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私に自白を強いた果て、親友が崩壊した
私に自白を強いた果て、親友が崩壊した
作者: 涼木

第1話

作者: 涼木
親友の小林美月(こばやし みつき)が暴行を受け、川へ身を投げて命を絶った。

犯人の正体を知る唯一の人間――それが、私・逢坂遥(おおさか はるか)だった。

それでも私は、その罪を隠し続けた。

美月の母親は何度も何度も電話をかけ、家の前で何時間も頭を下げて真実を教えてほしいと懇願した。

それでも私は、冷たい表情のまま最後までドアを開けなかった。

村人たちは恩知らずだと私を罵り、家の扉を壊そうと押しかけてきた。

私は犬を放ち、彼らを追い払おうとした。

そして十年後、私は死の淵に立っていた。

長い年月、姿を消していた親友・青木雪奈(あおき ゆきな)が、巨万の富を築いて村へ戻ってきた。

彼女は、殺人事件の容疑者にしか使用が認められていない記憶抽出装置を、私に強制的に装着した。

「遥、強姦魔を庇うなんて、あんたは人間のクズよ!私も美月も、あんたを親友だなんて思っていた自分たちが愚かだったわ!

美月が死んでから十年――あんたはその十年間、犯人をのうのうと野放しにしてきた。

今日こそ、私が開発した記憶抽出装置で、あんたが命懸けで隠し続けてきた犯人の正体を、この場で暴いてみせる!」

そして、真犯人の姿が皆の前に映し出された、その瞬間――

雪奈はその場に崩れ落ち、泣き崩れて立ち上がることさえできなくなった。

……

雪奈が私を裁くために用意した舞台は、あまりにも大掛かりだった。

村中の人々が広場に集まり、辺りは立錐の余地もないほどの見物人で埋め尽くされている。

記者たちはカメラを構え、生配信の映像はあらゆる配信サイトで流されていた。

多臓器不全を患い、薬と栄養剤でかろうじて命をつないでいる私は、凶悪犯でもあるかのように広場の前へ引きずり出された。

一人の男が突然飛びかかり、私の首を力いっぱい締め上げながら怒鳴りつける。

「遥、どうして犯人をかばうんだ!このクズ!お前のせいで俺たち家族はめちゃくちゃになったんだ!なんでお前だけが生きているんだ!」

首を締め上げられた私は息もできず、視界がみるみる暗く染まっていった。

その瞬間、群衆の怒りが一気に爆発した。

「恩知らずのクズめ!親友が暴行されたのに、犯人を知っていながら黙ってたなんて!」

「親友は川に飛び込んで自殺したのに、被害者の母親が血だらけで土下座して頼んでも、あいつはドア一枚開けなかったんだ!」

「それだけじゃない!犬をけしかけて人を噛ませたんだぞ!本当に胸糞が悪い!」

嵐のような罵声が、容赦なく私を飲み込んでいく。

雪奈はその傍らに立ち、眉間には深い皺を刻んでいた。

この世で美月の家族を除けば、私を最も憎んでいるのは、間違いなく雪奈だろう。

十年前――私と美月、そして雪奈は、誰よりも仲のいい親友同士だった。

だが、美月が私の家の近くの雑木林で暴行を受け、自ら命を絶って以来、私と雪奈の関係は音を立てて崩れ去った。

美月が遺した遺書には、「犯人を見たのは遥のはず」と書かれていたからだ。

その日から私は、強姦犯の共犯者として扱われるようになった。

そして実際、私は犯人をかばっていた。

雪奈がゆっくりと私の前へ歩み寄る。

その表情は氷のように冷え切り、声には一片の温もりもなかった。

「遥、これが最後のチャンスよ。今すぐ犯人の名前を言って警察に自首するなら、まだ間に合う。

でも、この記憶抽出装置が起動したら終わりよ。高周波パルスで、全身の骨を砕かれるような痛みを味わうことになる。そのあとで何を言い訳しても、もう遅いんだから」

その言葉に、私は顔を真っ青にし、必死にもがきながら叫んだ。

「ゆき、だめ!私の記憶を抽出しちゃだめ!」

雪奈は私の手を強く掴み、歯を食いしばって言い放つ。

「怖くなった?でも、もうあなたの思い通りにはさせないわよ!私は絶対に、美月のために正義を取り戻す!」

私は涙を流しながら懇願した。

「ゆき、お願いだから聞いて。私の記憶を公開しないで……あんたは後悔するの!」

雪奈は鼻で笑い、血走った目で私に顔を寄せた。

「後悔?私が一番後悔してるのは、あなたなんかと親友になったことよ!」

二人のボディーガードがすぐさま私を鉄製の椅子へ拘束し、冷たい金属の枷が手足を固く固定した。

必死に抵抗してもむなしく、私は力ずくで押さえつけられ、氷のように冷たいヘルメットを頭に被せられる。

次の瞬間、無数の針が頭皮を貫き、脳へと突き刺さっていくような感覚が全身を走った。

あまりの激痛に私は全身を痙攣させ、絶え間なく悲鳴を上げる。

魂まで引き裂かれるような苦しみだった。

それでも、眼下の群衆の怒りは収まらない。口々に私への呪詛が浴びせられる。

「何が親友だ!悪魔の手先じゃないか!地獄へ落ちろ、このクズ女!」

やがて巨大スクリーンに、私の記憶が次々と映し出され始めた。

最初に映し出されたのは、美月が亡くなって三日後の記憶だった。

私は通夜の会場の前へ引きずり出され、誰もが口を揃えて犯人の名を言えと責め立てていた。

彼らは私に唾を吐きかけ、石を投げつける。

腕は強く掴まれ、髪は乱暴に引っ張られ、無残に振り乱されていた。

無数の拳が容赦なく私へ振り下ろされ、顔は腫れ上がり、全身は傷だらけになっていた。

私は恐怖に駆られて会場から逃げ出したが、その背後からは怒り狂った村人たちが追いかけてくる。

ふと顔を上げると、目の前には空を焦がすような業火が燃え盛っていた。

激昂した村人たちによって、私の家に火が放たれていたのだ。

私はただ、その場に立ち尽くすことしかできなかった。

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