莉乃の落ち着かない視線が、ようやく自分のスマホへ戻った。ニュースを更新した途端、息を呑んだ。わずか10分の間に、状況は一変していた。航平は、自分が投稿した2本の動画を削除している。そればかりか、紗和に公の場で謝罪し、話はすべて自分のでっち上げだったと認めていた。かつて紗和に交際を申し込み、拒絶されたことを恨み、腹いせに中傷した。動画で語った出来事も、すべて自分が作り上げたものだという。続いて、提携していた配信プラットフォームやゲーム会社、広告主も、相次いで契約解除を発表した。30を超える拡散系アカウントも、法的措置を取られると知るなり次々と投稿を削除し、無期限の活動休止を表明している。そして1分前、航平のアカウントから、画像を加工した過程と元の写真まで公開された。最後には、送金記録を含むメッセージのやり取りまで投稿されている。ある人物から金を受け取り、紗和を中傷するよう依頼されていたこと。そしてその依頼人こそ、かつて紗和の結婚生活に割り込んだ不倫相手だったことが書かれていた。何年にもわたって紗和の夫から金銭的な援助を受け、妊娠をきっかけに妻の座を奪ったあとも、なお元妻を陥れようとしていたという。航平は投稿の中で、自分は愚かなことをしたと何度も謝罪し、すべて不倫相手にそそのかされたのだと訴えていた。一時の気の迷いだったから、どうか各社には許してほしい。高額な違約金などとても払えないとも書いている。最新の投稿まで読み終えた莉乃は、あまりの衝撃にその場から動けなくなった。航平に電話をかけたが、呼び出し音が鳴る前に切られた。同窓生のグループチャットでも、紗和に謝ろうとする者が相次いでいた。噂を鵜呑みにするべきではなかったと反省し、紗和をメンションしようとする者もいた。だがそこで初めて、紗和がそもそもグループに入っていないことに気づいた。莉乃が顔を上げると、怜央は険しい目でこちらを見ていた。じっと莉乃を見据えている。そのときになってようやく、莉乃は怜央もすべて読んだのだと悟った。航平を金で雇い、陰で紗和を貶めるための中傷を広めさせたことが、すべて明るみに出ている。莉乃の胸に恐怖が広がった。すぐに涙を浮かべ、怜央に抱きつく。「怜央くん、許して。わざとじゃなかったの……」最後ま
Read more