分程度で、ある程度動けるほどになっているのだから。「キミはホントに不思議だね。」「バルドレもね。」ルーナの言うとおり、たまたま本屋で出会い、たまたまヤンガミに眠る宝具が使えただけなのに、ルーナと共に命を賭けているのだから不思議なものだ。「とにかく空に向かおう!空の王って呼ばれるくらいだし!きっと空にいる!」バルドレがそう言うと、ルーナは頷いた。浅い考えだとは思うが、なんとなく理にかなっている。可能性は高さそうだ。しかしルーナにはそれ以上に、ラオムが気がかりで仕方なかった。雷炎の龍をぶつけた時に、あの化け物は笑っていたように見えたからだ。それも当然で、太古の昔から空の王と激しくぶつかり合っていたこともそう。15年前に、その存在だけで国を壊滅させたこともそう。全て今のルーナの全力ごときでどうにか出来るわけがない証明となっている。「バルドレ。とにかく急いで空に向かおう!」「もちろん!」「でも気をつけて。いつまたあの黒いサークルが現れるかわからない。」「だよねぇ。あれだけ幻想的な一撃を見せてもらったから言いにくかったけど。あの化け物は、仕留めれていないよねぇ。」「当然だ。時間稼ぎにしかならない…。」ルーナの悔しげな表情が切なかった。「気に病むことはないよ。そのおかげでこうして生き延びれたわけだし。ほら?言ったでしょ?生き残ることが勝ちなんだって!」バルドレは、あえて陽気に振舞った。かなり空の奥地まで登ってきたようで、雲が下に見えている。「どこまで行けばい
ルーナには何が起きたのか理解できていなかった。ただ気づいた時には、瓦礫の上に倒れていた。全身が痺れるように痛む。内臓にもダメージが及んでいるのか、呼吸すらも苦しい。たった一撃。されどその一撃が、致命的なモノとなる。古の機械ラオムの恐ろしさは理解していたはずだった。でも…。それは想像を遥かに凌駕していた。「おまえ。炎と雷を使ったな?」塔の上の男の声だ。「おおかたあの忌々しい炎の巫女と空の王の娘。と言ったところか。」ルーナは気持ちで立ち上がる。「俺も。そこの古の機械も。おまえの両親には恨みがある。こんなところで憂さ晴らしができるとはな。」塔の上の男は高らかに笑った。バルドレが駆けつけてルーナの横に立った。「ルーナ。大丈夫なのかい?」「…なわけないでしょ
「まったく。次から次へと不思議なことばかりで頭が混乱しちゃうよ…。」バルドレは腰を抑えながら呟いた。「巻き込んでしまう形になって申し訳ない。」ルーナがそう言うと、バルドレは笑って答えた。「謝らなくて大丈夫!やっぱりキミといるとワクワクするよ。」「あなた。子供なの?」「キミよりは大人だと思うよ!でも芸術家なんて好奇心の塊だからさっ!」ルーナは聞き流すかのように足を進める。「待ってよ。」バルドレも後を追う。「ルーナさん。どこに向かうの?」「ルーナでいい。墓石に飲み込まれた時、チラッと目に入ったのだけれど。この空間には、記憶の具現化がされていると掘っていた。」「記憶の具現化?」ルーナは頷いて、話を続
老人は語り出した。「ロシェ•カエルム様は、太古の昔。空の国を統べていた国王で御座いました。歴代の空の王でもごく一部の者にしか扱えないとされる空を操る力を持っており、空の国歴史上最強の王と謳われております。そんな王の元、空の国は平穏な日々を暮らしておられた。」ルーナとバルドレは黙って聞いている。「しかし。空の国の中には、さらなる発展を求める者もおり…。彼らは叡智を絞り、王の目の届かぬ場所で、とんでもないモノを作り上げてしもうたのです。」「とんでもないモノ?」バルドレが聞くと、老人は頷いた。「古の機械ラオム。それを取り巻く古代兵器たち。しかし古の機械ラオムは、国の発展を望んだ科学者の気持ちとは裏腹に、国を乗っ取らんと空の国へと攻め入ったのです。異空間を自在に操る古の機械ラオム率いる古代兵器軍と、空の王ロシェ様、空の王の守り人である炎の巫女との戦闘は長きに渡ったと言われております。」「異空間を操るって……





