――皇居の中央広場を目指し、比較的綺麗な車道を進んで行く。「鉄砲っ鉄砲っ」「バズーカバズーカ。……お」 途中、横転した装甲車が視界に入った。「よっせぃ」 強引にひっくり返したところに、ノエルが乗り込みエンジンがかかるか確認する。中を漁るも、流石に武器は持ち出されていた。「ノエルが運転する!」 足を目一杯伸ばし、辛うじてアクセルに届いているという体勢で、彼女はふんすと気合を入れる。「別にいいけど、それ前見えてんのか?」「ギリ」 ハンドルに空いた穴から前方確認を行えば、何とかなる……はず。 助手席に座った東条は天井をぶち抜き、上半身を外に出す。「しゅっぱーつ」「進行―」 快活な合図と共に、力強い音を立てて車が動き出した。 ――時速三十㎞ お世辞にも上手いとは言えない軌道を描きつつも、ノエルの操る車は穏やかに進んで行く。「まっすぐ走ってくれ。俺酔いやすいんだよ」「走ってる」「どこがよ」 蛇行する視界に苦情を漏らす東条は、漆黒を伸ばして道中落ちている武器の類を拾っていく。ルーフに漆黒で固定されているのは、彼が集めた銃火器の数々である。「集まった?」「まあまあだな。……ん」 手元の銃の安全バーを外した所で、後ろから何かの気配を感じた。 振り向いた直後、横の林から双頭の黒犬が飛び出す。その数二十以上。吠えながら装甲車に追走してくる。「お出ましだっ。追いつかれんぞっ」「おらおらー」 東条は両手にサブマシンガンを持ち、反転して獰猛に笑う。 ノエルはアクセルを踏み込み、初めての快感にハンドルを握りしめた。 死のカーチェイスの始まりだ。 ――時速六十㎞「ヒャハハハハッ!血祭りじゃァッ‼」「ギャンっ」「キャインっ」 途切れない銃声と共に響く、狂ったような笑い声。四方八方に鉛玉を乱射しまくる東条は、シューティングゲーム感覚で命を刈り取っていく。 しかしやはりしぶとい。ニ、三発ぶち込んだ程度じゃどいつも倒れない。 加えて、「おいおいおいっ、どんどん集まって来たぞ!」「あははははっ」 これだけ騒いで他のモンスターが集まらないわけがない。前からも後ろからも、際限なくわらわらと湧いてくる。 そしてそれを跳ね飛ばし、轢き殺し進んで行く装甲車を操る少女の目は、キマってしまっている。「ハハっ」 東条は全身を外に晒し
Terakhir Diperbarui : 2026-08-11 Baca selengkapnya