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私に自白を強いた果て、親友が崩壊した

私に自白を強いた果て、親友が崩壊した

Von:  涼木Abgeschlossen
Sprache: Japanese
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Zusammenfassung

スカッと

女同士の助け合い

生配信

親友

強いヒロイン/強気ヒロイン

逆転

親友の小林美月(こばやし みつき)が暴行を受け、川へ身を投げて命を絶った。 犯人の正体を知る唯一の人間――それが、私・逢坂遥(おおさか はるか)だった。 それでも私は、その罪を隠し続けた。 美月の母親は何度も何度も電話をかけ、家の前で何時間も頭を下げて真実を教えてほしいと懇願した。 それでも私は、冷たい表情のまま最後までドアを開けなかった。 村人たちは恩知らずだと私を罵り、家の扉を壊そうと押しかけてきた。 私は犬を放ち、彼らを追い払おうとした。 そして十年後、私は死の淵に立っていた。 長い年月、姿を消していた親友・青木雪奈(あおき ゆきな)が、巨万の富を築いて村へ戻ってきた。 彼女は、殺人事件の容疑者にしか使用が認められていない記憶抽出装置を、私に強制的に装着した。 「遥、強姦魔を庇うなんて、あんたは人間のクズよ!私も美月も、あんたを親友だなんて思っていた自分たちが愚かだったわ! 美月が死んでから十年――あんたはその十年間、犯人をのうのうと野放しにしてきた。 今日こそ、私が開発した記憶抽出装置で、あんたが命懸けで隠し続けてきた犯人の正体を、この場で暴いてみせる!」 そして、真犯人の姿が皆の前に映し出された、その瞬間―― 雪奈はその場に崩れ落ち、泣き崩れて立ち上がることさえできなくなった。

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Kapitel 1

第1話

親友の小林美月(こばやし みつき)が暴行を受け、川へ身を投げて命を絶った。

犯人の正体を知る唯一の人間――それが、私・逢坂遥(おおさか はるか)だった。

それでも私は、その罪を隠し続けた。

美月の母親は何度も何度も電話をかけ、家の前で何時間も頭を下げて真実を教えてほしいと懇願した。

それでも私は、冷たい表情のまま最後までドアを開けなかった。

村人たちは恩知らずだと私を罵り、家の扉を壊そうと押しかけてきた。

私は犬を放ち、彼らを追い払おうとした。

そして十年後、私は死の淵に立っていた。

長い年月、姿を消していた親友・青木雪奈(あおき ゆきな)が、巨万の富を築いて村へ戻ってきた。

彼女は、殺人事件の容疑者にしか使用が認められていない記憶抽出装置を、私に強制的に装着した。

「遥、強姦魔を庇うなんて、あんたは人間のクズよ!私も美月も、あんたを親友だなんて思っていた自分たちが愚かだったわ!

美月が死んでから十年――あんたはその十年間、犯人をのうのうと野放しにしてきた。

今日こそ、私が開発した記憶抽出装置で、あんたが命懸けで隠し続けてきた犯人の正体を、この場で暴いてみせる!」

そして、真犯人の姿が皆の前に映し出された、その瞬間――

雪奈はその場に崩れ落ち、泣き崩れて立ち上がることさえできなくなった。

……

雪奈が私を裁くために用意した舞台は、あまりにも大掛かりだった。

村中の人々が広場に集まり、辺りは立錐の余地もないほどの見物人で埋め尽くされている。

記者たちはカメラを構え、生配信の映像はあらゆる配信サイトで流されていた。

多臓器不全を患い、薬と栄養剤でかろうじて命をつないでいる私は、凶悪犯でもあるかのように広場の前へ引きずり出された。

一人の男が突然飛びかかり、私の首を力いっぱい締め上げながら怒鳴りつける。

「遥、どうして犯人をかばうんだ!このクズ!お前のせいで俺たち家族はめちゃくちゃになったんだ!なんでお前だけが生きているんだ!」

首を締め上げられた私は息もできず、視界がみるみる暗く染まっていった。

その瞬間、群衆の怒りが一気に爆発した。

「恩知らずのクズめ!親友が暴行されたのに、犯人を知っていながら黙ってたなんて!」

「親友は川に飛び込んで自殺したのに、被害者の母親が血だらけで土下座して頼んでも、あいつはドア一枚開けなかったんだ!」

「それだけじゃない!犬をけしかけて人を噛ませたんだぞ!本当に胸糞が悪い!」

嵐のような罵声が、容赦なく私を飲み込んでいく。

雪奈はその傍らに立ち、眉間には深い皺を刻んでいた。

この世で美月の家族を除けば、私を最も憎んでいるのは、間違いなく雪奈だろう。

十年前――私と美月、そして雪奈は、誰よりも仲のいい親友同士だった。

だが、美月が私の家の近くの雑木林で暴行を受け、自ら命を絶って以来、私と雪奈の関係は音を立てて崩れ去った。

美月が遺した遺書には、「犯人を見たのは遥のはず」と書かれていたからだ。

その日から私は、強姦犯の共犯者として扱われるようになった。

そして実際、私は犯人をかばっていた。

雪奈がゆっくりと私の前へ歩み寄る。

その表情は氷のように冷え切り、声には一片の温もりもなかった。

「遥、これが最後のチャンスよ。今すぐ犯人の名前を言って警察に自首するなら、まだ間に合う。

でも、この記憶抽出装置が起動したら終わりよ。高周波パルスで、全身の骨を砕かれるような痛みを味わうことになる。そのあとで何を言い訳しても、もう遅いんだから」

その言葉に、私は顔を真っ青にし、必死にもがきながら叫んだ。

「ゆき、だめ!私の記憶を抽出しちゃだめ!」

雪奈は私の手を強く掴み、歯を食いしばって言い放つ。

「怖くなった?でも、もうあなたの思い通りにはさせないわよ!私は絶対に、美月のために正義を取り戻す!」

私は涙を流しながら懇願した。

「ゆき、お願いだから聞いて。私の記憶を公開しないで……あんたは後悔するの!」

雪奈は鼻で笑い、血走った目で私に顔を寄せた。

「後悔?私が一番後悔してるのは、あなたなんかと親友になったことよ!」

二人のボディーガードがすぐさま私を鉄製の椅子へ拘束し、冷たい金属の枷が手足を固く固定した。

必死に抵抗してもむなしく、私は力ずくで押さえつけられ、氷のように冷たいヘルメットを頭に被せられる。

次の瞬間、無数の針が頭皮を貫き、脳へと突き刺さっていくような感覚が全身を走った。

あまりの激痛に私は全身を痙攣させ、絶え間なく悲鳴を上げる。

魂まで引き裂かれるような苦しみだった。

それでも、眼下の群衆の怒りは収まらない。口々に私への呪詛が浴びせられる。

「何が親友だ!悪魔の手先じゃないか!地獄へ落ちろ、このクズ女!」

やがて巨大スクリーンに、私の記憶が次々と映し出され始めた。

最初に映し出されたのは、美月が亡くなって三日後の記憶だった。

私は通夜の会場の前へ引きずり出され、誰もが口を揃えて犯人の名を言えと責め立てていた。

彼らは私に唾を吐きかけ、石を投げつける。

腕は強く掴まれ、髪は乱暴に引っ張られ、無残に振り乱されていた。

無数の拳が容赦なく私へ振り下ろされ、顔は腫れ上がり、全身は傷だらけになっていた。

私は恐怖に駆られて会場から逃げ出したが、その背後からは怒り狂った村人たちが追いかけてくる。

ふと顔を上げると、目の前には空を焦がすような業火が燃え盛っていた。

激昂した村人たちによって、私の家に火が放たれていたのだ。

私はただ、その場に立ち尽くすことしかできなかった。

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Rezensionen

雨降る雪降る
雨降る雪降る
現代版の魔女狩りだな。
2026-07-23 16:30:12
1
0
蘇枋美郷
蘇枋美郷
クズ親のせいで、何の関係もなかった若い主人公の女の子人に全てを背負わせて、犯人や家族は遠くへ逃げるなんてズルすぎない?10年だよ? 友情を大事にしていた主人公の最期が切なすぎでしょ…(涙)
2026-07-24 12:08:26
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松坂 美枝
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なんつーモンを読ませるのか(泣) 雪奈の母親もなんで主人公の生活の面倒を見なかったの? とんでもない両親のせいで無実の主人公が…(泣) 後味エグい…
2026-07-23 09:53:13
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第1話
親友の小林美月(こばやし みつき)が暴行を受け、川へ身を投げて命を絶った。犯人の正体を知る唯一の人間――それが、私・逢坂遥(おおさか はるか)だった。それでも私は、その罪を隠し続けた。美月の母親は何度も何度も電話をかけ、家の前で何時間も頭を下げて真実を教えてほしいと懇願した。それでも私は、冷たい表情のまま最後までドアを開けなかった。村人たちは恩知らずだと私を罵り、家の扉を壊そうと押しかけてきた。私は犬を放ち、彼らを追い払おうとした。そして十年後、私は死の淵に立っていた。長い年月、姿を消していた親友・青木雪奈(あおき ゆきな)が、巨万の富を築いて村へ戻ってきた。彼女は、殺人事件の容疑者にしか使用が認められていない記憶抽出装置を、私に強制的に装着した。「遥、強姦魔を庇うなんて、あんたは人間のクズよ!私も美月も、あんたを親友だなんて思っていた自分たちが愚かだったわ!美月が死んでから十年――あんたはその十年間、犯人をのうのうと野放しにしてきた。今日こそ、私が開発した記憶抽出装置で、あんたが命懸けで隠し続けてきた犯人の正体を、この場で暴いてみせる!」そして、真犯人の姿が皆の前に映し出された、その瞬間――雪奈はその場に崩れ落ち、泣き崩れて立ち上がることさえできなくなった。……雪奈が私を裁くために用意した舞台は、あまりにも大掛かりだった。村中の人々が広場に集まり、辺りは立錐の余地もないほどの見物人で埋め尽くされている。記者たちはカメラを構え、生配信の映像はあらゆる配信サイトで流されていた。多臓器不全を患い、薬と栄養剤でかろうじて命をつないでいる私は、凶悪犯でもあるかのように広場の前へ引きずり出された。一人の男が突然飛びかかり、私の首を力いっぱい締め上げながら怒鳴りつける。「遥、どうして犯人をかばうんだ!このクズ!お前のせいで俺たち家族はめちゃくちゃになったんだ!なんでお前だけが生きているんだ!」首を締め上げられた私は息もできず、視界がみるみる暗く染まっていった。その瞬間、群衆の怒りが一気に爆発した。「恩知らずのクズめ!親友が暴行されたのに、犯人を知っていながら黙ってたなんて!」「親友は川に飛び込んで自殺したのに、被害者の母親が血だらけで土下座して頼んでも、あいつはドア一枚開けなかっ
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第2話
家を失った私は、コロを連れて深い山へと逃げ込んだ。だが、それでも村人たちに見つかってしまい、コロは私を守ろうとして村人たちに殴り殺された。私はコロの首輪を抱き締め、胸が張り裂けるような思いで泣き叫んだ。あの頃の私は、両親もおらず、まだ16歳の少女だった。雪奈は巨大スクリーンに映し出された、涙で顔をぐしゃぐしゃにして泣く私を見つめ、冷笑を浮かべた。「遥、こんな結末になったのは、自業自得だとは思わないの?あなたが犯人をかばわなければ、みんなだってこんな酷いことはしなかった。それでも自分が被害者だなんて言うつもり?この世界で一番同情される資格がないのは、あなたよ!犯人をかくまった犯罪者!全部、自分で招いた結果じゃない!」その言葉に、周囲の群衆も一斉に声を荒らげた。「ほんと図々しい女だな!よくも自分がかわいそうなんて言えるもんだ!」「こんな悲惨な過去を見せて同情でも買うつもりか?笑わせるな!犯罪者をかばった時点で共犯も同然だ!地獄へ落ちろ!」「どの面下げて悲劇のヒロインぶってるんだ?美月の家族は崩壊して、娘は死に、母親は正気を失ったんだぞ!あの人たちより不幸な人間がどこにいる!」その時、不意に巨大スクリーンから少女の弾むような笑い声が響いた。「美月!待ってよ、速すぎるってば!」画面には、まだあどけなさの残る美月の笑顔が映し出されていた。一面の銀世界が広がる雪山で、美月は満面の笑みを浮かべながら私のほうへ駆けてくる。「えいっ!」そう言って、彼女は楽しそうに雪玉を私へ投げつけた。「美月……!」美月の父・小林浩一(こばやし こういち)は号泣しながらスクリーンへ駆け寄った。画面の中で花が咲くように笑う娘の姿を見つめ、その場で声を上げて泣き崩れる。十年前、美月が命を絶ってからというもの、それまで明るく朗らかだった彼は、一夜にして白髪交じりになってしまった。それ以来、彼は一日も欠かさず警察署へ通い、「犯人は捕まったのか」と問い続けてきた。だが、返ってくるのは、警察官が力なく首を横に振る姿ばかりだった。あの頃、この村には防犯カメラなどなく、私の家も人里離れた一軒家だった。あの夜、一体誰が美月の後をつけていたのか――誰にも分からなかった。そして、その真実を知る唯一の人間が、私だった。
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第3話
私は呆然としたまま家へ戻り、部屋の隅にうずくまると、声を上げて泣き崩れた。「あああっ――」何度も何度も、自分の胸を叩く。親友を失った悲しみは、胸を引き裂かれるほど耐え難いものだった。一方、裁きの壇上で拘束された私は、固く目を閉じたまま、大粒の涙をこぼし続けていた。スピーカーからは、ひび割れたような私の叫び声が響き渡る。「美月……!どうして、どうして自殺なんかしたの……!」涙は止まることなくあふれ続け、私は果てしない苦しみの底へ沈んでいった。あまりにも悲痛なその姿に、会場中がざわめく。「どういうことだ……?」「なんであんなに悲しんでるんだ?どうしてあいつが……」その空気を切り裂くように、浩一が怒鳴った。「偽善者の涙だ!」彼は歯を食いしばり、怒りを押し殺すように言葉を吐き出す。「あの時、妻は何度も何度もあいつの家に電話をかけた!玄関先で何時間も頭を下げて頼み続けたんだ!それなのに、あいつは最後までドア一つ開けようとしなかった!それどころか、犬までけしかけて追い払おうとしたんだ!そんな奴がまともな人間なわけがあるか!美月はあいつの幼なじみだったんだぞ!亡くなった親友の母親に、あいつはそんな血も涙もない仕打ちをしたんだ!」ちょうどその時、美月の母親・小林綾子(こばやし あやこ)が、ぼろぼろになった人形を抱きしめながら会場へ姿を現した。髪は乱れ、焦点の合わない目で、うわ言のように同じ言葉を繰り返している。「美月……いい子ね。美月、怖くないわよ……」そのあまりにも痛ましい姿に、会場の怒りは再び燃え上がった。雪奈の表情は険しく、顔色は青ざめたり紅潮したりと、激しく揺れ動いていた。やがて彼女は私の前まで駆け寄ると、両肩を力いっぱいつかみ、血走った目で怒鳴りつけた。「遥、ちゃんと見なさい!これが、あなたが犯罪者をかばったせいで起きた悲劇よ!親を亡くしたあなたを、私と美月はかわいそうだと思って……七歳でひとりぼっちになったあなたを放っておけなくて、ずっと支えてきたのに!それなのに、あなたは私たちを裏切ったのよ!」そう吐き捨てると、雪奈は怒りに任せて腕を振り上げ、私の頬を思いきり平手打ちした。「まだ同情を買おうっていうの!?美月を死に追いやったのは、あなたよ!こんなお涙頂戴の記憶を見せ
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第4話
「社長……この子、システムに抵抗しています……あの記憶だけは、どうしても抽出されたくないみたいです……!」「何ですって?抽出を拒んでる?」雪奈は目を見開き、鋭く冷たい視線を私へ向けた。そして机を勢いよく叩き、声を張り上げる。「遥!こんな状況になってまで、まだ無駄な抵抗を続けるつもり?すべてを捨てて、命まで懸けて守る価値がある相手って、一体誰なのよ!ただの強姦魔じゃない!」十年前も、雪奈は同じように私を激しく問い詰めた。美月の遺書が公開された日から、私は村中の非難を浴びる存在になった。誰もが私を取り囲み、犯人は誰なのかと問い詰めた。最初は「遥が犯人をかばうはずがない」と信じていた雪奈も、動揺し、疑い始めるまで一日とかからなかった。私がコロを連れて洞窟へ身を隠していたことを知っていたのは、雪奈ただ一人だった。コロが殴り殺されたあの日、私は必死に命乞いをした。それでも雪奈は木の棒を手に取り、私の頭を力いっぱい殴りつけた。流れ出た血が、あっという間に視界を真っ赤に染め上げる。雪奈は血走った目で私を睨みつけ、叫んだ。「遥!私たち、小さい頃からずっと一緒だったじゃない!私たちはあなたを親友だと思ってたのに、あなたは私たちを何だと思ってたの!強姦魔なんかのために、一番大切な友達を見捨てるなんて!」あの夜、私は村人たちに殴り殺されかけた。気を失った雪奈は母親に連れ帰られ、その二日後、青木家は県外へ引っ越していった。それ以来、二度とこの村へ戻ることはなかった。そして今もなお、雪奈の瞳は氷のように冷たく、まっすぐ私を見据えている。彼女は手を振り上げ、冷酷な声で命じた。「抽出レベルをもっと上げなさい!真実を暴くまでは絶対に止めない!」誠はためらいながら口を開いた。「ですが社長……彼女の体力はもう限界です。本人の拒絶反応も非常に強く、このまま抽出レベルを上げれば……命が持ちません!」雪奈は鼻で笑った。その声には、冷たい嘲りしかなかった。「命が持たない?私が何年も研究を続けてきたのは、あの年の真実を暴くためよ!この女がどうなろうと知ったことじゃないわ!こんなクズ、生きている価値なんてない!」そう言い放つと、誠は震える手でパラメーターをさらに引き上げた。装置の駆動音が一気に高まり
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第5話
「見て!事件現場だ!」「まさか……ついに真相が明らかになるのか!」群衆のあちこちから、驚きの声が次々と上がった。雪奈は勢いよく振り返り、スクリーンを食い入るように見つめる。……雨の降りしきる夜の林は、不気味な静けさと得体の知れない恐ろしさに包まれていた。私は傘を差し、怯えた声で叫ぶ。「誰……?そこにいるのは誰?」だが、返事はない。聞こえてくるのは、激しい雨が容赦なく傘を打ちつける音だけだった。その時、耳をつんざくような雷鳴が轟き、一つの黒い影が目の前をサッと横切った。私は恐怖のあまり、その場にへたり込んでしまう。そして黒い影は、一瞬で闇の中へと消えていった。雪奈の瞳孔が大きく収縮する。理性を失いかけた彼女は、烈火のごとく誠へ詰め寄った。「顔は!?どうして後ろ姿しか映ってないの!?なんで顔が見えないのよ!」誠は慌てて操作盤を何度も調整し、映像を拡大しようと試みた。しかし、スクリーンに映る映像は依然としてぼやけたままで、雨に濡れた後ろ姿しか確認できなかった。誠は額にびっしりと冷や汗を浮かべ、苦しそうに声を絞り出す。「社長……おそらく、この記憶の中で遥さんは犯人の顔を正面から見ていなかったんです。だからシステムが抽出できたのも、この後ろ姿だけだったのだと思われます……」雪奈はビクリと肩を震わせた。だが次の瞬間には、鋭い声で言い返した。「そんなはずない!後ろ姿しか見ていないなんて信じられない!美月の遺書には、はっきり書いてあったのよ。遥は犯人が誰なのか知っているって!」彼女の視線は激しく揺れ、呼吸は乱れ、顔色も青ざめたり紅潮したりと目まぐるしく変化していた。私へ向ける眼差しも、知らず知らずのうちに何度も揺らいでいた。だが、その迷いはすぐに理性によってねじ伏せられる。次の瞬間、彼女の目は再び氷のような冷たさを帯び、見開かれた瞳で私を鋭く睨みつけた。「こいつが何か細工をしたに違いない。私たちに犯人の顔を見せないように、またあの記憶を隠したのよ!遥、まだ抵抗する気なのね!いいわ、望むところよ。今日こそ思い知らせてあげる。もう逃げ場なんてどこにもないってことを!」そう言うなり、雪奈は操作盤へ駆け寄り、誠の制止を振り切って、再び強引に記憶抽出レベルを引き上げた。
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第6話
「遥、一体何を言いたいの!私の父が死んだ場面を見せつければ、私の傷をえぐって反撃できるとでも思ったの?言っておくけど、そんなこと絶対に無理よ!私のお父さんは、この世で一番立派な父親だった。県からも表彰された優秀な教師で、教え子だって大勢いたの。それに比べてあなたは?父親は泥棒、母親は気が狂っていた。そしてあなた自身も、冷酷で身勝手な、人の心を持たない最低の女よ!」雪奈は罵詈雑言を浴びせ続けた。胸の奥に溜め込んできた憎しみを、ありったけの毒のような言葉に変えて吐き出しているかのようだった。私はただ椅子に座ったまま、胸の奥を鈍くえぐられるような痛みに耐えていた。涙だけが、音もなく頬を伝って落ちていく。その時だった。スクリーンに、新たな映像が映し出された。群衆から驚きの声が上がる。「お、おい……あれは!」「あの服……強姦魔が着ていた服じゃないか!」その映像を目にした瞬間、雪奈はその場で倒れそうになるほど顔色を失った。映っていたのは、雪奈の母・青木夢乃(あおき ゆめの)が、亡き夫の遺品である服を持ち出し、母娘二人で焼こうとしている場面だった。画面の中で、父の服を見つめた雪奈は、一瞬で目を真っ赤にした。「お父さんの服……こんなにボロボロになっちゃって……」夢乃は涙を流しながら、いたたまれず顔を背けた。雪奈は嗚咽を漏らしながらその服を胸に抱きしめ、顔を押し当てる。溢れた涙が、色褪せた布を静かに濡らしていく。「私、大人になったら、お父さんに新しい服をいっぱい買ってあげるって約束してたのに……でも、もう二度と着てもらえないんだね……」そう言うと、雪奈は全身を震わせ、胸が張り裂けるような声で泣き崩れた。そして次の瞬間、震える両手でその服を燃え盛る炎の中へ放り投げた。炎は一瞬で布を飲み込み、赤々と燃え上がる火が、涙でぐしゃぐしゃになった雪奈の顔を照らし出していた。そこで映像が唐突に止まる。だが、審判台の上の雪奈は青ざめたまま微動だにせず、信じられないという表情で、画面に映るその服を凝視していた。「そんな……違う……そんなはずない……絶対にあり得ない……!」雪奈は無意識に後ずさりし、荒い息をつきながら震える声で叫ぶ。「お父さんの服が……どうして、あの強姦魔の服とまったく同じなの……?違う…
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第7話
雪奈は呆然と口を開けたまま、何をどう説明すればいいのか分からず、ただ立ち尽くしていた。次の瞬間、雪奈は美月の両親を乱暴に突き飛ばし、私のもとへ駆け寄ると、胸ぐらを掴んで狂ったように叫んだ。「遥!ちゃんと説明してよ!」額には青筋が浮かび、その姿は今にも心が壊れてしまいそうだった。「みんなに言って!犯人はお父さんじゃないって!お父さんはあんなに優しくて、立派な人だったのよ!強姦魔なんかのはずがないじゃない!」だが、どれだけ雪奈に激しく揺さぶられても、私は何一つ答えることができなかった。雪奈は今度は誠へ詰め寄り、記憶抽出に間違いがあるのではないかと食ってかかった。しかし誠は、抽出された記憶はすべて事実であり、捏造される可能性は一切ないと、はっきり言い切った。その言葉を聞いた雪奈は大きく身体を震わせ、今にもその場へ崩れ落ちそうになった。彼女は怒りに任せて私の身体から装置を乱暴に引きはがすと、必死に私を揺さぶり続けた。「早く目を覚まして!遥、死んだふりなんてやめて!ちゃんと説明してよ!私を騙そうとしてるんでしょう?私に復讐したいだけなんでしょう!」雪奈が今にも正気を失いそうになった、その時だった。夢乃が会場へ姿を現した。「ゆき……」夢乃は目いっぱい涙をため、この世の終わりのような表情で口を開いた。「遥は嘘なんてついていないわ。あの記憶は……全部、本当のことなの。あなたのお父さんが……犯人だったのよ」その瞬間、会場は水を打ったような静けさに包まれた。雪奈は呆然と立ち尽くし、震える声を絞り出す。「お母さん……何を言ってるの?お父さんが犯人だなんて……そんなはずないじゃない……」信じられない――そう訴えるような瞳からは、抑えきれない涙が次々とこぼれ落ちていた。夢乃は一歩、また一歩と私のもとへ歩み寄る。やせ細り、見る影もなく衰えた私の姿を目にした途端、その目は真っ赤に潤んだ。そして静かに身をかがめ、私へ深々と頭を下げると、震える声で言った。「遥……本当に、ごめんなさい」私は目を閉じたままだった。それでも涙はあふれ、喉の奥が詰まり、何一つ言葉にならない。本当は、こう伝えたかった。――夢乃さん……もう、私……限界なんだ。その光景を見た群衆は、一気にどよめいた。「嘘だろ……本
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第8話
雪奈は完全に取り乱し、かつての冷静沈着な敏腕経営者の面影は、もはやどこにもなかった。「そんな……あり得ない!どうしてこんなことになるの!?お父さんは……美月が死んだ翌日に、崖から落ちて事故で亡くなったはずでしょう!どうしてお父さんが美月を襲うなんてことをするのよ!美月が私の親友だったこと、お父さんだって知っていたのに!」夢乃は静かに目を閉じ、あふれる涙を止めることもできないまま、言葉では言い尽くせない苦しみをにじませて口を開いた。「お父さんの死は……事故じゃなかったの。罪に耐えきれなくなって、自ら命を絶ったのよ」その一言に、会場は再び騒然となる。「あの日、あの人は友達とお酒を飲んで、ひどく酔っていたわ。家へ帰る途中、遥の家へ向かっていた美月と偶然出会ったの。二人は一緒に歩いていたんだけど……どういうわけか、あの人は一瞬の出来心に負けてしまって……美月を……」そこまで話したところで、夢乃は恥と後悔に押し潰され、もう顔を上げることができなかった。そして、その場で美月の両親の前へ崩れ落ちるようにひざまずき、涙ながらに訴えた。「浩一さん、綾子さん……本当に申し訳ありませんでした!あの人が、取り返しのつかないことをしてしまって……!あの日以来、修一はずっと自分を責め続け、深く後悔していました。恐怖と混乱で、あなたたちにも、美月にも、どんな顔をして会えばいいのか分からなくなってしまったんです。どうしても美月に謝りたかった。許してほしかった。でも……学校で美月に会ったあと、まさか彼女が川へ身を投げてしまうなんて……あの人も思っていなかったんです」そこまで言うと、夢乃はとうとう言葉を失い、その場で泣き崩れた。彼女は美月の両親へ何度も何度も土下座を繰り返し、ひたすら許しを請い続けた。「浩一さん、綾子さん、本当にごめんなさい!どうか、どうか私たちを許してください!修一は、自分が美月を死に追いやってしまったと知って、自分の罪の重さに耐えられなくなって……だから崖から身を投げて、自ら命を絶ったんです」雪奈の顔から、みるみる血の気が引いていく。「お父さんは……足を滑らせて崖から落ちたんじゃ、なかったの?」夢乃は静かに首を横へ振った。「真実が世間に知られるのが怖くて……事故だったと、私が嘘をついたの」そ
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第9話
修一は美月の前にひざまずき、声を上げて泣きながら必死に許しを請うていた。「美月ちゃん、本当に申し訳なかった。どうか、おじさんを許してくれないか。あの日、俺は……ほんの一瞬、魔が差したんだ。ひどく酔っていて、本当に……わざとじゃなかったんだ。お願いだ、誰にも言わないでくれ……頼む……」美月は全身を小刻みに震わせ、真っ青な顔で涙を止めどなく流していた。両手で耳を強く塞ぎ、悲鳴を上げながら、その場から逃げ出していく。――これこそが、私が命を懸けて守り続けてきた真実だった。あの日、木陰に身を潜めていた私は、あまりにも残酷な現実を目の当たりにし、頭の中が真っ白になった。鋭い刃で胸をえぐられるような痛みが、心を貫いた。どうすればいいのか分からず、その場に立ち尽くすことしかできなかった。追いかけようとも思った。でも、その時の美月に私が姿を見せれば、彼女をさらに追い詰めてしまうのではないか――そんな恐怖が足を止めた。今の私は必死に駆け出し、美月の名前を何度も叫ぶ。けれど、過去は変えられない。どれだけ叫んでも、私の声は美月には届かなかった。彼女に言いたかった――美月、お願いだから、早まらないで。美月、私たちがいるじゃない。美月、生きて。お願いだから、生きて……この十年間、私は一日たりとも後悔しなかった日はない。あの日、真実を知った直後、どうしてすぐに美月のもとへ駆けつけなかったのか。彼女を刺激することばかり恐れ、自分の弱さが、結果として美月を孤独と絶望の淵へ追いやってしまったことに、その時の私は気づけなかった。もしあの時、私が最後まで美月のそばにいて、必死に追いかけていたら、美月は死なずに済んだのだろうか。私たちは、昔のようにずっと三人で笑っていられたのだろうか。けれど、もう何もかも手遅れだった。美月は死に、私にはもう友達はいなくなった。――その日の午後、私は魂が抜けたようにぼんやりとし、大きすぎる衝撃から立ち直れずにいた。放課後、校門の前で、雪奈が笑顔で手を振りながら、無邪気に声をかけてきた。「遥、美月を見なかった?なんで一人で先に帰っちゃったんだろうね」その屈託のない笑顔を見た瞬間、胸が締めつけられ、言葉が喉に詰まった。何を、どう話せばいいのか分からない。
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第10話
青木グループの株価は暴落し、世間では雪奈を非難する声が渦巻いていた。しかし雪奈には、そんなことを気にかける余裕など微塵もなかった。強烈な罪悪感が、彼女の心を焼き尽くさんばかりに苛んでいたからだ。雪奈は美月の両親のもとへ行き、何度も頭を下げ、土下座して謝罪した。だが、美月の両親は彼女を血がにじむほど打ち据え、そのまま家の外へ追い出した。それでも雪奈は来る日も来る日も涙に暮れ、自分の罪を償うことだけを考え続けていた。彼女は記者会見で父親の罪を公表し、自らの全財産を美月の両親へ譲り渡した。その後、雪奈は病院へ駆け込み、どうか私を助けてほしいと医師に必死で懇願した。しかし医師は、どうすることもできないと静かに告げた。私はすでに多臓器不全に陥っており、さらに記憶抽出による回復不能なダメージまで重なっている。このままでは、一時間ももたないだろう、と。その言葉を聞いた瞬間、雪奈はその場に崩れ落ち、ドサリと私の前にひざまずいた。「遥……ごめんなさい。本当にごめんなさい!私、何も知らなかった……ずっとあなたを誤解してた。全部、私が悪かったの。あんなに長い間、一番近くにいた友達だったのに……私はあなたを信じられなかった」雪奈は私の手を強く握り締めた。彼女の涙が私の手の甲にぽたぽたと落ちる。その温もりが、胸の奥をそっと締めつけた。雪奈は半狂乱になって泣き叫ぶ。「あなたが犯人なんか庇うはずないじゃない!そんなことをする人じゃないって、どうして私は信じられなかったの。全部……私のためだったんだね。私を守るために、ずっと一人で背負ってくれていたんだね」私の意識は少しずつ遠のき、目の前の景色もゆっくりとかすんでいく。何か返事をしたかった。でも喉は何かに締めつけられたようで、声は一つも出なかった。ただ、雪奈の泣き声だけが、かすかに耳へ届いていた。胸の奥には冷たい悲しみが広がっていた。それでも同時に、言葉にできないほど穏やかで温かな気持ちもあった。私はこの秘密を、十年間守り続けた。それが正しかったのか、間違っていたのか。本当に意味のあることだったのか。今でも答えは分からなかった。私は幼い頃から、身寄りのない子だった。あの暗闇のような毎日を、一緒に歩いてくれたのは美月と雪奈だった。私にとって
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