親友の小林美月(こばやし みつき)が暴行を受け、川へ身を投げて命を絶った。犯人の正体を知る唯一の人間――それが、私・逢坂遥(おおさか はるか)だった。それでも私は、その罪を隠し続けた。美月の母親は何度も何度も電話をかけ、家の前で何時間も頭を下げて真実を教えてほしいと懇願した。それでも私は、冷たい表情のまま最後までドアを開けなかった。村人たちは恩知らずだと私を罵り、家の扉を壊そうと押しかけてきた。私は犬を放ち、彼らを追い払おうとした。そして十年後、私は死の淵に立っていた。長い年月、姿を消していた親友・青木雪奈(あおき ゆきな)が、巨万の富を築いて村へ戻ってきた。彼女は、殺人事件の容疑者にしか使用が認められていない記憶抽出装置を、私に強制的に装着した。「遥、強姦魔を庇うなんて、あんたは人間のクズよ!私も美月も、あんたを親友だなんて思っていた自分たちが愚かだったわ!美月が死んでから十年――あんたはその十年間、犯人をのうのうと野放しにしてきた。今日こそ、私が開発した記憶抽出装置で、あんたが命懸けで隠し続けてきた犯人の正体を、この場で暴いてみせる!」そして、真犯人の姿が皆の前に映し出された、その瞬間――雪奈はその場に崩れ落ち、泣き崩れて立ち上がることさえできなくなった。……雪奈が私を裁くために用意した舞台は、あまりにも大掛かりだった。村中の人々が広場に集まり、辺りは立錐の余地もないほどの見物人で埋め尽くされている。記者たちはカメラを構え、生配信の映像はあらゆる配信サイトで流されていた。多臓器不全を患い、薬と栄養剤でかろうじて命をつないでいる私は、凶悪犯でもあるかのように広場の前へ引きずり出された。一人の男が突然飛びかかり、私の首を力いっぱい締め上げながら怒鳴りつける。「遥、どうして犯人をかばうんだ!このクズ!お前のせいで俺たち家族はめちゃくちゃになったんだ!なんでお前だけが生きているんだ!」首を締め上げられた私は息もできず、視界がみるみる暗く染まっていった。その瞬間、群衆の怒りが一気に爆発した。「恩知らずのクズめ!親友が暴行されたのに、犯人を知っていながら黙ってたなんて!」「親友は川に飛び込んで自殺したのに、被害者の母親が血だらけで土下座して頼んでも、あいつはドア一枚開けなかっ
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